あらすじ
植民地獲得のために地球から派遣されてきた宇宙船はすてきな惑星を占領することができた。温和な気候、豊富な食料、従順な住民たち、200歳の平均寿命――疲れた地球人のための保養地として申し分なかった。しかし、喜びもつかの間、おそるべき事実が……無気味なイロニーのあふれる表題作など、奔放なアイデアと洒脱なエスプリでスマートに描くショート・ショートの傑作35編。
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こんなにも前に書かれた本なのに現代とリンクしてる部分があって、数十年前の気持ちで紡がれた言葉が一切古く感じなくて凄い。これが星新一か、凄い。近未来的な話だけじゃなくて時々少し怖いお話もあって好き
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展開や結末が全て違っていて、何が起こるだろうというドキドキがずっと続く。こんなにアイデアがあるのが本当に凄い。
ショートショートなので読みやすく、皮肉たっぷりの星新一が書く物語が大好きです。
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星新一のショートショート集の第五作目。短いがキレ味の鋭い、意外な結末の物語が35編収録されている。特に「繁栄の花」と「運の悪い男」が印象に残った。前者は最後の一行で驚く、後者は結末に皮肉が効いている作品である。
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お気に入りフレーズ:『窓』- 機会というものは虹に似ている。いつ現れるともしれず、また、望んだからといって現れてくれるものでもない。
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昭和36年頃に執筆した作品とのこと。
本書は、遠い遠い太陽系にある地球とかいう星の住人に化けて、生活実態の調査を行ったアルファ博士がまとめた報告書らしい。
読めばわかるとおり、地球という星の住民は、雑然としていて、あきれるほど統一がなく、浮ついていて、あきっぽいようだ。
令和7年になって読んでも違和感がないのは、地球とかいう星の住民の実態が60年間ほとんど変化がないからなのだろう。
星新一さんのアイデアの豊富さには感心するが、その源は本をたくさん読んで知識の断片を増やすことで、
断片を組み合わせることで新鮮なアイデアを生みだしている。
断片が、幽霊、催眠術、動物園、だと「幽霊と催眠術」「催眠術と動物園」「動物園と幽霊」のような組み合わせができる。
こうしてできたアイデアを、意外な結末を持った話に仕上げる、という作業でショートショートを作り上げているらしい。
時代の古さを感じにくいのは、作品に当時の時事や風俗を扱わないから。
そして時代を感じさせる物の名前がほとんど出てこない。
おそらく使っていい単語を決めているのだと思う。
ほとんどの物が、流行の服、小さな装置、強力な武器、といった言い回しになる。
人の名前も「エヌ氏」に代表される。
以前に、主人公の名前が出てきたので珍しいと思ったら、同姓同名の人物と遭遇する話だったことがある。
本書でも具体的な名前として「山崎和彦」が登場した。
これは、名前に関するオチがある、と思ったのだが何もなかった(不思議??)。
表題作の「宇宙のあいさつ」は、世代が進むにつれて寿命が縮む病気がテーマ。
一代ごとに一割くらい寿命が縮む。
かつては欲望の塊だった人類は、強力な武器を開発し、他人の土地を奪い続けていた。
しかし、未来がないと分かった今では無気力になり戦争もしなくなった。
もう一つ面白かったのが20頁を超える「治療」という話。
その星では「劣等感」という病気が蔓延していた。
平和につきものの病気で、優秀な能力を身につける競争が激化した末の状態だった。
ある時、これを治す機械が発明される。
この機械を使って平均より上と分かった人は病気から解放された。
だが、平均以上と分かると安心し向上心がなくなり努力をやめるようになってしまった。
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人生で初めてショートショートを読みました。
どれも短いのにあっと驚く展開となっていて全35編飽きがきませんでした。現実性は全く無いのにでてくる人間が人間臭くて物語に惹き込まれました!
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中学生の頃に星新一さんの本に出会い、夢中になって、お小遣いで少しずつ買っていたのを覚えている。今読んでも面白い。宇宙の男たちという話がとてもいい。
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本全体を一言で表すなら「人間心理の詰め合わせ」
子供の頃に読んでいたのを思い出して大人になった今再読。まずさ聖書に似てるなと思った。5分くらいで読める話が豊富に収録されていて、どれも人間に対する気づきと皮肉が効いている。現代社会を題材とした聖書みたいな感じだろうか。
子供の頃はただのSF本だったけど、大人になると意味が変わる。そんな部類の典型的な本だと思う。
世にも奇妙な物語みたいな話がたくさん載ってるいて、宇宙探索とか宇宙調査の話が多い。
お話に出てくる人は、ちょっと傲慢で自分を過信してる人が多い気がする。自分の能力に絶対の自信を持ってるというか。そしてそれが裏切られる話が多い気がする。上には上がいる的な話。やや昭和を感じる人物像が多い印象。
「あとがき」がおもしろかった。この本自体の後書きでもあり、一つのお話でもあり、人間に対する考察のようにも思える。メタ的で現実的でお話的。
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面白かった〜!どれも星新一らしさ、近未来の設定とかそこに混じる無邪気な残酷さやディストピア感、文字にしなくても漂う読者含む人間への皮肉な視線に溢れていて、すごい。それらが全部知ってる材料だと思うのに、決してキャラクターが意味の分からないやり取りをしているようには思えない(設定は現実と違っても、もしそういう設定だったらそういう行動もとりそうだなあと思える、しかも子供が読んでいて理解できないような行動はとらない)のに、ひとつひとつ、読んでいる心地よさは同じ種類のように思えるのに、全部違う美味しさに毎回びっくりするから、すごい。どうなってるんだ……。プレミアムカバーで可愛いし、結構分厚くてたくさん入ってるし、本棚に置いておこうかな。解説まで含めて面白いうえに勉強にもなる一冊でした。
この前インターステラー見たのもあるかもだけど「宇宙の男たち」が好きだったな。「その夜」も詩のようで素敵。
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久々に星新一のショートショートを読んだ。
移動時間のちょっとした時間に読むのに最適。
言葉と言葉の組み合わせは経験してのみ生み出される、のような記述。
今はランダムに単語を組み合わせるアプリもあって、それでできたランダムな言葉の組み合わせを題材にショートショートを考えるのも面白そうじゃないかな。
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印象に残った編
・宇宙のあいさつ
表題作。のっけからホラーだよね?こんな取り返しのつかないオープニングで大丈夫かと心配になる怖さ。他の編にもあるけど欲張りの調子コキなんですよ人類。
・繁栄の花
「生態系保全」という概念が存在する今ならメール星の思惑とは違うことになるかも。いやいや、やっぱどっかから闇へ流れて気づくと同じ結果になってるかも。しかし相手の選択肢を潰しきってから取引を始めるえげつなくてクレバーなやり方って、米企業とかよくやってるよね。上手さに唸る。
・治療
劣等感ってのは「世の平均」より、手の届く範囲の「内輪」での方が根深いと思うんだけどなーと。いつもテストで95点でも「お兄ちゃんは満点しかとったことがないのにねぇ」とか毎度言われたら泣くわ。「背が高すぎる」「低すぎる」てな感じに「平均でない」ことが劣等感てなこともあるし。おそらくこの機械は世に出ても不発だろう、と珍しく乗れなかった一作。
・小さくて大きな事故
発表当時から数十年後の今も、タイムリーな題材だなぁと。何でもちょっとづつ上がる上がる。しかし今回は完全犯罪だったものの、郵便物って料金不足でも受取人払いで届けてくれる時とくれない時とあるのは何でだろうね??
・奇妙な社員
時代の労働観が透ける話。書類整理で社員待遇とか今じゃあり得んけど、昔は何でも紙ベースだったし派遣制度もなかったんよね多分〜。いいじゃん別荘。給料分は働いてくれるなら、とも思うんだけど勿体ない。
総評
タイトルに合わせたのか、宇宙ものが多め。短くて読みやすく中断しやすく、それでいてひねりが効いて上手い。しかしユルい挿絵と裏腹にエグいというか人間不信になりそうな話も多い。待たされる仕事のお供にちょうどいいのでまた他のも読もうと思う。
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数年振りに再読しました。何回読んでもおもしろいし、読む度に発見があります。
敢えて世界観を抑えるというか、無駄な演出をしないストイックな感じも好きです。
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地球はだれもがいがみ合っているときいて、クリスマスイブちきゅうをせいふくしにきた宇宙人が地球人をみると、みんないがみあっていなかった所がおもしろい。
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星新一の本自体を読むのは初めてなのですが
小学校の時の国語の試験やら問題集やらで読んだりしたことがあり
昔からとっても好きな作家でした。
今回初めてまとまった量の作品を読み
流石に全部が全部良作とは思えませんでしたが
7割くらいの作品は話に引き込まれて読みながら
あれこれと考えることになりました。
この本に載っている作品は全て昭和30年代に書かれた
ものだそうですが古臭さは全く感じさせなかったです。
特に好きだったのは「治療」ですかね。
劣等感という多くの人が抱える悩みを病気として捉え
治療するための装置を開発するという視点が面白いです。
実はこの本を買ったきっかけは小学生の時に塾(日能研)の
テキストにあったとても好きだった作品を探すという裏の目的も
あったのですがこの本には収録されていませんでした。
1000篇を超える作品から探すのは大変ですがこれからも
読んでいきたいと思います。
Posted by ブクログ
宇宙一の科学力を持っていると驕れる人類が、他の星の生命体からぎゃふんといわされる話など、SF仕立のショートショートが多い。
エヌ氏、アール星といった普遍性を持たせる星作品独特の言い回しも満載。
星新一の批判精神に根差したどんでん返しの結末の切れ味が冴え渡る。
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宇宙のあいさつ
願望
貴重な研究
小さくて大きな事故
危機
ジャックと豆の木
気まぐれな星
対策
宇宙の男たち
悪人と善良な市民
不景気
リンゴ
解決
その夜
初夢
羽衣
期待
反応
治療
タイムボックス
景品
窓
適当な方法
運の悪い男
贈り主
タバコ
初雪
救助
繁栄の花
泉
美の神
ひとりじめ
奇妙な社員
砂漠の星で
夜の流れ
あとがき
著者よりひとこと
解説:百目鬼恭三郎
カット:和田誠
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26冊目『宇宙のあいさつ』(星新一 著、1977年3月 発行、2003年5月 改版、新潮社)
ショート・ショートの名手による短編集。単行本は1963年に発行。SFをメインにしながら、ホラーやサスペンスなど様々なジャンルの物語が35編収録されている。
ひとつひとつは瞬く間に読み終わってしまう掌編小説でありながら、そのいずれにもアッと驚くようなオチがついており読者を飽きさせない。60年以上前の作品でありながら、今読んでも新鮮な驚きのある一冊。
〈わたしたちが“繁栄の花“と名づけた意味がおわかりでしょう〉
Posted by ブクログ
星新一のショートショート。未来、宇宙、平和、健康等々。よく思いつくものというのとは別に、書かれたのが昭和36、7年という昔ことなのに驚かせる。話題が古いと感じるものはほとんどなく、今でも十分納得できる。落語のオチのようになるほどと思うものもある。2024.9.28
Posted by ブクログ
短編なので、パラパラと読み進めました。
個人的に印象に残ったのは、
・小さくて大きな事故
・対策
・悪人と善良な市民
・運の悪い男
あんまり宇宙に関係ない話のがしっくりきたかも。
Posted by ブクログ
オチが読めないところがおもしろかった。
短編ばかりなのでサクサク読めた。通勤・通学時間で読むのにちょうど良い。
今、星新一さんの別作品(非SF)を読みながら、この人はSF作品で特に光ると感じている。
Posted by ブクログ
星さん、やはりたまに、へぇと思うオチがあるけど、全般的には、もう、ちょっと飽きてきたかな。長年ぶりに、何冊か再読してるんだけど。
悪は最終的には滅びる、的な流れはまぁ一緒だしね。シニカルな感じも(作者が同じなので当たり前だが)似てるし。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
植民地獲得に地球からやって来た宇宙船が占領した惑星は気候温暖、食糧豊富、保養地として申し分なかったが……。表題作等35編。
【感想】