あらすじ
植民地獲得のために地球から派遣されてきた宇宙船はすてきな惑星を占領することができた。温和な気候、豊富な食料、従順な住民たち、200歳の平均寿命――疲れた地球人のための保養地として申し分なかった。しかし、喜びもつかの間、おそるべき事実が……無気味なイロニーのあふれる表題作など、奔放なアイデアと洒脱なエスプリでスマートに描くショート・ショートの傑作35編。
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Posted by ブクログ
初のショートショート。
甘味も辛味も酸味も苦味も、色んな味の詰まった満足感のある1冊でした。
それにしても世界観が独特で、どことなく頭の中で想像するイメージはどれも白黒のものが多かった気がします。
繁栄の花の話は違うけれど。
あと、あとがきが良すぎる。
「まったく雑念としていて、あきれるほど統一がない。浮ついていて、あきっぽく、気まぐれでもある。それでいて、独断的だ。頭がからっぽのくせに、時どき、つまらないことで自己満足におちいり、とくいげに鼻をうごめかす。鼻もちならない態度であり、たちまち鼻についてくる。」
ぜひとも辞書の「人間」といところに記載しておいていただきたい。
Posted by ブクログ
好みの話ばかりで嬉しい。
あっという間に読めた。
人間を一歩引いて皮肉ってる感じと、美化されないのがいい。と思ったら解説読んで納得。
リアリズムの拒否。人間不信、虚無の先のSF。
その後を追う一読者の自分もまた現実逃避の読書にSFを多く選んでいて、刺さってる。
治療(結局は他者と比べての自己肯定感。劣等感があっての成長。最後のオチもええなぁ)
気まぐれな星(人間の優しさと愚かさ)
解決(設定おもろ)
景品(物を手に入れる価値観)
運の悪い男(好きなやつです)
初雪(SF戦争の先)
美の神(ラスト最高)
奇妙な社員(爆笑)
が好き
Posted by ブクログ
粗暴な若さと老いの諦観の話。
p. 27幼い少年は艦長を見あげた。その顔には、若者に対していだく羨望と嫉妬のまざりあった老人に特有の表情が......。
Posted by ブクログ
お気に入りフレーズ:『窓』- 機会というものは虹に似ている。いつ現れるともしれず、また、望んだからといって現れてくれるものでもない。
Posted by ブクログ
印象に残った編
・宇宙のあいさつ
表題作。のっけからホラーだよね?こんな取り返しのつかないオープニングで大丈夫かと心配になる怖さ。他の編にもあるけど欲張りの調子コキなんですよ人類。
・繁栄の花
「生態系保全」という概念が存在する今ならメール星の思惑とは違うことになるかも。いやいや、やっぱどっかから闇へ流れて気づくと同じ結果になってるかも。しかし相手の選択肢を潰しきってから取引を始めるえげつなくてクレバーなやり方って、米企業とかよくやってるよね。上手さに唸る。
・治療
劣等感ってのは「世の平均」より、手の届く範囲の「内輪」での方が根深いと思うんだけどなーと。いつもテストで95点でも「お兄ちゃんは満点しかとったことがないのにねぇ」とか毎度言われたら泣くわ。「背が高すぎる」「低すぎる」てな感じに「平均でない」ことが劣等感てなこともあるし。おそらくこの機械は世に出ても不発だろう、と珍しく乗れなかった一作。
・小さくて大きな事故
発表当時から数十年後の今も、タイムリーな題材だなぁと。何でもちょっとづつ上がる上がる。しかし今回は完全犯罪だったものの、郵便物って料金不足でも受取人払いで届けてくれる時とくれない時とあるのは何でだろうね??
・奇妙な社員
時代の労働観が透ける話。書類整理で社員待遇とか今じゃあり得んけど、昔は何でも紙ベースだったし派遣制度もなかったんよね多分〜。いいじゃん別荘。給料分は働いてくれるなら、とも思うんだけど勿体ない。
総評
タイトルに合わせたのか、宇宙ものが多め。短くて読みやすく中断しやすく、それでいてひねりが効いて上手い。しかしユルい挿絵と裏腹にエグいというか人間不信になりそうな話も多い。待たされる仕事のお供にちょうどいいのでまた他のも読もうと思う。