星新一のレビュー一覧
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神の声を聞いたノアは大きな船を作り始めるが、その様子を近隣の人たちに知られて大騒動になる「大洪水」や、一枚のカードが人付き合いを助けてくれる「ナンバー・クラブ」など、今読んでも楽しいショートショート28編収録。
SFにハマってから読む星新一の安心感はもはや異常(笑)これこれ!こういうのが読みたいんだよーっていうのがぎっしり詰まっている。
星さんのショートショート集、なんだかんだで10冊以上読んでるんだけど驚くほど同じ話がない。毎回新鮮な驚きがある。すごい。
この本には特に、今でいう→
マイナンバー関連を思い出させるお話もあるし(しかもブラックユーモアだからオチにゾクリとする)ほんと、色褪せない。すごい。
まだまだ未読の作品があるのが幸せすぎる。ゆっくり楽しんでいこう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大人も子どもも楽しめるショートショート。人類は発明は得意だけど、それを使うことはあまり上手くないのかもしれない。「スピード時代」、「おみやげ」が印象的。「ネコ」、「はなとひみつ」も好きだった。
「スピード時代」
植物の成長を速める粉が開発される。果物も種を植えてから3時間で実がなるが、たくさん食べてもすぐお腹が空いてしまう。お腹の中でもスピードが衰えなかったというオチ。
果物はもがれた瞬間に完全に活動が停止するわけじゃなく、収穫後も呼吸していて、内部では代謝が続く。バナナやアボカドみたいに収穫後に熟す果物もある。
栄養の供給が断たれてからは成長というより成熟や老化に近い形で、大きくなる方向ではなく分解へ向かう。
分解まで含めて"生"なのか?と思ったし、この果物も成長だけが加速したのではなく生命の過程そのものが高速化したらしい。
そしてこんなことは無粋だけど、効率を善として追い求める現代社会のことを考えた。
タイパ重視で、スマホですぐに欲しい情報が手に入り、ファスト映画なんてものが話題になる時代。無駄を省いて必要な情報だけを効率よく得ることは悪いことじゃない。
でもじっくり向き合って考える時間。迷う時間。問いを立てたり調べたり、その過程で世界が広がること。答えが出ないまま据え置いたものが、内側で他の事象と結びつくこと。人の内面でゆっくり静かに豊かに育つもの。
そういうものまで圧縮してしまうと、結局は空洞のままなのではないか。
結果を得ることは異様に速くなった一方で、血肉として身につけることはむしろ難しくなっていて、作中の果物のように、摂取量は増えているのに飢餓感が残るようなことがあるのかも。 -
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ネタバレ
初のショートショート。
甘味も辛味も酸味も苦味も、色んな味の詰まった満足感のある1冊でした。
それにしても世界観が独特で、どことなく頭の中で想像するイメージはどれも白黒のものが多かった気がします。
繁栄の花の話は違うけれど。
あと、あとがきが良すぎる。
「まったく雑念としていて、あきれるほど統一がない。浮ついていて、あきっぽく、気まぐれでもある。それでいて、独断的だ。頭がからっぽのくせに、時どき、つまらないことで自己満足におちいり、とくいげに鼻をうごめかす。鼻もちならない態度であり、たちまち鼻についてくる。」
ぜひとも辞書の「人間」といところに記載しておいていただきたい。
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ショートショートを何編か書いたことがあるけど、ショートショートを何編か書いたことありますって星先生の前では言えませんね。なので私はこれ以上その話は何も言いません。それくらいおしろかった。
特に面白かったのは、熱中、ある夜の物語、やさしい人柄の3つ。それ以外にももちろん面白い話はいっぱいあった。童話の世界観に急に現れる警察やスナック。無双するキリギリス。後世に「幸せでした」しか言い伝えてもらえてないシンデレラなど。発想力も書き上げる力もすごいなと思う。
読んでて腹立つくらい間延びして長くておもんない話もあったけど、よく考えたら30ページしかなくて他の短くておもろすぎる話に飼い慣らされ過ぎてた。再読する時はもう読まなくていいので星は5。 -
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SF作品ハマったならやはり星新一先生でしよ!!
正直、最近は掌編小説とかショートショートが読めなかったんです。
昔は短くて読みやすい、と思っていたのですが、最近はあまりにも1ページ1ページで設定がガラッと変わると頭の中の整理が追いつかず、主人公にさっきまで共感していたのに、次のページではまた共感のしなおしで今度の主人公は別に好きになれないとか、次から次へと設定が出てきて把握するのに脳のリソースがさかれてサクサクなんて読めなかったりしたんです。
それと違って長編小説はじっくりゆっくりひと言ひと言で主人公やその周りのキャラクターの背景が見えてきて面白くて、めっきり長編好きになっておりました。
しかし!!!星新一先生のこの「きまぐれロボット」はもうサクサク!!!ビスケットよりサクサク!設定も難しいものが無いから?どれもこれも不思議な発明や謎の生き物が巻き起こすサッパリとした起承転結。
キャラクターひとりひとりが特徴的なわけではなく、なんというか皮肉がきいてるスカッと物語だったりオチが美しかったり。ゴクゴク飲めるスポーツドリンクかって感じのショートショート。最高でした。さすがです。 -
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ネタバレ好みの話ばかりで嬉しい。
あっという間に読めた。
人間を一歩引いて皮肉ってる感じと、美化されないのがいい。と思ったら解説読んで納得。
リアリズムの拒否。人間不信、虚無の先のSF。
その後を追う一読者の自分もまた現実逃避の読書にSFを多く選んでいて、刺さってる。
治療(結局は他者と比べての自己肯定感。劣等感があっての成長。最後のオチもええなぁ)
気まぐれな星(人間の優しさと愚かさ)
解決(設定おもろ)
景品(物を手に入れる価値観)
運の悪い男(好きなやつです)
初雪(SF戦争の先)
美の神(ラスト最高)
奇妙な社員(爆笑)
が好き -
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ネタバレメロン・マンションの様々な住民たちが各話登場する短編集。電話を通して心音を聞いてもらったりと、医者に診てもらえるサービスはとても便利で羨ましい。電話のボタンを押すだけで料金の支払いもできる。
そんな中、全部知っている謎の男が時折登場する。
他の人の感想でも、1970年にこの本が書かれていることが驚きだという声が多い。この電話サービスは、今ではインターネットとして利用できる。(医療サービスは微妙なところだが)昨今、個人情報の取り扱いが問題になっており、70年の時点でそこに注目しているのが凄い。
特にノアの子供たちでは、電話で顧客情報でも明日の予定でも行った店でもゲームの勝敗でもなんでも記録し、必要な時に呼び出したり、追加料金でその記録を分析して相手へどのような返事をしたらよいかという内容も作成してくれる。現代のインターネット、AIではないか。
夜の事件
→犯罪予測の電話
おしゃべり
→秘密の権利
家庭
→盗聴R-58
ノアの子供たち
→情報銀行
亡霊
→死んだ男からの電話
ある願望
→願いをかなえてやるぞ
重要な仕事
→停電、データ収集
反射
→催眠療法、ネタバレ
反抗者たち
→対策、始末
ある一日
→楽しい混線、混乱
ある仮定
→エネルギーの支配、文明論
四季の終り
→総集編、無を支配
コンピュータの作る安泰 -
Posted by ブクログ
ネタバレ地球から来た男は以前に読んだかもしれない。
もてなし、ある種の刺激、包みが特に好き。
包みのアイディアは実用的である。
地球から来た男
→どこかの星へ飛ばされたが…
夜の迷路
→くすくす笑いの友人
改善
→次がどうなるか知っている
もてなし
→ブルギさんじゃありませんか
ある種の刺激
→ツボ
あと五十日
→カウントダウンとその準備
包み
→画家の個性
密会
→ねごと通話
住む人
→死んだことになった老人
はやる店
→逆中夢
ゲーム
→3つの願いごと
戦士
→休暇届を出して宇宙人と戦う
来客たち
→死んだのはあっちだと主張する2人
疑問
→黒魔術のテレポート
向上
→三歩病
ある日を境に
→福の神の転職・天職
能力
→身体の機能を失う度に能力開花 -
Posted by ブクログ
ネタバレノックの音がした。
遠い星から誰かが扉を叩く音がした。
全て冒頭文が「ノックの音がした」で始まるショートショート集。
短い中にどれもが二転三転していきどんでん返しが待っている。
ただ読んでいるだけでも楽しいが、展開を予想しながら読むのが楽しい一冊だった。
おそらく、毎日少しずつ読むのが最も楽しいと思われる。
最後に収録されていた「人形」の、このままうまく終わるわけがないだろう、つまりそういうことは…と後戻りできなさに気が付いた瞬間が面白かった。
オチの予想できる作品を読んだとき、そもそもこういったフォーマットを築いていったのが星新一であると思うと、たくさんのものを残した方なのだと感じた。
以前に、星新一の作品は何年も先まで読めるように社会情勢に左右される部分は描写しないと聞いた。
具体的には、金を描写する際に金額を書かず、大金として描写するということである。
実際、読んでいた中で気温の描写(急に高まった暑さ)とはあっても何月とは書かれていなかったり、実際お金をやり取りする際に「高額紙幣を3枚」と書かれていたりと具体的な描写がなく、話には聞いていたが実際にそれを体験できて興味深かった。
一方、やけに女性が出るときにばかり若さや美しさの描写があり気になったが、そもそも1985年の作品のため、時代ということで消化しました。