星新一のレビュー一覧
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竹取物語は星新一の現代語訳がいいですよ!!
と国語の先生に教えていただいて、
とても楽しみに読んだ1冊。
しかもKADOKAWAつばさ文庫。
小学校高学年からおすすめできそう、、、!
最後にきちんと現文がついているのもいいし、
星新一さんの挟まれまくる解説がとても面白くて、退屈せずに読み切れる。解説だけでなく本文からも訳者の力の入れ方が伝わってきて、思わず微笑ましくなる。
5人の求婚者のエピソード、
1人1人が終わる度に「さて、この人もダメでしたか。いいところまでいったのにね。」みたいな解説がはいるの、めちゃくちゃ可愛らしいし楽しかった。
大人なら小一時間で読み切れるボリューム。
物語の -
Posted by ブクログ
星新一作品、特にショートショートは
たくさん読んできたつもりだったのに、
まだ未読の作品と会えて、嬉しい。
「盗賊会社」、盗みを専門にする会社だけれど、
ここまで組織を用意周到にしたら、
成功間違いなし!、実際の何らかの会社経営に活かせられるのでは?
「時の人」
コガメと浦島太郎の気持ちがわかるなぁ〜。僕にも「竜宮城」が欲しい 笑。
その世界は「メモリー」に求めるとするか 笑。
「黒い棒」
これ、だいぶ以前に書かれたのになぁ。。この酋長のボギとトランプ氏のイメージが重なることに、今の国際情勢の危うさを思う。。
「打ち出の小槌」
奇跡の力をなんのために、どのように使っていくのか? 今、 -
Posted by ブクログ
昭和の時代に書かれたSFショートショートなのにまったく古さを感じさせない。星新一さんが今の時代に生きて今の時代に書いたSFみたいな錯覚を感じた。この方はひょっとしたらほんとうにタイムスリップをしたりテレポートしたりする能力を持っていたのではないのですか!?いや絶対そうに違いない!
私が好きなのは「包み」。ある青年が置いていったある包みにイマジネーションを誘発されて、次々と傑作を生み出していく画家のストーリー。この包みは画家にとっては結果としてはギフトととなるのだけど、置いていった青年本人にどうってことない品だったという。人生にはそういうことが結構あったりするのかもしれないですよね?
「向上」は -
Posted by ブクログ
筒井康隆、小松左京ときたら、星新一も並べて置こうと思ってエントリーしました。『ボッコちゃん』と迷ったけど、こっちに。
暴力を抑圧することが暴力的なんだ、とまとめてしまうと単純ですが、星新一にかかれば切れ味鋭いショートショートになります。着想とかプロット自体に真新しさはないんですが、人間の本質をついてる感じがするんですよね。書けそうで書けない、というのが星新一流ショートショート。
ちなみに余談ですが、著作権を管理してる娘さんが他人の作品にいちゃもんつけてパクリだなんだと騒いでいたのは星新一の名に泥を塗る行為だと思いました。古い話ですけど。 -
Posted by ブクログ
70年代に書かれた小説だが、作中の「声の網」とはいわばインターネットであり、その予見力は凄まじい。本格は連作短編集の形式を取っているが、一本一本の短編は、いつものショート・ショートに見られる切れ味の鋭さはなく、どれも茫洋とした結末を迎える。だがその背後で進行する徹底した管理社会への変貌と、それによる影響を受けながらも日常の風景が変わらない様は非常に恐ろしいものを感じる。各々の秘密が価値を持ち、受信する側だけでなく発信する側に回りたいという感覚はネット社会の今だとかなりのリアリティを感じる。ネットのインフラや公平性、それに対する依存などをしっかり描き切ったSFの名作である。
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Posted by ブクログ
ネタバレめちゃくちゃ面白かった。途中までは、ひとの噂話とか秘密とか勝手に話題にするようなことはダメだよなといった教えのことかなと漠然と思っていたのだけど、途中から、電話とコンピューターのテクノロジーと人との共存が課題だったり、もしかしたら未来はAIが人格を持ち、人間が反対に支配されるのでは?って予測の話とわかった途端、衝撃だった。当時は電話とコンピュータだったで話は進んでるけど、現代でいう完璧にSNS、インターネット、予知機能、情報社会の到来を予測されている。もうびっくりぽん。文章も漢字とひらがなのバランスがよくって読みやすく。ぐいぐい引き込まれた。