星新一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ショートショートの作家が1967年から連載していたものを編集。アメリカのヒトコマ漫画を題材に、ブラックユーモアと捻りを効かせまくった数々のシチュエーションを描いてみせるエッセイのような作品集。
ショートショートの極みか。1つの題材に対し、短いものは2行程度でネタを完結させ、次々と書きまくっている。時折「これでは普通すぎる」「1回使ったら終わりのネタ」など自己分析も交えるのがエッセイらしくて面白い。最近バラエティで見かける「この絵から一言」的な企画はこの本から着想を得たのかと思えてきてしまう。
60年近く前の作品なのに、古さを全く感じさせない。題材が「手術」「強盗」「動物」「浮気」「宇宙人」など、時事ネタや技術の発展なととはあまり関係なく普遍的なものを扱っているからか。「進化した猿たち」とは象徴的な上手い表現だ。世の中が変わっても、進化しても、根本は変わらないということか。 -
Posted by ブクログ
星新一さんの本は何冊も愛蔵しているけど、これは未読だったので購入して読んでみた。
この作品は『ノックの音がした。』という一文からすべての話が始まり、部屋の中で物語が完結する15の短編集で、この特徴的な構成にまず惹かれた!!
毎回どんなオチだろうとハラハラし、たまに予想が当たる事もあるけれど、大抵は読者の期待を超えてくる結末なのでシンプルに面白い。
内容もかなり異色で、彼の作品に本来あるはずのSF要素(宇宙・異星人との接触や、未来の科学技術、新薬、ロボットなど)が無いので途中から不安になったけど、サスペンスやホラー、ミステリーなどジャンルが多彩で楽しめた。
一見合理的な行動が思わぬ破滅を招いたり、人間の欲望や思い込みが裏目に出たり…と、だいたいろくな結果にならない点は、星新一らしさ全開で素晴らしかった!! -
Posted by ブクログ
超短編はやはり読みやすい。
同じ冒頭から始まる様々な物語。
ノックの音と共に、自分の部屋に突然入ってくる見知らぬ女。
突然と下着姿になり、シャワーを浴び、キスを迫る。
美しい彼女は誰なのか。
何もやる気が起きず、ただ横になっている男の元にノックの音が鳴り響く。もちろん出る元気などない。
しばらくしてから、ナイフを持った男が窓から入ってきた。男は自らを「泥棒」と言った。
泥棒などもう怖くない。生きる気力などないからだ。でもその「泥棒」に人生を変えられることになる。
以上を含む「ノックの音がした」から始まる15の短編。
そのノックで来るのは、一体誰なのか。 -
Posted by ブクログ
本書の前に「午後の恐竜」「白い服の男」と1作品20ページほどのショートショートを続けて読んだ。
星新一さんの1作品20ページは長い。
隙間時間や暇つぶしに軽い気持ちで読みたいのだ。
本書は、1作品6ページくらいなので、これが星新一という感じ。
内容と言えば、50年前に書かれた近未来のSF。
人間は働かず、ロボットだけが働く社会。
その他、科学技術の発展で人間が楽できる(はずだった)社会。
現在、ロボットに関しては人間の姿そのままでないにせよ、多くの製造現場に入り込み、もはやロボットなしの社会は考えられない。
生成AIを誰でも使えるようになった今、ニュースの原稿作成だけでなく人間の声で読み上げたり、映像付きということも可能になっている。
今日の社会ではスマホがないと生活がままならない人がいるだろう。
そんな人がある日スマホをなくしてしまう。
買い物もできない、電車にも乗れない、連絡もできない。
その他どんな不便な状況に陥るのか。
便利さの陰に潜む問題をいろいろと考えさせられるショートショート集でした。 -
Posted by ブクログ
星新一のショートショートは小学生の時分に何度も読み返していたが、大人になってから読んでみると、当時とは違った見え方になっていた。
短いストーリーの中にたくさんの彩られた表現がある。結末が一つの面白さではあるが、ただあらすじだけを抜き出してしまうと、星新一の作品の持つ魅力は失われてしまう。ショートショートで、文学作品であるべき理由が確かに存在している。
幼少期に読んでいたときと感想は違っていたが、それでも、感じる魅力は変わっていない。便利なロボット、不思議な薬、夢を持つ青年、金持ちの老人。登場するすべてに心がときめき、次々と姿を変えて現れる世界に飛び込まされる。
特に印象に残ったのは『友情の杯』だった。昔は感じなかった思いが静かに溢れた。