星新一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1976年初版の、ブラックユーモアに溢れるショートショートを11編集めた短編集。
星新一さんの短編集をしっかり読むのは初めて。
読んでいる途中で巻末から初版の年を確認し、約50年前に書かれている作品であることに驚かされた。
書かれた当時の時代を感じさせるような描写は、セリフのやたら古めかしい口調と現代ではあまり使われない固有名詞(易者など)くらい。
物語自体の設定や展開、テーマ等は現代の作品で描かれても違和感のないようなものばかりで、改めて星さんの凄さを感じた。
特に、現代にも通ずるような風刺の効いた展開のショートショートが好みだった。
全体的に読みやすく、他の短編集も読んでみたいと思った。 -
Posted by ブクログ
友達が貸してくれたよー!!!
初の星新一作品、こういう感じなんだー!!
ショートショート盛り沢山で読みやすいし、当たり前だけど1つ1つの話がすぐ終わるから読んでて飽きるとかなくていいね〜。
でも星新一はこういう作風なの?皮肉というかなんかあぁ〜…みたいなのが多くて、わかるよぉって感じでした〜。
てか星新一の頭の中がすごい。こんなお話をめちゃくちゃたくさんしかもこの作品に収録されてないものもあるんだと思うとどうなってんだろうと思った!!
【以下ネタバレ含むそれぞれへの感想】
《霧の星で》こいつやばすぎるー
《水音》「ビンは捨てたよ。もう、おまえの飼い主じゃあないんだ。友だちだ -
Posted by ブクログ
星新一。ずいぶん昔にショートショートを何編か読んだけど、一冊読み通したのは初めて。やはりおもしろいなあ。
文章にまったく無駄がない。簡単な言葉のみで、あっと驚くお話を書いている。ふふっと笑わされるところもある。すごい。
言葉遣いや雰囲気などからは、古臭さも当然感じる(昭和43年刊行)けど、小説としてのおもしろさは、ぜんぜん損なわれていない。
イラストもいいね。
以下、収録作品。「いいわけ幸兵衛」が好きだ。
・特賞の男
・うるさい相手
・儀式
・死にたがる男
・いいわけ幸兵衛
・語らい
・調整
・夜の嵐
・刑事と称する男
・安全な味
・ちがい
・応接室
・特殊な症状
・ねむりウサギ
・趣味
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Posted by ブクログ
「無料の電話機」という話に感心した。
電話代を無料にするが、時々流れるCMを聞かなければならない。
そのCMが凄い。
相手が黙ってしまうと「補聴器」のCM
商売の儲けが少ないと言えば「経営コンサルタント」のCM
息子が結婚すると言えば「式場」のCM
といった具合に、会話の内容に応じたCMが流れる。
今のWEBと同じ仕組みを先取りしているではないか。
先日、加湿器をいろいろと検索したら、ここしばらく加湿器の広告が毎日表示される。
興味がありそうな情報を提供する仕掛けを、60年も前にタダ電話でやってのけている。
星新一のショートショートには、ロボットやコンピュータがよく出てくるが、作品が書かれ -
Posted by ブクログ
1カ月前に読んだ「きまぐれロボット」は児童向けで、1つの話が5ページほどだったが、
本書は1話10ページ程で、想定読者の年齢も中学生寄りかと思う。
星新一だから軽く読もうと思っていると、しんどさを感じる30ページの長さの話もあった。
本のタイトルにもなっている「妄想銀行」が面白かった。
妄想吸い取り装置を作った博士が妄想銀行を経営している。
手数料を取って人が持っている「妄想」を吸い取り、カプセルに封じ込めて保管する商売だ。
カプセルを飲むとその妄想に憑りつかれる。
顧客の要望に合った妄想が手に入るとそれを売ることでも儲けられる。
博士は自由に妄想カプセルを使うことができる。
ある時博士 -
Posted by ブクログ
「コビト」怖い。「お待ち下さい」はファーストコンタクトものとして秀逸ではないか。「進歩」「番号をどうぞ」「はい」などもいろいろ考えさせられる。
以下、収録作品一覧
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コビト
古びた旅館で
怪盗X
塔
にこやかな男
お待ち下さい
拳銃の感触
異変
愛の作用
成熟
はじまり
遠距離通勤時代
爆発
うちの子に限って
極秘の室
第一部第一課長
代償
新しい装置
かくれ家
感謝の日々
妙な幽霊
流行の病気
進歩
依頼主
番号をどうぞ
気の毒な症状
ある建物
犯罪の舞台
破滅の時
幸運の副産物
なわばり
くさび
お祈り
世界の終幕
帰郷の手続き
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Posted by ブクログ
本屋さん巡りの最中にプレミアムカバーの綺麗なブルーが目に入って、そういえば星新一って読んだことないなと思って購入。
全体的に皮肉めいているけどコメディ的な皮肉から切ないものまでさまざまな雰囲気の作品が楽しめる。
以下個人的にお気に入りだった話(目次順)
・天使考
…お役所仕事の天使たちって発想がまず面白いしそこから民間企業みたいになっていく過程や人間味あふれる姿がなんだか愛おしい(でも自分が死んだ時にこんな天使が迎えにきたらちょっと嫌)
・思索販売業
…オチが秀逸。
・霧の星へ
…若干胸糞悪い気がするけど退廃的な雰囲気は好き。
・開拓者たち
…家族愛と残虐性の共存、歪だけどいざ同じ状況 -
Posted by ブクログ
ネタバレ星新一といえば、登場人物の代表は「エヌ氏」
同一の人物ではなく全て別人。
「エヌ氏」は星新一作品の一割以上の130作品に登場するそうだ。
この本のタイトルに「エヌ氏」が入っているが、エフ氏やエム氏も出てくるし、「エヌ氏の遊園地」という作品もない。
星新一氏の作品は1000以上あるが、1割強しか「エヌ氏」が登場しないのは思ったより少ない。
残りの900は、「エヌ氏」以外が主人公ということになる。
調べてみようと思ったら「星新一作品登場人物索引」という本を見つけた。
読んだら別途レビューします。
さて、本書の作品も相変わらず古さを感じさせない内容が満載だ。
詐欺にあったエヌ氏が落ち込んでい