星新一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
江戸から離れたとある藩で、藩主の父親が亡くなったために藩主となった青年が、伝統に基づいて嫁を取り、参勤交代し、藩中にある借金などの問題を考える。大したことがない問題と思っていたものも、実は2代前からの積み残しであったり、思いつきで変えようとしたことは、実は先代の検討済みであったりと、簡単ではないことに気がつく。
中学時代から、手にとっては戻しを繰り返して読んでこなかった1冊。時代小説が苦手だったことと、冒頭の表題作が、どうもだらだらと要領を得ないし、会話がないので進まない印象があったからだろうと思う。
腰を落ち着けて読んでみると、表題作はいわゆる日常もので、色々やるけど実はすでにやられてる -
Posted by ブクログ
ネタバレ星新一翻訳のSF掌編小説
随所星新一や筒井康隆が影響受けたであろう話が多いが、両者と違ってわかりやすく結論が明白なオチが少なく結論を読者に委ねるような余韻を残す話が多い印象
また随所ロジカルな要素を含んだ話も多くウィットに富んだインテリな印象も見受けられる
ただしそういった部分が要因である事からか翻訳に苦労した部分もあるようで星氏が創作した作品より読みづらい箇所も多くそこが難点と言える
各作品の感想
みどりの星へ
表題に便乗してる事もあってなのか主人公は正気か狂気か曖昧な話であった
叶えられぬ夢がある故に希望を望み続けたいと思うのは狂気か正気か
ぶっそうなやつら
日本の掌編小説にもありそ -
Posted by ブクログ
著名な作家さんと知りながら、今まで読んだことだありませんでした。
バッドエンドのストーリーが多い「デラックスな拳銃」から始まり「殉教」まで42編の短編ストーリ
巻末に昭和47年に著者による解説があり、これを読むと、当時の時代や風俗を感じました。
当時は米ソの時代で核戦争の恐怖が色濃く残っていた時代。
人の残酷性や残忍性が色濃く残っていた時代。
時代と共に、矯正されてきた倫理観。
特に宇宙人から見た当時の人の愚かさなどは、現代の分断されつつある世界にも通じる所がある気がします。
分かりやすい残酷なストーリーだからこそ、普遍的な人の姿を長く語り続けているのではと思います。