星新一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
星新一さんの本は何冊も愛蔵しているけど、これは未読だったので購入して読んでみた。
この作品は『ノックの音がした。』という一文からすべての話が始まり、部屋の中で物語が完結する15の短編集で、この特徴的な構成にまず惹かれた!!
毎回どんなオチだろうとハラハラし、たまに予想が当たる事もあるけれど、大抵は読者の期待を超えてくる結末なのでシンプルに面白い。
内容もかなり異色で、彼の作品に本来あるはずのSF要素(宇宙・異星人との接触や、未来の科学技術、新薬、ロボットなど)が無いので途中から不安になったけど、サスペンスやホラー、ミステリーなどジャンルが多彩で楽しめた。
一見合理的な行動が思わぬ破滅を招いたり -
Posted by ブクログ
超短編はやはり読みやすい。
同じ冒頭から始まる様々な物語。
ノックの音と共に、自分の部屋に突然入ってくる見知らぬ女。
突然と下着姿になり、シャワーを浴び、キスを迫る。
美しい彼女は誰なのか。
何もやる気が起きず、ただ横になっている男の元にノックの音が鳴り響く。もちろん出る元気などない。
しばらくしてから、ナイフを持った男が窓から入ってきた。男は自らを「泥棒」と言った。
泥棒などもう怖くない。生きる気力などないからだ。でもその「泥棒」に人生を変えられることになる。
以上を含む「ノックの音がした」から始まる15の短編。
そのノックで来るのは、一体誰なのか。 -
Posted by ブクログ
本書の前に「午後の恐竜」「白い服の男」と1作品20ページほどのショートショートを続けて読んだ。
星新一さんの1作品20ページは長い。
隙間時間や暇つぶしに軽い気持ちで読みたいのだ。
本書は、1作品6ページくらいなので、これが星新一という感じ。
内容と言えば、50年前に書かれた近未来のSF。
人間は働かず、ロボットだけが働く社会。
その他、科学技術の発展で人間が楽できる(はずだった)社会。
現在、ロボットに関しては人間の姿そのままでないにせよ、多くの製造現場に入り込み、もはやロボットなしの社会は考えられない。
生成AIを誰でも使えるようになった今、ニュースの原稿作成だけでなく人間の声で読み上 -
Posted by ブクログ
星新一のショートショートは小学生の時分に何度も読み返していたが、大人になってから読んでみると、当時とは違った見え方になっていた。
短いストーリーの中にたくさんの彩られた表現がある。結末が一つの面白さではあるが、ただあらすじだけを抜き出してしまうと、星新一の作品の持つ魅力は失われてしまう。ショートショートで、文学作品であるべき理由が確かに存在している。
幼少期に読んでいたときと感想は違っていたが、それでも、感じる魅力は変わっていない。便利なロボット、不思議な薬、夢を持つ青年、金持ちの老人。登場するすべてに心がときめき、次々と姿を変えて現れる世界に飛び込まされる。
特に印象に残ったのは『友情の杯』