星新一のレビュー一覧
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男は目覚めると、その眼前には異様な光景が広がっていた。窓の外ではマストドンザウルスが闊歩していて、奇妙な植物が生えているのだ。触れることもできないそれは集団幻覚の類なのか、それとも一夜にして立体テレビでも開発されたのか。異様な出来事の騒ぎの果てに待っている、静かな余韻が胸を打つ。――「午後の恐竜」
老人は自殺を決行しようとしていた。かつて勇敢な兵士だった彼は、命を賭けて争うことに生きがいを感じてきたのだが、引退すると静かな生活が待っていて、そのぬるま湯のような生活に耐えられなくなったのだ。しかし遺書を書きはじめたところ、インクが切れていることに気付く。外に出ると、アパートの住人の様子がお -
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面白かった〜!どれも星新一らしさ、近未来の設定とかそこに混じる無邪気な残酷さやディストピア感、文字にしなくても漂う読者含む人間への皮肉な視線に溢れていて、すごい。それらが全部知ってる材料だと思うのに、決してキャラクターが意味の分からないやり取りをしているようには思えない(設定は現実と違っても、もしそういう設定だったらそういう行動もとりそうだなあと思える、しかも子供が読んでいて理解できないような行動はとらない)のに、ひとつひとつ、読んでいる心地よさは同じ種類のように思えるのに、全部違う美味しさに毎回びっくりするから、すごい。どうなってるんだ……。プレミアムカバーで可愛いし、結構分厚くてたくさん入
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全体を通して感じたのは星新一独特の感触だった。ショートストーリーがオムニバス形式でとんとん進んでいき、それぞれは繋がっていないものだった。ただ、同じような単語を別の話で使うことが多いような気がして、実はこの話って全部繋がってんじゃないか?って思う瞬間が何回もあって、その答えは回収されないまま全ての物語を読み終えてしまった。他の人の考察も見てみたい。星新一の口調が似てるからそう感じただけなのか。実際はよくわからない。でもそのよくわからないモヤモヤ感は各ショートストーリーを読み終わったときのモヤモヤ感と通じるところがあるかも。それはそれでいい後味。
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星新一さんの本は子供向けに編集したものも多数あり、今までに何冊も読んでいる。
だが、何を読んで何を読んでいないか分かっていない。
「星新一ショ-トショ-ト1001」で全作品が読めるが、5000ページ程あり楽しみながら読むには荷が重すぎる。
そこで、「星新一ショ-トショ-ト1001」を34冊に分けた新潮文庫で、気が向いた時に読むことにした。
「星新一ショ-トショ-ト1001」は3巻から成っているが、初期の作品が面白いらしいので、1巻目の作品はできるだけ読みたい。
1巻目の作品は、新潮文庫だと以下の13冊。
これなら1冊ずつ手にしていけば、すきま時間に気楽に読めそうだ。
◆ボッコちゃん (既 -
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フレドリック・ブラウンを星新一訳で読めるなんて幸せ。
今回も予想のつかない展開とオチが癖になる。
自分にはちょっとわかりにくい作品もあったけど、この4作品は特に好きだった。
『みどりの星へ』
第三惑星に不時着した男。数年後、ようやく念願の助けが現れる…。
こういうのがやっぱり好きだわー。
『おそるべき坊や』
オチでなるほど〜と唸ってしまった。
1番わかりやすくて楽しい。
『ノック』
地球上で最後に残った男。すると、ドアにノックの音が…。
ノックをしたのは一体誰なのか…。
『さあ、気ちがいになりなさい』
自分をナポレオンだと思い込む異常者を装い、精神病院に潜入入院するが…。
読んでるう -
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本書に掲載されているのは全て昭和36年6月以前の作品だそうです。
60年以上も昔といっても、原子爆弾は80年も前に作られているし、科学技術力は相当進んでいる。
昭和36年4月にガガーリンを乗せたソ連の宇宙船が初めて大気圏外に行った。
それから宇宙進出の競争が始まり、宇宙ものの作品依頼が増えたそうだ。
そうした時代背景もあり、宇宙船が頻繁に出てくる物語をたくさん集めたのが本書だ。
地球に来た宇宙船。
地球からよその星に行った宇宙船。
地球とは関係ない星と星の宇宙船。
宇宙を舞台にすれば何でもありの物語が作れるので、作家の腕の見せ所だ。2つだけ簡単に紹介。
【復讐】
ある日ユル星人が地球に -
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ショートショートで有名な星新一先生のめずらしい長篇作品
といっても文庫170ページくらいで、長篇というよりは今で言う連作短編集のようなつくり
しかもこれまためずらしい一人称視点
学校の帰り道にもうひとりの「ぼく」と出会った少年が次々といろんな人の夢の世界に入り込み…というストーリー
なんていうか当たり前の話すぎて恐縮なんですが、星新一先生はどこまでいっても星新一先生で、世界観というか受ける感じは全然違うんだけど、やっぱり人間というか、人生というか、生きるってこういうことなんだってところがなんとなくに込められている
「示唆に富んでいる」って書けば座りがいいんだろうけど、なんかそんなんとは -
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サリンジャーを読んでいて、さっぱり進まずわからず、もしかして星新一って同世代じゃないか?と思い調べたら、同じ時代を生きていた
フラニーとズーイがアメリカ1961発行で
きまぐれロボットは初出が1964年朝日新聞
最近星新一の新潮文庫の装丁がカワイイ系になってきたのがあるなと思っていたら、自分の本棚に登録してあった本も綺麗になっていて、嬉しいような?
持っている本は 昭和の和田誠の絵で解説は谷川俊太郎。お値段120円。皆さん若かったんだろうな。
こちらのショートショートは、朝日新聞日曜版に連載されていたものだそうです
全体的にロボットとか薬とかの発明に関するお話
挿絵も豊富で子供も読むことが