星新一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書もショートショートとしては長く、全部で10作品しかない。
星新一の20ページは馴染めない。
もっと短い5ページくらいの話が好きだ。
星新一さんの作品は、設定が面白い。
アイデアが気に入った2作品を紹介しておく。
・テレビシート加工
テレビの技術が進歩して、画面がシート状になった。
すると生活用品のすべてにシートが貼られるようになり、なんらかの画像が動いている。
壁や床、冷蔵庫や食器、シートが貼られていないものはない。
ある時、車のボディのシートに不具合が起き画像が動かなくなる。
不謹慎だということで警察に捕まってしまう。
ただ白いだけの壁や天井の独房に入れられ、画像が動かない世界のつらさを思い知らされる。
・時の渦
記憶喪失とは逆に、未来のある時点以降のことが何も予測できなくなる。
初めは占い師がある時点以降の将来予測ができなくなった。
天気予報や長期経済予測もある日以降のことが何も分からなくなった。
その日まで、あと半年、三ヵ月、一ヵ月、あと10日、あと1日。
そして当日を迎える。
誰もが何が起きるのかと不安を抱くが、何事もなく1日が過ぎる。
次の日を迎えると…
その次の日も…
どうなったのか気になる人は読んでみてください。 -
Posted by ブクログ
ネタバレショートショート全36編と、大量である。
しかし、全部で257ページしかない。
SFらしい作品もあれば、ミステリーっぽい落ち、案外しょうもない落ちのも混在である。
知的生命体を求めて長距離飛行した宇宙船の結末を描く”情熱”、本音と建前の”肩の上の秘書”、段々動かなくなる”薄暗い星で”が特にお気に入り。
合理主義者
→願いも合理的、合理的完結
調査
→正体不明の小型宇宙船
デラックスな金庫
→金庫を金庫として儲ける
天国
→win-winの死の偽装
無重力犯罪
→宇宙で火は起こせない
宇宙のキツネ
→七変化するキツネは何に化ける
誘拐
→泣かせてください
情熱
→長距離飛行した宇宙船の結末
お地蔵さまのくれたクマ
→悪い夢を食べるバク
黄金のオウム
→盗品で儲かるシステム
シンデレラ
→おとぎ話
こん
→続く言葉は
ピーターパンの島
→問題児のクラス
夢の未来へ
→タイムマシンで窃盗
肩の上の秘書
→本音と建前
殺人者さま
→知らぬ間に殺人者
ゆきとどいた生活
→全自動生活補助
愛の通信
→画面越し故に
脱出口
→妄想
もたらされた文明
→地球の役立つ道具
エル氏の最期
→完全な明るいすばらしい世界
夢の都市
→パイプ供給
サーカスの旅
→たくさんの犬と2人の人間
かわいいポーリー
→人面瘡
契約者
→この悪魔め
となりの家庭
→夫婦の秘密
もとで
→大事なもとで
追い越し
→手を握ってよ
診断
→精神異常
告白
→灰色の粉薬
交差点
→事故の瞬間の写真
薄暗い星で
→ロボットは死ぬのか
帰路
→汚染
殉職
→完全な死
相続
→金儲けの相続人
帰郷
→幻の女の子 -
Posted by ブクログ
『ピーターパンの島』
•社会不適合の子供を殺す話として読んだ。
•当初は「本当に妖精が見える子供たち」の話だと思ったが、
実際は「妖精の存在を信じ込む子供=障がいを持つ、あるいは社会不適合と見なされる存在」として描かれているように感じた。
•社会適合度が高まるにつれ、そこから外れるものを排除していく構造を描こうとしている作品だと思う。
•ただし、子供を集めて爆破するという結末は単純で悪趣味に感じた。
•それまで子供たちの純真さが丁寧に描かれていた分、その落差が強すぎる。
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『殺人者さま』
•初めての独白形式の作品。
•オチが弱いと感じた。
•「知らず知らずのうちに人を殺していたかもしれない」という読者への跳ね返りを狙っているのだろうが、インパクトが足りない。
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『肩の上の秘書』
•肩の上のオウムが、本音を社会的に無難な言葉へ翻訳してくれる設定。
•結果として、全員がコミュ障になってしまった社会が描かれる。
•十分あり得そうな未来像だと感じた。
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『もたらされた文明』
•地球の「悪(窃盗)」が他の文明にもたらされる話。
•ヨーロッパの大陸征服で病気が持ち込まれた歴史と重なる。
•悪意も文明とともに伝播する、という感覚に共感。
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『薄暗い星で』
•ロボットの墓場を描いた話。
•強い寂寥感がある。
•個人的にとても好きな作品。
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Posted by ブクログ
「星新一ショ-トショ-ト1001」という3巻から成る本がある。
その第1巻[1961ー1968]の作品を文庫本で順番に読んできたが、この「マイ国家」が第1巻の最後の作品だ。
星新一作品の1/3ほどを読んだということか。
つまらなくなってきたら読むのをやめようと思って読み進めてきたが、相変わらず面白い。
作品のタイトルをそのまま本のタイトルに使っているものが多いが、それは代表作だと思ってよい。
本書も最後の作品の「マイ国家」が日本の国家を風刺していて、よく考えられているなあと思った。
「星新一ショ-トショ-ト1001」の2巻目の最初の文庫本「午後の恐竜」を続けて読みます! -
Posted by ブクログ
今年、生誕100年らしい「ショートショートの神様」の作品は、過去に少ないが読んだことはあった。
今回はこの作品で、改めて読後の感想を書くとなると、簡単なようで難しい。
この掌篇小説集はタイトル通りロボットだけでなく、悪魔、宇宙人、薬、機械などなど、たくさん現れる。
ロボットが現れるからSFとも言えず、童話チックだからほのぼのしていると言えず。時には坊さんの説法や、寓話の超短縮版にも思える。
ショートショートという特殊な作風、その中での限界まで切り詰めた没個性と普遍性、平易すぎる文章などが、物語を純粋に表現する制約として機能している。これは古びない。
個人的には文章も楽しみたいので、ここまでガッチリとした制約の中の掌篇小説集は、休憩なしだと少し息苦しくなる。
それでも山ほどの作品を著者は生み出したので、その発想力は凄まじさを感じる。また寓話に純粋に触れたくなったら、ストーリーの雨嵐を浴びたくなったら、他作品を読んでみたいと思う。