星新一のレビュー一覧

  • 明治・父・アメリカ

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    良書。
    というより、星新一しか書けない、紡げない不思議な本だ。

    歴史を扱った本は、えてして劇的で煽情的で男らしい内容になりやすい。
    ところが彼の文体はとてもシンプルでひんやりしている。
    それがショートショートの場合は、現実と虚構のあわいにあるような、不思議な世界の構築につながっていた。

    その筆致で歴史を綴ると、極めて知的でクールな、しかし父への愛が込められた、不思議なムードが生まれてくる。
    普通の歴史ものとはまるで真逆だ。

    それで思い出した、
    星新一は森鴎外の血筋であることを。

    傑作・渋江抽斎にあるように、森鴎外は非常に冷淡に、ある種あるがままに歴史を書いた。
    そこから歴史の恐ろしさや

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    2019年02月07日
  • どこかの事件

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    ネタバレ

    評価は5に近い4ということにしていますが、タイトルにある「どこかの事件」というお話を例にしても、まず「寝言の混信」という設定が斬新(というかふつう思いつかない)。決して多くない描写で、どうすればこんなに新しくも引き込まれるストーリーが展開できるのか俺には到底理解できませんが、百聞は一見に如かずです。

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    2019年02月04日
  • 地球から来た男

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    ネタバレ

    星新一の作品をまともに読むのはこれが初めてかもしれない。
    もっとSFっぽいものを想像していたのだが、ちょっと趣が違ったのが意外だった。
    表題作等を読んで、その毒気というかブラックユーモアに、変な喩えかもしれないが『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造を想起した。
    ある種社会を風刺したそのアイロニーには小気味よく、古さを感じさせない洗練されたセンスにはさすがとしか言いようがない。

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    2019年01月27日
  • 明治・父・アメリカ

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    自身の父親を描く評伝という苦しい課題
    それゆえの面白さがあるが完全ではない
    しかし星新一の文章というだけで美味
    山田風太郎もそうだが小説でない文のほうが自分は好きかも知れない
    「教えるまでもないことだろうが、念のために処世上の注意をあげておく。粗食でもいいから十分に食え、十二分に食うな。栄養をとったら、くたびれるまで十分に働け、十二分に働くな。くたびれたら、十分に眠れ、十二分に寝るな。それで肉体の調和が保てる。脳の調和は、むだな空想にひたらないことでたもて。なにか問題にあったら、ひとつずつよく考えて検討せよ。そして、考えがまとまったら、いかなるこがあってもやりとげるのだ。悪い結果になることもあ

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    2019年01月12日
  • かぼちゃの馬車

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    ショート・ショート。短編集。
    ファンタジー・SF要素のある作品もあるが、現代社会を鋭く風刺した作品が多い。
    ラスト二行のセリフが印象的な「新しい遊び」が好き。
    表題作も完成度が高い。というか、全作品が十分に面白い。さすが星さん。

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    2018年12月15日
  • 明治・父・アメリカ

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    日本が近代化を迎えるにあたり、アメリカナイズされた青年、星一の生涯を息子の目を通したのに、なぜか客観的な明治以降の文化を克明に記したノンフィクション、読むべし!

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    2018年12月08日
  • 盗賊会社

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    盗賊会社が露見するのを恐れて小さいことしかしない社員たちが可愛いです。そのほかの話も突拍子がないものばかりですが、とても楽しんで読めました。

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    2018年11月26日
  • きまぐれロボット (角川つばさ文庫)

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    星新一は、本当にショートショートの神様だと思う‼︎

    一つ一つのお話が本当に短いから、読みやすい。
    これを読めば、ショートショート、そして星新一にハマると思う‼︎

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    2018年11月23日
  • きまぐれ博物誌・続

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    きまぐれ博物誌に続いて購入した一冊。星新一作品はどれもすごく好きだから、その著者の人生や頭の中を覗けるのはすごく貴重だと思う。看板、アメリカ一齣漫画、コンピューターと技術の進歩、教育、SF短編など著者がキーワードとしている言葉(当時のみかもしれないが)は繰り返し出てくるし、星新一本人に近づけた気がして一ファンとして面白かった。

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    2018年10月31日
  • ありふれた手法

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    宇宙人やSFは少なめで、落語や民話を想起されるものが多い「おのぞみの結末」パターン。後期作のためか、めずらしく著者本人のあとがきがある。自らの着想・執筆について語ったもので、本編に負けず劣らず興味深い。

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    2018年10月07日
  • ごたごた気流

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    星新一の、割とSF色の弱いショートショート。他のに比べてやや長めの作品が多い。

    特ダネ映像が欲しくて、事件が起こる場所を教えてくれる機械を作ってもらったテレビカメラマン。行く場所行く場所で事故、火事、ひったくりなどが起こり続ける。しかし、起こる事件はどんどんエスカレートしていって…(表題作)。

    夢が現実に出てきたり、事件が周りで起こる機械などは、まあSFではあるんだけど、架空の記述としてのSF要素は抑えめで、人間の混乱部分を描いているため、SFにアレルギーのある人でも読めるだろう。また、読者層は明らかに年齢高めに設定されており、文体なども切れのあるもの。こういう読者層に合わせて書き方(描き

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    2018年10月05日
  • 悪魔のいる天国

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    ネタバレ

    秀作

    全体的に人間の汚い部分が描かれている印象を受けた。
    合理性を求めるが故に非合理的な行動をとった学者、金を生み出す金庫、天国に行っても幸せを実感できない男など皮肉めいた一面が度々顔を出す一冊。
    大満足。

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    2018年10月17日
  • 宇宙のあいさつ

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    数年振りに再読しました。何回読んでもおもしろいし、読む度に発見があります。
    敢えて世界観を抑えるというか、無駄な演出をしないストイックな感じも好きです。

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    2018年09月18日
  • おかしな先祖

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    これが30年以上前に書かれた本とは思えない内容
    時代を感じさせない星 新一さんは優れたSF作家だと思う。
    ショートなストーリーが入っている。
    やっぱりすごいな。
    ちょっと世の中を皮肉って書いてあるところなど

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    2018年07月16日
  • 安全のカード

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    星新一作品は古本屋で見つけ次第買うようにしているので、自然と手に取った一冊。悪魔やタイムスリップ、近未来の生活などテーマに既視感を感じてくるくらいには星新一作品に触れているつもりだけど、飽きは来ない。むしろもっと読んでその鋭い視点、考え方を学びたいと強く思う。本作で気に入ったのは、"業務命令"。実際、この世の中も役に立たないことやする意味のないことで成り立っているような気がしてならないし、やはりそこに目を付けた著者がすごい。亜流が生まれないのも納得する。

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    2018年07月01日
  • ブランコのむこうで

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    星新一のショートショートではない、小説。
    章ごとに分かれた短編集の様相もあるけれど、一応最初から最後まで繋がったお話。

    終盤の彫刻家のお話が好きです。

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    2018年04月21日
  • ひとにぎりの未来

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    どんなオチが来るのかなと思いながら読むショートショートはとても楽しいものだった。特に、”自信に満ちた生活”に出てくる身上相談機の仕掛けが面白かった。

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    2018年03月22日
  • さあ、気ちがいになりなさい

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     あれ、読んだことがあるような……。
     と思って調べてみたら、単行本ですでに読んでいた(汗)。
     つまり、単行本で持っているのに改めて文庫を買ってしまったことになる。
     うーん、後書きまで一緒じゃないか……。
     こういうことがないように、こうしてネット上に読んだ本や購入した本を登録しているのに、全く活用していないなぁ。
     まぁ、仕方ないか。
     以下の感想は、単行本を読んだ時のものをそのまま引用しました。


     フレドリック・ブラウン初体験。
     星新一が影響を受けた作家の一人にあげていたが、その星新一自身が翻訳をしている。
     確かに星新一が作るようなショート・ショート・タイプの作品が多いが(星新

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    2018年01月14日
  • ご依頼の件

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    宇宙船やエイリアンが登場しない、日常に潜む不思議な世界を描いたショートショート集。ふだん何気なくスルーしている、あんなことやそんなことに、こんな裏側があったら……もしかしたら、今まさにどこかの町で起こっているかもしれない、そんな生活に隣接した読み味がある。

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    2018年01月08日
  • 白い服の男

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    気楽に読めた短編集。

    白い服の男
    セのつく行為を禁止する社会の話。映画のリベリオンとそっくりや。

    特殊大量殺人機
    完全なる殺人機を作ってしまった話。殺人機から自分を守るのは殺人機を保有する事、核の保有による均衡を想起させられる。国より遥かに小さい組織が恐ろしい兵器を保有する世界、エゴに満ちた世界になりそうで怖い。

    時の渦
    時間の流れが止まってしまった世界でのお話。その世界で人は未来がみえず、過去を深掘り追求する。時間観念の変化が人の考え方を変えてゆく。


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    2017年10月09日