星新一のレビュー一覧

  • ブランコのむこうで

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    素直な心を持ったまま、これまでの出会いを振り返ってみませんか?

    だれもがこどもの頃には素直な心を持って、身近な人に接していたと思うんです。

    でも、大人になって社会に出て、それこそいろいろな人に出会うことで、素直な心でいることは、時に自分自身が傷ついてしまうことに気づくのでしょうか。そのまま他者を受け入れることができなくなってしまうんですね。

    作中では、主人公がちょっとしたきっかけで、いろいろな人に出会い、素直な心のままに大人の世界を覗き込んでいます。

    彼と同じ目線に立って、これまでの出会いを振り返ってみるのも、悪くないかもしれませんね。

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    2020年01月12日
  • 盗賊会社

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    星新一氏による36篇のショートショート集。風変わりな近未来描写とニヤッとするスパイスの効いたオチ。あとがきの「現実感があるから非常識な物語が書ける」というのはその通り。

    星新一氏は人間らしさを喪失しつつあった昭和真っ只中の価値観への皮肉として本作を書いたが、一周回ってAIやコンピュータ花盛りの現代感覚で読むと妙に説得力ある未来予測に思えるから不思議だ。

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    2019年11月28日
  • ひとにぎりの未来

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    忘れた頃にふと手にしてしまう星新一のSFショートショート集。
    あいも変わらず登場人物はN氏がメイン、そして現在のライフスタイルを予言するかの様な鉄板ぶりの内容にホッとしてしまう。
    出版されたのは1968年。約50年前といえば
    音楽の世界ではザ・ビートルズが一世を風靡していたが、同じように忘れた頃にふと聴きたくなってしまう。そして何度も聴いたはずなのに常に新しい発見がある。この感覚は星新一のショートショートも同じであり、常に新しい発見があるのが不思議でならない。

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    2019年11月25日
  • マイ国家

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    ネタバレ

    ショートショートいろいろ。

    面白かった編
    ・「女と金と美」
    アカサギ喰いだー。クロサギにこんなのあったなーと思いながら、女が何を考えて金を盗り、男の元へ戻ったのかなあとつらつら考える。
    詐欺師から盗むから罪悪感はなかったのか。
    彼につりあうよう美しくなりたいと思ったのか。
    美貌と自由を得た後も彼を選んだのはなぜか。
    今後母親似の子供ができたらどうするのか。
    そもそも彼女は幸せなのか。
    …短いけども、業の深そうな話だなあと思う。

    ・「服を着たゾウ」
    哲学!

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    2019年11月23日
  • 声の網

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     星新一の長編作品。「声」=電話回線を通じた「網」=ネットワークの形成とコンピューターによる支配を描いた物語。
     1961年にはパケット通信の技術は理論的には知られていたし、1966年にはDARPAによるARPANET計画も始まっていた。しかし、まさにその1966年に、ネットワーク社会の未来を予見するような作品を書いてしまうのだから、やはりこの作者はただ者ではない。
     誰もがコンピューターに情報を託し、コンピューターに生活を管理してもらい、コンピューターに自分の記憶を外部化してもらう時代。そして、個人の私秘的な情報こそが商品として、権力の資源としてやりとりされる時代。最後には、まるで映画『マト

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    2019年09月07日
  • さまざまな迷路

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    ネタバレ

    40年以上前に書かれた本なのに、まったく古さを感じさせないアイディアの作品が含まれている。SFっぽいもの、ミステリーっぽいもの、ブラックユーモアっぽいものなど多様。
    「ことのおこり」はヒトラー台頭前夜の裏話でもちろんフィクションだけど、こんなのネタにしてしまっていいのか、ちょっとひやっとした。
    「ホンを求めて」は本が消滅して久しい未来を描いているが、今のところこうなる心配はなさそうな感じ。
    「三段式」は映画「インセプション」の元ネタみたい。
    「骨」は意志の力で不死になった男の話だが、肉体は滅びるのでめちゃくちゃ怖い。

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    2019年08月28日
  • 盗賊会社

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    日経日曜版連載だけあってサラリーマン向けお仕事小説色が強いショートショート集。
    中高生の頃はただブラックなオチが面白いなーっていう印象だったけど、今読むと何ていうか、あの頃の未来に僕らは立っているのかなぁ…なセンチメンタルとメランコリックが混ざった気持ちになる。

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    2019年08月25日
  • 地球から来た男

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    これだけショートストーリーをあびると、構成自体はあるていどフレームがあって、あとは言葉選びとかになってくるんだなあってわかる。

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    2019年07月13日
  • ひとにぎりの未来

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    星新一さんのこわ〜い未来予想図です。SFだとわかっていながらも、本当にこんなことになっちゃったらどうしようという不安感を持ちながらの読書でした。
    始まりの一文に続くちょっとしたセンテンスの付け加えが星さんの作品をゆるくそして深くしていると感じます。ところで、作品にいつも出てくるエヌ氏って一体誰のことなんでしょう?

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    2019年04月09日
  • 宇宙のあいさつ

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    ネタバレ

    印象に残った編
    ・宇宙のあいさつ
    表題作。のっけからホラーだよね?こんな取り返しのつかないオープニングで大丈夫かと心配になる怖さ。他の編にもあるけど欲張りの調子コキなんですよ人類。

    ・繁栄の花
    「生態系保全」という概念が存在する今ならメール星の思惑とは違うことになるかも。いやいや、やっぱどっかから闇へ流れて気づくと同じ結果になってるかも。しかし相手の選択肢を潰しきってから取引を始めるえげつなくてクレバーなやり方って、米企業とかよくやってるよね。上手さに唸る。

    ・治療
    劣等感ってのは「世の平均」より、手の届く範囲の「内輪」での方が根深いと思うんだけどなーと。いつもテストで95点でも「お兄ちゃ

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    2019年04月24日
  • 明治・父・アメリカ

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    良書。
    というより、星新一しか書けない、紡げない不思議な本だ。

    歴史を扱った本は、えてして劇的で煽情的で男らしい内容になりやすい。
    ところが彼の文体はとてもシンプルでひんやりしている。
    それがショートショートの場合は、現実と虚構のあわいにあるような、不思議な世界の構築につながっていた。

    その筆致で歴史を綴ると、極めて知的でクールな、しかし父への愛が込められた、不思議なムードが生まれてくる。
    普通の歴史ものとはまるで真逆だ。

    それで思い出した、
    星新一は森鴎外の血筋であることを。

    傑作・渋江抽斎にあるように、森鴎外は非常に冷淡に、ある種あるがままに歴史を書いた。
    そこから歴史の恐ろしさや

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    2019年02月07日
  • どこかの事件

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    ネタバレ

    評価は5に近い4ということにしていますが、タイトルにある「どこかの事件」というお話を例にしても、まず「寝言の混信」という設定が斬新(というかふつう思いつかない)。決して多くない描写で、どうすればこんなに新しくも引き込まれるストーリーが展開できるのか俺には到底理解できませんが、百聞は一見に如かずです。

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    2019年02月04日
  • 地球から来た男

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    ネタバレ

    星新一の作品をまともに読むのはこれが初めてかもしれない。
    もっとSFっぽいものを想像していたのだが、ちょっと趣が違ったのが意外だった。
    表題作等を読んで、その毒気というかブラックユーモアに、変な喩えかもしれないが『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造を想起した。
    ある種社会を風刺したそのアイロニーには小気味よく、古さを感じさせない洗練されたセンスにはさすがとしか言いようがない。

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    2019年01月27日
  • 明治・父・アメリカ

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    自身の父親を描く評伝という苦しい課題
    それゆえの面白さがあるが完全ではない
    しかし星新一の文章というだけで美味
    山田風太郎もそうだが小説でない文のほうが自分は好きかも知れない
    「教えるまでもないことだろうが、念のために処世上の注意をあげておく。粗食でもいいから十分に食え、十二分に食うな。栄養をとったら、くたびれるまで十分に働け、十二分に働くな。くたびれたら、十分に眠れ、十二分に寝るな。それで肉体の調和が保てる。脳の調和は、むだな空想にひたらないことでたもて。なにか問題にあったら、ひとつずつよく考えて検討せよ。そして、考えがまとまったら、いかなるこがあってもやりとげるのだ。悪い結果になることもあ

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    2019年01月12日
  • かぼちゃの馬車

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    ショート・ショート。短編集。
    ファンタジー・SF要素のある作品もあるが、現代社会を鋭く風刺した作品が多い。
    ラスト二行のセリフが印象的な「新しい遊び」が好き。
    表題作も完成度が高い。というか、全作品が十分に面白い。さすが星さん。

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    2018年12月15日
  • 明治・父・アメリカ

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    日本が近代化を迎えるにあたり、アメリカナイズされた青年、星一の生涯を息子の目を通したのに、なぜか客観的な明治以降の文化を克明に記したノンフィクション、読むべし!

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    2018年12月08日
  • 盗賊会社

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    盗賊会社が露見するのを恐れて小さいことしかしない社員たちが可愛いです。そのほかの話も突拍子がないものばかりですが、とても楽しんで読めました。

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    2018年11月26日
  • きまぐれロボット (角川つばさ文庫)

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    星新一は、本当にショートショートの神様だと思う‼︎

    一つ一つのお話が本当に短いから、読みやすい。
    これを読めば、ショートショート、そして星新一にハマると思う‼︎

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    2018年11月23日
  • きまぐれ博物誌・続

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    きまぐれ博物誌に続いて購入した一冊。星新一作品はどれもすごく好きだから、その著者の人生や頭の中を覗けるのはすごく貴重だと思う。看板、アメリカ一齣漫画、コンピューターと技術の進歩、教育、SF短編など著者がキーワードとしている言葉(当時のみかもしれないが)は繰り返し出てくるし、星新一本人に近づけた気がして一ファンとして面白かった。

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    2018年10月31日
  • ありふれた手法

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    宇宙人やSFは少なめで、落語や民話を想起されるものが多い「おのぞみの結末」パターン。後期作のためか、めずらしく著者本人のあとがきがある。自らの着想・執筆について語ったもので、本編に負けず劣らず興味深い。

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    2018年10月07日