星新一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
夜の8時には最終電車になってしまう地元の電車に乗って星さんのショートショートを読んでいた頃からだいぶ時間がたって、新幹線で出張するのが当たり前のような大人になりました。東海道新幹線のキオスクで缶コーヒーとレーズン三度と一緒にこの本を買ったのですが、今になって星さんがどういう風に物語やアイデアを搾り出し、組み合わせて作品にしていったのかについてのエッセイを手にするなんてなかなかのタイミングです。
例のない視点で搾り出すアイデアをコンスタント珠玉のショート・ショートに纏め上げる彼が語る「産みの苦しみ」を感じると、多忙なように見えても怠惰な脳の使い方をしているものだと忸怩たる思いがこみ上げてきてしま -
Posted by ブクログ
「かぼちゃの馬車」4
著者 星新一
出版 新潮社
p223より引用
“あなたがたは、生地で世論を操作している。
ご同業とまではいかないが、似ていますね。」”
ショートショートの代名詞とも言える著者による、
短編寓話集。
一寸法師のその後から吸血鬼の売り込みの話まで、
とんちが効いていてピリリと辛い短編が盛り沢山です。
上記の引用は、
吸血鬼が新聞社に現れる話での吸血鬼の一言。
血を吸って人を操る吸血鬼に似ているとは、
なんとも手厳しい例えだと思います。
思いはしますが、
今も昔も相変わらず同じような事をしている所もあるのだから、
こう言われても仕方ないのかも知れません。
p18 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「つねならぬ話」4
著者 星新一
出版 新潮社
p52より引用
“「物語作者にたのみ、いい話に仕上げさせましょう。
われわれ貴族は、文化を育てなくては」”
ショートショートの代名詞とも言える著者による、
お伽話短篇集。
創作神話から昔話風味のお話まで、
くすりと面白くピリリと辛い短編が盛り沢山です。
上記の引用は、
ある一話の中で源義経が生死不明になり、
それを偲ぶ恋人・静御前を見ての貴族の一言。
現代的に訳したならば、
ビッグビジネスの臭いがすると言った所でしょうか。
こうして歴史が作られるという部分も、
結構あるのかもしれませんねぇ。
義経=ジンギスカン説は良く聞いた話です -
Posted by ブクログ
ネタバレ「夜のかくれんぼ」4
著者 星新一
出版 新潮社
p109より引用
“もっともらしく仕上げるのは、新聞にまかせなさい。
読者も喜ぶだろうな」”
ショートショートの代名詞とも言える著者による、
短編作品集。
ロボットが普及した時代の話からオカルトっぽい話まで、
バラエティに富んだ短編が盛り沢山です。
上記の引用は、
死人を連れて街を歩き回った男に対し、
新聞記者が言った一言。
確かにゴシップはそれなりに面白いものですが、
ほどほどにしておいてほしいものです。
あまり感心しないと思うのであれば、
読まなければいいのでしょうけれども、
センセーショナルな見出しを見つけると、
ついつい読ん -
Posted by ブクログ
思い込み、偏見、善悪、それらをストーリーの前半と後半でくるっと変えてしまう。それが星新一の物語で、癖になる。
本当、「高低差ありすぎて、耳キーーンなるわ」って感じ。笑。高低差のギャップが、本質を浮き彫りにするんだなぁっと思った。
この世に絶対的に正しいものはない、「万物流転」が星さんの物語の基本的哲学な気がする。正しい!間違ってる!気違いだ!偉い!醜い・・・そういうことは時間が経てば変わるし、国、立場、空間が変われば、一変しうる。
すべての価値は必ず変わっていく。また、変わっていいんだって思える。
このメッセージは、すべての人間への警鐘にも思えるし、すべての悩める人間の解放ともとれる。読む