あらすじ
日本にショート・ショートを定着させ現在SF界の第一人者である著者が、その十年間の作家生活の中で書き綴った、百余点のエッセイを収録。子供の頃の思い出や食べ物の話、映画や旅行の感想等は、星新一の創作の秘密の一端を覗かせるようであり、また、その博識や卓抜した着想に触れて、読者は限りない興趣を覚えるであろう。
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Posted by ブクログ
いい味出しているなぁ。
さすが、ショートショートの名手だけあり
その文章は短いながらもしっかりと
読者である私に響くものがあります。
作家ならではの裏側も知ることができたり。
やはり一から創作するのには
とてつもない苦労がある様で…
それと食の方では
貴重なかたがたとの出会いが数多く。
親交があった人は私の気に入っている
作家ばかり!!
その場面に居合わせたかったなぁ!!
Posted by ブクログ
ショートショートで有名な星新一のエッセイ集。出版は約40年前だが、執筆期を考えると50年前のものも・・・
一つ一つのエッセイは簡潔で、すぐに読める。昔の漢字・言葉などよくわからないものもいくつかあるが(ルビふってないので)文脈で大抵なんとかなる。
いくつか近未来の姿を予想している文章があり、現代文明とピッタリ当てはまっていたので、「この人は予言者かっ Σ(・ω・ノ)ノ! びっくりっ!」と驚いてしまった。
読みすすめていくと、作者の素性もわかってくるので他の作品を読む際の参考にもなると思う。
Posted by ブクログ
夜の8時には最終電車になってしまう地元の電車に乗って星さんのショートショートを読んでいた頃からだいぶ時間がたって、新幹線で出張するのが当たり前のような大人になりました。東海道新幹線のキオスクで缶コーヒーとレーズン三度と一緒にこの本を買ったのですが、今になって星さんがどういう風に物語やアイデアを搾り出し、組み合わせて作品にしていったのかについてのエッセイを手にするなんてなかなかのタイミングです。
例のない視点で搾り出すアイデアをコンスタント珠玉のショート・ショートに纏め上げる彼が語る「産みの苦しみ」を感じると、多忙なように見えても怠惰な脳の使い方をしているものだと忸怩たる思いがこみ上げてきてしまいます。
ただ、これが書かれた時代背景や当時の世の中の人の世界観、技術の進歩の程度などを読むにつれ、大正生まれの星さんに21世紀の日本と世界はね・・・と語り掛けたいような甘めのノスタルジーを感じてしまいます。
というわけでノスタルジックな文体で感想を書いてみました。
ちなみに山本七平さんとかの評論を読むと「21世紀の日本もね・・・」と眉を下げて首を傾けつつ話さなければならなくなりそうだな、ということと比べると、この数十年の技術的課題と政治・社会における課題のどちらがどのような進歩を遂げたのかという点について考察の一つもしてみたくなります(笑)
まったく本の評論でも感想でもない気がするけどまあいいや。