星新一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
あれ、読んだことがあるような……。
と思って調べてみたら、単行本ですでに読んでいた(汗)。
つまり、単行本で持っているのに改めて文庫を買ってしまったことになる。
うーん、後書きまで一緒じゃないか……。
こういうことがないように、こうしてネット上に読んだ本や購入した本を登録しているのに、全く活用していないなぁ。
まぁ、仕方ないか。
以下の感想は、単行本を読んだ時のものをそのまま引用しました。
フレドリック・ブラウン初体験。
星新一が影響を受けた作家の一人にあげていたが、その星新一自身が翻訳をしている。
確かに星新一が作るようなショート・ショート・タイプの作品が多いが(星新一が作るような、というよりも、ブラウンが作るような作品を星新一が書いた、といった方が正しいのだろう)、星新一よりもドライな感じがするし、SFの度合いも強いように思う。
意外でシニカルなオチには、思わず唸らされるものもあるが、なんだかんだでハッピー・エンドに近い終わり方をしている作品が多い。
表題作である「さあ、気ちがいになりなさい」なんて、サイコ的な展開になるかと思いきや、とんでもない方向に向かっていって……という感じ(「……」を書いちゃうとネタばれになるので自粛)。
そうそう、ネタばれといえば、本編よりも後書きを最初に読む捻くれた人(僕もその一人だ)もいるだろうが、本書に関してはやめたほうがいい。
なにしろネタばれが堂々と書かれているのだから。
しかも本書には収録されていない作品のネタばれも行っており、これから他の作品を読もうとしている人(僕もその一人だ)にとっては、迷惑な話だ。
もう少し気を使って欲しいな、と切に思う。 -
Posted by ブクログ
中学生のころから、星新一に始まり、小松左京、筒井康隆、豊川有恒など、当時SFがブームで、次々に文庫本が出るのを読みまくった。今もそうなんだろうが、当時は出版社がこれという作家の作品を、鍋の底をさらえるようにして文庫化するというのを、しょっちゅうやっていた。横溝正史とか、森村誠一とか。
しかし、さっすがに40年も経てば、星新一もほとんどというか、作品自体の内容などまったく記憶に残っていない。有名な、ぼっこちゃんくらいか。あらすじを覚えているのは。
新作気分で読めるからいいんだけど。星新一の作品は、時世の描写がないので、いつの時代のものか、という時間感覚がずれることもないし。
一つ一つの作品それぞれ、淡々としている。そこがいいんだと思う。ふーん、と、ふん、の中間。ちょっとだけ、にやり。さわやかに読み終えた。 -
Posted by ブクログ
20世紀アメリカのSF作家フレドリック・ブラウン(1906-1972)の短編集。星新一訳。
星新一は、自分が影響を受けた作家としてしばしばブラウンの名を挙げている。物語の展開・オチの付け方とその余韻の残り方・作中の雰囲気に加えて、文体も(当然のことながら)星新一そのものなので、彼のショートショート作品を読んでいるようなテンポが思い出されて懐かしく、楽しめた。彼の無駄を排した乾いた静かな世界観と文体が好き。小中学生のころ彼の作品集を読みあさりそのテンポが沁みついていまの好みが作りあげられてしまったのかもしれぬ。
「ぶっそうなやつら」「電獣ヴァヴェリ」「シリウス・ゼロ」「町を求む」「帽子の手品」 ・・・ 星新一の作品といっても通じると思う。「沈黙と叫び」 ・・・ どこかで読んだことがあると思うのだが思い出せない。「さあ、気ちがいになりなさい」 ・・・ 正常/狂気の物語は、座標軸が何処に設定されているのか分からなくなりついに根を下ろす場所を見出せず宙ぶらりんのまま・・・と思っていたら予想外の壮大さに戦慄。
「ノック」 ・・・ この冒頭の二文について、星新一がその名も『ノックの音が』(新潮文庫)というショートショート集のあとがきでラストも含めて紹介されていたのだが、それを知ったうえでも十二分に楽しめる。構成が巧い。確か他のエッセイでも触れていたと思う、よほど気に入っていたのかな。「ユーディの原理」 ・・・ 読んでいて最も面白く興奮した作品。声を出して笑ってしまった。紋中紋というのか。「みどりの星へ」 ・・・ 雰囲気が一番好きな作品。荒れた褐色の星、肩の上の相棒。ふと思ったが星新一の短編「処刑」の雰囲気に似ている。 -
Posted by ブクログ
いま読んでも面白い、
言わずとも知れた名手によるショートショート作品集。
多作なのに、パターン化しないと言われているだけあって、
どの作品も真っ白なところからはじまって
それぞれの個性を持ってできあがっているような、
大粒感のあるショートショートばかりでした。
昭和の時代に活躍したひとには、
たとえば手塚治虫さんのようなやっぱり多作の人がいる。
そういう時代だったのかなあ。
現代は作りこむことに時間をかけている。
つまり、深さや広大さ、緻密さに時間をかけている。
ゆえに、手塚さんや星さんのように多作のひとってでてこない。
今読んでみてもとてもおもしろいのだから、
これら昭和の時代の多作のなかで生まれたものが、
現代の凝ったものと比べて劣っているものだということはないでしょう。
ファーストフードがはじまった時代のものでもあるから、
インスタントなもののように、
表面的にしか知らないひとは考えるかもしれませんが、
さきほども書いたとおり、そうではなく、
しっかりした醍醐味を感じさせてくれるんですよ、それぞれの作品が。
方法論なんかを再勉強して、
こういうテイストのものを今の世にやってみるのも、
それはそれで「攻め」なのかもしれないし、
読者を再開拓するようなことにもなる可能性ってありますよねえ。
……、いや、そこはライトノベルが後を引き継いでいるのかもしれないね。
ラノベって読んだことがないので、想像で言うのだけれども。
まあ、それはいいとして、
ショートショートを書くひとはとても話し上手なんだろうな、
という気がしました。
殊に、星新一さんなんかはモテそうだし。
知性でモテるんだから、かなわないですね。
また、
星新一さんに限るのかもしれないけれど、
ショートショートって、
現実性を写し取ろうとする気持ちが強いと
上手には作れないんじゃないか、という気がする。
ユニークな発想は、地に足をつけずに生まれていて、
作品にする時、すなわち執筆時にだけ
足を片方地につけながらやっている感じがしました。
それと、
主人公がとっぴな状況におちいってばかりですから、
精神科医がでてくる話が多いです。
そこは、星さんの作品はパターン化していないといっても、
ちょっとパターンを感じるところです。
話を進める上でしょうがないですけどね。
また、彼の違う本をそのうち読もうと思います。
手軽なエンタメとして、
僕としては最高の部類の作家のひとりです。