あらすじ
ドイツの片田舎で買ったふしぎな魔力をもった椅子……。静かな雪の夜に、老夫婦のもとにあらわれた侵入者……。あくびの出るような平和な地球に、突如出現した、黄金色に輝く奇妙な物体……。宇宙に、未来に、平凡な日常生活の中に、ユニークな想像力と、シャープなインテリジェンスで描き出される、サスペンス、ミステリー、ユーモアあふれるショートショート36編を収録。
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Posted by ブクログ
期待度は高くなかったのだが、想定外に面白い作品が多くて満足!
アイデアが豊富で、思いもしない展開になるので、一話読み終わると次が楽しみになる。
ネタバレになるが少しだけ、こんな雰囲気。
・むだな時間
テレビのコマーシャルは邪魔だと感じたエル博士が、コマーシャル消し器を作る。
その仕組みはネタバレになるので書かない。
長生きできる薬ができて、コマーシャルで宣伝していたが、エル博士はコマーシャルを見ていない。
どのくらい長生きできるかというと、コマーシャルを見ている時間くらいなので……
・乾燥時代
酒が飲めない社会になった。
酒の製造と輸送の取り締まりが厳しくなった。
だが、隠れて酒が飲める場所ができる。
そこでは蛇口をひねれば酒が出てくる。
どこに繋がっているのか。
タイムマシンを使って、過去の酒造装置と……
Posted by ブクログ
星新一さん、またまた本当にお世話になっています。通勤やちょっとした待ち時間にまことによいです。
ところどころに本当になりそうな未来や本当になりかかっている未来が出てきて、星さんの先見性に驚きます。
Posted by ブクログ
一つ一つの話が短く、展開が面白い。
会話の部分では
、が多く使用されていて多少違和感を感じる部分もあるけれども
それが小気味よいリズムを作っていると感じました。
この本では全体を通して近未来の設定でした。
ありそうだと感じられる未来。多少のSF。
あーってつぶやいてしまうような展開です。
どれも一筋縄ではいかない。
話しを読んでいて
ここからどうやって展開するのだろう?
と思ってしまう文章展開で、さらにその先を読むことができませんでした。
文章も短いのに、過不足ない状態。
足せないし、引けない。
そんな本でした。
Posted by ブクログ
星新一氏の著書で、これが初めての体験でしたが、ハマってしまった。ほぉー!と言いながらこの不思議な世界に入り込んで楽しく読みました。ということで、星新一著書を一気に5冊買った私。
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「友を失った夜」を読みたくなって購入しました。
星新一さんの本は私にとっては味わい深い本です。
初めて読んでから随分経ちましたが、時代が変わるとまた作品の中の「ことば」が、より強い意味を持って伝わってくるような、そんな一冊です。
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症状 大いなるミスリード
囚人 罪のない人間を殺すことによってできた新しい社会で、どんな法を作り、守らせようと言うんだね。
いろんなことをいろんなものに置き換えて考えられる話。この話自体は透明でないけど。
すばらしい食事 再読だけどどうまとめるのか予想を少しずつ裏切られながら読めた
Posted by ブクログ
昭和のノスタルジーな感じが残るSF小説の短編集。オチが読めちゃったりして残念ですが、ユーモラスな書き方で人間に対する皮肉が込められているのが、おもしろい。
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タイトルの意味は何だろう?
それにしても犯罪を企む奴が多い。
「処方」「利益」「顔のうえの軌道」「健康の販売員」「むだな時間」「囚人」「宇宙のネロ」「報酬」「すばらしい食事」が好き。
Posted by ブクログ
私にとってニ冊目の星新一作品でしたが、やはり一昨目と、同様に読直後はそれなりに、色々と思う事もありますが、時間が経つと駄目ですな。
酷いときはどんな話だったかも忘れてしまってたり。
そんな中、まだ覚えてると言いますか、印象に残ってるのは、テレビのCM無くす発明の話。
今も昔もこの辺りは変わらないんだ、と思ったり。
Posted by ブクログ
最近リアルが忙しく読書をする機会が減っていたが、どの作品もサクッと読めるうえに星氏の紡ぎだす独特の世界観へどっぷり浸かることができ、ひさしぶりに純粋な読書の楽しさを味わうことができた。
SFショートショート作品を多く手がけているイメージの星新一氏だが、意外にもブラックなユーモアに富んだ作品や背筋がゾッとするホラー作品も多数収録されており、張り巡らされた伏線を鮮やかに回収する手腕もさすがの一言。
どれも舌を巻く作品ばかりで楽しめたが、特に印象に残った作品は『上流階級』。
夫と夫人。どちらも互いの私利私欲のため相手を暗殺するべく殺し屋を雇うといったものだが、予想外の展開とオチに放心してしまった。どうすればこんな展開を思いつくのだろうか。星氏の頭を中を見てみたいものである。
他に印象に残った作品では『オアシス』がある。まさかの見開き一ページのみの短編なのだが、短い文章にもかかわらず、切れ味鋭いオチまで完璧なものだった。
Posted by ブクログ
3冊目。悪いことしようとして失敗、というパターンの話が多かったように思う。
印象に残ってるのは「囚人」だろうか。誰が悪人か、というのはあまりにも陳腐な問題提起だろうが、短編内での悪人は世論によれば間違いなく、人類の救済を妨げている囚人ということになってしまう。
囚人が牢にいる理由は、悪いことをしたわけでもなければ冤罪ですらない。
でも、世界中の人間から死ぬことを願われている。大切な人から疎んじられるのは辛いし、「世界中を敵に回しても僕は君を守る!!」的な臭いセリフを吐ける人間でも、実際に世界中を敵に回したらどんな気持ちになるのだろう。あまりにも現実とかけ離れた舞台設定で、どうにも想像が湧かないけど。