あらすじ
連作短編集。“ほら男爵”の異名をもつ男の直系、シュテルン・フォン・ミュンヒハウゼン男爵は育ちの良い32歳の独身男性。祖先の執念のせいか、旅に出かけると必ず奇妙な事件が待ちうけている。愛すべきわが男爵の前に出現するのは、人魚、宇宙人、ドラキュラ伯、ミイラ男、美女、魔女etc……。懐かしい童話の世界に現代人の夢と願望を託し、シニカルでユーモラスな新解釈で魅せる傑作冒険記。
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Posted by ブクログ
『廃れない言葉の輝き』
本当に素晴らしい文字は輝きを辞めない。風刺が強い作品だが、古さを全く感じさせない。今読んでも新しいし、間違いなく面白い。
胸がスカッとしたり、グサッと心を抉られたり。SSでは味わえない星作品の魅力に感服した。
Posted by ブクログ
星中毒再び。
ミュンヒハウゼンって名前をもう忘れられないと思う。
冒険がしたくなった!彼みたいに嬉しいハプニングにはなかなか会えないと思うが。現代風刺のユーモアには頭が下がります。
Posted by ブクログ
「ほら男爵現代の冒険」3
著者 星新一
出版 新潮社
p49より引用
“しかし、わしは武器だけは絶対にもらうなと、
住民に忠告した。武器のおそろしさを、
わしほど知っている者はほかにいないだろう。”
ショートショートの代名詞とも言える著者による、
実在した人物の子孫という設定の主人公による冒険談。
砂漠に始まり砂漠に終わる、
奇想天外な冒険が展開されます。
上記の引用は、
砂漠の国で酋長になった人物の一言。
多くを書いてはつまらないでしょうから書きませんが、
改心したのであればこういう考えになるのも当然な人物です。
皆が一度は見聞きしたことのある実在や虚構の人物たちが登場し、
皮肉と頓智の効いた話をしてくれるので、
挿絵を増やして子供向けに出版されたら面白そうです。
文庫初版は昭和48年となっていますが、
古臭さを感じずに読めるところに、
改めて著者の偉大さを感じずにはいられません。
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