星新一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ星新一翻訳のSF掌編小説
随所星新一や筒井康隆が影響受けたであろう話が多いが、両者と違ってわかりやすく結論が明白なオチが少なく結論を読者に委ねるような余韻を残す話が多い印象
また随所ロジカルな要素を含んだ話も多くウィットに富んだインテリな印象も見受けられる
ただしそういった部分が要因である事からか翻訳に苦労した部分もあるようで星氏が創作した作品より読みづらい箇所も多くそこが難点と言える
各作品の感想
みどりの星へ
表題に便乗してる事もあってなのか主人公は正気か狂気か曖昧な話であった
叶えられぬ夢がある故に希望を望み続けたいと思うのは狂気か正気か
ぶっそうなやつら
日本の掌編小説にもありそうな話で作中で最もわかりやすい話だった
誤解が誤解を生み最終的に・・となるがそこからさらに一捻りある話
おそるべき坊や
世界を救ったヒーローが・・というオチ
子供のした事といえばそれまでだがそれにしても余りの仕打ち
割と最初から展開は想像できる仕様になっている
電獣ヴァヴェリ
もし現代文明に電気が奪われたら?のIFストーリー
この手のジャンルは大体バッドエンドで終わりそうではあるが、この話だと文明が衰退した事でかえって人類が豊かになり心暖まる話になっている
読後感も牧歌的でいい余韻にしたれる
ノック
ノックの音がしたら・・?というよくあるテンプレート文から想像される話
ラストは普通に考えたらハッピーエンドになりそうだが、捻くれて考えると後味が悪くなるのでは?と思うのは自分だけか?
ユーディの原理
メタフィクションの要素がある話
現代のプログラミングやAIにも通ずるような発明品でリアルでも高速自動化が出来るのは非常に便利ではあるが実際それらの作業を行ったのが小人かそれとも暗示にかかった自身かで印象が変わる話
シリウス・ゼロ
星氏の著作でもよく書かれる惑星着陸のストーリー
ユーモラスな出だしから一転してスリリングな展開になるのは見所
町を求む
最後の最後で読者に呼びかけるとは思わなかった
意外な展開も薄くこのまま終わるかと思った、まさかの展開
帽子の手品
ホラー映画を鑑賞後に起こる不可解でかつ不気味な出来事の話
結末が少しわからなかったが、手品やっていた友達は擬態された地球外生物という事か?
不死鳥への手紙
人類は何度か滅亡しかかってもその度に何度も不死鳥のように再生するという話
都市伝説でも古代遺跡は文明が栄えた核戦争後の跡地とも言われてるのでそれもあり得ないとも言えない話
沈黙と叫び
ロジカルな要素がありつつもサスペンスタッチな話
気ちがいとか狂気を描いてる割に本作品集では残酷描写が少ないが、この作品は想像すると割と残酷な話でもあった
この話もラストは読者に委ねる形で終わる
さあ、気ちがいになりなさい
最後になるまで主人公が正気か狂っているかハッキリとしなかった
オチとして壮大で哲学的な話となったが、職場の上司の思惑など明らかになっていない謎もありより一層訳がわからなくなった
ちなみに作中で集合知が言及されているが、人類補完計画の元ネタはこの集合知であろうか? -
Posted by ブクログ
著名な作家さんと知りながら、今まで読んだことだありませんでした。
バッドエンドのストーリーが多い「デラックスな拳銃」から始まり「殉教」まで42編の短編ストーリ
巻末に昭和47年に著者による解説があり、これを読むと、当時の時代や風俗を感じました。
当時は米ソの時代で核戦争の恐怖が色濃く残っていた時代。
人の残酷性や残忍性が色濃く残っていた時代。
時代と共に、矯正されてきた倫理観。
特に宇宙人から見た当時の人の愚かさなどは、現代の分断されつつある世界にも通じる所がある気がします。
分かりやすい残酷なストーリーだからこそ、普遍的な人の姿を長く語り続けているのではと思います。 -
Posted by ブクログ
星新一のショートショート作品集『妖精配給会社』を読みました。
星新一の作品は、昨年11月に読んだアンソロジー作品『日本SF短篇50 1 ―日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー―』に収録されていた『鍵』以来ですね。
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天から降下した、翼を持った小動物。天使か、悪魔か?
善と悪、益と害との区別がつかないまま、人びとは「妖精」を肩に乗せた――。
他の星から流れ着いた《妖精》は従順で遠慮深く、なぐさめ上手でほめ上手、ペットとしては最適だった。
半官半民の配給会社もでき、たちまち普及した。
しかし、会社がその使命を終え、社史編集の仕事を残すだけとなった時、過去の記録を調べていた老社員の頭を一つの疑惑がよぎった……諷刺と戦慄の表題作など、ショートショートの傑作35編を収録した、夢と笑いの楽しい宝石箱。
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1964年(昭和39年)に刊行された作品で、以下の35篇が収録されています。
■福の神
■暗示
■アフターサービス
■沈滞の時代
■ある戦い
■おみやげを持って
■指導
■おそるべき事態
■夏の夜
■三角関係
■マッチ
■妖精配給会社
■恋がたき
■作るべきか
■ハナ研究所
■ひとつの装置
■宝船
■銀色のボンベ
■遠大な計画
■逃走
■すばらしい星
■分工場
■ごきげん保険
■責任者
■遺品
■春の寓話
■輸送中
■幸運への作戦
■友だち
■豪華な生活
■宇宙の関所
■求人難
■ボタン星からの贈り物
■天使と勲章
■終末の日
■著者よりひとこと
■解説 福田淳
60年以上前に描かれた作品とは思えませんねー 全ての作品が、わかりやすい文章で読みやすく、意外な結末が用意されていて、一定レベル以上の品質で愉しめます……それでいて、一つひとつの作品が深いんですよね、、、
解説でも評価されていましたが、
「子どもにも大人にも喜ばれるが、子どもにも読めるかといって子ども向きでもないし、大人が読んでも充分に面白いし、啓発される、驚くべき文体なのだ」
という一文が、収録されているショートショート35篇のことを的確に表していると思いますね。
10代の頃に良く読んでいた星新一の作品……時々、読みたくなります。 -
Posted by ブクログ
昭和36年頃に執筆した作品とのこと。
本書は、遠い遠い太陽系にある地球とかいう星の住人に化けて、生活実態の調査を行ったアルファ博士がまとめた報告書らしい。
読めばわかるとおり、地球という星の住民は、雑然としていて、あきれるほど統一がなく、浮ついていて、あきっぽいようだ。
令和7年になって読んでも違和感がないのは、地球とかいう星の住民の実態が60年間ほとんど変化がないからなのだろう。
星新一さんのアイデアの豊富さには感心するが、その源は本をたくさん読んで知識の断片を増やすことで、
断片を組み合わせることで新鮮なアイデアを生みだしている。
断片が、幽霊、催眠術、動物園、だと「幽霊と催眠術」「催眠術と動物園」「動物園と幽霊」のような組み合わせができる。
こうしてできたアイデアを、意外な結末を持った話に仕上げる、という作業でショートショートを作り上げているらしい。
時代の古さを感じにくいのは、作品に当時の時事や風俗を扱わないから。
そして時代を感じさせる物の名前がほとんど出てこない。
おそらく使っていい単語を決めているのだと思う。
ほとんどの物が、流行の服、小さな装置、強力な武器、といった言い回しになる。
人の名前も「エヌ氏」に代表される。
以前に、主人公の名前が出てきたので珍しいと思ったら、同姓同名の人物と遭遇する話だったことがある。
本書でも具体的な名前として「山崎和彦」が登場した。
これは、名前に関するオチがある、と思ったのだが何もなかった(不思議??)。
表題作の「宇宙のあいさつ」は、世代が進むにつれて寿命が縮む病気がテーマ。
一代ごとに一割くらい寿命が縮む。
かつては欲望の塊だった人類は、強力な武器を開発し、他人の土地を奪い続けていた。
しかし、未来がないと分かった今では無気力になり戦争もしなくなった。
もう一つ面白かったのが20頁を超える「治療」という話。
その星では「劣等感」という病気が蔓延していた。
平和につきものの病気で、優秀な能力を身につける競争が激化した末の状態だった。
ある時、これを治す機械が発明される。
この機械を使って平均より上と分かった人は病気から解放された。
だが、平均以上と分かると安心し向上心がなくなり努力をやめるようになってしまった。