星新一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
SFの印象が強い星新一の歴史小説集ということで気になりよんでみた。戦国最後の戦から始まり江戸時代の3つのエピソード、最後に幕末の動乱の始まりが語られる時系列に沿った配列になっている。
表題作である「城のなかの人」特に気にいった豊臣秀頼の生涯を描いた小説だ。激動ながらも静かな秀頼の人生を、彼と関わった様々な人々と共に書く。凄まじい筆力と構成で生み出される静かな戦国大名の一生には色んな意味で圧倒されるものがある。特に最終章「秀頼」は壮絶な迫力があった。最後の章が秀頼の祟りといわれた将軍の変わりようにより残念な結末を迎えた幕末の英雄というのもひねられた終わり方だ。平穏と改革の物語の対比にもなる。
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Posted by ブクログ
アメリカの作家「フレドリック・ブラウン」の短篇SF作品集『さあ、気ちがいになりなさい(原題:Come and Go Mad and other stories)』を読みました。
ここのところSF作品が続いていますね。
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ショートショートの神様による名訳
記憶喪失のふりをしていた男の意外な正体と驚異の顛末が衝撃的な表題作、遠い惑星に不時着した宇宙飛行士の真の望みを描く『みどりの星へ』、手品ショーで出会った少年と悪魔の身に起こる奇跡が世界を救う『おそるべき坊や』、ある事件を境に激変した世界の風景が静かな余韻を残す『電獣ヴァヴェリ』など、意外性と洒脱なオチを追求した奇想短篇の名手による傑作12篇を、ショートショートの神様「星新一」の軽妙な訳で贈る。
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1940年(昭和15年)から1951年(平成26年)に発表された以下の12篇が収録されている短篇集です、、、
「星新一」の翻訳は、とても読みやすかったし、表現が絶妙で、愉しく読めましたね… 1962年(昭和37年)の訳文とは思えない、新鮮さのある作品でした。
■みどりの星へ(原題:Something Green)
■ぶっそうなやつら (原題:The Dangerous People)
■おそるべき坊や(原題:Armageddon)
■電獣ヴァヴェリ (原題:The Waveries)
■ノック (原題:Knock)
■ユーディの原理 (原題:The Yehudi Principle)
■シリウス・ゼロ (原題:Nothing Sirius)
■町を求む (原題:A Town Wanted)
■帽子の手品(原題:The Hat Trick)
■不死鳥への手紙(原題:Letter to a Phoenix)
■沈黙と叫び (原題:Cry Silence)
■さあ、気ちがいになりなさい(原題:Come and Go Mad)
■訳者あとがき
■解説 フレドリック・ブラウンの幸福 漫画家・坂田靖子
着想が奇抜な作品ばかりで、どの作品も愉しめましたが… その中でも印象に残った作品は、『みどりの星へ』、『ぶっそうなやつら』、『おそるべき坊や』、『電獣ヴァヴェリ』の4作品かな。
『みどりの星へ』は、赤い森や紫の空等、緑色の無い惑星に墜落した男「マックガリー」は、その星で30年間を生き延び、緑に囲まれた地球に思いを馳せる… そこに宇宙パトロールの「アーチャー中尉」が姿を現す、、、
「アーチャー中尉」から、地球は滅亡しているが、一緒に火星か金星に戻ることができると聞いた「マックガリー」の選択した行動は!? 狂気的なエンディングでしたね… 絶望的な現実よりも、希望のある幻想を選んだってことですかね。
『ぶっそうなやつら』は、SFではなく、ミステリ仕立ての作品… 疑心暗鬼に陥った二人の男の緊迫感が生々しく描かれており、本作品の中ではイチバン好きな作品ですね、、、
田舎町の小さな駅の待合室で一緒になった、弁護士の「ベルフォンテーン」と、塗料会社の帳簿係「ジョーンズ」… その夜は、殺人狂の犯罪者が病院から脱走しており、二人はお互いを殺人狂ではないかと疑い始める。
この二人の心情の移り変わりの描き方が絶妙… そして、そこに殺人狂が現われ!? 皮肉なラストへ導く手腕は見事でしたね。
『おそるべき坊や』は、両親と一緒に奇術ショーを観に行った「ハービー坊や」が世界の平和を守ることになる物語、、、
「ハービー坊や」が我儘を言って買ってもらった水鉄砲… その水鉄砲には「ハービー坊や」により聖水が入れられており、これが悪魔を撃退して、世界を地獄の炎から救うとは、誰も予見できませんよねー それも、誰もが気付かないうちに。
二番目に気に入った作品でした。
『電獣ヴァヴェリ』は、波動に依存する謎の生命体の侵略により、ラジオやテレビといった電波を使う機器が利用できなくなり、さらに電気が全て使えなくなってしまうという物語、、、
侵略とはいえ、直接的に人類が襲われるわけではなく、電気が利用できず生活が困難にはなるものの、その生活を楽しみ、生き延びようとする人々が牧歌的な雰囲気で描かれており、豊かな生活って、何なんだろうなぁ… と考えさせられる作品でした。
これが1945年(昭和20年)の作品ですからね… 電気への依存度が格段に拡大した現代に置き換えると、恐ろしいパニック作品に仕上がりそうですね。
70年くらい前に描かれた作品たち… 描かれている背景に古くささはあるものの、テーマは新鮮で、現代に置き換えても愉しめそうな作品ばかり、、、
面白い作品って、時代を越えて愉しめるものですね。