あらすじ
海の下の、奥の奥で眠っている神の夢。大地をうごめき、すべてを食い尽くす不快なブガン。アステカの怪しげな薬草に酔って義経がみる昔日の幻。満月の夜にとらえた人魚を食べてしまった男たちのゆくえ――。天地の創造、人類の誕生などを語りつがれてきた物語が、いま奇抜な着想で生れかわる。あなたを空想の小宇宙へ誘う、幻想的で奇妙な味わいの52編のワンダーランド。
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空間に<字>がバラバラと浮かんでいる。
壷 緑
川
雪 鳥
光
海 竹 鏡
星さんは
カメカメ波を打つように(イメージ)
波動を集めて、<字>を狙う。
哀れな字達は、
たちまち粉々。
細分化された粒子達は
記憶のなかのテーマに沿って
再び集結しようと動き出すのだが、
結局元には戻れず。
星さんは
(しめしめ)とばかりに
すでに<字>ではなく
<物語>と化してしまった彼らの
ぼやきに耳を傾ける。
<字>を破壊しているのか?
と、誤解していたが
どうやら逆に
星さんは彼らに命を吹き込んでいた様だ。
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私は好きだ。著者の他の本と比べるとどんでん返しや少し未来の話とは異なるがたんたんと読み進められる感じが良い。
特にラストの”話”で、あーーーここまで読んでよかったーーーーとなった。
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星新一さんの本の中で一番難しかったように思います。ショートショートもまたまたその中でもショートなお話ばかりです。宇宙人や空飛ぶ円盤が出てくるのは時代なのでしょう。
でも、まちのいたるところに監視カメラが設置され、見張られているような気のする現在の様子を見事に言い当てていると思います。
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「つねならぬ話」4
著者 星新一
出版 新潮社
p52より引用
“「物語作者にたのみ、いい話に仕上げさせましょう。
われわれ貴族は、文化を育てなくては」”
ショートショートの代名詞とも言える著者による、
お伽話短篇集。
創作神話から昔話風味のお話まで、
くすりと面白くピリリと辛い短編が盛り沢山です。
上記の引用は、
ある一話の中で源義経が生死不明になり、
それを偲ぶ恋人・静御前を見ての貴族の一言。
現代的に訳したならば、
ビッグビジネスの臭いがすると言った所でしょうか。
こうして歴史が作られるという部分も、
結構あるのかもしれませんねぇ。
義経=ジンギスカン説は良く聞いた話ですが、
この話ではまた別のルートや経緯が描かれており、
とても面白い説だと思いました。
ーーーーー
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星新一の作品はいつも考えさせられるものばかりだが、この作品もとても感心するものだった。この本はつねならぬ話ばかりが集められていて、だんだん読み進めていくにつれて、どの話も最後がとても考えつかないと思うような終わり方だった。さらにたくさんの話が入っていて、どの話を読んでいても飽きないし、私みたいなあまり本を読まないものでも、読みやすいようになっていた。いつ読んでも飽きないし、このような発想ができるのはすごいことだと感心した。
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5つのシリーズ、全52話収録。
神話や昔話風に語られたSF風と少し違ったテイストの話。
30行以内の物が多く、極限までそぎ落とされた物語の構成に舌を巻く。
夢20夜のシリーズが特に好きだった。
最終話によると、最後のシリーズは3時間半で書かれたらしく更に驚愕。
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最初のカテゴリーで「???」とし、段々と「!!?」になっていく。
そんな不思議で『つねならぬ』話がたくさん入っています。
これも時間があれば一気に読んでしまいたい本です。
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海の下の、奥の奥で眠っている神の夢。大地をうごめき、すべてを食い尽くす不快なブガン。アステカの怪しげな薬草に酔って義経がみる昔日の幻。満月の夜にとらえた人魚を食べてしまった男たちのゆくえ―。天地の創造、人類の誕生など語りつがれてきた物語が、いま奇抜な着想で生れかわる。あなたを空想の小宇宙へ誘う、幻想的で奇妙な味わいの52編のワンダーランド
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目次
はじまりの物語
風の神話/表紙の神話/天空の神話/海の神話/やじうま神話/さざれ神話/ブガン神話/しらけ神話
もしかしての物語
花も嵐も/旅情/海の若大将
お寺の昔話
天狗/宿屋/古戦場/満月/花/門前町
夢20夜
旅館/夜空/背中/老人/スパイ/ヨウカン/船/古い家/社会/花の女/災厄/夜の話/白い粉/風景/ネズミ/福/虫/営業/昔の話/部屋
ささやかれた物語
壺/川/緑/雪/鳥/光/海/竹/鏡/筒/水/夜/寺/空/話
あとがき
カバー装幀、カット:真鍋博
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ある日とつぜん星新一の頭に降ってきたお話を、小説の体(てい)にしたアンソロジーであるという。収録されている話はどれも、辻褄が合わなかったりオチが無かったり、意味不明であったりと未整理で、現代的な「ものがたり」になっていない。なんだか、口伝で残った地方の民話のテイストを感じるな。まぁ、多作な作家だから、こういうのもありだろう。
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『常ねらぬ話』
星さんの世界の常ならぬ話たち。想像性フィクション。神様って居るのかな。まだまだ人間は何かを創造していける。未来を或いは過去を創造していくパワーをまだ私は感じる事ができる。
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通勤のお供に。いつもとは違って、SFっぽくないお話が集まっています。いかにもSFというのではなく、一見民話伝承風なお話です。「はじまりの物語」は色んなパターンの創造神話みたいで、知的好奇心が久しぶりに揺さぶられました。「夢20夜」は、どうしてもオチを期待しちゃう私にはあまり合わなかったです。いやオチてるんですけど、あからさまではない感じです。そういうのも星先生の良さの一つなのでしょうけどね。落ち着いて読めた一冊でした。
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夢物語
予想外の一冊。
ショートショートではあるが、伏線やオチが私には分かりづらかった。
最初の創生神話は神話と考えればまだ納得できるが、夢二十夜は・・・オチ無いんじゃなかろうか。
本当に夢の内容をそのまま書き記したような、荒唐無稽で納得しがたい理屈ばかり(そのあたりも夢っぽい)。
あとがきで、創作の神様が降りてきてガーッと書き上げた、と書かれてるが、まさにその通り。
いつもの正統派ショートショートとは違う味わいだった。
Posted by ブクログ
民話、神話、伝承、歴史、
…のようなものを集めた
…ような感じのするショートショート集。
前半は、何だか不可思議な、色々な世界の始まり伝承について。
これがまた「想像に任せる」とか「当然である」とかいつも以上に軽妙な語り口やら、当たり前のように犬猫からカンガルーへと進化することを説明してしまったりするのだから「シュール」、そして「ブラック」。
いつも通り読みやすく、何だか目が離せない作品でした。
ただ、他の作品のような「ほうなるほど」はあまり無い。
Posted by ブクログ
内容(出版社/著者からの内容紹介より)
天地の創造、人類の創世など語りつがれてきた物語が奇抜な着想で生まれ変わる! 幻想的で奇妙な味わいの52編のワンダーランド。