あらすじ
休日に青年の部屋におとずれたセールスマン。その男がカバンからとりだしたのは、名刺くらいの大きさの金属製のカードだった。なんとこのカード、絶対的な安全を保障するという不思議なカードだった……。平凡に過ぎてゆく日々。何となくつまらない毎日。そんな時、ショートショートの扉を開いてみませんか。表題作をはじめ、悪夢とロマンの交錯する奇妙な味の16の物語を収録。
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Posted by ブクログ
面白いです!
この世界は星さんにしか書けないと思います。あとがきにも書かれていましたが、星さんがデビューして年月が経った今でも星さんを超えるショートショートは出ない。それは星さん自身も分からぬことだそうだ。
また、こんなにも想像に富んだ作品を書かれているのにご本人は一度も神秘や怪奇体験をしたことがないことに驚きました。
息抜きにピッタリの一冊です☺️
小説嫌いがハマった小説
「星新一を知っているか」と聞かれたのはすでに10年ほど前。
当時の国語の先生が教えてくれました。
とりあえず読んでみろ、と…ラノベですら読みたくないのに…こんな小説…とその時は考えてしまいましたが、1話読んだだけで星新一の世界観にどっぷりハマりました。
ハマったというか、中学生時代の英語の教科書に「The hole」(たしかこんなタイトル)という話がありましたが、あれによく似ている…さらに言えば、私はその話が大好きだったんです。
驚いたのが、その話を星新一のショートショートで読めたこと。
最後に「あっ…」となって終わるような話でした。
この先の展開を考えたくないような感じです。
小学生から大人まで違う感覚で楽しめてしまう、絶対に読んで欲しい作家さんです。
Posted by ブクログ
表題作と「ポケットの中に」が秀逸。星新一作品に出てくるガジェットは、ドラえもんのひみつ道具に似た蠱惑的な魅力があるが、必ずブラックなリスクが仕込まれているのが面白いところだ。
Posted by ブクログ
星新一作品は古本屋で見つけ次第買うようにしているので、自然と手に取った一冊。悪魔やタイムスリップ、近未来の生活などテーマに既視感を感じてくるくらいには星新一作品に触れているつもりだけど、飽きは来ない。むしろもっと読んでその鋭い視点、考え方を学びたいと強く思う。本作で気に入ったのは、"業務命令"。実際、この世の中も役に立たないことやする意味のないことで成り立っているような気がしてならないし、やはりそこに目を付けた著者がすごい。亜流が生まれないのも納得する。
あとがきもまた妙。
各編のストーリーも然る事ながら著者によるあとがきが味わい深い。自己分析とも言える俯瞰的な解説は著作のスタイルを著者ならではの視点で分析している。
Posted by ブクログ
普通に暮らしていると思っていたら、ふと気がつくと大きな力に巻き込まれて意のままに動かされている。そのような、ふとした時に感じる世の中の不安を描いたような話が多かった。時代が変わっても古びない面白さは、さすが星新一さんと感心する。
Posted by ブクログ
ショートショートの神様の作品。はじめにグッと惹きつけられて、ちゃんとオチが着いてる作品をこんなに生み出す人はこの人しかいないでしょう。
生活の合間に少しずつ読んで、時に頷いたり時に考え込んだりする。頭の切り替えがうまくできそうで、非常に質の高い読書体験ができると思う。
Posted by ブクログ
ショートショート小説集。この人の本を読むのは2冊目だ。以前読んだ「マイ国家」と比べて1話ずつはやや長め。それでも短くスパッとまとまっている。
題材は超常現象的なものが多い。そしてオチは相変わらず予想しているのとは違うところに着地するが、やや分かりづらい。
そんな中で「業務命令」という作品は現代の仕事に置き換えてみると、「あながち大げさな話でもない」と思えた。全く意味のない仕事を命じられて日々こなす主人公。しかし上司はそれを「確実に役に立っている」といって評価する話。実際の企業の仕事でも、周囲や他社から見たらこんな感じに映る仕事があるのかもしれない。
Posted by ブクログ
読んだことがある人が多いと思う。 星新一さんの著書です^^
これまでも結構読んでると思うのですが、全部は把握できてないので本屋さんで見かけて、あっこれ読んでないかもって買ってしまいました。
けどときどき忘れてて、帰ったらあったってこともよくあります(笑)
これはまだでしたw さすがショートショートの神様、1話1話が短いのですごく読みやすく、以前は少し重い書物を読んだ後などによく読んでましたね。
星さんの小説は基本的にはSFなんですが そんなかしこまったのではなくて、どちらかと言えばアイデアノート的な そう 『ドラえもん』 のような感覚・・・
いや それよりもブラックユーモアが入ってそうなので 『笑うセールスマン』のような感じですねぇw
さすがお父さんが星製薬の創業者・星一さんだからかなぁ やたらと(ある薬が・・)とか(ある装置が・・)とかと怪しい薬や発明が登場します。
それに星さんの作品には名前が登場しません。(私の知る限り)
登場人物は○○青年や○○営業マン、もしくはエヌ氏やエフ氏などで登場するから名前を覚える必要がないので、それも楽かもしれないですw
今回のも16話のショートショートで面白かったです.。 1000話以上あるそうなので
まだまだ読んでいないのもあるはず、また見かけたら読もう !(^^)!
Posted by ブクログ
「安全のカード」3
著者 星新一
出版 新潮社
p12より引用
“「わたしは、手相のほうはわからないのです。霊感のひらめき
が、専門なのです。そして、びしりびしりと未来がわかるという
たぐいでもありません」”
ショートショートの代名詞とも言える著者による、短編作品集。
夜中に突然親友が来る話からとある翻訳家の話まで、いつもの
ショートショートより少し長めの話が収録されています。
上記の引用は、とある占い師の一言。
ひらめきだけで人からお金をもらうとなると、かなり難しそうで
あまり繁盛していなさそうです。
いつもながらトンチと皮肉の効いた話が盛り沢山ですが、少し
長めなのでいつもの話の長さに慣れていると、違和感を覚えるか
も知れません。
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Posted by ブクログ
星新一さんご自身があとがきに書かれているとおり、この本に収められている作品は、ショートショートとしては、長めの作品が多いかもしれません。
しかし、まさしく星新一作品であることは疑いようがない「らしい」作品が並んでいます。