あらすじ
引き抜かれたカカシのあとに生えた草の葉っぱ、雲母(うんも)のようにキラキラする竜のウロコ、字の書かれた小さな石ころ――そんな奇妙なものばかりがあるというどんぐり民話館。そのどんぐり民話館を探しに、都会から一人の青年がやってきたが……。いつまでも語りつがれる民話のような味わいで、さまざまな人生の喜怒哀楽を描いた31編。ショートショート1001編を達成した記念の作品集。
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星新一さんの作品の中でも多分珍しい現代の民話たちです。お城と領主と青年と、そしてときどきお姫様が出てきます。そしてなぜか主人公ワタシは青年の係です。
読む力が衰えて来ているのか結末の意味が話から作品もいくつかありましたが、それでもやっぱり星新一さん。楽しく読ませていただきました。
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「どんぐり民話館」5
著者 星新一
出版 新潮社
p118より引用
“タブーを犯したことへの決算は、どこかの段階で帳消しとなり、
そのおつりがつきまとっている。
そんなことは、まあ、夢にも考えないだろうな。”
ショートショートの代名詞とも言える著者による、
短編寓話作品集。
お寺のお話から刑務所での話まで、
不思議な雰囲気のお話が盛り沢山です。
上記の引用は、
とある木こりの青年の話の一文。
著者の父の伝記を読んだ後だけに、
色々と考えさせられる一文だと思うのは私だけでしょうか。
著者の父を苦しめた人達の子孫へのメッセージなのかなと、
そう思ってしまうのは私の考え過ぎなのかもしれません。
あとがきには、
この一冊が1001編の記念の本だそうです。
読者に飽きられることなく1000編以上の作品を生み出した著者は、
改めて偉大な作家であると思います。
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1000話を越えたころの作品を収録したもの。あとがきにあるように、設定や舞台が星新一には新しいものがある。おもしろいけど、ちょっとオチが複雑というか、置いてけぼりをくらうというか。
初期のシンプルさが好きだったので、後期の味付けがちょっと違う気がするのは007と同じか。
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星新一さんのショートショート集、半分くらい読んでいますが、今の所これが一番好きです。
好きな作品ランキングに出てくるようなキレのある作品はないものの、いかにも星新一らしいシニカルさと、円熟した人生への見方が同居しており、一編ごとに違った魅力がある短編集です。
目新しい感じをお求めならお勧めはしませんが、力みを全く感じさせない筆致は1001編越えならでは。見事としか言い様がありません。
人生の大先輩が孫に語る物語。そんな感じを受けました。
個人的には「影絵」と「応対」が好きです。
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星新一が1001篇を達成した記念のショート・ショート集。
正直に言うと、これまで読んできたものよりは、ちょっと民話っぽくて、キレがない感じ。うがった見方をすればネタが尽きてきてたんじゃないかと思わせるような印象を受けました。ちゃんと読み込んでないせいかもしれませんが(^_^;)
でも例えば「影絵」なんかはモチーフとストーリーが調和していて、やはり1001篇を書いた方なんだな、と思わされました。
……それにしても星新一の作品、全部読破できるかなぁ。
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「親切」「お寺の伝説」「王さま」「事件の発生」
「こころよい人生」「小さなお堂」「酒の上の会話」
「秘密」「なにか異様な」「ふしぎな犬」「出現」
「双眼鏡」「音色」「永遠の青春」「影絵」
「さもないと」「指紋の方程式」「来訪者たち」
「ある人生」「領主の館」「花」「征服の方法」
「旅の人」「手段」「青年とお城」「ケヤキの木」
「神殿」「行事」「つきあい」「応対」
「どんぐり民話館」
ショートショート1001編を達成した記念の作品集。
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星新一の作品を読んだ人それぞれに印象に残る何かがあって、読んだ人がそれを他の人に語るとき、それぞれ違った民話館になるという解釈もありかなと思った。
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『言葉は魔法に代われる』
星新一は色褪せない。読み終わると僕の低能加減に心底落胆する。朽ちない世界観とまだ現代ですら追い越せない革命的構想に感服の極み。
31編のクライマックスに想像力は鍛えられる。
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Posted by ブクログ
『どんぐり民話館』と銘打たれているだけあって、民話風•童話風なSF集。星新一氏の若い頃の作品と比べると、緩い語りではあるが、底の方に風刺を仕込ませる手法は変わらない。