あらすじ
家事万能のロボットを手に入れたら……。世界平和をめざす秘密組織が実権を握ったら……。安逸と平穏をのぞみながら、退屈な日々にあきたらず、精神と肉体の新たな冒険を求める人間。超現代のなかでも、あいかわらず滑稽で愛すべき、人間らしい心の動きをスマートに描く11編。新鮮な発想、奇想天外なストーリーの展開、そして意外な結末は、あたかもアイディアを凝集した玉手箱。
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Posted by ブクログ
一年間
冒頭の人間だと思ってロボットに抱きついてしまう流れがよく分からない。金は払ったからという勝手な理由でただ単に抱きついたってことかな。
ある意味優秀なロボットのおかげでその後の結婚生活に役立ったという物語。
ひとつの目標
世界平和のために頑張ったがつまらなくなったので元に戻すことに。
あの男この病気
追いかけっこに勝てば特権階級へ。
侵入者との会話
おとり捜査のさらなる捜査。
現実
リアルな夢の中。
親しげな悪魔
願いを叶えるための犠牲。
わが子のために
ある占い
おのぞみの結末
空の死神
要求
Posted by ブクログ
「親しげな悪魔」が一番気に入った。人間の私利私欲が一番、悪魔の所業に近いかもしれないな。悪魔はそそのかすだけで事足りる。その誘惑に負けさえすれば、誰でも悪魔になり得る。これは星新一作品でも往々にして出てくる思想であると思う。
0から有は生まれない。0からエネルギーは生まれない。何かが消費され犠牲になっている。
やはり星新一は面白い。知的でありながら、その内容を子供でも理解できるように平易な文で表現している。
SFというと有名な作品は外国のものが多いイメージだが、ショートショートSFは日本も誇れそう。
Posted by ブクログ
どれも傑作だったけれど特に好きなのは「わが子のために」、「ある占い」
、表題作の「おのぞみの結末」。
思いがけない展開で読んでいてとても気持ちよくなります。
星新一さんの他の作品もどんどん読んでいきたいです。
Posted by ブクログ
1976年初版の、ブラックユーモアに溢れるショートショートを11編集めた短編集。
星新一さんの短編集をしっかり読むのは初めて。
読んでいる途中で巻末から初版の年を確認し、約50年前に書かれている作品であることに驚かされた。
書かれた当時の時代を感じさせるような描写は、セリフのやたら古めかしい口調と現代ではあまり使われない固有名詞(易者など)くらい。
物語自体の設定や展開、テーマ等は現代の作品で描かれても違和感のないようなものばかりで、改めて星さんの凄さを感じた。
特に、現代にも通ずるような風刺の効いた展開のショートショートが好みだった。
全体的に読みやすく、他の短編集も読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
初めて星新一さんの本を読ませていただきました‼︎
私は初めてみる星新一さんの挿絵が少し怖くてビクビクしながら読みましたがユーモアのあるお話ばかりで面白かったです!
Posted by ブクログ
ロボットも宇宙人もあんまりでないショートショート集。
面白かった編
・「親しげな悪魔」
嘘はつかないけど肝心なことを言ってない、ザ・悪魔の契約って感じ。でもこんなあからさまに理不尽な形でなくても、無から有は生まれない、誰かが奪えば誰かの手には入らないってことくらい、いい大人なら知ってる。(知ってるけど眼前に突き付けられると楽しめなくなるからある程度知らんぷりする。)そう考えるともう皆十分悪魔色に染まってるんじゃね?と思わせる所が一番のホラーかなあと思ってしまった。
・「空の死神」
墜落する飛行機に乗り合わせたことはないけど、この一致団結した乗客らの「は?何言ってるのお前?」な視線は知っている。何だかんだ生きてる人間が一番怖いってやつで震えた。かわいそうなスッチーは一人で逃げればよかったのにと思うけど、極限状態で切り替えができるかどうかは人によるし多分自分もできないと思うので、運が悪かったなぁと悲しくなった。
面白くなかった編
・「一年間」
実際時代が動いているので仕方がないけど、星新一の仕事と夫婦関係の認識はドストライク昭和。今なら部外者に仕事の資料触らせるのもコンプラ違反だし、思い通りにならなくてひっぱたくとか一発退場だー。
妻側からすると良い時代になったものじゃ、と思うものの、そうじゃねぇんだよ相手の理由をなぜ聞こうとしないんだ!というモヤモヤが消えなくて面白くなかった。
総評
ハズレが少なくて面白かった。このエグさとCMのような短さが毎度魅力だなあと思うけど、苦いオチが多いので口直しにほろっとした奴読んでバランスとりたくなる。
Posted by ブクログ
中1くらいの頃、実家のマンションには、読み終わった本を共有する本棚があって、そこからこの本をたまたまゲットして、星新一デビュー。以降の1年で数十冊は読んだと思う。この本は、ショート・ショートというよりは、短編集。メロンライスにガムライス・・・
Posted by ブクログ
星新一さんのショート・ショートはほんと、飽きずに読めるのですらすらよめます><
とくに印象的だったのは、「あの男この病気」でした。
ほんとにこうやって支配階級…支配てか政治家とかが構成されたら結構良い形で世の中回りそうですけどね…
そんなことないのかな…
期間内に、知恵と行動力を駆使して、計画的に金を使い、目的を果たせた人だけが政治を任される…
…とかになったら誰も立候補しなさそうですね…!!!!
Posted by ブクログ
初めての作家さんです。
ショートショートの神様だそうですが
本作は、ちょっと長めのショートショート。
よくぞこんな話を創造できたと呆れました(^◇^;)
ファンタジー&SF&ホラー&ブラックユーモアetc・・・
結末は、のぞみ通りになったのか??
予想外の結末の雨嵐
っていうか、ショートショートだから
あれこれ考える前に、結末を突きつけられる。
予想外だらけなので、好きな作品とか選びにくいけど
気に入ったのは「親しげな悪魔」かな
Posted by ブクログ
相も変わらず強烈なアイロニー。あっという間に読み終わってしまいました。
人間の支配するこの世界って、なんで当たり前のように今日も動いているんでしょうか。
Posted by ブクログ
何年かぶりの星新一作品。
近年、新型コロナやロシアのウクライナ侵攻など、以前の常識では考えられないことが現実世界で起きているせいか、初めて星さんの作品を読んだときほどの衝撃はなかった。
むしろ、家事万能のロボットの話(「一年間」)や、同じ教団を信仰する人たちが偶然出会って犯罪に及ぶ話(「おのぞみの結末」)など、星さんの先を見越したようなストーリーにビックリ。あるいは、時代が星さんのアイデアに追いついてきたのかも?
Posted by ブクログ
星新一らしい短編集。短い中に奇想天外なストーリーが展開してどれも面白い。すぐにその世界観に入れるのがすごいと思う。タイトル通り後味が悪いものは無い。
ただ、表題作は、大筋は面白いけど結末が読めてしまって残念だった。
個人的に好きなのは、”ひとつの目標”と"要求"。この二つは全く別のストーリーだけど、セットの様に感じられる。前者はみんなで考え実現した善の世界で、後者はコントロールされた善の世界。
あと、オリエンタル急行を少し思い出させる、”空の死神”も面白かった。
40年前の作品だけど全く古臭さを感じ無い。
Posted by ブクログ
こちらの作品は、とある研修で一緒になった18歳の女性に勧めてもらったので読んでみました。
ショートショートというのは、思えば初めて手に取ったジャンルかも?
いや、でも稲垣足穂の一千一秒物語の表題作はショートショートって言えるのかな…
でもあれはショートショートショートっていう感じですし…ん〜、とにかく初めてという前提で感想を。
まず、ショートショートということで一編一編がとても短いので、とにかくサクサクと読み進められました。
少ないページの中でキレイに物語を落とす手腕はもちろん、結末の意外性への驚きも相まって、次は?次は?という具合に。
人間の愚かさを押し出したもの話、展開がシーソーのように行ったり来たりする逆転劇などなど、後味の良いものという印象はなかったけど、それだけに人間の持つ陰の側面を鋭く突いていて、「むむむ…」となってしまいます。
個人的には、どうせ読むならハッピーエンドがいいという思いがあるので決して好きなタイプではなかったんですが、思わず舌を巻く作品でした。
読んでからかなり時間が経っているのであまり詳細が話せませんで、申し訳ありません(´・ω・`)
Posted by ブクログ
一編5〜10分程度で読めるので空いた時間に楽しめる。
世の中を皮肉ったオチもありなかなか考えさせられる。
「他人を貶める世の中と大差ないだろうに」
Posted by ブクログ
初の星新一さんの作品。
ショートならではのテンポと、
ストーリーの展開力は見事。
奇抜なシチュエーションで、
読者が妄想を膨らめて、
今回はどういう落ちが来るんだと、
悩みに悩ませておいて、
おーそうきましたかと裏切られる心地よさ。
はい!想像もしていなかったそんな結末がお望みでした。
作者が、どうだ?こういうのは?って言ってる姿が目に浮かぶ。
時に人情話だったり、死神がでてきて、
落ちがあることはみんな知っていて、
そこまでどう展開し、どんな結末が待ってるのか。
この展開は落語にとてもよく似ている。
Posted by ブクログ
「一年間」
「ひとつの目標」
「あの男この病気」
「侵入者との会話」「現実」「親しげな悪魔」「わが子のために」「ある占い」「おのぞみの結末」「空の死神」「要求」
Posted by ブクログ
「こういう時、人はこうするだろう」とか「これは、こうあるべきものだろう」といったような思い込みや常識を覆してくるストーリーが、星新一さんの作品の面白さだと思います。「もしこんな時こんなことが起こったら…」という内容は遊び心があって、想像力を刺激されます。