田口俊樹のレビュー一覧
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本作を読んだ感想としてみんなどういう事を思うのだろう。
ミステリとしてもよく出来ているが、戦争ってやっぱりこんなにも人の心を破壊するのだなぁというのが最初の感想だ。
海外ミステリを読む意義とまで堅苦しくは言わないが、日本の作家では書けない話というのはあると思う。数ある中の一つは本作だ。主人公は女性兵士。イラクでの戦争体験もあるバリバリの経験者だ。本作は彼女だからこそ起きた悲劇でありミステリなので、戦争体験(しかも昭和10年代の民間人非戦闘員ではなく戦士として)のある女性などほぼ皆無な日本では描けない作品だ。
ミステリとしてもよく出来ているし、最後の落ちも綺麗に纏まっている。
でも私は、ミステリとしてよりも戦争とアメリカの歪んだ格差社会を描いた作品として本作を評価したい。 -
Posted by ブクログ
ポーランドの作家「ジグムント・ミウォシェフスキ」の長篇ミステリ作品『もつれ(原題:Uwiklanie、英題:Entanglement)』を読みました。
チェコの「ヤン・ヴァイス」の作品に続き、東欧の作家の作品です… 東欧ミステリ、ポーランドミステリは初めてですね。
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予想の斜め上を行くポーランドの怪作小説!
ワルシャワ市内の教会で、右眼に焼き串を突かれた男の遺体が見つかった。
被害者は、娘を自殺で亡くした印刷会社経営者。
容疑者は、彼と共にグループセラピーに参加していた男女3人と、主催者のセラピスト。
中年検察官「シャツキ」は早速捜査を進めるが、調べれば調べるほど事件の闇は深まっていく。
一方で、愛する妻と娘に恵まれながらもどこか閉塞感を抱いていた「シャツキ」は、事件の取材に訪れた若い女性記者に惹かれ、罪悪感と欲望との狭間で悶々とする。
やがて、被害者の遺品から過去のある事件に気づく「シャツキ」。
真実に手が届こうとしたその時、思わぬ事態が……。
日本中のミステリーファンを唸らせたポーランドの怪作『怒り』、その「シャツキ三部作」の第一作がいよいよ日本上陸。
ハードボイルドなのにポップ、凄惨なのに笑える、一度読んだら中年クライシス男のボヤキがやみつきに!?
予想の斜め上を行く傑作ミステリー!
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2007年(平成19年)に刊行されたワルシャワ市の切れ者検察官「テオドル・シャツキ」の活躍を描いた「シャツキ三部作」の第1作です。
ワルシャワ市内の教会で、右眼に焼き串を突かれ男が死んだ… 容疑者は、彼と共にグループセラピーに参加していた男女四人、、、
検察官シャツキは早速捜査を進めるが、調べれば調べるほど事件は混迷し、一方で夫婦関係に閉塞感を抱いていた彼は若い女性記者に惹かれ、罪悪感と欲望との挟間で悶々とする… やがて、被害者の遺品から過去のある事件に気づく「シャツキ」。
真実に手が届こうとしたその時、衝撃の事態が起こる……。
終盤、被害者の妻やグループセラピーの主催者・参加者の関係が明らかになる展開が愉しめるミステリでしたが… 私生活がダメダメな「テオドル・シャツキ」の魅力に惹きつけられて、最後まで飽きずに読めましたね、、、
ある理由で髪は真っ白だけれど、顔もスタイルもよくハンサムな、法と正義を愛する男なのですが、家庭では夫婦関係に、職場では中間管理職の息苦しさに耐えながら、取材に訪れた若い女性記者に心惹かれ、彼女からのメールにいちいち小躍りし、罪悪感と煩悩の間で悶々とする… という人間臭さに好感が持て、共感しながら読むことができました。
先に翻訳・刊行されているシリーズ第3作の『怒り』も読んでみたいし、未翻訳の第2作も翻訳してほしいですね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「心配するな、友よ。きみを死なせはしない」
まだ十七だった。愚かだった。だから彼を信じた。
ナチス包囲下のレニングラード。ドイツ兵の死体からナイフを盗んで捕まったレフは、脱走兵コーリャとともに大佐の娘のために卵の調達を命じられる。
美形で饒舌なコーリャと、神経質なレフのコンビが面白いものの、あまりにも下ネタが多すぎるのと、17歳主人公の一人称が“わし”なのが気になる。パルチザンと行動を共にしてドイツ兵に捕まる展開はわくわくしたし、卵も無事手に入れたけど、コーリャとの別れがあっさりしていて残念。もう会えないと思っていたヴィカと再会し、冒頭に出てくるパワフルな祖母だとわかるラストはとても良い。 -
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読めました!
以前この本を紹介されたものを読んだ時、順番に読むことと書いてあり、守りました。それは正解でした。フランボーというサブキャラのことを考えると…キャラ転換が、激しい…(フランボーのファーストネームはエルキュール…)
さらに、1話目に出てくるヴァランタンという警視総監が、2話目でえっ⁉と…びっくりですよ…
12話収録。(順不同…)
サラディン公爵の罪 がちょっと好きかな。
まちがった形 というのは、なんだかアガサのある有名な話を思い出しました。
アポロの眼 もひどい話…罪が2重じかけ…
折れた剣の看板 名誉とか名声とか。さらにそれを崇める人たちとか…ことわざと思っていたあるフレーズは、この作品に由来していると今知りました…
三つの凶器 なんと真犯人は…⁉
透明人間 普段も周りに注意をはらいましょう…
青い十字架 ブラウン神父登場
秘密の庭園 びっくり首事件(ちょっと笑える…)
奇妙な足音&飛ぶ星 フランボーがらみ(転換前)
イズレイル・ガウの誉れ ゴシック風?個人的には変わった話でした。
神の鉄槌 サラディン、アポロとともにきょうだいもの。そして、これもアガサのある有名な話(まちがった形で思ったのと同じ話)を思い出しました。トリックとしてはありえるが、タイトルどおりやや神がかり…でも、ストーリー的には好きです。
ブラウン神父は不思議な存在で空気のよう。
ただ、最初はポワロさんも趣味ではなかったので、これから馴染みになれるでしょうか…
創元推理文庫からも新版が出ている模様!眺めてみたい気もする。
ちょっとミステリ度、サスペンス度の加減から☆少なめ。3つじゃ少ないですけど、3.8くらいです。
2016.4.1購入7年も温め…
途中何度も挑戦、毎回挫折…いわゆるミステリじゃないからなのか、慣れないと読みにくい感じでした。
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この小説、ノルウェー、北欧で、有名な賞を3つも取った、とあったので読んでみた。警察物で、ミステリーの要素がありながらのサスペンス小説。上巻を読み終わった後、ちょっと時間を置いて下巻を読み始めた。時間を置いたのは、私だけかもしれないが、読み辛くて疲れると思ったから。こういったカタカナが頻繁に出てくる外国の小説は、人名も地名も馴染みが無い上、その国の人なら知っている、或いは知らなくても何となく分かるであろう地理的な事や歴史、文化、そして習慣などが、私にはよく分からない事の方が多い。そう言った読み辛さはあるものの、小説自体は結構面白く読ませてもらった。話は、2003年の主人公であるバーグマンの行動と1943年のヒロインであるアグネスの行動とが交互に書かれていく。最初は2003年のノルウェー、オスロで起こった残虐な殺人事件の現場発見から始まる。2003年の主人公バーグマン刑事は優秀とは言えないまでも、仕事に逃げている感はあるが(過去に犯した過ちが、妻にしてしまったDV。その事実から)事件を、あらゆる角度から徹底的に調査、推理し真相に迫っていく。一方1943年のヒロイン、アグネスは愛する男のため、自分の信条信念のため、レジスタンスに身を置き、スパイとしてナチス、ゲシュタポの要人たちの中に入り、ナチスに協力的な富豪の愛人となる。このストーリーの流れ、展開、登場人物の心情と行動は適度の緊張感があり、また焦燥感にも駆られ、取っ付きにくい処はあるが面白く読める。バーグマンは、別の角度から見れば魅力的な男に、アグネスは誰でもが愛人にしたくなるような美人に描かれている。カタカナが苦手でない人なら、もっと面白く読めるのではないだろうかと思う。
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Posted by ブクログ
祖父の戦時中の体験を取材し回想として語られる。
第二次世界大戦の戦時下。
ナチス包囲下のレニングラードに暮らしていた17歳の頃の祖父。
ことの発端はある日、撃墜されたドイツ爆撃機から落下傘で脱出したドイツ兵が落ちてくるのを発見する。
しかし、ドイツ兵は既に死んでいた。
そのドイツ兵が身に付けているものを漁っているとソ連軍に捕まる。
秘密警察の大佐に呼び出されると、翌週に控えた娘の結婚式で作るウェディングケーキを作るために卵が足りないという。
飢餓が続く状況下で卵を探す旅が始まると。
戦時中の狂った地獄の描写が実に惨たらしいが、陰鬱さよりも淡々とした印象が強い。
戦争の愚かさが行間から滲み出る一冊でした。