田口俊樹のレビュー一覧

  • レイチェルが死んでから

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    ネタバレ

    「信頼できない語り手」もののミステリ、というよりは犯罪被害者の精神状態を克明に描くことに重点が置かれている。主人公であるノーラの語りは要領を得ないし、突発的な奇行に走ったり過剰に神経を尖らせたり、普通のミステリ読者なら「オイオイこいつ絶対アクロイドパターンでしょ知ってる」となってしまうところである。しかし実際、レイチェルを殺したのは別の人間であり、ノーラは彼女なりに最善を尽くそうとしていたのだ。愛憎混ざった感情を抱いていた姉を唐突に奪われ、自分が過去にすべきだったことも、これからするべきことも見失ってしまったノーラ。そんな彼女の喪失感を描く小説として、「レイチェルが死んでから」という邦題はかな

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    2019年01月16日
  • 偽りの銃弾

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    どんどん読み進められてしまうページターナー本だったが、結末が思わぬものだった。ヒロインらしいと言えば、そうなのかも。

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    2019年01月11日
  • レイチェルが死んでから

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    ネタバレ

    姉のレイチェルを殺害したのは誰か。妹のノーラが探すのだけれど、そのノーラの語りが不安定なもの。心の乱れ、不安、怯えと様々なものが見え隠れしてどこに本当のことがあるのかわからない。「信用できない語り手」というやつ。ノーラの心理をレイチェルとの日々の回想を行き来しつつ追うことで面白みのあるものになっている。

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    2018年11月28日
  • 捜査官ポアンカレ 叫びのカオス

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    インターポール捜査官が主人公、ということで犯罪も世界を股にかけている。

    ひとことでいうと「ちゃんと読める」
    このごろ当たりの作品が少なくて。
    これも当たりとはいえないけれど、とにかく安心して読める。

    いろいろ盛りこもうとしすぎて筋が追いづらい。
    このあたりは編集の力量不足か。

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    2018年11月14日
  • ゴーストマン 時限紙幣

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    ことごとくハードボイルドでスタイリッシュ。
    うすうす気付いてはいたが、わたしはハードボイルドものはそれほど好まないらしい。

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    2018年07月18日
  • 偽りの銃弾

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    殺人事件で夫を失った元特殊部隊パイロットのマヤ。2歳の娘を案じ自宅に設置した隠しカメラに写っていたのは、2週間前に殺されたはずの夫ジョーだった。ジョーの死に潜む謎を追ううちに、マヤは4か月前に惨殺された姉クレアの死、そして17年前のある事件の真相へとたどり着く……。

    著者の作品は、日本初登場の「沈黙のメッセージ」は読んだ記憶があるが、その後のマイロン・ボライターのシリーズや単発の作品は未読のまま。多分20年ぶりということになろう。中盤がややだれ気味に感じてしまい、怒涛の後半になかなかつながらないのがもどかしい。

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    2018年07月01日
  • ゴーストマン 消滅遊戯

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    『時限紙幣』の衝撃度は薄れている。ブラッドダイアモンドは有名だが、サファイアもそうなのか。ジャックとアンジェラは『SUITS』のハーヴィーとジェシカを彷彿とさせる。シリーズものの中間点という感じで、作者の死で、ここで終わってしまうのが、何とも中途半端で、惜しい。ジャックは何が楽しくて生きているんだろう。『ストリート・キッズ』のニールと似て非なるだね。

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    2018年06月19日
  • 15時17分、パリ行き

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    今時の3人のアメリカ人の若者が、ヨーロッパ旅行で、無差別テロから乗客達を救った本人達による証言であり、ノンフィクション。

    3人の経歴の合間に織り込んだ、テロリストとの乱闘シーンは解りづらかったが、運命的なストーリーには、読み応えがある。

    英雄となった主人公達が、その後も続くテロに苦悩させられたり、犯人であるアイユーブの貧困と絶望により、テロリストとなった経緯など、考えさせられる深い作品。
    日本人には決して分からない、アメリカ人のヨーロッパ観もあり、旅行記的な内容も、飽きさせなかった。

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    2018年06月15日
  • ラブラバ〔新訳版〕

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    舞台はフロリダ.登場人物はみんなホテルに住んでる.常に波の音が感じられる.またマイアミ行きたい.アメリカの有名作家の中には明らかに原稿枚数稼ぎと思われる無駄な会話が多い小説が見られる.本書もほとんどが会話で成り立っている.翻訳の妙も含めてこれらの会話が楽しめるかどうかで評価が別れると思う.

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    2018年06月06日
  • ゴーストマン 消滅遊戯

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    激しい話だった…息付く暇もない展開で、常にピンチで、とても疲れた……
    トリックの細部で分からないところもあったのだけど、世の中には想像もつかない世界があるのだなと…
    ピアニストの武器は、あるテレビ番組で見たことがある(ドラマ)けど、よく考えるなぁ!

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    2018年05月26日
  • ダ・フォース 下

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    ダーティーな刑事が、裏切者の枠の中でもがき踏み止まろうとするストーリー。ミステリ要素はほとんどない。彼らは汚職で手にした金で贅沢するのではなく、子供たちをいい大学に通わせるための資金にしようとするなど、あくまで目的は現実的。少し前に見た海外ドラマ『シェイズ・オブ・ブルー』を連想してしまう。下巻に入った辺りから徐々に歯車が動き出す。

    そこで描かれるのは、腐敗の底なし沼と圧倒的なリアリズム。マローンが目指すところは、ニューヨークの犯罪組織を根こそぎ撲滅することではなく、犯罪組織を管理し現状を維持すること。このスタンスに現場の警察官のハードさがよく表れているように、作者の刑事に対する共感や敬意が本

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    2018年05月13日
  • ダ・フォース 下

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    こういうのを力業って言うんだろうなあ。主人公は、賄賂を贈り受け取り、押収薬物をかすめ取り、私刑をためらわずに殺人まで犯す悪徳警官。おまけにこいつは街の「キング」を自認する、ヒーロー気取りが鼻について仕方がないヤツなのだ。まあウインズロウなので、お話は面白く、上巻は我慢してつきあってやるかという気持ちだったのだが、あーら不思議、下巻の途中からはいつのまにか、このマローンに肩入れしてハラハラしながら読んでいるではないか。

    およそ共感を呼ぶタイプとは言えないこういう主人公を造型し、最終的には感動的なラストへ持って行くというこの離れ業。ウインズロウの凄さをあらためて見せつけられた気がした。むせかえる

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    2018年05月12日
  • ゴーストマン 消滅遊戯

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    ネタバレ

    シリーズ2作目。前作同様、結局特技とされているゴーストについてはほとんどなく、普通のハードボイルドになってしまっているのが残念。あとがきによると作者はなくなってしまったとのことでこれも残念。

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    2018年05月03日
  • その犬の歩むところ

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    犬のギヴが主人公の物語。ギヴの最初の飼い主はモーテルを経営する女性のアンナ。モーテルに止まった兄弟のうち、兄がギヴを盗む。そして、弟と知り合った女性のルーシーの手にギヴが渡る。しかし、ルーシーはハリケーンのカトリーナの被害に遭い死亡する。ギヴは様々な困難を乗り越えながら、物語の語り手のディーン・ヒコックに出会う。そして最後は、・・・。読んでいて悲しくもなり、微笑ましくもなり、様々な感情を味わえる。犬好きであれば、ギヴの一挙手一投足に共感を覚えるだろう。ギヴが主人公であるが、犬の視点で語られることはなく、あくまでも人間が物語を綴る。小説として面白い試みであるし、それが成功している。本屋大賞の翻訳

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    2018年04月26日
  • その犬の歩むところ

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    犬より猫派なのに、去年は本も映画も犬にとことん泣かされ、その勢いで本作にも手を出しました。各節の冒頭にある太字の部分がとっつきにくく、読むのに難儀しそうな気配。訳者のあとがきから読めば、それも払拭されます。

    ギヴと名付けられた一匹の犬をめぐる物語。飼い主のもとから盗み出され、それでも次の優しい飼い主に出会うことができたのに、降りかかる不幸。

    訳者が言うように、著者はギヴをまったく擬人化しません。ギヴの気持ちを推し量ったりしなくても、ギヴの行動をそのまま記せば、それだけで何もかもわかるのだというように。

    やはり犬ものの『容疑者』に比べると、私には没頭しにくい文体ではありましたが、それでも涙

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    2018年04月15日
  • その犬の歩むところ

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    海外文学の和訳本は初めてだったため、独特の比喩や言い回しが新鮮だった。
    犬という純粋な存在の強さ、また人間に対してもたらす情愛の深さを感じられた

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    2018年02月10日
  • ゴーストマン 時限紙幣

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    映画の様に引き込まれる話なのに
    途中で登場人物達の誰にも
    なんの感情も動かされずただただ読む。
    面白いのだけど、犯罪者だからなのか
    いまいち主人公の感情が伝わってこなかった。
    それくらい"何も無さ"をもった主人公
    であるので、当然なのだけど…
    あらゆる痕跡を消すため
    携帯電話を捨てまくります!

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    2018年01月13日
  • あなたに似た人〔新訳版〕 II

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    サウンドマシン、満たされた人生に最後の別れを、他2編。プラス特別収録2編。

    チョコレート工場の作者と知らず、結びつかなかったけれど、文章自動製造機が少しそうかも。

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    2017年11月25日
  • 怒り 下

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    ネタバレ

    ポーランドミステリー。
    話がどこへ向かうのか分からないバラバラとした感覚の上巻から、だんだんと方向性がみえてくる下巻になって一気に面白くなる。
    とはいえ、終わってみればそうだよね、と…。
    ビェルト刑事のような悲しい顔した私が取り残された、そんな読後感。

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    2017年10月12日
  • その犬の歩むところ

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    ある犬と、そこに関わる人間たちの姿を描いたロードムービー的小説、
    犬が中心に据えられてはいるが、物語は決して犬の視点で語られることはない。
    ほのぼのとした話でないところが、戦争を経験しているアメリカの物語だなと思う。

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    2017年10月04日