田口俊樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
犬のギヴが主人公の物語。ギヴの最初の飼い主はモーテルを経営する女性のアンナ。モーテルに止まった兄弟のうち、兄がギヴを盗む。そして、弟と知り合った女性のルーシーの手にギヴが渡る。しかし、ルーシーはハリケーンのカトリーナの被害に遭い死亡する。ギヴは様々な困難を乗り越えながら、物語の語り手のディーン・ヒコックに出会う。そして最後は、・・・。読んでいて悲しくもなり、微笑ましくもなり、様々な感情を味わえる。犬好きであれば、ギヴの一挙手一投足に共感を覚えるだろう。ギヴが主人公であるが、犬の視点で語られることはなく、あくまでも人間が物語を綴る。小説として面白い試みであるし、それが成功している。本屋大賞の翻訳
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Posted by ブクログ
犬より猫派なのに、去年は本も映画も犬にとことん泣かされ、その勢いで本作にも手を出しました。各節の冒頭にある太字の部分がとっつきにくく、読むのに難儀しそうな気配。訳者のあとがきから読めば、それも払拭されます。
ギヴと名付けられた一匹の犬をめぐる物語。飼い主のもとから盗み出され、それでも次の優しい飼い主に出会うことができたのに、降りかかる不幸。
訳者が言うように、著者はギヴをまったく擬人化しません。ギヴの気持ちを推し量ったりしなくても、ギヴの行動をそのまま記せば、それだけで何もかもわかるのだというように。
やはり犬ものの『容疑者』に比べると、私には没頭しにくい文体ではありましたが、それでも涙 -
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Posted by ブクログ
ネタバレオリバー・ストーン監督の映画「スノーデン」を補完しようと読んでみた。
本書の前半は、映画の香港でのシーンそのままだ。本書を読んで、スノーデンの決意、その貴重な情報をいかに効果的に世に問うかに煩悶とする<ガーディアン>陣営の苦悩が良く理解できた。本書を読んで、映画を再度見直したくなった。
映画ではジョセフ・ゴードン=レヴィットが実に人間味のあるスノーデン像を演じきっていて、実物以上の好人物と思って観ていたが、本物のスノーデンも実に知的で思慮深く、なにより覚悟が素晴らしい。
言葉のひと言ひと言が、実に深い!
「マスメディアの自由闊達な精神の保持とインターネットの自由のために戦ってくださ -