田口俊樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スノーデンが著者に接触するところから現在(当時)に至るまで、時間を追って物語風に記されているので話にどんどん引き込まれました。最初TVでこのニュースを見たとき、とても表に出てきそうもない情報を暴露するとはなんて勇気のある若者だ、それにその事が色々な妨害もなく(屈せず)世間に出てきたなと衝撃を受けた事から、詳しい詳細に漠然と興味がありました。アメリカNSAが個人の通信の全ての情報(インターネット閲覧情報•電話通話記録等)を漏らさず取得しようとしていた事は驚きです。言われていたように、要注意人物や主要人物はそのターゲットになりうるという認識はありましたが、反政府的な芽を摘むという意味でも一般市民余
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Posted by ブクログ
この問題は解決済みと言えるのだろうか。勇気ある告発、正義感に対し、国家はあまりにも冷酷で強力だ。しかし、この問題は、国民全体の不利益のみならず、次のような事が考えられないのだろうか。例えば、情報の政治利用。時の権力者が、敵対者の情報を入手し、そのことにより政争を有利に運べる場合、政党の転覆が困難なばかりか、自らの立場も危ういのでは。政治エゴの観点からも野放しにして良いはずはない。つまり、ターゲットとなり易いのは、一般市民よりも著名人だという論拠には、理があると考える。では、本来反対すべきは、野党では無いのか。
国家シギントには、プライバシーの権利から反対する。まさに、共産主義社会の体である。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレずっと読みたいと思ってたロアルド・ダール。
本当は『あなたに似た人』を読みたいと思ってたんだけど、本屋でちょうど発売したてだったのか平積みされてて、その帯に『喪黒福造ものけぞるような妖しい魅力』と書かれてたのが目に入ってすぐさま購入してしまった。
別に喪黒福造が好きなわけではないんだけど、あぁいう話は好きなので。
結果ブラックユーモアがきいててとても面白かった。
最後にゾッとする感じ。
『ロイヤルゼリー』みたいに現代に読むと違和感を感じてしまうところはあるにしても、文章の巧さでそれをあまり気にさせない。
『ウィリアムとメアリー』『天国への道』を妻の方に思いっきり感情移入しながら読んだら最 -
Posted by ブクログ
マットスカダー五作目。
八百万の死にざま(英題:eight million ways to death)、
というタイトルがまず目を引く。
年々悪化する犯罪に対する警官の愚痴がまた興味深い。
"八百万の死にざま"とは上手く言ったものだと思う
名前のミスリードはちょっと捻っていて面白い。
これはアルファベットだからできると感心。
これまで以上にアルコールに対する
スカダーの葛藤が書かれており、
ファンなら面白く読めると思うが
純粋にミステリとして読むのであれば蛇足と感じるのだろうなぁ。
でもこれが無いとアル中探偵マット・スカダーじゃない。 -
Posted by ブクログ
久々のバイオレンス小説。そうと知らなくて読み始めたから最初は本当に胸糞悪かったけど、アメリカの悪や矛盾を、成功や豊かさの下敷きになっている、必ずひずみに生まれてしまう犠牲者のそれぞれの姿を描き出している。単純なハードボイルド的な楽しみよりもそちらに目を奪われる作品。
ストーリーは至極単純。
とある中流階級家庭がカルト集団によって両親と飼い犬は殺害、少女は誘拐され、薬を打たれてレイプて連れまわされる。その少女の父親(あまりデキのよくない警官)が元ジャンキーでカルト集団に昔所属していたケイスという女性とともに追いかけるというストーリー。
展開がわかりきっているのに惹きつけられるのはハードボイルドな -
Posted by ブクログ
期待せず読み始めたのですが、面白かったです。
元妻を殺され娘を攫われた警官・ボブと、元カルト集団員のジャンキー・ケイス。
二人はお互いに嫌悪感を抱いています。ぜんぜん違う世界に生きてきたのだから当然です。
しかし、ふたりで死と隣合わせのギリギリの綱渡りを続けるうちに信頼のようなものが芽生えていきます。
このふたりの距離感がなんとも素敵です。
ギャビについて、もうちょっと掘り下げてくれれば嬉しかったのですが……うーん。
彼女はこれからどうなるのか。強く生きていけるのか。
原文がかなりクセのある、抽象的で難解な文章だったようで、
とくに序盤は微妙な言い回しがいくつか見られ、日本語訳を作るのに四 -
Posted by ブクログ
舞台は無数の殺人事件の起こるニューヨーク。「裸の町には800万の物語があるのです」というテレビ番組の決まり文句をを殺人課刑事が「800万の死にざま」と皮肉る。この「腐りきった」町の中でアル中の私立探偵がコールガールの殺人事件を追う。
ミステリーとしては派手な展開はない。賭けボクシング、場末の酒場、ひも、モーテル、謎の黒人、おかま、タレこみ屋というハードボイル世界の中で、主人公が地味な探偵活動を行い、犯人を探し出してゆく。
この小説は純粋なミステリーというよりも、主人公が欲望を抑え、いかに自らのアルコール中毒に折り合いを付けていくかという過程を描いた一種の教養小説として読むと面白い。主人公が毎晩 -
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Posted by ブクログ
「飲まない日はいつもいい日だ。正気でいられるからね。でも、それが、飲まないで正気でいるってことが、アル中にとっては何よりも辛いんだ。」
わたしはそうでもなかった。退院して九日か十日経つが、あと二三日素面でいたらまた飲もうと思っていた。
アル中探偵、マット・スカダーの登場である。
ニューヨーク、マンハッタンを舞台にした探偵小説シリーズの第四作。
実在のビルや街角が出てくるので、グーグルアースでチェックすればニューヨーク通にもなれる、ちょっと古いけど。
このシリーズのなかで、主人公のアル中が少しずつなおって健康になっていくんだけど、話はだんだんおもしろくなくなっていく。
そりゃあそうだ