田口俊樹のレビュー一覧

  • ダ・フォース 上

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    ネタバレ

    待ちに待ったドン・ウィンズロウの新作。
    しかも上下2巻の厚さ。

    今回は汚職刑事が主人公で、汚職故に留置されているところから物語が始まる。

    ・・・という事で、ここからいつもの作品と違う。
    正義を実行するための手段として”汚職”という世界に足を踏み入れた、という訳だけでもないし、ひたすら主人公の言い訳めいたモノローグが多く、今一つキャラに共感できない。

    しかも、まるでニューヨーク賛歌でもあるがごとく、街の裏表を含めた様々なエピソード紹介が多い。確かに興味深く読めるエピソードは多いし、作者の博識ぶりはよくわかるが、その分、物語のリズムがそがれ、名作「犬の力」や「カルテル」のような物語のダークな

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    2018年11月14日
  • ダ・フォース 下

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    なんとか現状から抜け出そうと、もがき続けるマローンに、更なる圧力をかける連邦検事とFBI。
    本来なら保護されなければならないマローンの供述調書が、何者かによってギャングに流され、四方八方から追い詰められる。

    上巻から続く緊張感に読んでいて脳が酸欠になりそう。
    行きつく先は見えているのだから、いっそひと思いにやってくれー!とマローンの代わり叫びたくなる。

    ベストな終わり方だったと思う。
    願わくば最後の会合に出席したすべてのメンバーが彼以上の苦しみを味わいますように・・・。
    そしてナスティ・アスが安らかに眠れますように。

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    2018年10月18日
  • ダ・フォース 上

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    麻薬に汚染された街、マンハッタン。
    ギャングと警察がイタチごっこを繰り返す。
    デニー・マローンは悪辣な刑事だと思う。
    でも悪辣な中にも彼なりの正義があると私は思っていた。
    その彼が仲間を売る『ネズミ』へと落ちていく。

    一つ階段を踏み外すと、そこから這い上がることは出来なくなってしまうのだろうか。
    正義を語るFBIも、連邦検事も、誰もかれもがマンハッタンの街のように汚染されている。

    読んでいて息苦しい。
    でも読むのをやめられない。
    これがドン・ウィンズロウなのか!

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    2018年10月18日
  • その犬の歩むところ

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    原題が「The Story of a Dog and America」という通り、「アメリカ」というところが強調されている。9.11、イラク戦争、ハリケーンカトリーナ、暴力…と現実のアメリカの諸問題が背景。登場人物はみんな何かを失って傷ついているのだけど、それでも善意や夢を失わずに生きようとする。そこに寄りそうのが犬。この物語では「ギヴ」という名前の犬だけど、辛いときに犬に寄り添ってもらう人は世界にたくさんいるだろう。やっぱり犬は人類の友。テーマは重いけど、読後感は良い。

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    2018年09月27日
  • ダ・フォース 下

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    作者は警察関係者に綿密に取材しているようなので、本書の内容は相当程度現実を反映していると思われるが、正義というか治安維持を実現するために悪徳に手を染めなければならないというのが現実だとすれば、かなり絶望的状況ということになるが、多分にウィンズロウ的世界ということなのか。

    とはいえ人は絶望的な現実から目を背けつつ、一方で現実と折り合いを付けながら生きていくしかないのだが。

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    2018年09月18日
  • ラブラバ〔新訳版〕

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    少し読みづらかったが,内容は面白く映画に向いているような,作品の中で映画を見ているような感じがした.元シークレットサービスや現在カメラマンということをうまく生かしてラブラバを動かしている.会話も洒落ていて,ストーリーは途中でわかってしまったけれど,それでも会話などの面白さで最後までハラハラした.

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    2018年09月13日
  • ダ・フォース 上

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    腐敗した敏腕刑事。

    そう言う主人公は数多あるが、これもその一つ。ちょっとしたことで歯車が狂い、敏腕刑事と言う立場から転落していく様が描かれていく。

    下巻では、どんな展開が待ち受けているのか。

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    2018年08月02日
  • 怒り 下

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    面白かった!一人ひとりキャラが立ってて、陰惨な事件ながらも随所にユーモラスな感じもあり暗くならず、読みやすい。しかし最後のオチは如何なものか…もっとスッキリ終わって欲しかった。

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    2018年07月27日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

    nao

    購入済み

    面白かったです。
    そんなに下ネタばかり話さなくてもいいかなと途中でうんざりしましたが。
    金髪でハンサム、おしゃべりな方を絶対違うとは思いながら、「ダンケルク」のジャック・ロウデンに脳内変換してずっと読んでいました。

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    2018年07月17日
  • 偽りの銃弾

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    まずは…小学館て意表突き過ぎで新聞で偶然見かけなかったら気付かなかったかも…。

    今作は、これも偶然なのだけれど、マイロンシリーズを再読した直後に読みました。

    マイロンの勧善懲悪ながら軽妙な感じとは違って、序盤から中盤までは微妙にダラダラな感じなのに、後半一気に畳み掛けて仕上げて、しかも泣かせるという…。

    やっぱりマイロンシリーズの続編の邦訳を切に願います!

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    2018年06月16日
  • その犬の歩むところ

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    言葉を話さない犬ではあるけれど、その存在によって、出会った人の人生をつむいでいく、一種の神話のような物語。
    それにしても犬の人生があまりにも波瀾万丈すぎて、もう少し平穏にすごさせてやってくれと、作者に訴えたくなったよ。

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    2018年04月12日
  • 15時17分、パリ行き

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    映画を先に見てしまってたので、読んでいてシーンが画像となって読めたのは良かったかな。ただ、映画ではほんの一瞬の出来事のようで、実際にも短い時間だったらしいけど、人間の記憶って曖昧なんだなと思いましたね。そして彼ら3人の小さいころからの繋がりや、テロにあった旅行での不思議な引き寄せ?偶然?何でもない日常が突然とんでもない出来事に巻き込まれるんだって、これは他人ごとではないんでしょうね。日本も決して安全な国ではなくなっているから・・でも、そうなったとき自分は彼らのように立ち向かえるか・・無理だね。
    事件後の彼らを取り巻く異常な光景は、どこの国も同じなんだと思いました。
    メディアはいい加減だし、一般

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    2018年03月28日
  • ジャングル・ブック

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    小学生で読んで以来手にした。もちろんその頃は児童向けの本だったが。ただ挿絵は同じだったようで懐かしい。物語の内容は忘れていたが、登場人物(?)の名はモーグリをはじめバギーラやカーは懐かしい。自我に芽生え、人間の血が騒いでも愛情はすべての動物に共有するものと感じさせてくれる。2018.3.23

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    2018年03月23日
  • ゴーストマン 消滅遊戯

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    ネタバレ

    ゴーストマンシリーズ第2作。1作目が結構オモロかったので、翻訳出て比較的早く(俺にしては)読んでみた。名前は偽名以外一切名乗らない主人公が、相変わらずカッチョ良い。名前も名乗らない癖に、行動の説明がいちいち細かくナルシスティックなんがカッチョ良い。実際にこんなん聴いたらきっとカッチョ良くないはずなんだけど、アクションハードボイルド小説にはとてもよくマッチする。

    アクションも壮絶、敵もなかなかに規模がでかかったり、主人公に負けないくらいナルシストだったりで良い。美学に溺れて最後ヤラカすのはお笑いだが(あそこは銃撃やろ…とか)

    ヒロインとの再邂逅も期待できる次回作…と思ったら、なんと作者急逝に

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    2018年03月23日
  • 王女マメーリア

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    和田誠さんの絵が可愛いなーなんて思いつつ、全然可愛くない内容の『大人の童話』短編集でそれぞれ雰囲気は違っていて、他の作品も気になりました。

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    2018年02月23日
  • その犬の歩むところ

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    読む前は、もう少し犬を全面に出したというか犬目線の物語なのかと思ったが、あくまで語り手は人たちであり、その人間たちの強さや弱さ、幸せや不幸せ、素晴らしさやどうしようもなさ等を描き出すためのギミック、触媒として犬が使われているような類の作品だと、読後は思いを新たにした。
    作者が言いたいところの本質的な部分は、大戦後の朝鮮戦争やヴェトナム戦争、近年では湾岸戦争や911にイラク戦争、それにカトリーナ等といった個人の力では抗しきれない災厄を体験したアメリカ人しか理解できないような気もするが、それらを潜り抜け翻弄されてきた人たちの間でまた、物言わぬギヴが運命の流れに翻弄されながらもジッと耐え続けている様

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    2018年01月23日
  • 飛行士たちの話〔新訳版〕

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    ダンケルク関連で話題に上がっていたので読んでみた。
    スピットファイアが出てきたり、戦闘に出て行くパイロットのお話で読めば読むほどダンケルクの世界観と繋がっていく感覚があった。そこが良くもちょっと辛い。

    悲しいお話や滑稽なお話色々あるけれど、私は「ある老人の死」が好き。チョコレート工場とは全く違うロアルド・ダールを知れて良かった。

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    2018年01月11日
  • その犬の歩むところ

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    読んでいる時も読み終わった後も、ハラハラドキドキして、けれども、心が温かくて…。ギブを抱きしめたくて、優しく撫でたくて…。「ありがとう」って言いたくて…。それが出来なくて、その代わりに、本にそっと頬寄せて…。

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    2017年12月15日
  • 神は銃弾

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    麻薬と銃と暴力の社会、そしてイエスが神では無いアメリカ。自分の中にもきっとある暗部を見ている気配を感じながら、やっと読み終えた。

    ケイトとボブとギャビと、三人が角突きあったり助け合ったり自分を出し合いながら絶妙のバランスをとって暮らす姿が見えるだろうか。

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    2017年10月19日
  • 神は銃弾

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    ネタバレ

    家族をカルトに誘拐された男が、かつてそのカルトから逃げた元信者と協力して娘の行方を追う、ただそれだけの話。

    しかし、なんと濃厚な作品だろう。どこまでも人間の善と悪の本質に切り込み切り刻んでいく。
    比喩や暗喩だらけの文章は、まるで文芸作品のように噛みごたえがある一方で、残酷なまでにリアルな暴力描写がいたるところに散りばめられ、主人公とヒロインの地獄めぐりが描かれる。

    どこにも善良な人間はおらず、通常は善である主人公ですら境界を踏み越えていく辺りの描写は迫力がありリアル。
    ハードボイルトというよりバイオレンスに近いかもしれないが、家族や仲間に対する思いがあるゆえに共感することが出来る。

    さら

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    2017年10月05日