田口俊樹のレビュー一覧
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読む前は、もう少し犬を全面に出したというか犬目線の物語なのかと思ったが、あくまで語り手は人たちであり、その人間たちの強さや弱さ、幸せや不幸せ、素晴らしさやどうしようもなさ等を描き出すためのギミック、触媒として犬が使われているような類の作品だと、読後は思いを新たにした。
作者が言いたいところの本質的な部分は、大戦後の朝鮮戦争やヴェトナム戦争、近年では湾岸戦争や911にイラク戦争、それにカトリーナ等といった個人の力では抗しきれない災厄を体験したアメリカ人しか理解できないような気もするが、それらを潜り抜け翻弄されてきた人たちの間でまた、物言わぬギヴが運命の流れに翻弄されながらもジッと耐え続けている様 -
Posted by ブクログ
ネタバレ家族をカルトに誘拐された男が、かつてそのカルトから逃げた元信者と協力して娘の行方を追う、ただそれだけの話。
しかし、なんと濃厚な作品だろう。どこまでも人間の善と悪の本質に切り込み切り刻んでいく。
比喩や暗喩だらけの文章は、まるで文芸作品のように噛みごたえがある一方で、残酷なまでにリアルな暴力描写がいたるところに散りばめられ、主人公とヒロインの地獄めぐりが描かれる。
どこにも善良な人間はおらず、通常は善である主人公ですら境界を踏み越えていく辺りの描写は迫力がありリアル。
ハードボイルトというよりバイオレンスに近いかもしれないが、家族や仲間に対する思いがあるゆえに共感することが出来る。
さら -
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Posted by ブクログ
英国が誇る、ブラックなショートショートがお得意のダールの短編集。読んでいて気付いたが、彼の作品は夫婦が出てくることが非常に多い。且つ、どちらかがどちらかを出し抜こうとするor男女の考え方の違いに焦点を当てることが多いので、表題が「キス・キス」というのと皮肉が効いていて良い。
可愛らしいタイトルと、ピンクがベース、黒一色でポップな自体と、同じく黒一色で収録話の関連イラストがシックな絵柄で散りばめられており、思わず手に取ってしまう表紙が個人的にはかなり好き。
「天国への道」
「ロイヤルゼリー」
が後味の悪さも含めて強烈。
でも読んじゃう、悔しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ静か、ひたすら静か。
それがたとい、酔っ払いで途中
元刑事の勘で犯罪者予備軍(?)を殴ったとしても。
まるで遠めで、
セピアの風景を眺めているかのよう。
現実なはずなのに、夢のごとく。
酔いどれ探偵スカダーが挑むことになった
9年前のアイスピック連続殺人で
一例だけ異なったケース。
特徴として、このケースだけは
両目を貫かれていなかったのです。
そしてこの女性には、
ある事実も判明していますが…
真相は意外な盲点を
ついている犯罪です。
私たち日本人ではわからないことでしょう。
あ、元の国でもローカルだから無理か。
犯行理由はあまり深く
考えないほうがいいですね。
なんだろう、狂気 -
Posted by ブクログ
スノードンの問題は、現時点でも未解決の問題としてメディアでも度々話題になっている。
米国情報機関の機密情報の取り扱い、ということ以上に、インターネット社会における情報の取り扱いについて、一石投じた事件として、当時、どのような動機、背景で、何が起こったのか知ることは重要なことだと思う。
インターネットこそが国境を越え、自由に情報を展開することができる場であると同時に、それを管理することが可能であれば、それを誰かがコントロールし、その自由を抹殺することすらできる。
本著は”暴露”した側が書いたものであるが、これを否定的に取る側の論理にも触れられているし、事の本質にも深く踏み込んでいるので、頭の整