田口俊樹のレビュー一覧

  • その犬の歩むところ

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    読む前は、もう少し犬を全面に出したというか犬目線の物語なのかと思ったが、あくまで語り手は人たちであり、その人間たちの強さや弱さ、幸せや不幸せ、素晴らしさやどうしようもなさ等を描き出すためのギミック、触媒として犬が使われているような類の作品だと、読後は思いを新たにした。
    作者が言いたいところの本質的な部分は、大戦後の朝鮮戦争やヴェトナム戦争、近年では湾岸戦争や911にイラク戦争、それにカトリーナ等といった個人の力では抗しきれない災厄を体験したアメリカ人しか理解できないような気もするが、それらを潜り抜け翻弄されてきた人たちの間でまた、物言わぬギヴが運命の流れに翻弄されながらもジッと耐え続けている様

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    2018年01月23日
  • 飛行士たちの話〔新訳版〕

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    ダンケルク関連で話題に上がっていたので読んでみた。
    スピットファイアが出てきたり、戦闘に出て行くパイロットのお話で読めば読むほどダンケルクの世界観と繋がっていく感覚があった。そこが良くもちょっと辛い。

    悲しいお話や滑稽なお話色々あるけれど、私は「ある老人の死」が好き。チョコレート工場とは全く違うロアルド・ダールを知れて良かった。

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    2018年01月11日
  • その犬の歩むところ

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    読んでいる時も読み終わった後も、ハラハラドキドキして、けれども、心が温かくて…。ギブを抱きしめたくて、優しく撫でたくて…。「ありがとう」って言いたくて…。それが出来なくて、その代わりに、本にそっと頬寄せて…。

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    2017年12月15日
  • 神は銃弾

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    麻薬と銃と暴力の社会、そしてイエスが神では無いアメリカ。自分の中にもきっとある暗部を見ている気配を感じながら、やっと読み終えた。

    ケイトとボブとギャビと、三人が角突きあったり助け合ったり自分を出し合いながら絶妙のバランスをとって暮らす姿が見えるだろうか。

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    2017年10月19日
  • 神は銃弾

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    ネタバレ

    家族をカルトに誘拐された男が、かつてそのカルトから逃げた元信者と協力して娘の行方を追う、ただそれだけの話。

    しかし、なんと濃厚な作品だろう。どこまでも人間の善と悪の本質に切り込み切り刻んでいく。
    比喩や暗喩だらけの文章は、まるで文芸作品のように噛みごたえがある一方で、残酷なまでにリアルな暴力描写がいたるところに散りばめられ、主人公とヒロインの地獄めぐりが描かれる。

    どこにも善良な人間はおらず、通常は善である主人公ですら境界を踏み越えていく辺りの描写は迫力がありリアル。
    ハードボイルトというよりバイオレンスに近いかもしれないが、家族や仲間に対する思いがあるゆえに共感することが出来る。

    さら

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    2017年10月05日
  • カーテン

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    日本帰国中にBS放送で見て読みたいと思った作品。ポアロ最後の事件と、クリスティーが自ら幕引きをしました。この作品が執筆されたのが1940年代で発表は1975年。事件は、犯人Xが直接手を下すわけではないので、不確定の要素が加わればどうなったか?と思いますが、そこは非常に頭の良いXの緻密な計算の上で行われたということで、スルー。全編にポアロとヘイスティングの信頼と愛情に満ちた関係があふれています。

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    2017年09月03日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

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    二人の少年が卵を探す話
    タイトルだけで古い本かと勘違いしてました。
    卵を探す道中で起こる出来事一つ一つが
    印象的なのと、下ネタと悲惨な環境の組み合わせ
    奇妙な感覚で読み進めたけど、
    キャラクター達も面白くて
    読ませる。

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    2017年08月11日
  • 泥棒は選べない

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    面白かった。
    途中あいまいにボカしてると思ったがしっかり回収してたのでよかった
    犯人は意外で楽しめた

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    2017年06月22日
  • 八百万の死にざま

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    アル中の主人公ってのがこの話の芯だった。アル中はアルコールが麻薬になる病気と、テレビで聞いたのを思い出した。
    主人公は探偵で依頼を受けるが、殺人の犯人を探すことになる。先が気になって一気に読んだので、犯人がそのひとなのかよく分からなかった。もう一度、ゆっくり読んでみたい。

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    2017年06月22日
  • ゴーストマン 時限紙幣

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    二つの時点の話が交錯する。二つのマフィアとFBIとから追われる主人公。うまく切り抜けるのだろう(主人公だからねぇ)とは思いつつ、あまりに先が見えないのでドキドキしながら読んだ。
    面白かった。
    こんなものを23歳で書いた人が、30歳にもならずに亡くなるなんて、勿体無い。本当に勿体無い。早く産まれ替わってきて欲しい。

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    2017年05月15日
  • 殺し屋を殺せ

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    ネタバレ

    初めての作者だが最初はスゴク読みづらかった。文章が独特でスゴク緻密な一方で妙な倒置法が多くてはなにつく。
    キャラも本筋に関係ない者まで描きこむので読んでいて戸惑う。
    しかし、メインキャラ(3人の殺し屋+FBI)が揃ってからの話の展開は滑らかでまるで別人のように話が進んでいく。ここからはラストまで一気読み。話の展開にはさほど目新しさはないのだけど、丁寧なキャラとストーリーテリングのうまさで楽しめた。
    第2作が出てるようなので翻訳してほしい。

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    2017年04月30日
  • キス・キス〔新訳版〕

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    英国が誇る、ブラックなショートショートがお得意のダールの短編集。読んでいて気付いたが、彼の作品は夫婦が出てくることが非常に多い。且つ、どちらかがどちらかを出し抜こうとするor男女の考え方の違いに焦点を当てることが多いので、表題が「キス・キス」というのと皮肉が効いていて良い。

    可愛らしいタイトルと、ピンクがベース、黒一色でポップな自体と、同じく黒一色で収録話の関連イラストがシックな絵柄で散りばめられており、思わず手に取ってしまう表紙が個人的にはかなり好き。

    「天国への道」
    「ロイヤルゼリー」
    が後味の悪さも含めて強烈。
    でも読んじゃう、悔しい。

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    2017年04月24日
  • 音もなく少女は

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    麻薬やら銃やら暴力やら、アメリカの暗部を象徴するステレオタイプなネタではあるんだけども、ともかくいちいち細かく書き込まれてて、当たり前だけど、っぽいっと撃たれて死んで終わりじゃないよな、って事を思い知らされる。重い分読むのには時間がかかるけども。
    それにしたってアメリカという国は、一面的にせよ、ともかく混沌としていて一筋縄ではいかないのだよなぁ。

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    2017年04月16日
  • 泥棒は選べない

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    久々に翻訳小説らしい文章を読んで、なかなか入り込めなかったのだけれど、後半はするすると全てが繋がって行く感覚を楽しめた。
    泥棒バーニィのこの後の活躍も楽しみ。読み進める度にバーニィの魅力が深まりそう。続きものんびり読もうー。

    他のシリーズもまた読みたいなぁ。

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    2017年04月10日
  • ゴーストマン 時限紙幣

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    ロジャー・ホッブズ『ゴーストマン 時限紙幣』文春文庫。

    いきなり現金輸送車襲撃の迫力の描写で始まったクライム小説。主人公の私…犯罪の後始末のプロ、ゴーストマンが引き受けることになった、時限爆弾が仕掛けられた紙幣の追跡。その結末は…

    マーク・グリーニーのグレイマン・シリーズとも似ているが、ゴーストマンの方が泥臭い感じがする。

    このミスで第3位獲得も、英米ミステリー賞総なめも頷ける。

    短編『ジャック ゴーストマンの自叙伝』を特別収録。

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    2017年03月19日
  • 暗闇にひと突き

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    ネタバレ

    静か、ひたすら静か。
    それがたとい、酔っ払いで途中
    元刑事の勘で犯罪者予備軍(?)を殴ったとしても。

    まるで遠めで、
    セピアの風景を眺めているかのよう。
    現実なはずなのに、夢のごとく。

    酔いどれ探偵スカダーが挑むことになった
    9年前のアイスピック連続殺人で
    一例だけ異なったケース。

    特徴として、このケースだけは
    両目を貫かれていなかったのです。

    そしてこの女性には、
    ある事実も判明していますが…

    真相は意外な盲点を
    ついている犯罪です。
    私たち日本人ではわからないことでしょう。
    あ、元の国でもローカルだから無理か。

    犯行理由はあまり深く
    考えないほうがいいですね。
    なんだろう、狂気

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    2017年03月07日
  • 音もなく少女は

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    ネタバレ

    前半は一気に読めたけど、クラリッサ(イヴの母)が夫の暴力で亡くなってからなかなか話が進まなかった
    イヴに彼氏ができて少し盛り上がってきたとこで、その彼氏があっけなく亡くなりまた盛り下がった 後半は惰性で読んだ 
    N.Yブロンクスの貧しいイタリア移民のイヴの両親 彼らの袋小路に嵌った人生のやるせなさは読み応えあったので☆4 
    '07発売 アメシスト・エイムス「はじまりは愛の契約」と表紙かぶってるんですけど いいのか⁉ いや、あかんやろw

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    2018年01月17日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    スノードンの問題は、現時点でも未解決の問題としてメディアでも度々話題になっている。
    米国情報機関の機密情報の取り扱い、ということ以上に、インターネット社会における情報の取り扱いについて、一石投じた事件として、当時、どのような動機、背景で、何が起こったのか知ることは重要なことだと思う。
    インターネットこそが国境を越え、自由に情報を展開することができる場であると同時に、それを管理することが可能であれば、それを誰かがコントロールし、その自由を抹殺することすらできる。

    本著は”暴露”した側が書いたものであるが、これを否定的に取る側の論理にも触れられているし、事の本質にも深く踏み込んでいるので、頭の整

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    2016年12月27日
  • キス・キス〔新訳版〕

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    異色作家短編集で何十年も前に読んで、今度は田口俊樹の新訳で読む。クスと笑うブラックユーモアでなく結構刺激的な作品は魅力的

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    2016年10月23日
  • 音もなく少女は

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    印象的な1冊である。生まれつき耳の聞こえない少女はどうしようもない父親と必死で少女を守り育てようとする母親との間で成長する。信頼できる母親の友人と知り合った後、誰よりも大切だった母親と恋人を相次いで失くす。・・・・
    いつしか 心の中で彼女を応援してしまう。理不尽さに屈するなと、立ちあがってくれと。

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    2016年09月23日