田口俊樹のレビュー一覧

  • カーテン

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    ネタバレ

    再読。いくつかポアロ物を読んでから読まないと、ちょっと良さがわかりづらいんじゃないかと思う。シニカルな部分もあるし、ジュディスの安楽死容認発言も気になる。老いや伴侶を失う寂寥、夫婦関係への洞察など、ここまで年月が経たないとここまで書けないだろうなというところに、筆者と登場人物の経年と円熟を感じる。そして遠回しな反戦も読み取れるように思う。
    苦い。そう、ジンセイって多かれ少なかれこんなふうに苦いものだよね。苦いものを抱えて生きていくものだよね。

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    2020年01月27日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    エドワードエドワード・ホッパーの絵を題材にした短編集。
    絵と物語を楽しめる。
    「オートマットの秋」「牧師のコレクション」「音楽室」が面白かった。

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    2020年01月26日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    エドワード・ホッパーの絵をもとに
    17人の作家の17つの短編。
    序文でローレンス・ブロックも言っているけど、本当にバラエティ豊かだ。
    色白で、表情が虚ろにも見える人びと。
    (そのせいなのかちょっと死体と犯罪が多い)
    スウェーデンの映画監督、ロイ・アンダーソンの作品にでてくる人みたい。

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    2020年01月18日
  • ザ・ボーダー 下

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    麻薬戦争に絡む群像劇がくりひろげられ、これはあとこれくらいで収集するのだろうか?とおもいますが、見事に終わっています。
    ドラマ化の話しかあるようなので、楽しみです、

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    2020年01月16日
  • ザ・ボーダー 下

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    まぁ、一応、“正義は勝った”感じにはなりますが、スカッとスッキリという感じでも無いですねぇ。最終的に、アート・ケラーは、自爆したわけでもありますから。

    劇中に出てくる、大統領がなんとも・・・。かの大統領にも、様々な疑惑があるので、この作品で描かれている事も、途中まで「マジか・・・」と思っていました。モチーフ的には、ロシア疑惑だったみたいですが、これも無い事でも無いかな。

    『ザ・ボーダー』と言うタイトルですが、色んな意味がありますね。文字通りのボーダーであり、アート・ケラーのやっている事だったり、彼の立っている立場であったり。

    上巻は中々読みにくかったのですが、下巻に入ると面白くて一気に読

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    2019年12月23日
  • ザ・ボーダー 上

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    多数の登場人物があり、それぞれの立場での視点で各種シーンが次々と描かれるので、シーンの切替わりが早く、最初は取っつき難い印象です。

    ですが、物語が進むにつれ、画が返れている内容は、徐々に重みを増やしていき、読み手のこちらは話に引き込まれていきます。

    某第45代アメリカ合衆国大統領みたいな登場人物がいるような気がしますが、たぶん、気のせいだと思います。

    下巻で、どの様に話が進むのか期待です。たぶん、ハッピーエンディングじゃないんだろうなと思いながら。

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    2019年12月21日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    エドワード・ホッパーという画家の絵から、17人の作家たちがそれぞれの物語を紡いでいく、いっぷう変わった趣向の短編集。

    文章に合わせた絵ではなく、一場面を切り取った絵から背景にある物語を想像するというのは、なかなか興味深い。皆それぞれ個性的で、そこまで想像の世界を広げていくのかと驚く。
    知っているのはキングとキャロルオーツくらいだったが、大御所キングの作品は絵そのままという感じでいちばん凡庸だった。
    自分ならこの絵からどんな物語を作るだろうと、読む前に考えるのも楽しかった。

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    2019年10月02日
  • ダ・フォース 上

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    ウインズロウらしい。まさに清濁併せ吞む?リアルティのある正義とはこういうものか。
    マローンが最後までカッコ良くいて欲しいけど・・

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    2019年09月18日
  • 八百万の死にざま

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    ネタバレ

    東西ミステリー100の21位にランキングされている本書は、さすがと思わせる出来栄えです。
    ミステリーよりもハードボイルド小説であるのは間違いなく、さらに言えばプロットよりも登場人物たちの生き様や会話の方に本書の魅力が凝縮しています。
    特に、ダーキン刑事と依頼人のチャンス、情報屋のダニーの人物造形は素晴らしく、交わされる会話の内容も妙にリアリティがあります。
    後半100頁の疾走感、最後の1行でこの小説を不朽の名作たらしめたのは間違いありません。

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    2019年09月17日
  • ザ・ボーダー 下

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    『犬の力』は麻薬カルテルが第一世代から第二世代に引き継がれるまで。『ザ・カルテル』はその後日談で、前作のような二項対立ではなく、闘争劇を掘り下げる。そして完結編となる本作品は、第三世代が主役となる話ではあるが、領土の奪い合いに終始するわけではなく、第一世代と第三世代の対立の構図が重要な意味を持つ。そこに闘いを挑むケラーはついにDEA長官となり、その権力をフルに発揮し、自己否定ともとれる大胆な作戦でアメリカ側からカルテルを追いつめていく。

    ストーリーは、メキシコ側とアメリカ側に分かれ、場面展開を繰り返しながら並走していく。ケラーが長官になったことで、政治的色合いの濃い完結編となったが、熾烈な

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    2019年09月15日
  • ひとり旅立つ少年よ

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    19世紀半ばのアメリカ。詐欺師の親子が「奴隷制度廃止運動のため」と称して巻き上げた大金を巡るロード・ノヴェルだ。開始早々、たった1人で行動することを余儀なくされた少年は、父が騙ったでまかせを実現するため遥かな地を目指し困難な旅に出る。それは贖罪ではない。プライドの問題なのだ。少女→犬→少年と追ってきたが、すべて期待以上の作品だった。すごいなテラン。最近ようやく入手した過去作も早く読まねば。

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    2019年08月18日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

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    ネタバレ

    他のレビューにもあるとおり、起きていることの悲惨さを跳ね返す道中掛け合いの明るさが、読者に希望を失わせず読み進めさせる原動力になっていると感じた。だからこそコーリャと卵をめぐる結末には切なさ、味気なさ、歯がゆさを感じた(いい意味で)。
    あとがきで気づいたが、ノンフィクションのような形をとりながらフィクションであることにも驚いた。まあ確かにドイツ軍と対峙する場面やヴィカとの再会(アメリカ的!!)は事実っぽくはなかったな。

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    2020年01月24日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    ネタバレ

    エドワード・ホッパーの絵画を基に、17人の作家が想像を膨らませたアンソロジー。編者はローレンス・ブロック。海外小説通の方ならご存知なのかもしれないが、ぼくはスティーヴン・キングとローレンス・ブロックしか知らなかった。好きな作品も、どうだろうと思う作品もあったが、嫌いな作品はなかった。アンソロジーでは稀有なことだと思う。そして一緒に収録された絵画も素晴らしかったが、これを観て1本の小説を書き上げてしまう作家たちの才能に、ただただ敬服した。

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    2019年08月11日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

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    ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している
    作家のデイヴィッドは、祖父レフの戦時中の体験を取材していた。ナチス包囲下のレニングラードに暮らしていた十七歳のレフは、軍の大佐の娘の結婚式のために卵の調達を命令された。
    饒舌な青年兵コーリャを相棒に探索を始めることになるが、飢餓のさなか、一体どこに卵が?
    逆境に抗って逞しく生きる若者たちの友情と冒険を描く、傑作長篇
    (あらすじより)

    かなり重厚な読み応え
    気合入れて読むタイプの本です!

    帯を書いた人はこの本を読んだか疑わしい。
    胸キュン要素より戦争の悲惨さ要素のほうが多いぞ。

    共産党政権下のソ連で略奪で逮捕と脱走

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    2019年08月07日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    エドワード・ホッパーという画家がいる。現代アメリカの具象絵画を代表する作家で、いかにもアメリカらしい大都会の一室や田舎の建物を明度差のある色彩で描きあげた作品群には、昼間の明るい陽光の中にあってさえ、深い孤独が感じられる。アメリカに行ったことがないので、本物を目にしたことはないが、アンドリュー・ワイエスと同じくらい好きなので、ミュージアム・ショップでカレンダーを買って部屋の壁にかけている。

    深夜のダイナーでカウンターに座るまばらな客を描いた「ナイトホークス」に限らず、ホッパーの画には、その背後に何らかの物語を感じさせられるものが多い。作家のローレンス・ブロックもそう考えた一人だ。彼は、これは

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    2019年08月07日
  • その犬の歩むところ

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    ネタバレ

    完璧なまでに善良で無垢なるものギヴ。どんな困難にも諦めず立ち向かい希望を失わない。
    そんなアメリカンスピリッツの象徴としてのギヴが飼われていたモーテルに宿泊に来た兄弟の兄の悪意により盗まれるところから始まり、カトリーナによる喪失、9.11およびその後のイラク出兵によるゆがみを抱えた人々を癒しながら物語は進んで行く。
    どこまでも真っ直ぐで、ハッピーエンドに向かっていく直球の物語であるにもかかわらず、語られる言葉の神々しさ、善良な熱意により、変な嫌味は全くなく、アメリカなる物語として楽しめた。
    ただ、ミステリ生はほぼ無く、クライマックス直前でのなるほどね止まりのためその筋の話と思って読むと退屈かも

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    2019年07月07日
  • ダ・フォース 下

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    ネタバレ

    等身大の登場人物たちが、正義の境界線を徐々に超え、戻れなくなる。

    俺たちはやってる。平和に貢献している。
    毎日命を張り、悪いやつらを刑務所に送り込んでいる。
    だから、多少のことは、少しぐらいの小遣い稼ぎぐらいはいいだろう。
    家族のためだから。

    一線を超えると次は正義ではなく家族のためになる。
    そして元に戻れなくなり、何でもやるようになる。
    本来であれば正義のために行わなければならない行為も。。

    警官としてかっこよく生きたかったのに。
    正義のために命を張っているからこそ超えてしまう境界線。

    主人公デニーを通し人の弱さと正義について叙事詩のように歌い上げるウィンズロウの手腕に脱帽。

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    2019年03月09日
  • 悪魔の赤い右手 殺し屋を殺せ2

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    ネタバレ

    シリーズ第2弾。殺し屋のヘンドリクス。だけどムダな殺しはやりたくなくて理由があって殺す。だから戦闘シーンでもとどめを刺さない時もある。今回の相棒キャメロンへの不器用な優しさや、ヘンドリクス自身の生き方、心情、殺しを生業としながらも仕事以外のところでは狂気も怖さもない。スイッチが入ると冷徹に仕事をする。今作もヘンドリクス以外にも魅力的な人物がたくさんいて面白い。3弾、4弾と続いて欲しいシリーズ。

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    2019年02月22日
  • 八百万の死にざま

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    代表作。
    足を洗いたいのでヒモと話をつけてくれ、というコールガール・キムの依頼は円満に済んだはずだったが、キムはホテルの一室でナタでめった刺しにされて殺害される。元ヒモ・チャンスには強固なアリバイがあったが、彼が人を使ってやったのだろう、と警察もスカダーも考えていた。しかし、チャンスはスカダーに捜査を依頼してきた。

    本筋とは全く関係ないが、ヒモって言葉のイメージが違う…こういうのは女衒っていうべきなんじゃ。
    スカダーは相変わらずのアル中。

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    2019年02月17日
  • ラブラバ〔新訳版〕

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    いやー良かった。クールだわ。「オンブレ」が意外な面白さだったので、新訳版だという本書を読むことに。エルモア・レナードはずいぶん前に何か読んだような気がするが、あまり覚えてない。きっとこの乾いた味わいがわからなかったんじゃないかな。これはまったく大人の読み物だなあ。

    全篇が実に映画的。ヒロインはかつての銀幕スターだし(脇役だけど)。ずっと頭の中にスクリーンが浮かぶ。ラブラバ(主人公のカメラマンの名前)は誰がいいかな。今の若手スターを知らないので、若い頃のポール・ニューマンとかハリソン・フォードとかを脳内配役してみる。かつてダスティン・ホフマン主演で映画化の話があったが頓挫したそうだ。いやいやダ

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    2019年01月29日