田口俊樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まぁ、一応、“正義は勝った”感じにはなりますが、スカッとスッキリという感じでも無いですねぇ。最終的に、アート・ケラーは、自爆したわけでもありますから。
劇中に出てくる、大統領がなんとも・・・。かの大統領にも、様々な疑惑があるので、この作品で描かれている事も、途中まで「マジか・・・」と思っていました。モチーフ的には、ロシア疑惑だったみたいですが、これも無い事でも無いかな。
『ザ・ボーダー』と言うタイトルですが、色んな意味がありますね。文字通りのボーダーであり、アート・ケラーのやっている事だったり、彼の立っている立場であったり。
上巻は中々読みにくかったのですが、下巻に入ると面白くて一気に読 -
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『犬の力』は麻薬カルテルが第一世代から第二世代に引き継がれるまで。『ザ・カルテル』はその後日談で、前作のような二項対立ではなく、闘争劇を掘り下げる。そして完結編となる本作品は、第三世代が主役となる話ではあるが、領土の奪い合いに終始するわけではなく、第一世代と第三世代の対立の構図が重要な意味を持つ。そこに闘いを挑むケラーはついにDEA長官となり、その権力をフルに発揮し、自己否定ともとれる大胆な作戦でアメリカ側からカルテルを追いつめていく。
ストーリーは、メキシコ側とアメリカ側に分かれ、場面展開を繰り返しながら並走していく。ケラーが長官になったことで、政治的色合いの濃い完結編となったが、熾烈な -
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Posted by ブクログ
ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している
作家のデイヴィッドは、祖父レフの戦時中の体験を取材していた。ナチス包囲下のレニングラードに暮らしていた十七歳のレフは、軍の大佐の娘の結婚式のために卵の調達を命令された。
饒舌な青年兵コーリャを相棒に探索を始めることになるが、飢餓のさなか、一体どこに卵が?
逆境に抗って逞しく生きる若者たちの友情と冒険を描く、傑作長篇
(あらすじより)
かなり重厚な読み応え
気合入れて読むタイプの本です!
帯を書いた人はこの本を読んだか疑わしい。
胸キュン要素より戦争の悲惨さ要素のほうが多いぞ。
共産党政権下のソ連で略奪で逮捕と脱走 -
Posted by ブクログ
エドワード・ホッパーという画家がいる。現代アメリカの具象絵画を代表する作家で、いかにもアメリカらしい大都会の一室や田舎の建物を明度差のある色彩で描きあげた作品群には、昼間の明るい陽光の中にあってさえ、深い孤独が感じられる。アメリカに行ったことがないので、本物を目にしたことはないが、アンドリュー・ワイエスと同じくらい好きなので、ミュージアム・ショップでカレンダーを買って部屋の壁にかけている。
深夜のダイナーでカウンターに座るまばらな客を描いた「ナイトホークス」に限らず、ホッパーの画には、その背後に何らかの物語を感じさせられるものが多い。作家のローレンス・ブロックもそう考えた一人だ。彼は、これは -
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ネタバレ完璧なまでに善良で無垢なるものギヴ。どんな困難にも諦めず立ち向かい希望を失わない。
そんなアメリカンスピリッツの象徴としてのギヴが飼われていたモーテルに宿泊に来た兄弟の兄の悪意により盗まれるところから始まり、カトリーナによる喪失、9.11およびその後のイラク出兵によるゆがみを抱えた人々を癒しながら物語は進んで行く。
どこまでも真っ直ぐで、ハッピーエンドに向かっていく直球の物語であるにもかかわらず、語られる言葉の神々しさ、善良な熱意により、変な嫌味は全くなく、アメリカなる物語として楽しめた。
ただ、ミステリ生はほぼ無く、クライマックス直前でのなるほどね止まりのためその筋の話と思って読むと退屈かも -
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ネタバレ等身大の登場人物たちが、正義の境界線を徐々に超え、戻れなくなる。
俺たちはやってる。平和に貢献している。
毎日命を張り、悪いやつらを刑務所に送り込んでいる。
だから、多少のことは、少しぐらいの小遣い稼ぎぐらいはいいだろう。
家族のためだから。
一線を超えると次は正義ではなく家族のためになる。
そして元に戻れなくなり、何でもやるようになる。
本来であれば正義のために行わなければならない行為も。。
警官としてかっこよく生きたかったのに。
正義のために命を張っているからこそ超えてしまう境界線。
主人公デニーを通し人の弱さと正義について叙事詩のように歌い上げるウィンズロウの手腕に脱帽。 -
Posted by ブクログ
いやー良かった。クールだわ。「オンブレ」が意外な面白さだったので、新訳版だという本書を読むことに。エルモア・レナードはずいぶん前に何か読んだような気がするが、あまり覚えてない。きっとこの乾いた味わいがわからなかったんじゃないかな。これはまったく大人の読み物だなあ。
全篇が実に映画的。ヒロインはかつての銀幕スターだし(脇役だけど)。ずっと頭の中にスクリーンが浮かぶ。ラブラバ(主人公のカメラマンの名前)は誰がいいかな。今の若手スターを知らないので、若い頃のポール・ニューマンとかハリソン・フォードとかを脳内配役してみる。かつてダスティン・ホフマン主演で映画化の話があったが頓挫したそうだ。いやいやダ