田口俊樹のレビュー一覧
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ネタバレ人間というものは最終的に、それぞれ異なる
多種多様な独立した住人たちの住む純然たる集合体
として理解されるようになるだろう。
抑制が利かず、汚辱にまみれる私も、白日のもと、
知識の蓄積や、人の悲しみや苦悩の救済に勤しむ私も
「どちらも同じ私」だった、と振り返るジキル。
ここの部分を読んで
平野啓一郎さんの分人主義を思い出した。
平野さんは「人間が複数の人格の集合体である」
と捉えることを前向きに捉えていたと思うけど、
逆にジキルはこれが悩みの種になっている。
「相容れない二本の薪がひとつの束に
くくりつけられていることこそ、
人類の呪いなのではないか。
悶え苦しむ意識という子宮の中で、
北 -
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プロローグ
“神は銃弾”
神のような絶対的存在ですら、たった一発の銃弾の前には成す術がないのであろうか!?
人間は、絶対的な暴力の前には無力なのか!?
その答えは……
本章
『神は銃弾』破壊的な★3.5
アメリカ探偵作家クラブ賞 ノミネート
英国推理作家協会賞新人賞受賞
このミス1位
ゼロ年代ベストミステリー3位
ボストン・テランの錚々たる賞を引っさげた、
輝かしいデビュー作である
ドラッグ、セックス、ヴァイオレンス、猟奇的殺人、エログロ…アメリカの闇を全て詰め込んだ作品だ
これは、傑作なのか!?
それとも、只のヴァイオレンスなだけの作品なのか!?
私は後者をとる
そう感じ -
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リューインさんのファミリー物(といっていいのか…?)
病名は書いてないものの、世界的パンデミックにより崩壊したアメリカが舞台。
設定ではあるけれど、この設定が受け入れられるほどにはアメリカでのコロナの被害はすごかったのだろうと思わせる。
感染症で妻を亡くした老人、その娘、孫である少年が、ただ生きているだけの日々。
だけどそこに一匹の犬と、そして一人の少女が合流して、家族の物語が動き出す、というストーリー。
淡々と、フードバンクに並んだり廃墟に忍び込んで暮らしたりといったパンデミックで崩壊した世界を生きる親子の生活と絡めて彼らの過去がわかるのだが、老人も彼の娘も割としんどい過去を持っているこ -
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テーマは良いが、思ったより読みにくかった。難しいという読みにくさではなく、個人的に分かりづらい書き方(淡白すぎるのか?)な気がした。解説にもあったが、この本はミステリー要素も感じるし、『オペラ座の怪人』に似た、ゴシック味も感じた。基本的に暗い調子で、話の筋だけなら最後の手紙部分だけで十分だが、友人側と本人側両方から見れる作りになっているのは凝っている。だが読んでいる時は、特に友人パートが分かりにくさを感じがちだったので、最後の手紙による告白が良かったと思った。なかなか建物の様子とか街並み、時代背景を理解できていないと、情景のイメージが付きにくかった。次第に薬を飲まずともハイドになってしまい、
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ローレンス・ブロックの、私立探偵スカダーのシリーズとして、最初に読んだのは「八百万の死にざま」だったと思う。相当昔の話だ。その作品で、ローレンス・ブロックも、スカダーのシリーズも好きになり、ずっと読んでいる。
この作品が、スカダーのシリーズは最終作になるらしい。
ただ、この作品は、「私立探偵」としてのスカダーが事件に取り組む話ではなく、スカダーが探偵になるまでの話を、回顧しているという仕立ての物語。私立探偵ものとしてのスカダーのシリーズは、そういう意味では前作で終わっていたのだ。この本が面白くなかったとは言わないけれども、最後の作品であれば、やはり私立探偵スカダーに合いたかった。 -
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最初はジキルとハイドを別人物だと思って読み進めていましたが、アタスンやラニヨンら(ジキルの旧友)のやりとりを通して少しずつ同一人物であるということが明らかになっていく、ミステリー小説として楽しめました。この作品が書かれた1800年代、産業革命以後のイギリス社会での人々の生活やキリスト教への信仰、社会的地位への関心が垣間見れたところも古典ならではで読んでよかったと思います。生まれ持った体は精神を作り上げた力の霊気や輝きにすぎないという表現からは肉体ではなく精神こそが自己の本質であると考えるジキル(作者スティーブンソン)の考え方が読み取れました。また、人々に賞賛され、幸福に生きられる「善」の自分で
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ボストン・テランはエエはなし書かはるなぁ。
「その犬」の名前はギヴ(give)。人がギヴに寄せる愛や、ギヴが人に感じさせる優しさが通底する、ギヴとギヴに関わる人たちの物語だ。語り手は湾岸戦争の復員海兵隊員で、戦場で追った心の傷をギヴの物語を追体験する中で和らげ、かつての自分を取り戻してゆく。
アメリカは第2次大戦以降も世界で戦争を続ける好戦国ではあるが、市民生活は至って平穏な面を見せる。本書は古き良きアメリカの善意に包まれていて、悪意の現れも一部あるが、全体に古いアメリカ映画を観ているような気分に浸れる。最近のアメリカ大統領が振っている旗印に反吐が出る思いを感じるなか、包容力あるアメ