田口俊樹のレビュー一覧
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レイモンド・チャンドラーの生んだ私立探偵フィリップ・マーロウは、多くのミステリー作家に愛されている。本書も老境に達したマーロウが登場するパスティーシュとして書かれた。 マーロウファンとしては読むしかない。
探偵業は10年前に引退し、メキシコで余生を送る72歳のマーロウの元に、保険会社からの依頼が舞い込んだ。 溺死した富豪の件を調べて欲しいという。 久しぶりの調査に乗り出したマーロウは、若く美しい未亡人に出会うが....
チャンドラーが生前に残したのは「プードル・スプリング物語」の最初の数章までなので、その後のマーロウがどのような人生を歩んだのかはわからない。 そこは読者が自由に想像して良い -
Posted by ブクログ
父はチンピラギャング ロメイン、世間知らずでロメインの暴力に耐えてきた母クラリッサ、聾唖の娘イブの成長譚。母娘の姉にして聖母的存在のフランはナチスにより子宮摘出を受けた傷を腹に刻まれている。聾唖でなくても女たちには「音(声)」はなく、守ってくれるはずの男達も父(ロメイン、そしてミミの父ロペス)はむしろ攻撃者として立ちはだかり、ベトナムから生きて帰還したチャーリーはブロンクスでロペスの手下に銃殺される。
誰も守ってくれなければ、最後は自ら逆襲するしかなかった女たちの物語でもある。
弱者に寄り添いながらも予定調和ではなく現実感のあるハードな人生を、ボストン・テランは情緒を排したクールな文体で切り取 -
Posted by ブクログ
悲劇的な結末には違いない。しかし、ここで思ったのは「再生」の道は人それぞれだ、ということだ。積極的に新たな道を歩みだすことで悲しみから立ち直ろうとする者、永遠に続くかと思われる程、果てしなく苦しむ者、笑顔で日常を続けながら奥底に葛藤を秘める者、悲しみ苦しむ者を時に遠くに、時に叱咤して見守り導く者、、、。それぞれのペースでそれぞれの方法で再び生きる力を取り戻せば、それはそれでいいのだと、力を取り戻す事に正解の方法や時間はないのだと思う。。個人的に北欧の作家と作品が好きだ。癒しの自然ではなく、人を寄せ付けない厳しさがあり、同時にその美しさを描きながら、それが登場人物の心情に重なり重厚さがありながら