【感想・ネタバレ】レイチェルが死んでからのレビュー

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Posted by ブクログ

わたしの中には常に燃料がある。その燃料に火がつき、今のわたしは炎に包まれている。

現在形を多用した一人称で綴られる文章(「あなたに不利な証拠として」を思い出した)が素晴らしい。

主人公がひたすら犯人を探し続けるシンプルなストーリーであり、容疑者とみなした者に対する主人公の行動にも些か常軌を逸したところがあるのだが、冷たくストイックな文章から伝わる姉への想いが切なく、物語から気持ちが離れない。

本格ミステリーではないため、最後に明らかになる犯人は事前に推理不可能だが、不満は残らない。犯人も犯行に至る経緯も、それまでの姉の描写から十分納得がいくものであるからだ。

映像の力だけで魅せる映画(キューブリックなど)を見たような気分になった。

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2020年09月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

邦題がセンスある。
これ、何で評価低いんだろうな。私は結構面白かった。

私はミステリに明るくないので、厳密に言えば違うのかも知れないけど…俗に言う"信頼できない語り手"ってこういうことかな。

何でそう思ったかと言うと、主人公のノーラの感情の起伏が激しいことや、強迫観念が強すぎて、何が本当かわからないんだよ。

ジャンルとしてはミステリだと思うんだけど、謎解きがメインじゃない。
客観的状況とか事実とか殆ど書かれてないし、メインはノーラが見聞きしたことや、心象や思考だと思う。

読んでいるうちに物語に引っ張られて、ざわざわした気持ちになってくるし、段々とノーラが薄ら怖く感じてくる。それがまた面白い。

他の登場人物も結構アレな感じだから、被害者に同情とかは出来ない系の話なんだけど…唯一可哀想だと思うのは、ドーベルマンだけだった。

因みに、事件は物語の最後であっさりと解決する。
犯人が分かって終わり、みたいな。

でも、これはこの終わり方が一番いいんだろうな。

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2020年08月30日

Posted by ブクログ

姉の殺害現場の発見から始まる。その後捜査が始まる。妹は警察の捜査に協力させられながら自分も犯人を捜す。後書きに主人公が怪しいと書いてある。犯人目線にて読み進む。なんか姉との関係は外側から見ればそうなのかもしれないが、仲間や本人からしてみたら、本当に家族か?と感じる程の何かはない。職業も園芸家らしいが記述はなく、この人生きてる人?本当に魂の息吹きが全く感じられない語り手と読み進む事件。事件も真実を知りたいと思う人はこの世にいるのか?と覇気のないゾンビ集団のゾンビ話、と自分は思った。サラッと最後で真相。

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2020年07月09日

Posted by ブクログ

読みやすかった。
ずっと一人の目線で話が進行し、なんか勘違いしてるんちゃうん、とか、おかしなってるんちゃうんと思いながら読んだ。

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2019年05月22日

Posted by ブクログ

妹の行動が明らかになるにつれてありがちな結末が予想されましたがさにあらず。とはいえどんでん返しとか結末で勝負する話ではなく主人公の姉に対する愛憎がなせる行動力妄想力にドキドキする作品でした。

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2019年04月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「信頼できない語り手」もののミステリ、というよりは犯罪被害者の精神状態を克明に描くことに重点が置かれている。主人公であるノーラの語りは要領を得ないし、突発的な奇行に走ったり過剰に神経を尖らせたり、普通のミステリ読者なら「オイオイこいつ絶対アクロイドパターンでしょ知ってる」となってしまうところである。しかし実際、レイチェルを殺したのは別の人間であり、ノーラは彼女なりに最善を尽くそうとしていたのだ。愛憎混ざった感情を抱いていた姉を唐突に奪われ、自分が過去にすべきだったことも、これからするべきことも見失ってしまったノーラ。そんな彼女の喪失感を描く小説として、「レイチェルが死んでから」という邦題はかなりセンスがあると思う。

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2019年01月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

姉のレイチェルを殺害したのは誰か。妹のノーラが探すのだけれど、そのノーラの語りが不安定なもの。心の乱れ、不安、怯えと様々なものが見え隠れしてどこに本当のことがあるのかわからない。「信用できない語り手」というやつ。ノーラの心理をレイチェルとの日々の回想を行き来しつつ追うことで面白みのあるものになっている。

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2018年11月28日

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