田口俊樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ等身大の登場人物たちが、正義の境界線を徐々に超え、戻れなくなる。
俺たちはやってる。平和に貢献している。
毎日命を張り、悪いやつらを刑務所に送り込んでいる。
だから、多少のことは、少しぐらいの小遣い稼ぎぐらいはいいだろう。
家族のためだから。
一線を超えると次は正義ではなく家族のためになる。
そして元に戻れなくなり、何でもやるようになる。
本来であれば正義のために行わなければならない行為も。。
警官としてかっこよく生きたかったのに。
正義のために命を張っているからこそ超えてしまう境界線。
主人公デニーを通し人の弱さと正義について叙事詩のように歌い上げるウィンズロウの手腕に脱帽。 -
Posted by ブクログ
いやー良かった。クールだわ。「オンブレ」が意外な面白さだったので、新訳版だという本書を読むことに。エルモア・レナードはずいぶん前に何か読んだような気がするが、あまり覚えてない。きっとこの乾いた味わいがわからなかったんじゃないかな。これはまったく大人の読み物だなあ。
全篇が実に映画的。ヒロインはかつての銀幕スターだし(脇役だけど)。ずっと頭の中にスクリーンが浮かぶ。ラブラバ(主人公のカメラマンの名前)は誰がいいかな。今の若手スターを知らないので、若い頃のポール・ニューマンとかハリソン・フォードとかを脳内配役してみる。かつてダスティン・ホフマン主演で映画化の話があったが頓挫したそうだ。いやいやダ -
Posted by ブクログ
なかなか文庫にならないのでハードカバーで購入。
真実の報道などというものが、テレビや新聞の紙面に存在するというナイーヴな考えを持つ人は(2010年代も終盤の今となっては)かなり少ないと思うのだが、自分はそれでもかなり「信頼」はしているような気がする。
本書を読み通すと、その考えが甘いことに気がつかされる。報道とは「現実をそのまま描写したもの」ではないし、仮にそのように表現できたとしても、あくまで取材者の主観や知識、先入観、宗教観、世界観などなど、その他諸々に支配された「現実」を描写しているものにどれだけ現実を伝える力があるのか、疑問しかない。
メディア経由の現実とは、外国語のようにも感じ -
Posted by ブクログ
ネタバレ”ネズミ”となり追い込まれて行く、主人公。
ここから冒頭の牢屋のシーンに辿り着くのかと思いきや、話はドンドン加速していく。
”汚れた”代償として次々に命を狙われ、利用される主人公が周り全てを巻き込みながら疾走する熱いドラマは圧巻で、下巻は一気に読み終わる迫力だった。
が、やはりいくら主人公の論理では正義であっても、既に一線を何歩も超えた正義は肯定できず、それが読後感に響いている。
しかし、ドン・ウィンズロウの筆力は衰えるどころかますます熱くなってくる。「カルテル」以降、「報復」「失踪」と少し軽めだったがここに来て本領発揮。
しかも「カルテル」の続編もあるらしい!
何より、リドリー・スコッ -
Posted by ブクログ
ネタバレ待ちに待ったドン・ウィンズロウの新作。
しかも上下2巻の厚さ。
今回は汚職刑事が主人公で、汚職故に留置されているところから物語が始まる。
・・・という事で、ここからいつもの作品と違う。
正義を実行するための手段として”汚職”という世界に足を踏み入れた、という訳だけでもないし、ひたすら主人公の言い訳めいたモノローグが多く、今一つキャラに共感できない。
しかも、まるでニューヨーク賛歌でもあるがごとく、街の裏表を含めた様々なエピソード紹介が多い。確かに興味深く読めるエピソードは多いし、作者の博識ぶりはよくわかるが、その分、物語のリズムがそがれ、名作「犬の力」や「カルテル」のような物語のダークな -
購入済み
面白かったです。
そんなに下ネタばかり話さなくてもいいかなと途中でうんざりしましたが。
金髪でハンサム、おしゃべりな方を絶対違うとは思いながら、「ダンケルク」のジャック・ロウデンに脳内変換してずっと読んでいました。