田口俊樹のレビュー一覧

  • 狩られる者たち

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    北欧ミステリー。最初は訳がわからなかったけどだんだんと引き込まれていった。海外ミステリーはまりそう。

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    2025年01月29日
  • その犬の歩むところ

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    邦題は詩的で印象的なタイトルである。
    原題は簡潔にGiv(ギヴ)。物語の軸となる犬の名である。副題はThe Story of a Dog and America、1頭の犬と「アメリカ」の物語。
    原著発行は2009年。つまり、9・11の同時多発テロを経たアメリカだ。心を病んだ多くの帰還兵を抱え、ハリケーン・カトリーナの甚大な被害にも見舞われたアメリカだ。
    そのアメリカを1頭の犬が流転する。犬はあるときは奪われ、あるときは自ら選んだ人に寄り添う。犬は時に人を救い、時に人に救われる。
    彼の数奇な運命は人と人とをつなぎ、奇跡と言ってもよいような希望をもたらす。

    物語の語り手はディーン・ヒコック。

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    2025年01月20日
  • ジキルとハイド

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    有名だが、二重人格モノということ以外知らず初読。
    ハイドになるために薬を使用し、姿形まで変わってしまうというので驚いた。
    多重人格というよりは、素面の時は常識人だが酒飲むと性格が豹変する人に近い。
    序盤は推理モノのようでもあるが...。
    自身の快楽を満たすために生み出したハイドと、ロンドンの名士としての威厳を保ちたいジキルの間で揺れ動く葛藤が読みどころか。面白い。
    古典だが、2014年の訳でとても読みやすかった

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    2025年01月07日
  • マット・スカダー わが探偵人生

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    84歳になったマット・スカダーが、出生から35年間の人生を振り返る自伝。
    本書においてスカダーは実在の人物であり、これまでにブロックが書いてきたシリーズは彼の経験を基にした小説という設定のメタ・フィクションだ。実際にブロックとスカダーがやりとりする場面もあるからややこしい。
    シリーズではあまり触れられていなかったスカダーの両親、生後すぐに亡くなった弟の存在、学生時代、警察官としてのエピソードなどが淡々とした筆致で描かれている。
    『八百万の死にざま』を刊行直後に読んでから約40年の付き合いだが、どうやら本書で読み納めとなりそうだ。

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    2025年01月05日
  • ジキルとハイド

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    ネタバレ

    本書は全ての人間に秘められた2面性を題材に話が進んでいく。本の裏書でジキルとハイドは同一人物だと明かされており、その事を知った上で読んだのだが、最後に書かれた博士の独白を読んで全ての謎が解けた。
    無秩序な自由や快楽を求める悪(ハイド)と、それを抑圧する善(ジキル)が1つの肉体で交錯し、最後には死を持って終わりを迎えてしまう。
    訳者のあとがきも面白かった。

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    2025年01月02日
  • あなたに似た人〔新訳版〕 I

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    久しぶりに読み返した。
    ブラックユーモアというか、人間のちょっと悪い部分、あまり意識せずに人に見せて「うわっ」と思われる一面が描かれていてとても面白い。
    『皮膚』が好きかな。自分に似ているのは『ギャロッピング・フォックスリー』かもしれない。

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    2025年01月02日
  • 終の市

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    ドンウインズロウ最後の作品。
    後半のたたみかけるような展開、疾走感。ラストよかったけど、終わってほしくなかったなあ。
    今作ではダニーの仲間ではネッド・イーガン、敵役ではクリス・バルンボがクールでカッコいい。ダニーの母親マデリーンもいいんだよな。
    ウインズロウ復帰してくれないかなあ。

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    2025年01月02日
  • 神は銃弾

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    初期(「音もなく少女は」まで)のボストン・テランの小説でわたしが読みたいのは、繊細で美しく複雑で荒々しい、とにかくカッコいい文章とそこに幾重にも厚くかけられる比喩のベール。シンプルなストーリーの上で語られる窮地に陥り人生を解決しようとする人々それぞれにある、こだわり、理、世界をどう観ているかの視点。そして、女性が、虐げられたものが、自らに手で独立を、尊厳を取り戻す物語だ。

    「そう、神は白人で、男なんだよ。だけど、あたしの意見を言えば、それこそ、そもそもの罪だ。それでもう先例ができちまったんだから。神性ー完璧ーは男だって言っちまったんだから。それこそ息子に引き継がれるべき白人の文化で、だから、

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    2024年12月31日
  • ダ・フォース 下

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    「一本の通りを歩いているだけで五つの言語が聞こえ、六つの文化のにおいが漂い、七つの音楽が聞こえ、百もの人種とすれちがい、千もの物語が存在する。そのすべてがニューヨークだ。」

    「そうしておまえは略奪者になった。純然たる犯罪者に。それでも自分は犯罪者じゃないと自分に言い聞かせた。奪う相手は銀行ではなく、ヤクの売人なんだから。ヤクを奪うのに人を殺したことはないんだから、と。」

    上巻はニューヨーク、マンハッタン、その街、“City”の話。街の名所やそこにあるカルチャー、エピソード、ヒーロー刑事、あるいは貧富の差や人種差別、ドラッグ、そして警察、市政の汚職。綺麗な部分も汚れてみえる部分もどちらも詳細

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    2024年12月27日
  • 飛行士たちの話〔新訳版〕

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    とても良かった。本の中で、たくさんの人が死んでいるので、良かったなんて言ってはいけないのだが ほんとうに良い本だったと思う。読みながら、ところどころで涙が滲んだ。戦争の時代に生まれる命と そうでない命の選別は、一体誰がおこなっているのだろう。考えても 分からないことをたくさん考えながら読んだ。言葉にならない感情も 幾度か浮かんできた。飛行機の中で ひとりで死ぬことはたぶん とても寂しいことなんだと思った。空の上で操縦桿を握っていた強ばった手が 女の柔肌を夢見る。誰かが死ぬ間際 同じ視界に小さな花を捉える。遥か上空で見つけるちっぽけな人間の命の重さを やがて 手遅れになった場所で問い掛ける。累々

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    2024年12月11日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    最初、設定が4MKシリーズに似てるなと思っていたけど、途中から、もう一人の主人公が現れて、とても面白い展開になる。
    雨のシーンが執拗に書かれ全体的に暗いムードなのは北欧ミステリぽっい。
    読んで、ぐいぐいと引き込まれて行く。読み応えがある作品。

    だけど、読み終えて驚愕の事実を知る。これ続くんだよ!いわゆる3部作らしい。
    ところがだよ、この続き「狩られる者たち」は出版されているのに、その先が無い!
    アネル・ダールはすでに、このシリーズを5作品、出版してるけど日本では2作目までしか、出版されていないんだ。

    これ最悪!2冊目を読むかどうかも迷って、さらにイライラするのが嫌なので、次の作品を読むのを

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    2024年11月21日
  • 終の市

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     主人公ダニー・ライアンがラスヴェガスで実業家として成功した姿から最終章は始まる。

     ラスヴェガスでカジノ事業を展開する実業家にマフィアの影は禁忌だが、ダニーがマフィア出身であることが色々なほころびから見えてくる。また、ライバルのホテル王ワインガードのマフィアとの関係も露になる。ライバル関係は抗争を呼び、ダニーの古くからの仲間や、ビジネスパートナーも犠牲になる。第2部の陽炎の市では、なりを潜めていた暴力要素が爆発だ。

     最終章ではダニーの子供イアンが事業を引継ぎ、発展させている様子が描かれる。世代交代がマフィアとの関係をロンダリングしたかのようだ。

     ラスヴェガスでのカジノビジネスの、公

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    2024年11月20日
  • ジキルとハイド

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    新潮文庫の100冊で購入しました。
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    紳士と悪魔、
    ふたつの人格。
    ホラーの古典!
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    ロンドンの紳士、
    ジキル博士は薬を飲むと邪悪なハイドに変身してしまう。
    どちらが本当の自分なのか。
    葛藤と苦悩のなか、自分が自分でいられなくなる感覚。

    130年前の作品ですが、
    翻訳のせいか全く古さを感じず。

    ミステリー要素もあって、
    最後まで一気に読みました。

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    2024年10月20日
  • 業火の市

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     アメリカ東海岸の港湾都市を仕切るアイルランド系マフィアとイタリア系マフィアの対立を描いた小説で、3部作の第1作にあたる。作者のドン・ウインズロウが本シリーズをもって筆を絶つ宣言をしているので、心して読まねばと意気込むが、巻頭の登場人物一覧表と、人物相関図を見ると、憶えきれるかどうか不安が沸き起こる。

     不安は杞憂に終わり、読み始めこそ相関図を確認するが、キャラクターが立っているので自然に全体が把握できる。アイルランド系マフィアの一人が主人公となり、悪徳FBI捜査官と組んだイタリア系マフィアに追われる形で、彼らのシマである東海岸の港湾都市を追われることになる顛末が魅力的に描かれている。いろい

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    2024年09月28日
  • THE MATCH

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    前作、「森から来た少年」よりすっきり終わり、面白かった。
    謎の多いワイルドの出自も判明。リアリティ番組の闇など社会の問題点もあり、読み応えもあり。

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    2024年09月23日
  • 偽りの銃弾

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    人には出来ることと出来ないことがある

    出来ないことを努力して出来るようになることは素晴らしいことだ
    そうやって人は成長していくのだ
    あるいはそれが生きるということなのかもしれない

    だがしかし
    どうしても出来ないことというのはある
    残念ながらある
    向き不向きというものがある
    努力では覆すことができない才能というものもある
    残念ながらある

    どうしても乗り越えられない壁に出会ったとき
    無理に超えようせず
    迂回して別の道を進むことも必要だ
    あるいは壁の向こう側に行くことをあきらめ
    引き返したっていい

    人生にはそういった壁が存在する

    例えばハーラン・コーベンをどうしてもハーラン・ベーコンと読ん

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    2024年09月15日
  • あなたに似た人〔新訳版〕 I

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    外国人の書いた本を初めて読みました。
    翻訳特有の言い回しがちょっと難しかったけど、面白かったです。
    どの話も何か居心地の悪さを感じ、最後は息を呑む結末です。
    『南からきた男』が私はおすすめです!

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    2024年08月27日
  • 終の市

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    CL 2024.8.15-2024.8.18
    ダニー•ライアン三部作の完結編。
    まっとうでない世界でまっとうに生きようとしたダニー•ライアンの一代記。
    どれほど成功して富を得ようとも、ダニーをまとう哀しさはなくなることはなく、どこか切ない。
    ジミーやアルター•ボーイズたちが集まってきてからの後半が断然面白い。
    ドン•ウィンズロウ最後の作品。残念すぎる。ある書評家が書いていたようにいつだって戻ってきてくれていいんだよ。

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    2024年08月18日
  • ガイズ&ドールズ(新潮文庫)

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    1930-40年代のブロードウェイを舞台にした粋なショートストーリー集。中でも素敵なのはやはり恋の話で、生粋の大物ギャンブラーのスカイが惚れたのは魂の救済のため布教活動をする清廉な美女サラ・ブラウンだった。賭場でギャンブラーに声をかけて金を賭けて勝ったら相手に布教活動を手伝わせようとするスカイを、賭場に乗り込んでたしなめ、同じ条件で賭けようと言い出すサラ。その恋の行方は…、名作「ミス・サラ・ブラウンの恋の物語」。愛に多額の金を使いまくるブレインが死を前にして選んだ相手は「ブレイン、わが家に帰る」、荒んでいた俺を立ち直らせてくれた親父さんと少女リリーのために「サン・ピエールの百合」などビュアな気

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    2024年08月08日
  • カーテン

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    やっとここまで来たか…という感慨に浸りながら読んだポアロシリーズ最終作。
    数年かけて読み続けていたので、思い入れもひとしお。
    年月と共に名探偵も老いて弱っていくけれど、その分作品の深みが増しているように思える。
    事件の全容についてはある程度予想できた。
    では、この最後の事件を彼はどう締め括るのか。
    スタイルズ荘に始まり、スタイルズ荘に終わる。
    良い幕引きではないでしょうか。

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    2024年06月23日