田口俊樹のレビュー一覧
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ネタバレクラスのいじめられっ娘ナオミが姿を消した。クラスメイトのマシュウは敏腕弁護士の祖母ヘスターに行方を捜してほしいと相談する、ヘスターは幼少の頃森で保護された経験を持つワイルドに協力を仰ぎナオミの捜索を開始する。
いじめ、貧富の差、ネグレクト、児童虐待。日本にも転がっているクソのような社会問題を扱いつつ、物語はそれらの危険性を啓蒙するだけではなく、とんでもない方向に転がりだす。そうだったコーベンはこういうミステリーを書く作家だった。
シリーズ物にするつもりなのか、ワイルドとその周囲の積み残し疑問は結構あるし、上記の社会問題もまぁまぁサラっとおいてきぼりしている感もあって、「人道上も物語の展開もこれでエエのか?」と思える節の数々に☆ー1としたが、読んでいる間の充実感はさすがである。 -
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「業火の市(CITY ON FIRE)」での抗争に敗れて西へ向かったダニー・ライアンの物語の第2弾(「陽炎の市(CITY OF DREAMS)。西には”Dreams”があったが陽炎のように....。
映画的で(ハリウッドが舞台の1つ)、スピード感にあふれており、さすがのウインズロウ&田口俊樹の世界でした。ダニーの部下のアルターボーイズ、ネッド・イーガン、親友マック、母親マデリーン、ハリウッド女優ダイアン....。「犬の力」...シリーズのように上下巻ではないので、もう楽しみが終わってしまう...と思ってしまいました。
来夏刊行予定の「荒廃の市(CITY IN RUINS)」が待ち遠しいですが、ウインズロウのラストとなるのなら刊行はまだまだ先でも良いなあとも思います。 -
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幼い頃に独り森で育った過去を持つ天才調査員ワイルド。コスタリカでの新生活を終えてアメリカに帰国した彼は、DNA鑑定サイトを使い生みの親を捜していた。亡き親友の母・豪腕弁護士ヘスターの協力を得て、父親と思われる男を捜し出したものの、母親が誰なのか、なぜ自分が森に捨てられたのかはわからないままだった。そんななかで母方の血縁者と思しき男PBからの4か月前のメールに気づいたワイルドは、彼と連絡を取ろうとする。PBはリアリティ番組のスターだったが、あることが原因で大炎上し、行方がわからなくなっていた。PBの周辺調査を進めるワイルドだが、やがて思わぬ事件に巻き込まれてしまう…。
「森から来た少年」の続編。抜群のリーダビリティ。日本でももっと評価されていい作家だと思う。刊行を続ける小学館文庫に感謝! -
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ネタバレ2023年度版このミスベスト10の海外編でまだ読めていなかったラスト1冊。
絶対好きな話だとは思っていたが、期待どおりだった。
しがない探偵、離婚歴あり、命の危険に向き合っても屈しない無謀さ、脅しに対してのたまうへらず口、そしてついうっかり心を奪われてしまう単細胞な男心。
こってこてと言ってもいいくらいの正統派、王道ハードボイルド。
王道ハードボイルドにベースボール話が絡んでくるのが本作の特徴。
5年前、向かうところ敵なしとさえ思えるような絶頂期を過ごしていたチャップマン(世界最速左腕ではなく、架空の人物)はシーズンオフに不運にも自動車事故に遭う。
事故で片脚を失ってしまったことによりMLBの舞台からの退場を余儀なくされた。
だが、世間の目から隠れた生活を送るわけではなく、著作を上梓したり、最近では政界進出を目論んでいるともされ、どちらかというと失ってなお輝き続ける人物。
そんな折、5年前の「約束」に言及する政界進出に影を落とすような脅迫状が届き、主人公であるマックス・クラインは調査依頼を受ける。
5年前、約束、事故、関係があるのか。。。
そこからはもうあれよあれよという間にさまざまな事件やら脅迫やらが雨のようにマックスに降りかかり、黒幕は誰で、何のためなのか混沌を極める展開。
途中尽きることない、皮肉やへらず口の応酬が痛快。
チャップマンの妻ジョディとの爽やかな語らいの場面は、プラトニックな男女関係のお手本を見たような気もしたのだが、結局のところねんごろな関係になってしまう、その辺も王道。
また、最後の最後まですべての良き未来へ通じる可能性に背を向け、敢えて痛みのある道を選ぶところも王道。
意地なのか、信念なのか、素直でないだけなのか、いずれにしてもこういう自己犠牲的な「強さ」に憧れてしまうのは、ある意味中二病的な症状なのだろうか。
作者ポール・ベンジャミンは、ポール・オースター(耳にしたことはある名ですが、読んだことはありません)の別名義かつ初作とのことで、ハードボイルド作品は後にも先にもこの一作品のみの模様。
まさに一球入魂の一冊。 -
Posted by ブクログ
この翻訳読みづらいな〜という程度の感想はもつものの、翻訳者という視点から捉えたことはなかった。
精霊の守り人を英訳するときに、あちらにない表現に苦労して‥というお話を聞いて、本当に最近興味が出た次第。
複数人に訳されている古典名作も、読み比べるようなことはなかったので、訳者さんによってこんなに違うのか!と驚き。
多少の誤訳はどうしてもあるという点にも驚き。そういうものなのか‥下訳についても初耳。知らないことだらけすぎて、面白かった。
あとがきにもある通り、一時期、検視官シリーズとシドニィ・シェルダンが平積みされていて、私はおこづかいをやり繰りして夢中になったんだっけ。まだDNA鑑定が最新技術で、ケイ・スカーペッタが猛烈に格好良かった。懐かしいなぁ。
久しぶりに検視官シリーズを読んだときに、?なんだか読みにくい‥と思い、よく見たら訳者さんが変わっていたんだった。その時は残念だった。