田口俊樹のレビュー一覧

  • キス・キス〔新訳版〕

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    英国が誇る、ブラックなショートショートがお得意のダールの短編集。読んでいて気付いたが、彼の作品は夫婦が出てくることが非常に多い。且つ、どちらかがどちらかを出し抜こうとするor男女の考え方の違いに焦点を当てることが多いので、表題が「キス・キス」というのと皮肉が効いていて良い。

    可愛らしいタイトルと、ピンクがベース、黒一色でポップな自体と、同じく黒一色で収録話の関連イラストがシックな絵柄で散りばめられており、思わず手に取ってしまう表紙が個人的にはかなり好き。

    「天国への道」
    「ロイヤルゼリー」
    が後味の悪さも含めて強烈。
    でも読んじゃう、悔しい。

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    2017年04月24日
  • 音もなく少女は

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    麻薬やら銃やら暴力やら、アメリカの暗部を象徴するステレオタイプなネタではあるんだけども、ともかくいちいち細かく書き込まれてて、当たり前だけど、っぽいっと撃たれて死んで終わりじゃないよな、って事を思い知らされる。重い分読むのには時間がかかるけども。
    それにしたってアメリカという国は、一面的にせよ、ともかく混沌としていて一筋縄ではいかないのだよなぁ。

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    2017年04月16日
  • 泥棒は選べない

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    久々に翻訳小説らしい文章を読んで、なかなか入り込めなかったのだけれど、後半はするすると全てが繋がって行く感覚を楽しめた。
    泥棒バーニィのこの後の活躍も楽しみ。読み進める度にバーニィの魅力が深まりそう。続きものんびり読もうー。

    他のシリーズもまた読みたいなぁ。

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    2017年04月10日
  • ゴーストマン 時限紙幣

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    ロジャー・ホッブズ『ゴーストマン 時限紙幣』文春文庫。

    いきなり現金輸送車襲撃の迫力の描写で始まったクライム小説。主人公の私…犯罪の後始末のプロ、ゴーストマンが引き受けることになった、時限爆弾が仕掛けられた紙幣の追跡。その結末は…

    マーク・グリーニーのグレイマン・シリーズとも似ているが、ゴーストマンの方が泥臭い感じがする。

    このミスで第3位獲得も、英米ミステリー賞総なめも頷ける。

    短編『ジャック ゴーストマンの自叙伝』を特別収録。

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    2017年03月19日
  • 暗闇にひと突き

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    ネタバレ

    静か、ひたすら静か。
    それがたとい、酔っ払いで途中
    元刑事の勘で犯罪者予備軍(?)を殴ったとしても。

    まるで遠めで、
    セピアの風景を眺めているかのよう。
    現実なはずなのに、夢のごとく。

    酔いどれ探偵スカダーが挑むことになった
    9年前のアイスピック連続殺人で
    一例だけ異なったケース。

    特徴として、このケースだけは
    両目を貫かれていなかったのです。

    そしてこの女性には、
    ある事実も判明していますが…

    真相は意外な盲点を
    ついている犯罪です。
    私たち日本人ではわからないことでしょう。
    あ、元の国でもローカルだから無理か。

    犯行理由はあまり深く
    考えないほうがいいですね。
    なんだろう、狂気

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    2017年03月07日
  • 音もなく少女は

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    ネタバレ

    前半は一気に読めたけど、クラリッサ(イヴの母)が夫の暴力で亡くなってからなかなか話が進まなかった
    イヴに彼氏ができて少し盛り上がってきたとこで、その彼氏があっけなく亡くなりまた盛り下がった 後半は惰性で読んだ 
    N.Yブロンクスの貧しいイタリア移民のイヴの両親 彼らの袋小路に嵌った人生のやるせなさは読み応えあったので☆4 
    '07発売 アメシスト・エイムス「はじまりは愛の契約」と表紙かぶってるんですけど いいのか⁉ いや、あかんやろw

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    2018年01月17日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    スノードンの問題は、現時点でも未解決の問題としてメディアでも度々話題になっている。
    米国情報機関の機密情報の取り扱い、ということ以上に、インターネット社会における情報の取り扱いについて、一石投じた事件として、当時、どのような動機、背景で、何が起こったのか知ることは重要なことだと思う。
    インターネットこそが国境を越え、自由に情報を展開することができる場であると同時に、それを管理することが可能であれば、それを誰かがコントロールし、その自由を抹殺することすらできる。

    本著は”暴露”した側が書いたものであるが、これを否定的に取る側の論理にも触れられているし、事の本質にも深く踏み込んでいるので、頭の整

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    2016年12月27日
  • キス・キス〔新訳版〕

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    異色作家短編集で何十年も前に読んで、今度は田口俊樹の新訳で読む。クスと笑うブラックユーモアでなく結構刺激的な作品は魅力的

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    2016年10月23日
  • 音もなく少女は

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    印象的な1冊である。生まれつき耳の聞こえない少女はどうしようもない父親と必死で少女を守り育てようとする母親との間で成長する。信頼できる母親の友人と知り合った後、誰よりも大切だった母親と恋人を相次いで失くす。・・・・
    いつしか 心の中で彼女を応援してしまう。理不尽さに屈するなと、立ちあがってくれと。

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    2016年09月23日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    「NSAは外国人にかぎってプライヴァシーを侵害します。」実際には全員が対象。

    NSAの資料が公開され、アメリカのデータ盗みが明らかになった。外国首相のケータイを盗聴していたのもすごい話だ。

    データの内容ではなくメタデータを集めたのはとても興味深い。つながりを追えば内容もわかるのは面白い。

    メディアが国の従僕であるという批判は、全世界で共通のものだと感じた。

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    2016年05月29日
  • コンカッション

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    タイトルの『コンカッション』とは「脳震盪」のことだ。NFL(全米アメリカンフットボールリーグ)におけるプレー時の衝撃がプレイヤーの脳に与える影響をひとりの医師が究明していく過程を描いたものだ。

    主題はふたつ。ひとつはNFLという大きなスポーツビジネスにおける致命的な脳神経系における健康障害の実態。もうひとつは、ナイジェリア生まれの医師で、それがゆえに被ったであろう差別や不利益を産む現実。そして、このふたつに関してビジネス利権を背景にした不誠実な圧力が絡んでくることになる。

    読書前に期待していたのは後者のストーリーよりも前者の現実や危険性や対策についての科学的な分析や知見であった。そういう意

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    2016年08月07日
  • 暗闇にひと突き

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    これはあれだ、地道にこつこつやってればいつか必ず道は開けるって話だ。いやー、地道にやって報われるってのは自分みたいな人間には、うんうん、いい話ダナーってなるけども。後は酒か。酒を飲んで地道にやってたら良いよねって話か。そして女か。でもってチンピラをワンパンできるくらいのワンパクさか。ってこのあたりでちょっとハードルあがるなー。やっぱ地道なだけじゃだめって事か。

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    2015年11月18日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    1998年から5年間、中東特派員として数々のニュース報道に携わったオランダ人ジャーナリストによる「報道されない真実」を赤裸々に描き出した迫真のルポタージュ。

    中東という複雑に入り組んだ歴史をもつ地域において「真実を知る」ことの難しさ、また同じ事象でも見る人の立場によって全く異なる「真実」が存在するという矛盾、さらには真実よりも虚実の方がニュースバリューが高いとみなされるジャーナリズムの構造的問題、そして何時の間にかそれらに「慣れてしまっている自分」への嫌悪感…悩み抜いた著者だからこそのユーモアを交えた語り口調に、圧倒的なリアリティを感じずにいられない。

    もちろん、本書が書かれた2006年当

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    2015年06月07日
  • キャプテンの責務

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    ネタバレ

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    2009年4月、ソマリア沖でアメリカ船籍の貨物船(まーすく・アラバマ号)が海賊にシージャックされた。フィリップス船長は乗組員を救うため単身人質となり、救命艇で海賊に連れ去られる。やがて米海軍特殊部隊SEALsが現場海域に到着。人質交渉が進展せず緊張状態が続く中、船長は見張りの隙をついて脱出を図るが……。全米を震撼させたソマリア沖人質事件の真実を、フィリップス船長自信が克明に綴った衝撃の記憶。

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    2015年06月04日
  • あなたに似た人〔新訳版〕 II

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    サウンドマシン。良い。
    1よりSF色強めかも。

    クロードの犬はどろどろ。

    短編はどうしてもゆっくりしか読めない

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    2015年03月03日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    2013年6月、香港にて本書の著者やその他数人に対し、
    アメリカ合衆国NSA元職員のスノーデンが自身の良心に従って、
    行きすぎたアメリカの監視体制に関する機密文書数万点を暴露したことは、
    日本でも大ニュースになり、みなさんもご存じだと思います。
    その機密文書の内容は、アメリカやイギリスの新聞社から記事として発信され、
    スノーデンはモスクワに移動して逮捕を逃れ、
    本書の著者であるグリーンウォルドも共犯者とみられる向きもあり、
    ブラジルのリオデジャネイロに住んでいながらも、
    アメリカに帰国した際には連行される危険性も否定できないらしいです。

    そんな危険を冒してまで、
    政府に屈せずに報道をしていく

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    2015年02月21日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    いずれかの国でスパイ活動が行われていると想像したことはあったが、まさかここまでとは。
    書かれていることが本当であれば、恐ろしい。
    監視を意識することで行動抑制が起きると言うのはうなづける。
    とてつもない逆風の中でジャーナリズムを貫く筆者にも感服。

    全ては保身、集団心理がなせる技なのか。

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    2015年02月19日
  • 風をつかまえた少年 14歳だったぼくはたったひとりで風力発電をつくった

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    マラウイという国を初めて知った。そしてその国の文化や環境が ウィリアム青年の生活から伺える。教育が整っていないために、たくさんの子どもたちの可能性が失われているのは、本当に残念なこと。でもウィリアムのような若者たちが、これからどんどん出てきて、アフリカをどのようにつくっていくのか、将来が楽しみだ。

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    2015年02月10日
  • 暗闇にひと突き

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    アル中私立探偵マットスカダーシリーズ第4作。彼の人となりに慣れてきた上に、今回のストーリー展開は今までで一番良くできていて、ナイトキャップしながらチビチビ読むのに最高でした。

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    2015年01月10日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    国家による無差別監視。やってるだろうな、と思いつつも、ここまでやってるのか、とゾッとさせられる。

    イギリスでは報道の自由が憲法で保障されていないとは知らなかった。新聞社に乗り込んで、合意のもとでハードディスクを破壊させるって、結構えげつないことするなあ、と。
    アメリカの大手メディアの体制寄りっぷりがショックでした。もちろんこれは著者側から見た意見で、大手メディア側にも言い分はあるだろうけど。

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    2015年01月31日