田口俊樹のレビュー一覧

  • あなたに似た人〔新訳版〕 I

    Posted by ブクログ

    ギャロッピングフォックスリー、面白かったなぁ。

    何かに囚われ過ぎた人間の滑稽さがスマートに描かれている感じ、、ロアルドダールに興味が湧いた。

    0
    2021年08月15日
  • ザ・ボーダー 下

    Posted by ブクログ

    終わった。膨大な3部作。ここに書かれていたのはメキシコの麻薬の歴史であり、アメリカの麻薬の歴史でもある。

    アメリカが買い続ける限り、メキシコのマフィアが儲かる。

    取締を強化すれば、価格が高騰して結局マフィアが儲かる。
    儲かるからマフィアはもっと儲けようとする。
    効率良く運べるように、もっと効き目の強い常習性の高い製品を開発する。
    設けは膨大でマフィアの規模は大きくなる。
    また、取締を強化する。
    ずっとそれの繰り返し。いたちごっこ。

    善と悪のボーダー、アメリカとメキシコのボーダー、主人公ケラーはそのボーダーのどちら側にも存在することで物語はついに完結する。


    この上下巻で、トリステーサの

    0
    2021年07月20日
  • ザ・ボーダー 上

    Posted by ブクログ

    前作で、悪の化身を倒した。しかし地獄は地獄のままで、いや悪化していく。
    実際のメキシコで発生した醜悪な事件が取り入れられており、人間の恐ろしさ、おぞましさが、これでもかと描かれている。


    1作めの「犬の力」で唯一の希望の光だった、あの二人が登場する。

    0
    2021年07月20日
  • ザ・ボーダー 上

    Posted by ブクログ

    やっと上巻を読破。次の下巻は文庫本なのに800ページ以上。このシリーズを最初から読んでいるがとにかく登場するメキシカンの名前が覚えられない。しかも3シリーズ上下巻ずつでどんどん登場人物が累積される。しかもあだ名も出てくるしなぜかファーストネーム、ファミリーネーム入り乱れ。でもなぜかこのメキシコ麻薬戦争に引き付けられる。

    0
    2021年07月20日
  • あなたに似た人〔新訳版〕 II

    Posted by ブクログ

    以前「あなたに似た人Ⅰ」を読んでようやく今回Ⅱを読むことができた。
    読み始めた最初、あれあんまり面白くないかと思ったが、ページを捲るたびに引き込まれていった。
    なぜだかはわからないが、展開が気になって仕方がないのだ。
    自分が本作で気になったのは、「ああ生命の妙なる神秘よ」である。
    話の展開が妙に頭に残る感じで好きな話だ。

    0
    2021年07月18日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

    Posted by ブクログ

    どういうわけか、タイトルだけ見て遺伝子操作に絡むSFだと勝手に思い込んでいて、数ページ読んでビックリ!全く違うお話みたい。

    ただお話し自体はストレートで分かりやすく、類型的ではあるが楽しめます。

    もっともらしく書けば戦争の悲惨さやら、人間の業の深さやらとシリアスなことも書けると思うが、レフとコーリャとヴィカの個性満載3人組の青春ロードノベルとして正に一気読みの楽しさでした。

    0
    2021年06月25日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

    Posted by ブクログ

    それぞれの作家の個性が存分に発揮されているので、読者側がホッパーの絵をどう見るかによって、意表をつかれたり、違和感があったり、またぴったりとハマったり感想が分かれるだろう。
    個人的にはホッパー研究者の作品が(これは半ばノンフィクションかもしれないが)最も印象に残った。

    0
    2021年05月29日
  • 壊れた世界の者たちよ

    Posted by ブクログ

    表題作『壊れた世界の者たちよ』は映画さながらの疾走感があり、刺激的なエンタメとしてぐんぐん読み進めてしまった。
    他の短編も、個人的に好きな伊坂幸太郎作品と通ずるような小洒落た表現やクールなキャラクターがとても魅力的でありながら、なおかつ現代アメリカ社会の闇をリアルに描き出しており、クライムサスペンスとしても社会派小説としても読み応えがある。
    とりわけ『ラスト・ライド』については別格。
    根強い国境問題/移民問題を鋭く抉り出しながら、その前線に立つ人々の感情と哀愁に心を揺さぶられ、読後しばらく動けなかった。
    ただのエンタメではない。

    0
    2021年05月24日
  • 神は銃弾

    Posted by ブクログ

    ケイスの宗教観?が彼女の知性を感じさせ、その経験と相まって神は銃弾のタイトルが響いた。私的には若干読みづらかったが面白かった。読んで良かった。

    0
    2021年05月16日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    歴史が苦手な私が第一次世界大戦から第二次世界大戦の背景をちょっぴり齧った状態で読むのにちょうど良い具合の本でした。

    ストーリー自体に複雑な点はないからです。司令を受けて、道行く先で色んな体験をする。ラストもきっちり収まります。

    そのシンプルな展開の中に順番に陳列されているかのようなエピソードたちが、戦争の残忍さ、愚かさ、理不尽さを伝えています。

    それが全編とおして生活感や肌感覚を用いた表現で描かれている点が重要だったと思います。
    戦争中に軍の司令を受けたところから始まる話とはいえ、主人公が戦闘経験がほぼゼロの思春期の少年なので、人種やイデオロギーの話も出てくるけどほとんど下ネタとか生活の

    0
    2021年05月10日
  • あなたに似た人〔新訳版〕 II

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    短編集。個人的に外れがなく面白かったです。
    Ⅰより好きです。性格の良い登場人物がいないので
    彼(彼女)が失敗しても遠慮せずに笑えます。

    サウンドマシン…植物の声を聴いてしまったら。

    満たされた人生に最後の別れを…ロマンチックなタイトル
    だけど内容は切なくもおバカな男性の末路を描いている。

    偉大なる自動文章製造機…将来的にはできそうな機械。

    クロードの犬…私とクロードの短編集(「ネズミ捕り
    の男」「ラミンズ」「ミスター・ホディ」
    「ミスター・フィージー」)。
    ああ生命の妙なる神秘よ…ラミンズとクロードの話。

    クロードは憎めないけど、実行力はある切れ者ではないっていう人は実際にいるし、だ

    0
    2021年05月05日
  • 日々翻訳ざんげ

    Posted by ブクログ

    CL 2021.4.21-2021.4.25
    マット・スカダーをけっこう読んでいるので田口俊樹氏の訳書はもっとたくさん読んでいるつもりだったけど、本書に登場する作品を意外と読んでないのは残念だった。
    でも、翻訳の裏話とっても面白かった。

    0
    2021年04月25日
  • ただの眠りを

    Posted by ブクログ

    レイモンド・チャンドラーの生んだ私立探偵フィリップ・マーロウは、多くのミステリー作家に愛されている。本書も老境に達したマーロウが登場するパスティーシュとして書かれた。 マーロウファンとしては読むしかない。

    探偵業は10年前に引退し、メキシコで余生を送る72歳のマーロウの元に、保険会社からの依頼が舞い込んだ。 溺死した富豪の件を調べて欲しいという。 久しぶりの調査に乗り出したマーロウは、若く美しい未亡人に出会うが....

    チャンドラーが生前に残したのは「プードル・スプリング物語」の最初の数章までなので、その後のマーロウがどのような人生を歩んだのかはわからない。 そこは読者が自由に想像して良い

    0
    2021年04月11日
  • 来訪者〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    ダール自身がお気に入りのキャラクター、オズワルド叔父シリーズ4編。エロ話がテーマになってるが、そこはロアルドダール。見事なラストのオチで、従来同様愉しませてくれる。さらに無茶苦茶をするエロおやじオズワルドだけに楽しく、恐ろしく。

    0
    2021年03月27日
  • 王女マメーリア

    Posted by ブクログ

    不器量な王女マメーリアはある朝目が覚めると絶世の美女に変身していた。美貌のマメーリアは優しい心を失う代わりに、絶大な力と傲慢さを身につけ、不幸へと進んでいくが…。大人のための寓話「王女マメーリア」に加えてTVドラマにもなった〈奇妙な味〉の傑作「アンブレラマン」「ヒッチハイカー」など全9編。その他短編をまとめました!感はあるが見逃せない面白い話ばかりの日本オリジナル短編集!

    0
    2021年03月27日
  • 音もなく少女は

    Posted by ブクログ

    父はチンピラギャング ロメイン、世間知らずでロメインの暴力に耐えてきた母クラリッサ、聾唖の娘イブの成長譚。母娘の姉にして聖母的存在のフランはナチスにより子宮摘出を受けた傷を腹に刻まれている。聾唖でなくても女たちには「音(声)」はなく、守ってくれるはずの男達も父(ロメイン、そしてミミの父ロペス)はむしろ攻撃者として立ちはだかり、ベトナムから生きて帰還したチャーリーはブロンクスでロペスの手下に銃殺される。
    誰も守ってくれなければ、最後は自ら逆襲するしかなかった女たちの物語でもある。
    弱者に寄り添いながらも予定調和ではなく現実感のあるハードな人生を、ボストン・テランは情緒を排したクールな文体で切り取

    0
    2021年03月20日
  • 日々翻訳ざんげ

    Posted by ブクログ

    私は読み手でしかないので、翻訳者の苦労は想像するしかないが、裏話はやはり面白い。三川さんの翻訳にもお世話になりました。

    0
    2021年03月14日
  • 壊れた世界の者たちよ

    Posted by ブクログ

    ドン・ウィンズロウは期待に応えてくれる。
    ・壊れた世界の者たちよ
    ・犯罪心得一の一(クライム101)
    ・サンディエゴ動物園
    ・サンセット
    ・パラダイス――ベンとチョンとOの幕間的冒険
    ・ラスト・ライド
    の中編6作。
    最期のラスト・ライドが良かったと思う。

    0
    2021年03月13日
  • その犬の歩むところ

    Posted by ブクログ

    その犬の名前はGIV。「その犬とアメリカの物語」という原題のとおり、GIVの辿る数奇な運命と彼を巡ってリレーする命の物語。もっと早く読めば良かった。
    登場人物が脇役一人一人に至るまで人間味があふれてる。そして転がり続ける物語。生と死。戦争と殺人。天災と事故。
    たくさんのグッとくるエピソードが詰まった素晴らしい小説。4.5

    0
    2021年03月11日
  • 神は銃弾

    Posted by ブクログ

    全編に渡りマイナス側の感情だったり、冗長的な比喩に疲れたりしつつも、処女作らしいエネルギーに溢れていて読み応えあった。

    0
    2021年03月05日