田口俊樹のレビュー一覧

  • カーテン

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    ポアロ最後の事件である。書名が謎ときには有効ではない不思議。病気のために体の自由を失ったポアロ。友人・ヘイスティングズをスタイルズ荘へ呼び寄せ、凶悪な殺人鬼を追い詰め、捕まえようとするが、安楽椅子探偵とは少し趣向が違う面白さがある。ポアロの死後、ヘイスティングズに残した手記が、なんと生き生き(?)していたことか。……しかし、なぜ友人は名探偵ポアロシリーズのなかで『ナイルに死す』と本書を貸してくれたのか? それが最大の謎だ(笑)

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    2020年11月04日
  • 娘を呑んだ道

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    三年前に行方不明になった娘を探す父親レレと自分の居場所を見つけようとする少女メイヤ。毎日娘がいなくなった場所に訪れること、そういうひとつひとつが積み重なって喪失感がどんどん増していく。メイヤは恋によって周りが見えなくなる。そこから動き出していくのだけれど、心理描写の濃密さと自然の、風景の描写がとても美しくて印象に残る。次作もとても楽しみな作家さんがまた登場したことが嬉しい。

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    2020年11月02日
  • あなたに似た人〔新訳版〕 II

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    読後感の悪いショートショートを書かせたら天下一のロアルド・ダール短編集。印象的なのはやはり表紙にも出てくる「クロードの犬」。
    他の作品と違って複数の独立したチャプターに分かれているので、登場人物への感情移入が自然と強くなる。話としては全然関係ないが、映画「ロック・ストック・トゥースマーキングバレルズ」を連想してしまった。イギリス人はこういうの好きなのかね。

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    2020年10月11日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    一年七ヵ月の間にスウェーデン国内で起きた、三件の十五歳の少女失踪事件。ストックホルム警察犯罪捜査課のサム・ベリエルは同一人物による連続殺人だと主張するが、上司はそれを否定しまともに取り合おうとしない。しかしベリエルの主張の裏には、彼だけが知っている根拠があった。そしてついに彼は、容疑者へと辿り着く。だが尋問に臨んだベリエルを待ちかまえていたのは、予想を遥かに超える驚愕の事実だった―。『靄の旋律 国家刑事警察特別捜査班』が印象に残る作品だったので、翻訳が途絶えのを残念に思っていた。新シリーズはツイストがやや効き過ぎ。しかも次作に続くとは。楽しみである。

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    2020年10月08日
  • ダ・フォース 上

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    ドン・ウィンズロウを初めて読みました。
    話の中に入るのに少し時間がかかってこのまま読み続けようかどうしようか考えたのですが、だんだんと話に引き込まれました。
    ただ、舞台がニューヨークだから?なのか、言葉遣いのひどさには閉口しました。
    久しぶりに長編の一気読みをしたような気がします。

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    2020年09月28日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    三人の15歳の少女の失踪から始まる物語。三人はどこへ消えたのか。主人公のベリエルの捜査と途中で挿入される一つの挿話。緊張感や不安感が伝わってくる展開と徐々に犯人の姿が見えてくると同時に増していく狂気。シリーズの一作目としてすごく面白く、ラストの展開で次作が非常に楽しみになった。

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    2020年09月27日
  • 娘を呑んだ道

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    家族の失踪なんて、辛い事この上無いのに、更に子供であったら、苦しい事は、計り知れない!
    多数の不明者が、出ている世の中に、あってこのストーリーは、身近とも言える!
    最後に、娘のような存在が、在ることに、少しだけほっとした!

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    2020年09月25日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    調子良過ぎる感があるけど、迷路に誘われ置いてきぼりにされた様な感覚の内容。章ごとに入れ替わる不思議感。他の方も書いていらしたが、先入観なしで読んで頂きたい。

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    2020年09月23日
  • ジャングル・ブック

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    過去の訳書同様、狼に育てられた少年モウグリが登場する短編のみで構成。巧みな情景描写、魅力的なキャラもそのままに、自然との共生、異文化理解...生き方そのものを考えさせられる。原著の挿絵を収録している点で過去の訳書に比べて〇。

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    2020年09月19日
  • 音もなく少女は

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    自分の中にこびり付き、侵食してゆく相手。――その恐怖を思うと、クラリッサの決意と行動には胸が締め付けられるようだった。

    イヴとフランとクラリッサ。
    彼女たちを深みから救ったのは、出会いだった。
    傷をなかったものとはしない。人生から逃げない。餌食にはならない。
    それらの「正面に立つ強さ」を得たのも、やはり互いがいてこそだと思った。

    ボストン・テラン。デビュー作も気になってきた。

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    2020年09月18日
  • カーテン

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    ネタバレ

    読み終わった後の何とも言えなさ
    切ないというか悲しいというか胸にぽっかり穴があいたような喪失感がしばらく続いた
    気軽には読み返せない、ポアロに一言声をかけたくなるような作品
    これを読んだ後には他のポアロシリーズを読んで心を満たしたくなる
    しかしそれでもポアロが好きだなぁと感じた作品

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    2022年05月15日
  • 来訪者〔新訳版〕

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    ロアルド・ダールの大人向け短編集
    少しエロティックだったり、悪趣味というかブラックコメディ風のものが多かった印象
    最後のオチがどれも秀逸で、ついつい続きが気になってしまう作品でした

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    2020年09月09日
  • レイチェルが死んでから

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    ネタバレ

    邦題がセンスある。
    これ、何で評価低いんだろうな。私は結構面白かった。

    私はミステリに明るくないので、厳密に言えば違うのかも知れないけど…俗に言う"信頼できない語り手"ってこういうことかな。

    何でそう思ったかと言うと、主人公のノーラの感情の起伏が激しいことや、強迫観念が強すぎて、何が本当かわからないんだよ。

    ジャンルとしてはミステリだと思うんだけど、謎解きがメインじゃない。
    客観的状況とか事実とか殆ど書かれてないし、メインはノーラが見聞きしたことや、心象や思考だと思う。

    読んでいるうちに物語に引っ張られて、ざわざわした気持ちになってくるし、段々とノーラが薄ら怖く感じ

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    2020年08月30日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    ネタバレ

    スウェーデン。少女失踪事件の有力な手掛かりを得て現場に踏み込んだべリエルたちだが,すでにそこには誰もいなかった。これは連続殺人事件なのか。当日撮影した写真の中に,あるヒントを見つけたが。

    またも北欧ミステリ。森林が多くて寒くてという感じが不気味さを盛り上げております。冒頭から,べリエルが時計大好きぽいことがわかるのですが,タイトルの意味と,なぜべリエルがこの事件に執着しているのかと,途中でえっまさかそっち・・・と思いきや展開がまた二転三転するのとで,読んでいてちょっと疲れます笑 いや,面白いけど。

    そして最後・・・事件解決のカタストロフィーは持たせつつも,最後・・・。
    続きものだったのか・

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    2020年08月23日
  • ひとり旅立つ少年よ

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    かくして、少年はおとなになっていく…。けれども、その道のなんと険しいことか…。一人で考え一人で悩み一人で決めて一人で傷つく…。ただ、それが出来て初めて「おとな」なのかもしれない…。

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    2020年09月02日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    ネタバレ

    監禁ものはつらいな、と思いつつ、

    もう一人の主人公の登場の仕方、それがバチバチ後相棒になっていく過程がかなり意外で面白い。

    早く次作を読みたい。

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    2020年08月15日
  • ダ・フォース 下

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    人種差別による暴動が小説の中で起こり、現実にアメリカで暴動が発生し、ちょっとこのシンクロ感は不思議な感じがした。
    報道されている内容に捕捉するようにこの小説の内容が思い浮かぶ。
    警察にも殉職者は多くいて、白人以外の人種もいて、街にはドラッグと銃があふれ。

    この物語からは、緊迫した世界でギリギリの精神状態のまま毎日をやりくりする人物が見事に描かれている。

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    2020年06月14日
  • ダ・フォース 上

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    最初はどんな物語かのみ込めなかった。警察対マフィア?ではなかった。汚職、正義、人種差別に王とネズミの話し。
    後半に向けて物語は急展開し、加速していく。

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    2020年06月14日
  • 怒り 上

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    検察官が主役の話。男性の白骨が見つかった。なんか昔事件があったのかもねー。皆そう思う。違った。1週間前に生きてた人間の骨だったみたい。色々調べてみて、自然にこうなった説は覆され、やっぱり事件で、誰かがわざと、お肉を溶かすようなことをしたらしい。しかも複数の人間の骨みたい。話はゆっくり。作者がそうなのか、主人公が辛辣で偏屈で性格悪くていい。何もかもが気に入らなくうんざり。大人だから我慢してるけどね、というストレスの貯めぐわいもいい。久々に「下巻も絶対読むぞ」と心に誓った一冊でした。

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    2020年04月17日
  • 偽りの銃弾

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    イラクでやっちゃいけないことをやってしまった元軍人のマヤ。彼女の姉が殺され、そして夫のジョーも殺される。しかも、同じ銃で殺害されたという。ジョーは金持ち一家の息子。そのような舞台の裏側にはとんでもない事実が潜んでいる。最初から謎が多い物語だ。そして最後まで真相が分からない(少なくとも私は)。怪しいやつはたくさんいるが、撹乱された。ところどころで出てくるオッカムの剃刀なのだろう。ジョーの殺害は過去からのつながりゆえに、人間の感情の根の深さみたいなものを感じた。

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    2020年04月01日