田口俊樹のレビュー一覧
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ネタバレこの作品が世に出たときは、きっと内容の怪奇さと、人の心理の二面性をこんなに鮮明に書き出した、生々しい善と悪の心の葛藤の物語を、共感と驚きをもって多くの読者は絶賛し読まれたに違いない。
※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。
二重人格というだけでおおよそのことは想像できるし、今では二重人格どころか多重人格、解離性同一性障害等という一層複雑な病名まで知られてきている。
そんな物語なので、つい最近までストーリーも分かったような気分で改めて読もうとは思わなかった。
それが「2020新潮文庫100」でリストを見ているうちに、現代の多くは不遇な子供時代の心 -
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無償の愛と優しさが犬の形をしてやってきて、ともに歩き始めた。 ボストン・テランの二冊目。
傷ついて息も絶え絶えの老犬がたどり着いたのは古い「セント・ピーターズ・モーテル」だった。そこには夫と愛犬を事故で亡くしたアンナがいた。
アンナは人生に深く痛めつけられ、かつての無邪気さなどとっくに失い、目的のない旅をしていた。辿り着いたモーテルの老婆から家と母親をもらった。老婆は石にただ「母」と彫ってほしいと言いこの世から去っていった。アンナは傷ついてやってくる犬を集め始めた。
傷ついた老犬は犬の匂いを感じてモーテルにたどり着いた。アンナは首輪からその犬がギヴという名だと知る。そこには盲目の犬エンジェル -
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ロアルド・ダールの洒落た作品集。日本オリジナルとあるけど、要するに訳出されてない佳編を集めた選集ってことですね。新車を運転中に拾った奇妙なヒッチハイカーとのひとときを描く「ヒッチハイカー」を先頭にちょっと毒の効いた作品が並んでいる。傑作はやはり成り上がりの男が雇った執事に言われるままに高価なワインを買い漁る「執事」だろう。それと表題作の「王女マメーリア」器量がよくなかったひとりの王女がある朝目覚めてみると美女に変身しているが……。残酷な寓話だけれどすばらしい。これと対をなしているのが「王女と密猟者」ですね。同じことをテーマにしているのだけれど、ストーリーとしてはやはり表題作のほうがインパクトが
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星4は少し甘めです。
「あなたに似た人」がおもしろかったので、「2」も読んでみました。
「あなたに似た人2」と思える短編が3作と、全く別物の短編集「クロードの犬」(4作)の2部に分かれていました。
前半では「偉大なる自動文章製造機」が興味深かったです。まるでいま現代、AIに小説を書かせるということと発想が同じなのです。(ネタバレにならないかな?)
1950年代に書かれたと思うとびっくり!
後半の「クロードの犬」は、一転してイギリスの片田舎を舞台に、クロードとゴードンを主役としたほのぼの系(でもやっぱりロアルド・ダールらしい味付け)の短編4作構成で、これも面白かったです。
ドッグレースの話「 -
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ネタバレポアロもの(ラスト)。
原題に「POIROT'S LAST CASE」とあるように、ポアロ最後の事件でございます。
ヘイスティングズは、ポアロの招待で彼との出会いの場所、〈スタイルズ荘〉に再び招かれます。
久々に対面したポアロは、老いと病で自由の利かない身体になってしまっていたものの、ご自慢の“灰色の脳細胞”は健在でした。
そんなポアロはヘイスティングズに過去に起きた、一見無関係に思える5つの殺人事件の背後に潜む人物が、このスタイルズ荘に滞在していると告げて・・。
あぁ・・なんて、悲しい結末なんだろう・・。
ポアロの最期についてはクリスティー他作品の“無神経な”解説などによっ -
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とある美女の登場で、イタリア系マフィアとアイルランド系マフィアの間に亀裂が入り、抗争に発展していく話。
三部作の一作目。
最初の方は進みが遅く感じられたりもしたけど、抗争がはじまってからは、誰が次に殺されるのか誰が裏切るのかなどの緊張感があり、先が気になって一気に読めた。
登場人物もみんな個性的でよかった。
解説によると、ギリシア神話のトロイア戦争をなぞっているらしい。
ギリシア神話についてはあまり知らないので、そちらも読んでみたくなった。
最後に二作目の『虚飾の市』の一部抜粋が載っているため、余計に先が気になる感じで終わっている。
続きも読みたいなぁ。