田口俊樹のレビュー一覧

  • あなたに似た人〔新訳版〕 I

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    ロアルド・ダール作品で初めて読んだのが本作。
    本作が非常に面白かったので、他の短編集も購入した。

    「なるほどと思わせるミステリー」「奇妙な味」「ブラックジョーク」が入り交じった短編集、という感じで、奇妙な味一辺倒ではない。
    特に自分が好きだったのは、むしろブラックジョーク系。

    『おとなしい凶器』でなるほど!と普通に感心し、『わが愛しき妻、可愛い人よ』『プールでひと泳ぎ』『ギャロッピング・フォックスリー』で爆笑し、これは面白い!と思わせられた。
    収録作品で最も好きだった作品は『ギャロッピング・フォックスリー』。

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    2025年11月08日
  • 飛行士たちの話〔新訳版〕

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    大戦時の飛行士達を主人公に、戦いに身を置く者たちの悲しさ、虚しさが淡々とした文章の中で描かれる。ミステリーというよりは幻想譚といった感じ。宮崎駿監督の『紅の豚』ではオマージュとして『彼らは歳を取るまい』のワンシーンを引用。

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    2025年10月21日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    10月25日、日曜日の朝10時14分から物語は始まる。そして、ちょうどその1週間後、11月1日の同時刻に物語は終わる。

    要はたった1週間のあいだに起こる出来事なわけだけど、その間に過去の記憶と現在とをめまぐるしく行き来しながら、ものすごいスピードと濃さで事件が展開していく。(時間表記が24時間制じゃないので、「10時」とかだけあると朝なのか夜なのか一瞬分からなくなるほど。)

    ナタリー・フレーデンの尋問辺りまでは、いちいち色々冗長な気もしてたのだけど、その後一気に物語が花開いていく感じ。そこまでは、回りくどい言い回しとか無駄な罵詈雑言にちょっと辟易しちゃったりもするのだけど、まぁ我慢かな。

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    2025年10月05日
  • ジキルとハイド

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    不朽の名作をようやく読めた。
    純粋な善人はいないし、純粋な悪人もいない。

    最近ボディメイクに凝っている。
    体にいいことばかりしていると、ふと悪いことがしたくなる。何事もバランスが大切。
    じゃないと、いずれブレイクダウンする。必ず。

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    2025年10月03日
  • ジキルとハイド

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    ネタバレ

    『フランケンシュタイン』とかと同じで有名で何となくのイメージはあるけど、実際にはちゃんと読んだ人は少ない作品かな。はじめて読んだときはあまり面白いって感じではなかったけど、今回は楽しめた。ハイドがもっと無茶をするかと思ったけど、割りとあっさりしていたかな。善と悪を分けてしまうとやはりバランスが悪くなるんでしょうかね。2つを併せ持って人間なんだろうな~。

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    2025年09月19日
  • スクイズ・プレー(新潮文庫)

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    中盤の、元妻と子とのやり取り、それからジュディとの絆が深まるまでの一夜の場面がよかった。探偵小説といいながら、生きてゆく上での心得みたいなものがさりげなく書かれているのもよかった。

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    2025年09月18日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    北欧サスペンスって感じの、重く湿ったストーリー。展開が面白く、飽きない。
    カラッとした感じのが好きな人は、余り適さないと思う。
    そして続きが気になる…。

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    2025年09月12日
  • あなたに似た人〔新訳版〕 I

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    こういう話なのね。
    ニンゲンってなんなん。
    もう一回読んで、しっかり楽しもう。
    手のひらをお尻で拭いながら。

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    2025年09月11日
  • あなたに似た人〔新訳版〕 I

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    個人的に『首』と『皮膚』が好きですね。
    『首』では、レイディ・タートンが首がはまって抜け出せないという醜態に対し、それまで感情を表に出さず冷静に紳士であったバジル卿が暗い喜びを覚える描写が好きです。同じくレイディを嫌っている執事・ジェイクスのイカサマを嬉々として受け入れ、斧を手に取るバジル卿。結局は危ないから鋸に代えてくれと申しつけるも、その時の彼の喜びを湛えた表情の描写は忘れ難い印象深いものでした。
    『皮膚』では、温かい食事と不自由の無い生活の誘惑に負け、大切な筈の愛弟子の絵を売ってしまい最後には皮膚を剥がされてしまう老人のなんとも言えない後味の悪さ。彼の自慢できるものは背中に彫られた愛弟子

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    2025年09月04日
  • 八百万の死にざま

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    マットスカダー、まさかのシリーズものをここから読んでしまった。
    最初から読みたくなってしまう。
    最初の依頼人が殺され、そして予想外の人物から雇われそこから面白くなった。
    そして思う。アルコール依存症にはなりたくない。
    私も読んでて苦しかった、飲むなー!と応援しながら。

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    2025年08月18日
  • 飛行士たちの話〔新訳版〕

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    初読。よかった。特に「カティーナ」と「彼らは歳を取るまい」の二編。フォーカスのあてかたがすごいと思った描写がいくつもあった。
    フィンの話で、文脈は覚えてないけど某映画の1シーンが思い浮かんだ。まさにそれの元になってるとあとがきで知って驚いた。

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    2025年08月17日
  • スクイズ・プレー(新潮文庫)

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    作品紹介・あらすじ

    米文壇を代表する作家ポール・オースター。
    ブレーク以前に別名義で発表していた幻のデビュー長篇は、
    レイモンド・チャンドラーの衣鉢を継ぐ、私立探偵小説の傑作だった!
    私立探偵マックス・クラインが受けた依頼は、元大リーガーの名三塁手チャップマンからのものだった。MVP常連の人気選手ながら交通事故で片脚を失い、現在は議員候補となっている彼のもとに、脅迫状が送られてきたのだ。殺意を匂わせる文面から、かつての事故にまで疑いを抱いたマックスは、いつしか底知れぬ人間関係の深淵へ足を踏み入れることになる――。ポール・オースター幻のデビュー作にして、〝卑しき街を行く騎士〟を描いた正統派私立

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    2025年08月10日
  • ジキルとハイド

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    ネタバレ

    善良な慈善家ジキルは幼少期から悪への渇望も抱えていた。その悪をハイドとして薬で別人格にすることが出来たが、ジキル側が善になる訳ではなく悪と善を兼ね備えていた。最初は薬を飲んでハイドになる、つまり元はジキルだったが繰り返すうちに逆に、元がハイドで薬を飲んでジキルになるようになってしまった。人の悪と善の両犠牲、善が悪に対して良心の呵責を感じ、悪が善を煩わしく思う。
    それを分かりやすくジキルとハイドに分離したのがこの本。善良な老人を殺さずハイドのまま生きていけたら良かったのかなとも思ったが、多分純粋悪なハイドはあの老人を殺さなくともどこかのタイミングで刑法違反を起こしてたから関係ないな。

    最後のジ

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    2025年07月18日
  • 狩られる者たち

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    ネタバレ

    スウェーデンの作家、アルネ・ダールのシリーズ作品。「時計仕掛けの歪んだ罠」の続編。

    雪原に建つ精神病棟から逃げ出した患者。患者の名は、サム・ベリエルで…

    前作もだが、今作も何も紹介できない作品。というのも、何を説明しても一作目の展開に触れてしまうので、書評家の方とか大変だと思う。

    前作ほどの衝撃はなかったが、今作もとんでもない展開に。二転三転する展開がこのシリーズの醍醐味だと思うが、目まぐるしい展開に全体像が薄まってしまうため、良し悪しだと思う。個人的には楽しめたが…

    非常に残念なのは、めちゃくちゃ続く終わり方なのに、続編が出ず、新シリーズの出版が始まったこと。一作目の衝撃的なラストの

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    2025年07月15日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    おもしろいが、6/17殺人、4/17近親相姦なのは過剰にセンセーショナルでは。ミステリ作家多いからか。

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    2025年07月07日
  • あなたに似た人〔新訳版〕 II

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    「優雅で危険な笑み」

    久しぶりの“ロアルドダール”
    サッと読めるところは、いつでも健在
    相変わらずの調子で“毒”を密かに撒く

    とくに連作短編「クロードの犬」は
    世の中に溢れた“泣ける……”とは程遠い、不穏な空気に包まれた、生きた人間たちの物語

    刺激的でした。

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    2025年06月16日
  • ガイズ&ドールズ(新潮文庫)

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    ユーモア溢れる短編集
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    うなずくことにかけちゃ、おれも素人じゃない。この街にはうなずき野郎がだいたい三百万人ぐらいいると思うけど、その中でではおれはトップクラスだ。

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    2025年06月11日
  • ランナウェイ

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    「米国屈指のヒットメーカーが放つ極上のサスペンス!」ー〉帯のキャッチコピーに偽りはなかった。

    それにしてもこの人の物語の感想は書きづらい。
    なにを書いても“ネタバレ”になりそうだし、それがとてもこれから読む人の邪魔をするだろうし……

    ひとつだけ
    途中で読むのをできるだけ止めないこと。最善は一晩中かけて一気に読むこと。

    前作『裏切りの銃弾』よりも次作『森から来た少年』よりも“ザ・サスペンス”って感じで面白いこと間違いない。

    ホント面白かったです。

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    2025年06月06日
  • ジキルとハイド

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    It was fascinating! I know it’s a classic novel, but I wish I had read it earlier. I think everyone has multiple personalities. When you talk with someone, you don’t always say what you really want to. Instead, you unconsciously try to be polite or maintain a pleasant conversation. We can all be lik

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    2025年06月01日
  • 壊れた世界の者たちよ

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    「世界は壊れた場所だ、などとエヴァにわざわざ教える必要はない」 “You ain’t gotta tell Eva the world is a broken place”で始まる「壊れた世界の者たちよ」はニューオリンズの特捜部麻薬課の警察官が、麻薬を積んだボートを襲撃し、その報復で弟ダニーを虐殺した麻薬密輸業者オスカー・ディアスに心が壊れた兄のジミーが凄絶な復讐をする物語。バイオレンスの裏で二人の兄弟の母親で同じ警察で働き仲間の警察官を「うちの子たち」と呼ぶエヴァの母性愛と職務で危険な「壊れた世界」に送り出す葛藤が哀しい。警察官としてのプライド、悲しみ、怒りと憎しみの心が織り込まれた作品。

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    2025年04月20日