田口俊樹のレビュー一覧

  • 長い別れ

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    ネタバレ

    たまたま出会った酔っぱらいテリー・レノックスと友人になった私立探偵のフィリップ・マーロウ。妻に浮気されたレノックスのためにマーロウは車を出してやるが、その後レノックスの妻が惨殺死体となって発見される。警察は当然レノックスの行方を追うが、レノックス自身もメキシコで自ら命を絶ってしまう。
    レノックスを逃した科でマーロウも警察に睨まれるもののその後釈放され、レノックスの死の真相を追うことに。
    とにかくマーロウが渋くてタフでかっこいい。とは言え派手な大立ち回りを演じるわけではなく、淡々と物語は進んでいく。それでいてぐいぐい引き込まれる。
    レノックスという一人の男の死の真相を追う中で、マーロウの生き様、流儀、孤独に触れる。

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    2026年04月24日
  • エージェントは二度推理する

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    盟友ウィン所有のニューヨークの高層ビル内で事業を再開したマイロンのもとに、突然FBI捜査官がやってきた。元スーパーモデルの女性が、何者かによって殺害されたのだ。捜査官によると容疑者は、マイロンのNBA選手時代のライバルであり、私生活における因縁の相手であり、のちにマイロンのクライアントとなった男グレグだという。しかしグレグは5年前に失踪し、その2年後に東南アジアで死んだはずだった。
    グレグは生きているのか? マイロンは、ウィンや元同僚のエスペランサの力を借りながら、真相を探ろうとするが……。

    あの弁護士がちょっとだけ登場。シリーズ24年ぶりの邦訳。この間の空白も、ぜひ埋めていただきたい。

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    2026年04月15日
  • スクイズ・プレー(新潮文庫)

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    ネタバレ

    なるほど、これがハードボイルド。
    巧みな言い回しの口論。
    キャラ同士の関係性がずっと霧がかっていて、読む手を止められない。
    真犯人がわかる展開でそっちかぁ…と見せかけてやっぱり〜!!!のラスト

    あんなにボッコボコにされたのに主人公タフすぎる。
    個人的には家族との関係が、希望がよぎる綺麗な状態で終わらせられるのが良かった。

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    2026年04月02日
  • カーテン

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    ラストの「エルキュール・ポアロの手記」のインパクトが強すぎて読後の感情が全部そこに引っ張られる。
    「スタイルズ荘」で「ヘイスティングズ」と共に「ポアロ自身が決着をつける」といった要素達が、ポアロ最後の事件として完璧すぎて感服してしまった。
    そして暗鬱さの残る終わり方がまた衝撃と共に心に残り続けそう。

    クリスティー作品でこれまでたくさん騙されてきた「視点人物を利用したトリック」に、今回もまた気持ち良くハマってしまった。
    特に今作は、犯人も動機もトリックも何ひとつそれらしい予想が全くできなかったので、全ての謎が解き明かされた時の気持ち良さ、加えて今回は陰鬱な感情もひとしおだった。
    全ての真相を知ったあとに、様々な場面でのヘイスティングズの言葉を見返すと切ない気持ちになる。

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    2026年03月22日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    過去にNSAとCIAに在籍したスノーデンは、アメリカの監視社会の実態を暴露した。自由民主国家であるアメリカが、実は世界中の情報を収集して支配していたことが判明した。本書はそれを裏付ける最高機密文書を公開しており、民主主義に反する行為が秘密裡に実行されていたことがわかる。

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    2026年03月01日
  • 音もなく少女は

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    子供を産んで育てることがむつかしい時代になってきている。母性が本能とは別な道を歩き始めたのだろうか。ペットや家族愛のドラマを見て、やくざが泣いているシーンは喜劇でしかなくなったのだろうか。

    ブルックリンの極貧家庭に生まれた、耳の不自由な少女イヴが勇気のある女たちに守られ成長していく物語。

    母のクラリッサは、耳が聞こえないという障害を持つイヴを、将来味わうだろう人生の荒廃から救うために、教育を受けさせようとする。
    そこで教会で顔見知りになっただけのフランに相談する。

    イヴを育てることでクラリッサとフランは親友になる。

    フランには過酷な過去があった。
    彼女の愛した青年も耳が不自由だった。
    フランの両親は傷害のある子供たちを教育する私立学校を経営していた。
    そこに彼は入学していた。
    家系に障害のある子供がいると、優生保護のために断種手術を受けなくてはならなかった。
    彼女は青年と逃げるが、子宮を摘出され、恋人は射殺された。
    その後、彼女は一人小さな店を持って暮らしていた。

    三人の女性が、運命と卑劣な男たちに翻弄されながら勇気を持って生き抜くものがたり。

    文章は繊細でダイナミック、時には詩的で、上質な文学的な香りを持っている。

    彼女たちが、過酷な出来事に打ちのめされながらも、立ち上がるたびに、読んでいても何度か胸が一杯になる。

    ストーリーを思い出しながら、もって生まれたイヴの障害について母親がとった手段や、フランを襲う過酷な社会通念や国の方策について考えてみた。
    優性保護については、今でも法以外では解決されているとは言えない。法的に問題がないとしても、子供の誕生について親の根源的な愛情を計ることはできない。

    アメリカの一女性が提唱した優性保護のあり方をWikiで調べてみた。深い学問的な理論はわからないながら、人の生きる権利、産むことの自由を強制的に定めることは、産み育てる苦しみよりも育てることができない苦しみも様々な形を含めて深いのだと言える。

    今なら宇宙論かと思える意見を見つけた。
    「遺伝的に不適当な」人物をターゲットとして優生学者がすすめた社会的介入法としては、選択的な生殖、断種、安楽死が含まれた。例えば1932年にサンガーは、「悪い家系」を断つための断種と隔離を行う「強固なポリシー」について触れている。

    20世紀初めのアメリカ合衆国では、サンガーも強力に押し進めていたこの優生学運動は強い影響力を得た。アメリカの優生学者の努力の結果、何万人単位で断種が行われたり、コロニーに強制隔離される人が出たりしたほどの力があった」

    「大家族の子供に対してできる最も慈悲深いことは、殺すことである」
    「(黒人)は遺伝的に劣った人種である」「人間の雑草(黒人・移民・障碍者など)を駆除しなければならない「向こう見ずに繁殖する者たち、、、子供をうじゃうじゃと産みつける、、、決して産まれるべきでなかった人々がいる」

    Wikipediaより

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    2026年02月25日
  • カーテン

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    津村記久子さんの「やりなおし世界文学」にこの本が取り上げられていて、学生時代に読んだきりだったけど、そんな話だったけ…と全く覚えてなかったので、読み返してみました。
    高校生の頃、大好きだったポアロシリーズ。
    やっぱり面白かった。
    そして、こんな終わり方だったとは…衝撃でした。

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    2026年02月23日
  • 音もなく少女は

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    好きなアーティストの歌詞の中に「音もなく少女は」という言葉があり、後日そのアーティストの方のインタビュー記事でこの本の題名から引用してると書かれていたので読みました。

    自分目線で話してしまいますが作中の主人公の家庭環境など、自分の幼少期と少し似ており好きな作品です。身近な死を経験、愛を知る、決して明るい話ではないですが様々な人間模様が見える内容でした。

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    2026年02月11日
  • ジキルとハイド

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    ネタバレ

    この作品が世に出たときは、きっと内容の怪奇さと、人の心理の二面性をこんなに鮮明に書き出した、生々しい善と悪の心の葛藤の物語を、共感と驚きをもって多くの読者は絶賛し読まれたに違いない。
    ※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。

    二重人格というだけでおおよそのことは想像できるし、今では二重人格どころか多重人格、解離性同一性障害等という一層複雑な病名まで知られてきている。

    そんな物語なので、つい最近までストーリーも分かったような気分で改めて読もうとは思わなかった。
    それが「2020新潮文庫100」でリストを見ているうちに、現代の多くは不遇な子供時代の心の傷や不幸な環境がつくりだしたという話が多い解離性の心の病気とは違って、これは意図してふたつの人格を作りだした話だ。
    主人公が何時、どうやって、親友や雇人にも見分けられないほど異なった外貌を持つようになったのか。
    深入りしなければ気にならないようなことだが、これは原作を読んでみないと、面白みは分からないのではないかと思った。

    まず
    ハイドを作り出したジキル博士とは
    二重人格を作り出した方法
    ジキルとハイドの風貌の相違
    お互いに対する認識
    ジキル博士がハイドという人格になったことに周りはどう反応したか

    そんな子供じみた興味でじっくり読んでみた。

    結論。
    スティーブンソンさんの作り出したおどろおどろしい雰囲気の文章も素晴らしい。医学的には多分創作だと判りすぎる部分は大雑把に適度に緻密で読み過ごせる。

    殺人を犯して平然としているハイドを、恐れと後悔から、元に戻そうとする、分離できない体にする薬づくりに没頭するジキルの懊悩。

    恵まれた環境のジキルには優れた友人もいた。その友人たちは、反面隠し続けた二つの姿が明らかにされるかも知れない知性を備えた危険な友人たちだった。
    中でもジキルに遺言を託されたアタスン弁護士、その遺言書がまたナニコレで興味深く面白い。
    最後のジキルの告白の手紙で全貌を知るラニヨン博士。
    ここでジキルの手紙を読んだラニヨン博士の手記は圧巻、博士は死ぬほどの恐怖に捕らえられる。

    ついに分離が薬の作用でなく、絶え間なく起き始める。
    その時周りも、薄々ジキルの人格が分離しているのではないかと気が付き始める。

    ジキルは子供の頃から密かに隠していた野蛮な本能が形になったことで、快楽だけではなく、次第に制御しきれないハイドの悪が力をつけて心を蝕んでいく。
    自分で招いたこととはいえ、親友に向けた告白文は哀れだ。

    堂々とした風采のジキル博士が薬を飲めば小柄で目をそむけたくなるような悪の雰囲気を纏った男になる。
    ハイドは肌の青白い、小人のような男だった。はっきりとした病名のあるものではないにしろ、なんらかの奇形を思わせる。不愉快な笑み、臆病さと厚かましさがないまぜになった異様な振る舞い、どこか壊れたようなしゃがれた囁き声。それらすべてがハイドを不快に見せている。


    ジキル博士といえば
    長身で、均整の取れた体つきをした、人当たりのいい五十代の男。それがジキル博士で、少しばかりの狡猾さはうかがえるものの、肝要と優しさがそれをはるかに凌いでいる。

    その体格の違いが生活するには様々な不自由がある、そのところなど読む面白さが十分で、読んでよかった、面白かった。

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    2026年02月07日
  • その犬の歩むところ

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    無償の愛と優しさが犬の形をしてやってきて、ともに歩き始めた。 ボストン・テランの二冊目。
    傷ついて息も絶え絶えの老犬がたどり着いたのは古い「セント・ピーターズ・モーテル」だった。そこには夫と愛犬を事故で亡くしたアンナがいた。
    アンナは人生に深く痛めつけられ、かつての無邪気さなどとっくに失い、目的のない旅をしていた。辿り着いたモーテルの老婆から家と母親をもらった。老婆は石にただ「母」と彫ってほしいと言いこの世から去っていった。アンナは傷ついてやってくる犬を集め始めた。

    傷ついた老犬は犬の匂いを感じてモーテルにたどり着いた。アンナは首輪からその犬がギヴという名だと知る。そこには盲目の犬エンジェルがいた。そこでギヴは妻と子供を持った。生まれた子供は7匹で末っ子だけが男の子だった。
    ギヴはギヴの流儀を我が子に教えた。知識と知恵を、さらに生まれたときから伝わり流れている生存のための極意を。
    或る夜、老ギヴは決然と迷いなくアンナに別れを告げた。アンナは石にギヴの名前を掘っているときに決めた――あの子犬も父親と同じ名で呼ぼうと。

    モーテルに兄弟が来た。兄はジェム弟はイアンといいギタリストだった。彼らはセッションやバンドに加わってきたが、ベガスで遊びすぎ借金や契約を踏みつぶして逃げてきていたのだ、アンナは兄はろくでなしだと思った。気の優しい弟はギヴと気が合った。兄は夜盗みに入って失敗し機嫌が悪かった。翌日アンナが留守の間に忍び込み日記を盗み見た。そこには弟には才能があると書かれていた。
    出発の時兄はギヴを車に乗せて連れ出した。

    ふたりはダラスに着いた。ロスで知り合ったストーナーのところにいて、オーディションに受かるために猛練習をしていた。しかしオーナーは二人を受け入れてくれなかった。ジェムは日記の言葉が頭を離れず荒れていた。弟は街で知り合ったルーシーのことで頭がいっぱいだった。
    兄は止めても夜の仕事に出て行った。イアンはルーシーにギヴは盗んだ犬だと打ち明けた。
    ギヴにはちゃんとわかってるんだよ。
    「きみの愛は正しい愛で……そのちがいっていうのは……」彼は上体を前に倒すと、考えながら両手を広く広げた。「正しい愛とほとんど正しい愛の違いっていうのは……そう……完璧な和音(コード)と……ゴミみたいな音との違いだよ」

    イアンはギヴを通して自分自身を見た。
    ジェムはギヴを殴りつけ心の底の少しの恥を歪んだ喜びで押さえつけた。
    惨めな人生を目いっぱい長びかせれば、みじめさなんてそのうち消えてなくなるかもしれない、だろ?
    ルーシーとの約束の場所にイアンは来なかった。

    ここまでがギヴの旅の始まり。


    二年後、海兵隊に志願して帰還したディーン・ヒコックとギヴの出会いの話になる。

    9・11で姉をなくし戦友の死にざまを見ながら生き残り、虚無満載で走っていた車の前をよれよれのギヴが歩いていた。
    ディーンは救急に連絡し、犬と共に治療を受けた。それからはこの犬が彼を癒し、周りを癒し慰め時には自己犠牲も顧みず生き抜く様子を読む。

    ボストン・テランはその畳みかけるような表現で目的の言葉に導いていく。詩のような言葉が続いてそれを読むのも快い。

    出会ったとき逃げようとしたギヴを抱き、彼はギヴの鼻づらを撫で、手を背中に回してその鼓動を感じた。

    意志の強いやつ。

    彼はマイクロチップに書き込まれた名前と飼い主を知った。ニューオーリンズへ行って飼い主を探そう。
    自分と同じ何もかも失ったようなぼろぼろの犬を生き返らそう。

    賢く勇気のある犬物語のようで、犬を見ることで心の奥底をのぞいてしまう。それが犬の生き方の反映のように。ボストン・テランの手のうちに落ちる。
    ひとのあるべき姿を犬を通して見せる。
    ありふれた話のようで、引き込まれて涙さえにじむような美しい話を作り上げている。

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    2026年02月05日
  • ジキルとハイド

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    ネタバレ

    今となってはサスペンスやスリラーでお約束となってしまった二重(多重)人格ものだけど、当時はなかなか衝撃的だったのでは
    本作のn番煎じのような話が映画で登場しすぎて、タイトルから既に展開が予測できてしまったが、それを全く知らない状態で読んでいたらめちゃくちゃ楽しめたのではと思う
    とはいえ、わかった状態でもハラハラを楽しみながらサクッと読める良作

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    2026年02月04日
  • 王女マメーリア

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    ロアルド・ダールの洒落た作品集。日本オリジナルとあるけど、要するに訳出されてない佳編を集めた選集ってことですね。新車を運転中に拾った奇妙なヒッチハイカーとのひとときを描く「ヒッチハイカー」を先頭にちょっと毒の効いた作品が並んでいる。傑作はやはり成り上がりの男が雇った執事に言われるままに高価なワインを買い漁る「執事」だろう。それと表題作の「王女マメーリア」器量がよくなかったひとりの王女がある朝目覚めてみると美女に変身しているが……。残酷な寓話だけれどすばらしい。これと対をなしているのが「王女と密猟者」ですね。同じことをテーマにしているのだけれど、ストーリーとしてはやはり表題作のほうがインパクトが強い。

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    2026年01月26日
  • 捜索者の血

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    KL 2026.1.13-2026.1.16
    息子を殺した罪で服役していたデイヴィッドはその息子が生きていたことを知り脱獄する。
    息子の探索行と自身の逃亡劇。手がかりを追って次々と展開していくストーリー。
    一級のエンターテイメント。
    脇役のキャラクターたちもみんなステキ

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    2026年01月16日
  • あなたに似た人〔新訳版〕 II

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    星4は少し甘めです。
    「あなたに似た人」がおもしろかったので、「2」も読んでみました。
    「あなたに似た人2」と思える短編が3作と、全く別物の短編集「クロードの犬」(4作)の2部に分かれていました。

    前半では「偉大なる自動文章製造機」が興味深かったです。まるでいま現代、AIに小説を書かせるということと発想が同じなのです。(ネタバレにならないかな?)
    1950年代に書かれたと思うとびっくり!

    後半の「クロードの犬」は、一転してイギリスの片田舎を舞台に、クロードとゴードンを主役としたほのぼの系(でもやっぱりロアルド・ダールらしい味付け)の短編4作構成で、これも面白かったです。
    ドッグレースの話「ミスター・フィージー」が中編くらい長くて、途中で結末がわかってしまったのですが、すごく引っ張ったあげく、最後にその予測が外れてしまいました。
    一筋縄でいかない感じが良いですね。

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    2026年01月11日
  • ジキルとハイド

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    ネタバレ

    観劇予習のため。人為的に切り離された人格。こうも分かりやすく分離できる二つの相反した性質が、交じり合って中和されることもなくひとつの身体に同居していたなら、それを理性で抑制するにも限界はある。良い方向かどうかはさておき、最初の薬品に不純物さえ混ざっていなければ、運命もまた違っていたのではないかと考えてしまう。

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    2026年01月02日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

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    面白かった。
    コーリャのキャラクターが特に好きだった。
    戦時中の過酷な中でコーリャのユーモアのあるところも良かった。
    「疲れすぎていた。悲しむのにも、怒るにも、逆らうにも。ひたすら暖まりたかった。」
    戦時中の悲惨さがあったが、読み進める事が出来た。
    ちょっとした選択ミスも命に直結してしまう中で、物語に入る事が出来た。

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    2026年01月02日
  • カーテン

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    ネタバレ

    ポアロもの(ラスト)。

    原題に「POIROT'S LAST CASE」とあるように、ポアロ最後の事件でございます。

    ヘイスティングズは、ポアロの招待で彼との出会いの場所、〈スタイルズ荘〉に再び招かれます。
    久々に対面したポアロは、老いと病で自由の利かない身体になってしまっていたものの、ご自慢の“灰色の脳細胞”は健在でした。
    そんなポアロはヘイスティングズに過去に起きた、一見無関係に思える5つの殺人事件の背後に潜む人物が、このスタイルズ荘に滞在していると告げて・・。

    あぁ・・なんて、悲しい結末なんだろう・・。

    ポアロの最期についてはクリスティー他作品の“無神経な”解説などによって知ってはいましたが、彼の衝撃的な“決断”は本書を読んで知ったので、ちょっとショックでしたね。
    そういった面を含めて、ある意味本作品は問題作とも言えるかもしれません。

    「ヘイスティングズ、これが私の最後の事件となるでしょう。
    そして、これまでで最も興味深い事件となるでしょう。
    ──なにしろこれまでで最も興味深い人物が犯人なのですから・・」

    そう、今回の犯人「X」は、人の心を巧みに操り、“洗脳くん”ばりのマインドコントロールで犯行をそそのかす狡猾な人物。
    このような手合いにかかると、脇が甘々のヘイスティングズなんて恰好のカモというか、実際、危うく闇落ちしそうになっていてヒヤヒヤさせられました。
    ・・おっと、一応フィルターはしていますが、これ以上内容に触れない方が良いですね。

    この手強い「X」を相手にポアロの下した“決断”は、あるいは賛否分かれるかもしれません。
    ただ、そうせざるを得なかった彼の苦渋を思うにつけ、その悲しみが伝わってきますし、ラストのポアロの手記に書かれている、ヘイスティングズへのあふれんばかりの友情に、思わず胸が熱くなった私でした。

    「思えばすばらしい日々でした。
    はい、ずっとすばらしい日々でした・・」

    ・・ありがとうポアロ、あなたの灰色の脳細胞は永遠です。

    ということで、まさに今年の締めに相応しい一冊でございました。
    そして、これにて今年最後のレビューとなります。
    皆さま、よいお年を~(^^)/

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    2025年12月30日
  • ジキルとハイド

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    名作なので読みました。善悪でなくとも、二面性という観点では、人間誰しも共感するんじゃないかな〜〜。しかもキャラのスイッチは自らの意思で行うというところが、人間の器用で弱い性質を表してるなと。長すぎないストーリーで鑑賞しやすかったです。

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    2025年12月29日
  • その犬の歩むところ

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    ミステリーって感じではないですね。犬を飼ったことないけど、これを読むと飼ってみたくなりますね。9.11がきっかけで戦地へ行く人の出てくる映画「アメリカン・スナイパー」も観たので、アメリカ人にとっての9.11がどれほどのものかってことが少しわかったかな?

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    2025年12月14日
  • 業火の市

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    とある美女の登場で、イタリア系マフィアとアイルランド系マフィアの間に亀裂が入り、抗争に発展していく話。
    三部作の一作目。

    最初の方は進みが遅く感じられたりもしたけど、抗争がはじまってからは、誰が次に殺されるのか誰が裏切るのかなどの緊張感があり、先が気になって一気に読めた。
    登場人物もみんな個性的でよかった。
    解説によると、ギリシア神話のトロイア戦争をなぞっているらしい。
    ギリシア神話についてはあまり知らないので、そちらも読んでみたくなった。

    最後に二作目の『虚飾の市』の一部抜粋が載っているため、余計に先が気になる感じで終わっている。
    続きも読みたいなぁ。

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    2025年12月03日