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Posted by ブクログ
前作のラストから物語が始まる。
今回も意表をつく展開の連続。
冒頭からの、まるで断片のような逃亡シーンから煙に巻かれる。
描写は実に細かいのだが、何が起きてるのが理解できないように話が進められ。それが突然全景が見えたかと思うと、一瞬で真相が変わって行く。
実に見事に話が練られていて、事件を追う刑事と公安捜査官の二人組と共に、真相を求めて事件の迷宮を巡ることになり、ラストまで濃厚なサスペンスを堪能できる。
早くも次の作品が読みたくなる。
実に映像化向けの作品で、映画ではなく6話くらいのTVシリーズにしてほしい。
しかし、北欧物は登場人物の名前が憶えられない…
(丁寧で工夫の跡がうかがわれる登場人物一覧には本当に感謝!)
Posted by ブクログ
ぼくら読者が生きている現実と遠く離れたところ。政府、公安、警察そして個人が絡み合いつつ、個の犯罪と国家的策謀が絡み合う中、それらの複雑な力学に巻き込まれる個人=ストックホルム警察のサム・ペリエルと公安警察の元潜入捜査官モリー・ブロームを主人公にした四部作の二作目である。
こう書いただけでだいぶややこしいイメージが沸こうかと思われる。しかしその通り、ややこしいなどというものではなく、我々一般人が見させられている現実というものの本質はどれだけの仕掛けに満ちたものであるのか? そういう世界構造の精緻すぎる複雑さ、もう少しわかりやすく言えば陰謀により秘匿されている真実の多さに呆れ返りたくなる世界像といったものが、このシリーズを取り巻く複雑な多重構造世界となっているのである。
単なるミステリーというより、国家間の地勢図を展開したような大きな構造に、個人が巻き込まれてゆくアクロバティックなストーリー展開が、本シリーズの第二作目で、ますます明らかになってきた。ベテラン作家アルネ・ダールによる新シリーズ第二作は、より深く黒い迷宮を我々の脳に示してくる。
スウェーデンのベテラン作家であるにも関わらず、日本での翻訳機会が不遇であったアルネ・ダールは、母国では既に名を成す大家であるそうである。
サム・べリエル&モリー・ブロームのシリーズは、第一作『時計仕掛けの歪んだ罠』が日本でも話題になったのをきっかけに、第二作からもまた受け入れられるようになると良いと思う。しかし前作からの続編となると、前作から改めて一気に読みなおさないとついてゆけないくらいと感じさせられ、残念であった。
複雑で多層構造な人物関係図などは、北欧ミステリを初めとした最近のミステリ・シリーズの流行なのかもしれない。何より、主人公二人の個性が光る。異なる組織に属する男女、そして二人とも、組織に帰れず、命の危機を背負いながら、真相に迫る能力を持ち合わせている。これに似た配置も最近多くの北欧作品でよく見る気がしている。
個人のサイコ系犯罪に、組織絡みの陰謀を絡み合わせた多面的な展開。その中で組織を追われ孤立してゆく主人公たちは、追われると同時に追う者である。どんな機械にも衛星にも追えない地球の影のようなポイントという設定も現代的で興味深かった。
ディテールと大筋とを両方楽しみながらの一気読み作品。惜しむらくは一気に四作を読めないことだ。全作揃ったところでまとめ読みしたいという気持ちは贅沢に過ぎるだろうか?
Posted by ブクログ
スウェーデンの作家、アルネ・ダールのシリーズ作品。「時計仕掛けの歪んだ罠」の続編。
雪原に建つ精神病棟から逃げ出した患者。患者の名は、サム・ベリエルで…
前作もだが、今作も何も紹介できない作品。というのも、何を説明しても一作目の展開に触れてしまうので、書評家の方とか大変だと思う。
前作ほどの衝撃はなかったが、今作もとんでもない展開に。二転三転する展開がこのシリーズの醍醐味だと思うが、目まぐるしい展開に全体像が薄まってしまうため、良し悪しだと思う。個人的には楽しめたが…
非常に残念なのは、めちゃくちゃ続く終わり方なのに、続編が出ず、新シリーズの出版が始まったこと。一作目の衝撃的なラストのことは何となく解決したが、今作のラストの展開のまま放置されるのは本当に酷い。3作目が面白くなかったからなのかもしれないが…一応、今作の事件は解決しているので、問題ないと言えば問題ないが…何とか出版してくれないかなぁ。
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