田口俊樹のレビュー一覧
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【ポアロ】
ポアロ最終話。もうすごかった…。
こんなに予想を超えてくるとは…。
言葉にならない。
この本を読み終わって完全にアガサ・クリスティにはまってしまった。
もう本当に読んで良かった!
これから読む人にもぜひ情報ゼロで読んで欲しい。だから何を書いてもネタバレになりそうで怖い。
読み始めから最終話の雰囲気が漂っていて、今までと全然違う。どうして小説なのにこんな不穏な雰囲気が出せるのか。Audibleのナーレターさんも良かった。
100年もの年月を超えて国も違うのに、こんな気持ちにさせてくれるなんて、やっぱりさすが世界のミステリー女王だ。
アガサ・クリスティのことをもっと知りたくなった。 -
Posted by ブクログ
『森から来た少年』は、奇想天外なアイディアで生まれた、いかにもコーベンらしい奇作であった。森に棲んでいた非文明的少年ワイルドは、40代にさしかかっている。彼は超奇妙な私立探偵存在として現代文明の中に沸き起こる現代的事件を解決に導いてゆく。解決できていないのが彼の正体。彼はなぜ独り森で育つことになったのかという謎。
またワイルドとダブル主人公的に活躍するのが、何作ものシリーズや単発作をまたいで登場する女性弁護士ヘスター・クリムスティーンである。そう。このシリーズは続編である本書と併せてワイルドの出生の秘密に迫るのが本書なのである。なので『森の中の少年』を読んだ人はこれを読まなくては完結しな -
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Posted by ブクログ
映画と合わせて面白い!!
ノベライズというより完全版だ߹ㅁ߹)♡
まず、映画を観ました。
シャロン・テート殺人事件に関する映画だと思っていたので、事前にチャールズ・マンソンファミリーが関わる事件の概要を軽くおさらいしてから鑑賞しました。
いつものタランティーノ独特のタッチで描かれる世界観が大好きで、うんちくと長セリフと音楽を堪能しました。
——が、シャロン・テート事件は、映画のほんの片鱗にすぎず、この映画は主人公リック・ダルトンの為の映画です。
この架空のキャラクター(リック・ダルトン)は年齢を重ね、俳優としての岐路に立っていた。
バカにしていたイタリア西部劇(マカロニ・ウエス -
Posted by ブクログ
力強く、わかりやすい文体。そして、ウイットに富んだ会話。私立探偵フィリップ・マーロウは、たまたま出会ったテリー・レノックスと友人になった。ある日、マーロウはテリーにメキシコに行くのを手伝ってほしいと頼まれる。ここから、マーロウは事件に巻き込まれて行く。かなり難関な事件が二重三重になってマーロウに襲い掛かる。しかし、マーロウは怯むことなく立ち向かっていく。マーロウの中心にあるのはテリーとの友情かもしれないけれど、真実を曲げない姿勢にぐっと来る。そして、この本に惹き込まれた、もう一つの理由は田口氏の訳文がとても魅力的だった点だ。何度でも読み返したくなるページが何ヶ所もある。
読み応えのある本です。 -
Posted by ブクログ
ウィンズロウが最後の作品として世界にプレゼントしてくれる三部作は第二作。第三作は執筆中とのことなので、一年に一作、書いては出版するというけっこうリアルタイムかつ歴史的作業なのかと想像する。翻訳者も出版社スタッフも綱渡りな作業だろうが、内容的にも、作家ウインズロウのラストワークとしても、あまりに重要な歴史的三部作に携わる多くの方のGood Jobに敬意を表しつつ、大切に本書を手に取る。
旅行業をしていると本に費やす時間が実は途切れ途切れで得られにくいのだが、8月に入ってようやく連続休暇が得られたので、二日くらいで一気に読ませて頂いた本作。分厚い作品だが、『業火の市』で故郷を追われた主人公ダ -
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ドン・ウィンズロウ『陽炎の市』ハーパーBOOKS。
『業火の市』に続く、ダニー・ライアン三部作の第2弾。
確か『業火の市』の巻末にはこの第2弾の冒頭が『虚飾の市』というタイトルで収録されていたが、『陽炎の市』というタイトルに変更されたようだ。
ドン・ウィンズロウらしいハードでストレートなギャング小説。圧倒的な面白さ。
一人の女性を巡るマフィア同士の抗争に巻き込まれたダニー・ライアンが仲間と共に自由を求め、逃亡し、家族のために全うな人生を送ろうともがき苦しむ。やっと掴んだと思った幸せな時は砂漠の陽炎の如く消えていくが、それでもダニーは諦めずに安息の時を追い求める。
プロローグ。199 -