田口俊樹のレビュー一覧
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旅客や乗組員等、船内にいる人すべての避難が済むまで船長は船舶を
去ってはならない。
でも、ティレニア海で座礁・転覆したコスタ・コンコルディア号は
さっさと船外に逃げ出して塩害警備隊から「船に戻れ。船にはまだ
人がいる」と叱責された。
コスタ・コンコルディア号のように座礁も転覆もしなかったが、船に
乗組員全員を残したまま、船を離れた船長がいた。
アメリカ船籍の貨物船マークス・アラバマ号は、ソマリア沖を航行中に
海賊に拿捕された。リチャード・フィリップス船長は船と乗組員を守る
為に、自ら海賊たちと共に救命艇に乗り込み、貨物船を離れた。
2009年4月に発生したソマリア海 -
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ネタバレ「ステイ・クロース」が面白かったので、ハーラン・コーベンの他の作品も読んでみようと、手に取った作品。
いやーこれは上手い小説だ。謎また謎の積み重ね(解説の堂場瞬一さんに曰くたまねぎ小説)その重ねようにページを繰る手が止まらない。
詐欺の手法で、次から次に説得力のあるような根拠のあるような逸話挿話ショートメッセージを怒涛のようにしゃべりたて、返事する間を与えずいつの間にか聞き手の意思を操る手法があると聞いたが、まさにそれ。
テンポよく次から次へ、不可解な事件や不審な登場人物やあれやこれや出てきて衝かれるように、読み進める。ちょっと余裕が出てきて疑問符が浮かんで、その疑問符を持ち込んだまま、ク -
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"中東、アフリカにある独裁国家に住む肌感覚やイスラエルとパレスチナの日常を知ることができる。
1998年から2003年にかけてオランダからの特派員としてエジプト、シリア、イスラエルでジャーナリストとして過ごして記事を送り続けていた著者が、伝えきれなかった部分を補ってくれているのが本書だ。
イスラエルとパレスチナの関係も見方ががらりと変わる。見る視点が変わることで、いろんな気づきを得ることができる。
本書を読んで、メディアからの情報を鵜呑みにすることの怖さにも気がつく。
情報を自由に閲覧できて、個人が発信できる日本にいると、独裁国家の日常は想像すらできない。
様々な視点を与えてくれ -
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仲間を売ったネズミにまで堕ちたニューヨーク市警特捜部「ダ・フォース」のマローン刑事部長。ダーティなお巡りがどこまで堕ちていくのか、人は自分のためにどこまで他人を犠牲にできるのかが問われているかのようだ。
最初はマローンの意志だったかもしれない、それがいつの間にか自分では制御できなくなるまで深刻になる。悪いことはできないなあと思う反面、現場では綺麗事だけですまないことも事実。それは自分達の身の回りで起こっていることからも分かるだろう。マーロンは最終的に正義を貫いたと思う。彼なりの正義だけれども。
クライマックスは、そのまま映画の脚本になりそうで、カット割りやBGMまで聞こえそうなくらい芸術的 -
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コンカッションとは脳震盪の意味。ナイジェリア移民のピッツバーグの検死医のノンフィクション・ストーリー。アメリカン・フットボール選手が、プレー中の度重なる衝撃からアルツハイマー症候群を発症することを発見する。NFLの組織的な隠蔽・サボタージュに屈せず真実を追求する。ウィル・スミス主演の映画の原作。
衰退した鉄鋼の街であるピッツバーグの歴史、ナイジェリアの内戦の話、主人公オマルの長年の鬱病との闘病記、オマルのナイジェリアと米国の家族の物語、というストーリーが複層的に重なっており、まったく飽きない。
東京→京都→大阪→DC→ダラス→NYの移動中に読破。 -