田口俊樹のレビュー一覧

  • 偽りの銃弾

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    ネタバレ

    「ステイ・クロース」が面白かったので、ハーラン・コーベンの他の作品も読んでみようと、手に取った作品。

    いやーこれは上手い小説だ。謎また謎の積み重ね(解説の堂場瞬一さんに曰くたまねぎ小説)その重ねようにページを繰る手が止まらない。
    詐欺の手法で、次から次に説得力のあるような根拠のあるような逸話挿話ショートメッセージを怒涛のようにしゃべりたて、返事する間を与えずいつの間にか聞き手の意思を操る手法があると聞いたが、まさにそれ。

    テンポよく次から次へ、不可解な事件や不審な登場人物やあれやこれや出てきて衝かれるように、読み進める。ちょっと余裕が出てきて疑問符が浮かんで、その疑問符を持ち込んだまま、ク

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    2019年01月22日
  • ダ・フォース 下

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    重厚が半端ない上巻に比べ下巻は、マローンの進退がきになってほぼ一気読み。
    ニュヨークを愛し警官という仕事を愛し、一緒に働く仲間を家族を愛している、悪徳ヒーロー警官マローン。
    綺麗事では済まさせない腐敗しきった現実を生き抜く汚職警官マローン。巷には正義など何処にも無く、誰もが権力や富を欲しがり、そして悪に落ち犯罪に手を染める。それでも…人種差別、ドラック、銃、ドアの向こうには死が待っているかもしれない町で、身体を張り住民を守る警察官一人一人への敬意が感じられる。

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    2019年01月02日
  • ダ・フォース 下

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    ネタバレ

    汚職警官の自滅していく過程かと思いきや……最後まで目が離せなくなりました。
    汚れながらも街を守る警察官への敬意が、この作品を単なるクライムノヴェルでない、奥の深いものにしています。
    もう、圧巻と言うしかない警察小説です。

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    2018年12月08日
  • キャプテンの責務

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    "2009年にソマリア沖で海賊に襲撃された船の船長の物語。大型の貨物船の船長が、海賊から乗組員を守り、自らが人質となって過ごした数日間を赤裸々に語られる。その時、家族がどんな思いで過ごしたのかも知ることができる。
    生と死のはざまでは、本当に強い精神力が無いと心が折れてしまう。
    そんなギリギリの状況が語られる。
    そして、海軍特殊部隊SEALsが人質を奪還して日常生活に戻れる旅は感動に満ち溢れている。
    映画化されたのも当然だろう。映画は見ていないが、必ず見てみたいと思っている。"

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    2018年10月28日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    "中東、アフリカにある独裁国家に住む肌感覚やイスラエルとパレスチナの日常を知ることができる。
    1998年から2003年にかけてオランダからの特派員としてエジプト、シリア、イスラエルでジャーナリストとして過ごして記事を送り続けていた著者が、伝えきれなかった部分を補ってくれているのが本書だ。
    イスラエルとパレスチナの関係も見方ががらりと変わる。見る視点が変わることで、いろんな気づきを得ることができる。

    本書を読んで、メディアからの情報を鵜呑みにすることの怖さにも気がつく。
    情報を自由に閲覧できて、個人が発信できる日本にいると、独裁国家の日常は想像すらできない。

    様々な視点を与えてくれ

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    2018年10月21日
  • 音もなく少女は

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    ナチのホロコースト、人種差別、聾学校の様子、手話でのやりとり。著者、自身がもしかして聴こえないんじゃないかと感じました。

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    2018年10月14日
  • 15時17分、パリ行き

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    数々の偶然が彼らをその列車に乗せ、そしてテロの阻止へと導いた。彼らの生い立ち、テロリストの制圧、そして事件後の彼らの姿を克明に描き出すノンフィクション。

    一躍ヒーローになってはしゃいだり、オバマ大統領と電話して舞い上がったりする3人が普通の若者感すごくてかわいく思えてくるし、何より「息子のためにパリに行かなきゃ!でもお金がない!そうだわドナルド・トランプにプライベートジェット出してもらおう!」って思いつくかーちゃんが一番すごい。

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    2018年09月20日
  • その犬の歩むところ

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    犬の物語。ではない。
    犬のギブと運命を共にした人たちの物語。

    彼ら彼女らの人生は様々。ギブと歩みながら、時に傷つき、癒され、助け合う。悲惨で過酷。困難が待ち受けている。

    奇跡の物語である。ラストは涙が溢れてくる。犬の純粋さ。不屈の意志。そして愛。
    ギブは素直に行動する。読者はその姿に胸を打つ。

    ボストン・テランはミステリ作家として括るには難しい。
    この詩的な文体で、また感動してしまった。他の作品も早く読まないと。

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    2018年09月02日
  • ダ・フォース 下

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    汚れた刑事の落ち着く先は、一つですね。

    汚れきったとは言えども、どこかに刑事と言う意識はあるし、かといって、以前の様な汚れていない刑事でもなく見方も居ない。結果については、因果応報と言う言葉だけで語るのも、面白くない気がします。

    いやぁ、それでも、汚れた警官って、西部劇の話かと思っていましたが、今でも小説になるほど居るのか・・・。って言うか、日本でもいるかもしれないので、あまり他人の事は言えないか。

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    2018年08月05日
  • 偽りの銃弾

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    ネタバレ

    前評判も高かったがさすがのハーラン・コーベン。わたし的には今年読んだミステリーの暫定1位。

    アメリカ的な嫌なところも見事に回収。「戦火の勇気」のメグ・ライアンぽい主人公もカッコいい。え、ジュリア・ロバーツで映画化なの?

    解説で堂場瞬一氏が結構な字数を割いてマイロン・ボライターシリーズへの愛着ぶりを書かれていて、ウインザーホーン・ロックウッドⅢ世の大ファンで、最近事あるごとにマイロンシリーズをオススメしている私としては援護射撃を得たような気持ちだ。(堂場氏のファンではないが)

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    2018年07月19日
  • ダ・フォース 下

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    仲間を売ったネズミにまで堕ちたニューヨーク市警特捜部「ダ・フォース」のマローン刑事部長。ダーティなお巡りがどこまで堕ちていくのか、人は自分のためにどこまで他人を犠牲にできるのかが問われているかのようだ。

    最初はマローンの意志だったかもしれない、それがいつの間にか自分では制御できなくなるまで深刻になる。悪いことはできないなあと思う反面、現場では綺麗事だけですまないことも事実。それは自分達の身の回りで起こっていることからも分かるだろう。マーロンは最終的に正義を貫いたと思う。彼なりの正義だけれども。

    クライマックスは、そのまま映画の脚本になりそうで、カット割りやBGMまで聞こえそうなくらい芸術的

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    2018年07月18日
  • ダ・フォース 上

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    ニューヨーク市警特捜部のマローン部長刑事。NYの治安を守るために日々の仕事に邁進する。全体的には正義のヒーローなのだが、その裏では事件現場の麻薬や現金を盗んだり、マフィアとつながっていたり、悪いこともしている。それが当然であるかのように...。

    そんなマローンが罠に嵌められる。上巻は罠に嵌まったマローンが、ダークサイドの入口まで堕ちていくところまで。大きな犯罪を取り締まるための小さな犯罪は見逃してもいいのかといった倫理的なものを読者にも考えさせられる。単純に主人公のマローンに共感してよいのか迷いながら下巻に続く。

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    2018年07月17日
  • 偽りの銃弾

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    帯に堂場さんが、風呂敷を広げ過ぎだと書いてあった。読んだ今なら理解できる。
    ミステリーは伏線の回収は絶対だと思う。この本は凄い。見事に回収した。
    海外ミステリーなんてここ数年読んでなかったので、読み始めた頃のように人の名前や関係性で苦戦したが
    話の流れ、面白かった。本当にギリギリまで犯人が分からなかった。

    たまには新しい本を読むのも刺激になる。
    訳者の方が知り合いで本を出した記念に購入。

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    2018年07月15日
  • 偽りの銃弾

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    コーベンさんの小説を初めてよみました。もともとこういう構成をされる方なのかわかりませんが、最初のほうは表に出されている情報が足りなくて、「そう思って読む」しかないのですが、前半にでてきた後半の回収がすごいです。
    全部で500ページ超の本ですが、100ページくらいまでは、すこしずつ読んでたのですが、100ページ以降は一気に読みました。
    登場人物の描写というか背景がすこしずつ出てくるので、それが一定のラインまででてきたときに、ドラマを一気に反転させるのがとても面白かったです。

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    2018年07月08日
  • 音もなく少女は

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    耳の聞こえない少女イヴと母親クラリッサ、イヴの保護者となるフランの壮絶な物語。
    希望と絶望の間を揺れ動くエピソードの積み重ねで物語が進み、女達が懸命に闘う姿に胸を打たれる。
    重苦しい話の中でも美しいタイトルと文章、そしてイヴの撮る写真が光のように感じられる。

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    2018年06月01日
  • コンカッション

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    コンカッションとは脳震盪の意味。ナイジェリア移民のピッツバーグの検死医のノンフィクション・ストーリー。アメリカン・フットボール選手が、プレー中の度重なる衝撃からアルツハイマー症候群を発症することを発見する。NFLの組織的な隠蔽・サボタージュに屈せず真実を追求する。ウィル・スミス主演の映画の原作。
    衰退した鉄鋼の街であるピッツバーグの歴史、ナイジェリアの内戦の話、主人公オマルの長年の鬱病との闘病記、オマルのナイジェリアと米国の家族の物語、というストーリーが複層的に重なっており、まったく飽きない。
    東京→京都→大阪→DC→ダラス→NYの移動中に読破。

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    2018年05月02日
  • 15時17分、パリ行き

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    フィクションのようなノンフィクションってほんとおもしろいよな、という感じで、一気に読み終えた。

    興味深いのはフランスとアメリカでの反応の違いか。フランスはとても共和的な反応を示し、アメリカはバットマン的な反応を示す。
    ストーリーはバットマン的で、ごく普通の人がある日突然といったベタにアメリカ的なのだけど、テロ未遂が起きた場所がフランスだったので、そこが本書がユニークでおもしろいところで、これがアメリカ国内でのできごとだったら、こういう深みのある話にはならなかっただろう。

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    2018年04月28日
  • 音もなく少女は

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    大戦後のブロンクス、最悪な混沌とした街を物体に生まれついての不幸な運命に弄ばれる女性たちの話。家族とは、友情とは彼女たちに取って男とは何か?
    胸に深く突き刺さる小説だ。

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    2018年04月24日
  • ダ・フォース 下

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    ドン・ウィンズロウ『ダ・フォース 下』ハーパーBOOKS。

    これは非常に面白い作品。

    下巻。窮地に陥ったデニー・マローンの運命や如何に…破滅の結末は上巻の冒頭で既に見えているのだが、FBIのネズミに成り下がり、少しずつ泥濘に嵌まっていくデニー・マローンの物語から目を反らすことが出来ない。

    通称『ダ・フォース』、麻薬や銃犯罪を取り締まるマンハッタン・ノース特捜部を率いるデニー・マローンだったが、FBIの汚職警官捜査の渦に巻き込まれ、踏み出すべきではない一歩を踏み出したことから破滅への道程が始まる…

    正義の側にあるはずの警察の腐敗はギャングやマフィア以上に進んでいたという皮肉。金と権力が進

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    2018年04月21日
  • その犬の歩むところ

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    ギブという名のワンコのお話…
    題名買いというか、ジャケ買いしたものの積読にしてたのを読んじゃいました。
    ワンコが傍にいる生活が恋しいよ~(´Д⊂ヽ

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    2018年04月21日