田口俊樹のレビュー一覧
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ネタバレマイロン・ボライターシリーズで有名なハーラン・コーベンのノンシリーズ作品。
暴漢に襲われて死んだ夫ジョー。妻である元軍人のマヤは、戦時中のある行動が世界中にリークされた過去がある。葬儀を終えて友人からの助言に従い、日中のベビーシッターの行動を隠しカメラで録画するが、そこには死んだジョーが映っていた。。。
読み進めるほどに意外な事実が出てきて、誰一人信用できないストーリー…なんだけど、案外展開が遅いので中弛みするところもないではない。ただ、終盤の畳み掛けが、その辺りをどうでも良くしてくれるほど素晴らしい。
マヤの、あまりにも周りに頼らない性格が好きではなく、途中モヤモヤさせられることが多かっ -
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★5 かつて殺害された息子、成長した姿が写真に撮られて… 超怒涛のサスペンススリラー #捜索者の血
■あらすじ
三歳の息子マシュウを殺害した容疑で逮捕され、終身刑となって五年間も服役しているバロウズ。守ってあげることができなかった後悔を胸に、日々刑務所の中で暮らしていた。ただ実は… 彼は殺害していない。
そんなバロウズの元へ、元妻の妹レイチェルがバロウズに面会にやってくる。彼女はバロウズにある写真を見せるためにやってきたのだ。その写真には、殺害されたはずのマシュウの成長した姿が写っており…
■きっと読みたくなるレビュー
これぞサスペンス、これぞスリラー、これぞエンタメ! おもろいっ ★5 -
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麻薬捜査官アート・ケラーの長い長い闘いの物語は遂に終わりを告げた
だが、現実世界での麻薬との闘いは尚続いている
ではアート・ケラーが我々が麻薬と闘い抜くために、そしていつかは勝利するために残してくれたものとは何だったのか
ケラーは言う
麻薬の密売人が存在するのは、密売人たちが縄張り争いを繰り広げのは、巻き込まれ無辜の人々が殺され続けるのは、麻薬の密売がとてつもなく儲かるからだ
当然だ
ではなぜ麻薬の密売がとてつもなく儲かるのか?
この答えも恐ろしく簡単だ
それは麻薬が違法だからだ
暴論には違いないが、真実でもある
そしてもうひとつ麻薬を求める人がいるからだ
消費者がいなければ -
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ネタバレ麻薬戦争3部作、堂々完結!!
とんでもないページ数を読んだのだけど、面白かったのであっという間に駆け抜けたように感じた。
ていうか、ニコとフロル、ニコのいた少年拘置所の仲間たちのその後や、ノーラとカランのエピソードももっと知りたく、こんなに読んだのにちょっと消化不良なくらいだった。すごく現実に即した、時事的な要素がある小説だから、出版が急がれたのかもしれない。
『ザ・ボーダー』については、ラストの「麻薬合法化」というケラーの主張を伝えたいがために書かれた物語なのだろうと思った。
以前、各国で禁止されている食べ物や飲み物を味わうトラベルエッセイ『悪魔のピクニック』を読んだ際、作者がドラッグにつ -
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鬼★5 もはや犯罪小説の大河ドラマ、ラスベガスのカジノホテル経営が商売敵との抗争に発展… #終の市
■あらすじ
ハリウッドからラスベガスへ流れてきたダニーは、今や新進気鋭のカジノホテル経営者となっていた。既に成功を収めていた彼だったが、さらなるカジノ王国を築くために商売敵とホテル買収を争うことになる。
ただ強引な手段で事を進めていくうちに、過去のマフィアの亡霊やFBIたちが追いかけてくる。さらに利益に群がる新たなマフィアが彼の前に立ちはだかり…
■きっと読みたくなるレビュー
東海岸のマフィア抗争から始まった犯罪小説の三部作ラスト『終の市(ついのまち)』、堂々の完結です。
犯罪小説って欲 -
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★5 マフィアがハリウッド映画業界に進出?! 欲望と家族愛がマシマシで描かれる犯罪小説 #陽炎の市
■あらすじ
マフィア抗争に敗れたダニーは、わずかな仲間と共にカリフォルニアに逃走する。幼いわが子を養いつつ、隠れながら暮らしダニーたちに、FBIから取引を持ち掛けられる。その後ダニーは母親との交流を経て、ハリウッド映画界にも影響力をもたらすことになり…
■きっと読みたくなるレビュー
★5 もう、めちゃくちゃ! 前作からどんな展開になるんだと思いきや、エンタメ増し増しじゃないですか~
序盤はダニーの逃亡劇から、新たな謀略と犯罪が繰り広げられる。人間の闇の部分をむしろ生き生きと描写してくれるか -
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★5 生き残るのは誰か… 血肉にまみれた欲望が膨れ上がる、圧巻のマフィア抗争劇! #業火の市
■あらすじ
1980年代のアメリカ、ダニーはアイルランド系マフィアに所属し、日々シノギをこなしながら暮らしていた。先代からイタリア系マフィアとは縄張りを分かちながら仲良く共存をしていたが、ある日トラブルに見舞われる。
その諍いをきっかけに二つのマフィアは抗争に発展、ダニーはいかに生き残っていくのか…
■きっと読みたくなるレビュー
★5 おもろい!
冒頭のゆるくエロいバカンスシーンから始まるものの、その後とんでもないことになる犯罪小説。アイルランド系マフィアとイタリア系マフィアの抗争劇です。
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ついに三部作ラスト!
アダン不在、さすがに面白い?大丈夫?と思っていたけど杞憂でした。すごいボリュームだけど、飽きる暇なくぐいぐい読んだ。
『犬の力』で好きだったあの2人が再びご登場したのもテンション上がった!こんな嬉しいサプライズがあるとはね!
でもこの作品で起きる事件が事実に基づいていると知ると、手放しに面白い!と言っていいのか、後ろめたい気分にもなる。43人もの学生がバスで拉致、殺害された事件とか、残酷すぎて信じられないほど。
読書中、メキシコ市長が就任直後に首を切断されて車の上に置かれた事件もちょうどニュースで取り上げられ、小説と現実がオーバーラップして、逆に現実味を感じられなかった -
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一冊ずつ三年。書き継がれた三部作の遂に終わりを告げる本書。そしてドン・ウィンズロウが作家人生の終わりを告げてから、世に放たれた最後の作品である本書。何と言うべきか。堂々の作風で最後の大掛かりな仕掛けを完成してみせた観のあるビッグ・ストーリーに向き合って読み始めた本書。いつもの疾走感のある文体。簡潔、かつ重厚、読みやすいページターナー。さらに、衝撃的で突然すぎるアクション。やっぱりウィンズロウは個性の塊であり、才能の集積だ。興奮に包まれる一分一分という貴重で忘れ難い読書の時間。
約30年ほど昔、ニール・ケアリーというものすごく平凡なのにオリジナリティの横溢した主人公を引っ提げてスタートした -
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戦前のニューヨーク・ブロードウェイのヤクザ達を描いた軽妙な短編集。一人称の語り手が一体何者かわからないが、ギャンブル好きや酒好きの仲間、密売や禁酒時代の密造酒?を出すバーの仲間達ととにかくつるんでいるという内容である。映画さながらの悪事(気に入らないと鉄砲をぶっ放して逃げるとか、酒の密売で設計を立てている人がやたら多いとか。でもってアパートでは豪奢なパーティーが繰り広げられたり)の連続だが、きっと昔のニューヨークはこんな感じで混沌としていたんだろうなあ。
原作は現在形の語り口だそう。訳は「〜だ、だけども」という倒置が頻繁でちょっと疲れるが、でも内容が面白く引き込まれるのでそのうち気にならずに -
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あぁ、読みだせばあっという間だったな。
分厚さを感じさせないのは流石のドン・ウィンズロウと言ったところか。
70歳か。パスコよりまだ若いんじゃない??笑
アルター・ボーイズの友情、美しかったなぁ。
自分も友情に対してはかくあるべしと思ったよね。
生き死にの話はともかく、似たシチュエーションはありうるよ。
いやぁ、やはり真骨頂はリカタが乗り込んできてからだよね。
そうそう、これを待っていたと。
ドン・ウィンズロウの小説はヒリヒリしながら読みたいんですよ。笑
さっきまで笑ってた人がページめくったら死ぬ可能性あるって頭のどこかで準備しながら読みたいし、この人殺さないでって人が殺されていくところを -
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ドン・ウィンズロウ『終の市』ハーパーBOOKS。
ダニー・ライアンを主人公にしたギャング小説、三部作の完結篇。
またまた、しばらく本棚で寝かせていた。最近は本を読む力が衰えたのか、読み易い国内作品ばかり先に読む悪い癖が付いてしまった。
前作『陽炎の市』の巻末に収録されていた本作の一部抜粋は、タイトルが『荒廃の市』だったのだが、またも『終の市』にタイトル変更されたようだ。気になるのは、帯に踊る『犯罪小説の王ドン・ウィンズロウ、最後の大作!』の文言。本当だとしたら、余りにも悲しい。
やはりウィンズロウの小説は面白い。ダニー・ライアンの激動の人生をその結末までをじっくり描いてくれた。そういう