田口俊樹のレビュー一覧

  • あなたに似た人〔新訳版〕 II

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    Ⅰ、Ⅱ全体を通して印象に残るのは『味』『満たされた人生に最後の別れを』などに見られる上流社会やスノビズムに対するシニカルな視線が、農村を舞台にした『クロードの犬』などでも一貫しているところ。どれも一筋縄ではいかないし、快哉を叫びたくなるような結末も用意されないが、ギリギリとエピソードや描写を重ねて緊張感を高めていき、最後に解放される(時には宙吊りになる)感覚には中毒性がある。

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    2025年06月04日
  • 業火の市

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    ドン・ウィンズロウは『犬の心』3部作以外読めておらず、他の作品はわたしの好きなメキシコも関係なさそうだし、どうかな…?なんて思っていたけれど、もちろん杞憂も杞憂。めちゃくちゃ面白い。読み始めたら止まらん。
    今作も、誰が生き残るのか(ほとんど生き残らない)全然わからず、重要かと思われた登場人物があっけなく死亡したりして、予測のつかないエンタメを存分に楽しめる。
    「みんな救ってくれると信じておまえを見ている。だったら、救ってやろうじゃないか。」とか、文章もバチっと決まってかっこいい!少年漫画のようにテンションを上げてくれる。
    ラストは、ドラッグを憎む気持ちがすごく伝わってきた。次作以降も楽しみすぎ

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    2025年05月08日
  • 長い別れ

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    清水俊二、村上春樹に次ぐ田口俊樹による翻訳。

    前者2作品より、フィリップ・マーロウのセリフがより砕けたものになり、わかりやすくなった感があります。

    ただし、元が誰が翻訳しても色褪せぬ名作。ベストオブザベスト。どのページから読んでも味わい深いです。
    何も欲しがらない優しいマーロウ…
    卑しき街を行く孤高の騎士の魅力がつまった作品です。


    あんたにはさよならを言わなきゃならない友達がいた。」と彼は言った。「そいつのためなら留置場に入れられてもいいと思えるほどの友達がー」

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    2025年04月21日
  • 音もなく少女は

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    4.5

    初めて読む作家の作品。
    カメラと女性の相性は、いいな。
    どうしようもない男たち(イブの恋人など例外もあります)に人生を狂わされる女性たちが、手を組んで立ち向かう…そんなストーリー、かな?
    『音もなく少女は』という邦題は、主人公を表すのには最適なのだろうけど…これはこれで良い。
    証拠もないのに復讐に向かおうとする展開には、ハラハラさせられます。

    傑作だと思います。

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    2025年04月18日
  • スクイズ・プレー(新潮文庫)

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    ポール•オースターのハードボイルド。野球はあまり関係ないが、球場の描写など素晴らしい。内容はしっかりハードボイルドだった。

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    2025年04月12日
  • 捜索者の血

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    怒涛のサスペンスで、読む手が止まらなかった。スピーディーなのに重厚で500ページを越える作品もあっと言う間で、逆にもっと主人公達と共にいたいと思う程だった。
    幼い我が子を撲殺した罪で刑務所にいる「私」。死んだ筈の息子の成長した写真を見せる義妹。脱獄を助ける刑務所長、「私」を追うFBI捜査官。逃亡しながらも真相を見い出そうとする「私」。
    Netflixで映像化が決まってるらしいが本当に早く観たい。

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    2025年04月06日
  • 終の市

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    前作でのハリウッド篇を受けて、今回はギャングと切っても切れないラスベガス篇。
    と言ってもバグジー・シーゲル以来のギャングが暗躍する世界ではなく、それらが一掃された世界で、実業家としてダニーが突き進む様子が描かれる。

    主人公がアイリッシュ系ギャングという事で、ギャング物、ハリウッドやラスベガスを舞台にするから「ゴッド・ファーザー」との相違点が取りざたされるのは当然だろう

    しかし、こうして3部作を読んでみると、この作品は、アイリッシュギャングのファミリーの一員として生を受け、そこで育ち、それ以外の価値観や規範を持てない男が、それ以外の世界で生き延びようと格闘し、もがく物語であり、ドラマとしての

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    2025年04月05日
  • 少年〔新訳版〕

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    私のイマジネーションの師匠と言っても過言ではないくらい、この人のお陰で私はこういう感性になったんだろうな、と思えるくらい、重要な存在であるダールさん。
    これを読んでなるほど納得、こういう少年期を過ごしたから、あのような作品たちが出来上がったんだなと…

    ダールさん、私自身、両方に重ね合わせてなんだか感慨深くなった。
    やはり子供の頃にどんな環境で何をしたかというのは、大人になってからも強く強く影響を受けているのだなと改めて感じました。

    早く「単独飛行」買わないと!

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    2025年03月29日
  • あなたに似た人〔新訳版〕 I

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    短編は嫌いだったはずなのに、これは違った。そうかこれが名手と言われる作家の腕前なのか。続きをぜひ読まないといけないぞ

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    2025年03月28日
  • ダ・フォース 上

    購入済み

    グレー

    面白い。
    フィクション的な加工はあるだろうけれど、なんか生に近い迫力がある。
    これはニューヨークの話だけど、知り合いの警察官は、これに遠からずの現実のなかで仕事をしているのかも、とか想像したりする。
    結末がどうなるか、さきが気になる。

    #深い #アツい #ダーク

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    2025年03月24日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

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    【あらすじ】
    独ソ戦下のレニングラード。ドイツ軍に完全包囲された中で人々は飢餓に苦しんでいた。
    ユダヤ人で皮肉屋のレフと長身の美青年だがお調子者のコーリャ。デコボココンビの2人は大佐の命令で1ダースの卵を1週間以内に探す羽目になってしまった。
    荒廃したレニングラードを舞台に2人の冒険が始まる。

    【感想】
    冒頭から最後の最後までずっと面白い傑作小説。
    主人公レフのひねくれ者で小心者な所が等身大でとても良い。一方、コーリャの完璧超人でありながら好色でお調子者な所はアメリカンヒーロー的だ。
    2人の掛け合いの面白さで盛り上げつつも、冒険の中身はえげつない。
    人肉食夫婦に地雷犬、慰み者にされている少女

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    2025年03月18日
  • 王女マメーリア

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    大好きなダールの本を一冊読み終える度に、「うわ…またダールの話を初めて読む感動をひとつ、消費してしまった…」となってしまう。
    そう、名作映画を観ずに取っておくのと同じ心理です。
    でも最近、早く全て読み尽くしてしまいたい欲求が最上級に高まっていて、誘惑に負けてしまいそう。

    こんなにも本の世界に不思議な感覚で惹き込まれる作家さんは私に取って彼しかいないのである…!
    ずっとずっと大好き!!!!!

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    2025年02月25日
  • 偽りの銃弾

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    ネタバレ

    マイロン・ボライターシリーズで有名なハーラン・コーベンのノンシリーズ作品。

    暴漢に襲われて死んだ夫ジョー。妻である元軍人のマヤは、戦時中のある行動が世界中にリークされた過去がある。葬儀を終えて友人からの助言に従い、日中のベビーシッターの行動を隠しカメラで録画するが、そこには死んだジョーが映っていた。。。

    読み進めるほどに意外な事実が出てきて、誰一人信用できないストーリー…なんだけど、案外展開が遅いので中弛みするところもないではない。ただ、終盤の畳み掛けが、その辺りをどうでも良くしてくれるほど素晴らしい。
    マヤの、あまりにも周りに頼らない性格が好きではなく、途中モヤモヤさせられることが多かっ

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    2025年02月23日
  • 捜索者の血

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    ★5 かつて殺害された息子、成長した姿が写真に撮られて… 超怒涛のサスペンススリラー #捜索者の血

    ■あらすじ
    三歳の息子マシュウを殺害した容疑で逮捕され、終身刑となって五年間も服役しているバロウズ。守ってあげることができなかった後悔を胸に、日々刑務所の中で暮らしていた。ただ実は… 彼は殺害していない。

    そんなバロウズの元へ、元妻の妹レイチェルがバロウズに面会にやってくる。彼女はバロウズにある写真を見せるためにやってきたのだ。その写真には、殺害されたはずのマシュウの成長した姿が写っており…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    これぞサスペンス、これぞスリラー、これぞエンタメ! おもろいっ ★5

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    2025年02月19日
  • カーテン

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    ネタバレ

    うおおおおおおおーー!!めっちゃ面白い!!
    アガサクリスティに感謝が湧く。
    それでもポアロが大好き。

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    2025年02月16日
  • 神は銃弾

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    初めはグロいなと思って読書を止めようと思ったけど、徐々に読むのを止めれなくなった。
    最後のページを読んでスッキリした。

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    2025年01月17日
  • ザ・ボーダー 下

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    麻薬捜査官アート・ケラーの長い長い闘いの物語は遂に終わりを告げた

    だが、現実世界での麻薬との闘いは尚続いている
    ではアート・ケラーが我々が麻薬と闘い抜くために、そしていつかは勝利するために残してくれたものとは何だったのか

    ケラーは言う
    麻薬の密売人が存在するのは、密売人たちが縄張り争いを繰り広げのは、巻き込まれ無辜の人々が殺され続けるのは、麻薬の密売がとてつもなく儲かるからだ

    当然だ

    ではなぜ麻薬の密売がとてつもなく儲かるのか?

    この答えも恐ろしく簡単だ

    それは麻薬が違法だからだ

    暴論には違いないが、真実でもある

    そしてもうひとつ麻薬を求める人がいるからだ

    消費者がいなければ

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    2024年12月15日
  • ザ・ボーダー 下

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    ネタバレ

    麻薬戦争3部作、堂々完結!!
    とんでもないページ数を読んだのだけど、面白かったのであっという間に駆け抜けたように感じた。
    ていうか、ニコとフロル、ニコのいた少年拘置所の仲間たちのその後や、ノーラとカランのエピソードももっと知りたく、こんなに読んだのにちょっと消化不良なくらいだった。すごく現実に即した、時事的な要素がある小説だから、出版が急がれたのかもしれない。

    『ザ・ボーダー』については、ラストの「麻薬合法化」というケラーの主張を伝えたいがために書かれた物語なのだろうと思った。
    以前、各国で禁止されている食べ物や飲み物を味わうトラベルエッセイ『悪魔のピクニック』を読んだ際、作者がドラッグにつ

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    2024年11月26日
  • ザ・ボーダー 上

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    去年の暮れに2024年に絶対読む!とブックリストにまとめた3作品(シリーズ)の最後の1作です

    面白いのは間違いないとは思ってたんだけど、上下巻で1,500ページはさすがのわいも簡単には手を出せずに11月になってしまった

    で、有言実行!

    で、やっぱり面白かったー!

    メキシコの麻薬戦争を描いた三部作の最後なんだけど、主人公のアート・ケラーが遂にアメリカの麻薬取締局のトップに!

    もうね、ずーっとハラハラです

    ハラハラ、ハラハラ、ハラペーニョ!(メキシコだけに)

    よし、この本の魅力を余す所なく伝えたな
    伝えきったな

    下巻は12月に読む!

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    2024年11月19日
  • 終の市

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    鬼★5 もはや犯罪小説の大河ドラマ、ラスベガスのカジノホテル経営が商売敵との抗争に発展… #終の市

    ■あらすじ
    ハリウッドからラスベガスへ流れてきたダニーは、今や新進気鋭のカジノホテル経営者となっていた。既に成功を収めていた彼だったが、さらなるカジノ王国を築くために商売敵とホテル買収を争うことになる。

    ただ強引な手段で事を進めていくうちに、過去のマフィアの亡霊やFBIたちが追いかけてくる。さらに利益に群がる新たなマフィアが彼の前に立ちはだかり…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    東海岸のマフィア抗争から始まった犯罪小説の三部作ラスト『終の市(ついのまち)』、堂々の完結です。

    犯罪小説って欲

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    2024年11月18日