あらすじ
ヒロインの生き様に痺れる傑作スリラー!
殺人事件で夫を失った元特殊部隊パイロットのマヤ。2歳の娘を案じ自宅に設置した隠しカメラに写っていたのは、2週間前に殺されたはずの夫ジョーだった。ジョーの死に潜む謎を追ううちに、マヤは4か月前に惨殺された姉クレアの死、そして17年前のある事件の真相へとたどり着く……。
ハードボイルドなヒロインの生き様、予想を大きく超える予想外の結末。ジュリア・ロバーツが惚れ込み映画化権を獲得した、「マイロン・ボライター」シリーズで人気の著者による傑作スリラー!
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Posted by ブクログ
マイロン・ボライターシリーズで有名なハーラン・コーベンのノンシリーズ作品。
暴漢に襲われて死んだ夫ジョー。妻である元軍人のマヤは、戦時中のある行動が世界中にリークされた過去がある。葬儀を終えて友人からの助言に従い、日中のベビーシッターの行動を隠しカメラで録画するが、そこには死んだジョーが映っていた。。。
読み進めるほどに意外な事実が出てきて、誰一人信用できないストーリー…なんだけど、案外展開が遅いので中弛みするところもないではない。ただ、終盤の畳み掛けが、その辺りをどうでも良くしてくれるほど素晴らしい。
マヤの、あまりにも周りに頼らない性格が好きではなく、途中モヤモヤさせられることが多かったが、それもエピローグでぶっ飛んだ。それくらいいいラスト。ドラマ版も見てみたい。
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おもしろかった!
これは結末を知ってしまったら読む意味なくなっちゃうのであれこれ言えないけれど、なかなかインパクトのあるラフトだった。
ジュリアロバーツがマヤをやるみたいだけど、アマプラ落ちてきたら絶対見よーっと。
Posted by ブクログ
「ステイ・クロース」が面白かったので、ハーラン・コーベンの他の作品も読んでみようと、手に取った作品。
いやーこれは上手い小説だ。謎また謎の積み重ね(解説の堂場瞬一さんに曰くたまねぎ小説)その重ねようにページを繰る手が止まらない。
詐欺の手法で、次から次に説得力のあるような根拠のあるような逸話挿話ショートメッセージを怒涛のようにしゃべりたて、返事する間を与えずいつの間にか聞き手の意思を操る手法があると聞いたが、まさにそれ。
テンポよく次から次へ、不可解な事件や不審な登場人物やあれやこれや出てきて衝かれるように、読み進める。ちょっと余裕が出てきて疑問符が浮かんで、その疑問符を持ち込んだまま、クライマックスを読んだ時の衝撃。
うわぁ、そう来るか。性根がヒネてない素直な読者なら、驚天動地。一番最後、主人公のモノローグで少しソフトランディングさせてくれるものの、解説まで読み終わってもドキドキは止まらない。
ハーラン・コーベン。こりゃ、エラい作家に出会ってしまったぞ。過去作含めて追いかけ必至である!
Posted by ブクログ
前評判も高かったがさすがのハーラン・コーベン。わたし的には今年読んだミステリーの暫定1位。
アメリカ的な嫌なところも見事に回収。「戦火の勇気」のメグ・ライアンぽい主人公もカッコいい。え、ジュリア・ロバーツで映画化なの?
解説で堂場瞬一氏が結構な字数を割いてマイロン・ボライターシリーズへの愛着ぶりを書かれていて、ウインザーホーン・ロックウッドⅢ世の大ファンで、最近事あるごとにマイロンシリーズをオススメしている私としては援護射撃を得たような気持ちだ。(堂場氏のファンではないが)
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帯に堂場さんが、風呂敷を広げ過ぎだと書いてあった。読んだ今なら理解できる。
ミステリーは伏線の回収は絶対だと思う。この本は凄い。見事に回収した。
海外ミステリーなんてここ数年読んでなかったので、読み始めた頃のように人の名前や関係性で苦戦したが
話の流れ、面白かった。本当にギリギリまで犯人が分からなかった。
たまには新しい本を読むのも刺激になる。
訳者の方が知り合いで本を出した記念に購入。
Posted by ブクログ
コーベンさんの小説を初めてよみました。もともとこういう構成をされる方なのかわかりませんが、最初のほうは表に出されている情報が足りなくて、「そう思って読む」しかないのですが、前半にでてきた後半の回収がすごいです。
全部で500ページ超の本ですが、100ページくらいまでは、すこしずつ読んでたのですが、100ページ以降は一気に読みました。
登場人物の描写というか背景がすこしずつ出てくるので、それが一定のラインまででてきたときに、ドラマを一気に反転させるのがとても面白かったです。
Posted by ブクログ
人には出来ることと出来ないことがある
出来ないことを努力して出来るようになることは素晴らしいことだ
そうやって人は成長していくのだ
あるいはそれが生きるということなのかもしれない
だがしかし
どうしても出来ないことというのはある
残念ながらある
向き不向きというものがある
努力では覆すことができない才能というものもある
残念ながらある
どうしても乗り越えられない壁に出会ったとき
無理に超えようせず
迂回して別の道を進むことも必要だ
あるいは壁の向こう側に行くことをあきらめ
引き返したっていい
人生にはそういった壁が存在する
例えばハーラン・コーベンをどうしてもハーラン・ベーコンと読んでしまうといったような
はい、ハーラン・ベーコン(おい)初読でございますよ!
さすがの全米ベストセラー作家のベーコン、プロットが巧み
いやーこれがこう繋がるのかーと度々
面白かった
面白かったんだけど、主人公の元女性兵士マヤがどうしても好きになれない
たぶん友だちになれない
なんていうか、傲慢?なのよね
なんでも自分で出来ると思っている
なわけ無いだろ!と思う
これだから女って奴は!って思う
言いたくないけど、言っちゃう
自信家の女は扱いづらいから友だちになれない(はい女性蔑視発言ね)
友だちになれそうにない人が主人公だとやっぱりちょっと隣を歩きたくなくなってしまう
これもひとつの壁なのかもしれない
それでも終わらせ方がものすごいわい好みだった
このエンディングを書く人だったら、ものすごい相性のいい作品とも出会えそうな気がする
もちょっと何か読んでみたいです
ベーコン
Posted by ブクログ
比較的最近コーベン・ファンとなったぼくとしては、まだ数作の読み残し過去作品が残っている状況にやきもき。シリーズ作品が中途で未訳となって以来、すっかりスタイルを変えたシリアス系ミステリの単発作品が続くコーベンだが、中にはお馴染みキャラクターを語り継いだセミ・シリーズ作品や、コーベンワールド地続きと言えるような単発作品も見受けることができる。しかし、本書はそんな単発作品の中でも他のシリーズ・キャラクターは一切登場しないというかなり一作完成度に拘った作者の拘りが感じられる。
主人公が、単独でしかも女性、というだけでも珍しいかなと思えるし、全体構成がサスペンス重視というようになっていて、多層構造の時間軸がヒロインを取り巻く仕掛けだらけのびっくり箱構造というのが、ぼくの本書に対する印象である。謎や仕掛けやミステリーとしての楽しみ、ということに拘る読者であれば、この作品は作者の中でも最大級にトリッキーな作品と言えるかもしれない。
ヒロインの周囲に何人も事件や事故の死者が出ているという、まずもって偶然ではあり得ないような状況そのものが本書の特徴であり、その謎解きそのものが最後まで読者を引っ張る作品であるように思う。ヒロインに密接な関係のある夫と姉が、それぞれ銃殺され死んでいるという状況。さらに他の謎めいた死者たちが順を追って登場する。
何よりも夫の死すら疑わしくなる状況がスタート後すぐに登場する。死んだはずの夫が隠しカメラに映っていたのだ。ヒロインの目の前で暴漢によって銃殺されたはずの夫が。
以上の一見解けそうにない状況がヒロインを正常ではない状況に追い込んでゆくのだが、それでも異常の側に踏み込まずあくまで冷徹に真実を探ろうとするヒロインは、実は中東で度重なる戦闘経験を積んだ歴連の兵士なのである。彼女の経験したいくつもの理不尽な死と暴力の世界。サバイバルに長けた特殊能力の数々。クールさ。冷徹な知性。そうした彼女自身が捜索マシンであり武器であるというところが本書の特別な軸となってストーリーを引っ張ってゆくのだ。さすがコーベン・ワールド全快のエンタメ魂、と喝采を送りたい作品なのである。
後半はページを繰る手が止まらなくなり、一気に真相に向かって雪崩れる。夫の属していた貴族一族(ついボライター・シリーズのウィルを想起する)という権力というパワーの裏に控える闇の奥へと、読者はヒロインとともに導かれてゆく。沢山の家族や親子の姿が活き活きと暮らす中で、独り真実に向けて闘うヒロインの姿が頼もしい力作アクションである。
ちなみにネットフリックスでドラマ化(12回完結)されているようなので、メディアを変えた二度目の楽しみを求めてみようかと思っている。
Posted by ブクログ
読んでいた本が途中で止まってしまったので、気分変えに読み始める。
ビジュアルな場面展開が現代的なサスペンス小説で、これがとても面白い。
主人公は元特殊部隊のパイロット
一見、肉体も精神も十分なパワーを装備した女性。だが、彼女が過去の戦場での出来事から何かPTSDを抱えている様子が、早くから描かれている。
公園で殺されたはずの夫の姿が、その後に設置された監視カメラに写っていた。
そのことから、たった一人で謎を追うことになる。
主人公が守らなければいけないのは、娘のリリーと姉の子たち。
大富豪である夫の実家との微妙な関係が妙にまとわりつく中、次第に明らかになっていく過去の事実。
姉の死、夫の死、そして過去の事件……
「君は死にとりつかれている」
物語の進行とともに目まぐるしく変わっていく主人公の周辺
そして驚愕のラスト
謎解きという意味での結末以上に、心を揺さぶるエンディング……。
読みだしたら止まらない読書でした。
Posted by ブクログ
たまたま「プエルトリコ477便」のあとに読んだのですが、
どちらも"強い女性"が主人公で、夫が富豪一族、そしてキーパーソンがクレア!
(一方は主人公、一方は主人公の姉)。
しかし内容は全く違い、こちらの主人公マヤは元特殊部隊パイロットという実戦型の強い女性。最後の数十ページまで結末が見えずどうなるんだろうと思っていたが、きれいに伏線が回収されていくのはベストセラー作家の力量ですね。
アメリカは戦争と縁の切れない国、そして銃社会。アメリカンミステリーには必ずと言っていいほど元軍人やPTSDの話、そして身近に銃を持っている人が登場するが、
この作品はそれが女性であるというところが切ない。。
Posted by ブクログ
被害者の妻が夫の殺された理由を追っていくうちに、過去の死亡事件との繋がりが見えてくる。
これでもかというほど、話がどんどん盛られていって、最後はどうなるのか?と思いきや、全部ひっくり返される結末に~
Posted by ブクログ
イラクでやっちゃいけないことをやってしまった元軍人のマヤ。彼女の姉が殺され、そして夫のジョーも殺される。しかも、同じ銃で殺害されたという。ジョーは金持ち一家の息子。そのような舞台の裏側にはとんでもない事実が潜んでいる。最初から謎が多い物語だ。そして最後まで真相が分からない(少なくとも私は)。怪しいやつはたくさんいるが、撹乱された。ところどころで出てくるオッカムの剃刀なのだろう。ジョーの殺害は過去からのつながりゆえに、人間の感情の根の深さみたいなものを感じた。
Posted by ブクログ
まずは…小学館て意表突き過ぎで新聞で偶然見かけなかったら気付かなかったかも…。
今作は、これも偶然なのだけれど、マイロンシリーズを再読した直後に読みました。
マイロンの勧善懲悪ながら軽妙な感じとは違って、序盤から中盤までは微妙にダラダラな感じなのに、後半一気に畳み掛けて仕上げて、しかも泣かせるという…。
やっぱりマイロンシリーズの続編の邦訳を切に願います!
Posted by ブクログ
元陸軍特殊部隊でヘリコプターのパイロットだったマヤはイラクでの赴任中に民間人を殺してしまい、今もPTSDに悩まされているが、数ヶ月前に姉が押し込み強盗に射殺されたのに引き続き、今度は夫も暴漢に射殺されてしまう。しかし夫の死に疑問を抱いたマヤが独自に調べてみると…というサスペンス・ミステリ。
「他人に協力を要請するが、かと言って他人を信用しているわけではない」というマヤの性格の悪さが中盤は鼻について、やや中だるみだが、終盤はどんでん返しの後にハッピーエンドなエピローグで、読後感は良い。
Posted by ブクログ
本作を読んだ感想としてみんなどういう事を思うのだろう。
ミステリとしてもよく出来ているが、戦争ってやっぱりこんなにも人の心を破壊するのだなぁというのが最初の感想だ。
海外ミステリを読む意義とまで堅苦しくは言わないが、日本の作家では書けない話というのはあると思う。数ある中の一つは本作だ。主人公は女性兵士。イラクでの戦争体験もあるバリバリの経験者だ。本作は彼女だからこそ起きた悲劇でありミステリなので、戦争体験(しかも昭和10年代の民間人非戦闘員ではなく戦士として)のある女性などほぼ皆無な日本では描けない作品だ。
ミステリとしてもよく出来ているし、最後の落ちも綺麗に纏まっている。
でも私は、ミステリとしてよりも戦争とアメリカの歪んだ格差社会を描いた作品として本作を評価したい。
Posted by ブクログ
殺人事件で夫を失った元特殊部隊パイロットのマヤ。2歳の娘を案じ自宅に設置した隠しカメラに写っていたのは、2週間前に殺されたはずの夫ジョーだった。ジョーの死に潜む謎を追ううちに、マヤは4か月前に惨殺された姉クレアの死、そして17年前のある事件の真相へとたどり着く……。 (概要より)
料理は嫌い、階級の低いものがする仕事だ。と言う考え方の性格なのに、大富豪の一族である夫の家族の考え方に眉をひそめるのとか、いまいち主人公が好きになれなかった。
秘密を話さないと決めたのに、軍人でもない人に話す等。行動が…
PTSDに悩んでるけど、強いから耐えれてる怒りで突っ走りながら考えるタイプ…そりゃ間違いも起こる。
二転三転していき収束していくのは面白かったが、本当に必要?みたいな場面もあってなんかスローペース
もっとドキドキさせて欲しかった。
でも、長い割にハイペースで読んだ方かも知れない。