【感想・ネタバレ】暴露―スノーデンが私に託したファイル―のレビュー

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Posted by ブクログ 2017年08月20日

毎年恒例、プーチン大統領が国民の質問に丁寧に答えてくれる
よという茶番劇…じゃなかった、TVショーが今年もロシアで放送
された。

そこに登場したのが誰あろう、エドワード・スノーデン氏である。
そう、アメリカ政府の情報監視活動を暴露した、元NSA(米国
国家安全保障局)の元職員だ。

アメリカ政府に...続きを読むよる監視活動んいついて述べた後、ロシアも
同じような監視活動をしているのかというのがスノーデン氏
からの質問だった。

プーチン閣下曰く「情報収集に関しては法律を順守して行って
いるが、アメリカみたいに豊富な予算し、技術的能力もないさ」。

あぁ…元KGBがこんな答えですよ。なんたる茶番。

さて、本書である。ある日、著者は1通のメールを受け取る。署名
には「キンキナトゥス」。古代ローマで独裁官に指名されながらも、
反乱軍を鎮圧したのちに独裁官をあっさりと返上して、平民に
戻った伝説の人物。

このメールの差出人こそ、エドワード・スノーデン氏である。

本書は大きく3つのパートに分かれている。第1パートは著者と
スノーデン氏との接触から、スノーデン氏が持ち出した秘密文書
をいかにして公開するか。スクープを掲載することになった英紙
「ガーディアン」との駆け引き。

第2パートは実際にスノーデン氏が著者に託した文書の一部を
掲載し、どんな監視方法が取られていたかを詳しく解説している。

そして、第3パートは報道後のアメリカ大手メディアの反応と、
著者が考える報道の役割である。

アメリカ政府の世界規模の監視活動の内容も、報道当時と同様、
ショッキングだ。だが、それ以上に衝撃だったのはアメリカの大手
メディアが行ったスノーデン氏及び著者に対するネガティブキャン
ペーンだ。

ペンタゴン・ペーパーズやウォーターゲート事件を報道したアメリカ
のメディアは、いつから政府の提灯持ちへと変身したのか。

9.11後、アメリカは「テロが起きたらどーするんだよ」と国民の恐怖
を煽り、愛国者法などという悪法を通して来た。NSAはアメリカ人に
対する監視活動は行わないと約束していたが、それさえもテロの
脅威の名の下、なし崩しになった。

アメリカ政府が言うように、テロを未然に防ぐ為に必要であるので
あれば、ボストンマラソンでの爆破テロは未然に防げたはずだった
のではないか。

日本でも特定秘密保護法案が出来、国家安全保障会議が誕生
した。将来、アメリカと同じことをしないとは言い切れない。

他人事ではない。こうしてネット上に、ああだこうだと書いてる
ことが、どこかで秘密の目に監視されているのだから。キャー。

尚、アメリカがドイツのメルケル首相の携帯電話を盗聴していた
との報道があった後、「安部首相の携帯電話は大丈夫」と官房
長官が胸を張って断言していた。

それって…盗聴に値しない人物ってことですけど。

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一般市民に対する集団監視とは?

2017年03月29日

一般市民に対する盗聴、盗撮の拡大による実害は、最近ネット上で散見する『集団ストーカー』というものにも関係しているのでは?と思っています。この本でのスノーデンファイル序文には次の文章が記載されています。 『・・・社会から爪弾きにされた若者が 軽微な違反を犯し、世界最大の監獄制度の中で耐え...続きを読む難い結果に苛まれようと、私たちは社会全体として見て見ぬふりを決め込んでいます・・・』 そして2014年、NBCニュースで のスノーデンのインタビューでは『・・・he called it ,could get inside your thought process・・・』と言っています。
また例えばウィキリークスにある文章『 エネルギー武器(DEW)、神経作用兵器、そし て100通りの組織的ストーカーの拷問とその乱用についての要約 』ウィキリークスサイト (http://wikileaks.org/gifiles/docs/ 16/16811_fw_impeach_these_criminals_please_with_100 _attached_torture.html) ここでは、世界各国のターゲットにされた被害者の情報が載っており、またこのようなことは恐ろしいことですが、日本でも行われていると思います。なぜその兵器の情報がメディアから出てこないのか法整備はされないのか疑問です。 技術的なことではアメリカの特許 である脳活動監視についての研究(2000年4月.A.Mardirossian博士、US Patent 6011991 )など他の特許も色々あり、(1994年 Donald York神経学、Thomas Jensen 言語学)両博士による脳波による言語変換を成功させている例もあり、信憑性はあるのではないかと思っています。
『集団ストーカー』の問題は権力に対する邪魔者を排除すること、また大衆を動かす心理技術的な洗練(コインテルプロなど)という意味で、別の問題としてみえる,原発の不利な情報をもみ消す力、平和活動に対しての圧力など源は同じところから来ているのではないか?と思います。それはつまるところ、真実の情報が一般にはなかなかおりてこず、権力者の都合の良い情報しかもらえないということに尽きると思います。

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Posted by ブクログ 2016年02月04日

知らないうちに監視されてた。何も自由はない。真のジャーナリズムに裏打ちされた全現代人必読書ではないだろうか。

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Posted by ブクログ 2015年01月07日

政府による通信の無差別監視。実際に行われていたという話には暗澹とした気持ちになります。しかもアメリカがやるとなれば世界的な影響があります。インターネットのインフラも、人気のあるサービスもアメリカに集中しているわけですし。

スノーデンは日本のNSAにデルの社員として派遣されていた時に、機密情報のリー...続きを読むクへの気持ちを強くして行ったようですが、日本で何を見たのかがきになります。「それまでより高次元の監視上の機密」「無人機によって殺される運命にある人々の監視映像を見たこともあります」等記述はありましたが。

この本では当然触れられていませんが、日本政府がこの件をどう捉えているのか、今後どういうスタンスで行くつもりなのかも気になるところです。

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Posted by ブクログ 2015年01月05日

GoogleもfacebookもiphoneもOfficeも使う気なくすな、これ読むと。
エドワード・スノーデン氏をアメリカの機密情報を暴露した極悪人と評価するか、NSAの極度のプライバシー侵害を公にしたヒーローと評価するかによって、この本の評価も別れるだろうが。

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Posted by ブクログ 2014年10月08日

世紀の情報漏洩。「スノーデンファイル」よりも一層具体的で解りやすかった。いまだにgoogleやfacebookを使っているけれど、考えないといけない。米英が国家権力を乱用して政治的障害を不法かつ強引に取り除こうとする様が恐ろしかった。報道機関の多くが腰が引けていて、本来の姿を失っているのも残念。現代...続きを読む社会はあからさまじゃないけれど、大アメリカ帝国と、同様に英語圏である英国連邦のアングロサクソン白人国家4カ国が世界を牛耳っているんだな、と糞面白くない結論に至りました。とっても差別的な世界で怒り心頭。

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Posted by ブクログ 2014年10月06日

国家安全保障局(NSA)と中央情報局(CIA)というアメリカ二大情報機関に籍を置いたエドワード・スノーデンの暴露本。
WEB履歴もメールも電話もメッセンジャーも全てログを取られ傍受されている。そんな時代は普通に来ている。
国家レベルの秘密情報を扱う機関は国産の機器やサービスを使うことがいかに重要か。...続きを読む
スノーデンの暴露によって白日の下にさらされた時代を変える実話。
最高峰の「事実は小説よりも奇なり」を味わえる一冊。ヤバイ!

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Posted by ブクログ 2014年12月31日

米国のインターネット盗聴を暴露したスノーデン。その情報を得て発表した記者グリーンウォルドによる、事の顛末とその影響を描いたノンフィクション。ロシアに逃れたスノーデンは、米国政府の引き渡し要請や国防観点からの非難があり、いまだ進行中の案件である。情報を渡していた米IT業界の各社についても、秘密情報の保...続きを読む持という点で信用を落としており、これまでのように無条件に信頼を得れらる存在ではなくなっているようだ。

世界の通信情報を収集するという「PRISM」の存在についてはスノーデン以前から噂にはなっていたものの、自分としては現実のものとも思えずトンデモの類かと思っていた。本書を読み、本当にここまでやっていたのかというのが感想だ。全ての情報を収集するということが、その対象となる量からして現実的とは思えないことと、全てを収集できたとしてその情報量が多すぎてそこから有益な情報を得るのが難しいのではないかと直感的に考えていたからだ。
電話の仕事をしていたらCALEA (Communications Assistance for Law Enforcement Act)対応機能が米国向けでは必須であることは知っていた。司法の許可があれば米国内の全ての通信は傍受可能とするのが目的だ。その思想を敷衍するとすべてのインターネット通信を捕捉しようとするのは当然の帰結なのかもしれない。特に911の後の世論やジャーナリズムは、これをよい機会とする人々によって利用された。
米国ではHuaweiやZTEなどの中国製ネットワーク機器は国家安全保障上のリスクから採用されないということになっている。中国のメーカーは、本当にそういうことをやっているのかもしれないが、自らが外国に対してそのようなことをしているという事実からこそ逆に実行されている政策とも言えるだろう。そこまでやるのか、という観点で見ると、先日のOpenSSLのバグも、彼らが置いたバックドアなのではという噂も現実的になってくる。米国が選定した暗号方式であるAESについても何か裏があるのではとこうなると勘繰りたくなる。日本の通信などは裸になっているのだろうか。

著者は、第4章で政府が監視しているという事実が社会与える影響について論じる。監視の対象になるのは、悪いことを考え、悪いことをしようとしているものであり、われわれはそのために庇護されるのだという考えを非難する。
フーコーが『監獄の誕生』以降で分析した内的監視のメカニズムがまさにすみずみまでその射程に捉えようとしている。人は、自らの自由意志という錯覚をもってその監視社会の中で住むことになる。それは、抑圧的で不可逆的なプロセスであり、自分は悪いことをしていないので、気にならない、という話ではないのだ。

著者は、米国政府だけでなく、唯々諾々として政府の意図に沿う大手ジャーナリズムも批判する。それこそが大きな問題なのかもしれない、と。

物語としても面白いが、事実として知っておくべきが書かれている本。

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Posted by ブクログ 2014年06月29日

驚きの事実だ。CIAやFBIが何が入っているかわからないからLenovo製PCを使うなと通達を出したが、それ以上のことをしている。シスコから定期的にルーターの新製品を納めさせ、チップを加えてまた新品にして返してくる。メールアドレスがわかればどんな情報も取得することが出来る。一度でもネットに繋げばマル...続きを読むウエァを埋め込み、たとえPCの電源を切っていても起動させることが出来る。唯一秘密が保たれるは、一度もネットに接続されていないPCだ。こんな事が自由主義、オバマ政権で実施されている。

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Posted by ブクログ 2016年12月27日

スノードンの問題は、現時点でも未解決の問題としてメディアでも度々話題になっている。
米国情報機関の機密情報の取り扱い、ということ以上に、インターネット社会における情報の取り扱いについて、一石投じた事件として、当時、どのような動機、背景で、何が起こったのか知ることは重要なことだと思う。
インターネット...続きを読むこそが国境を越え、自由に情報を展開することができる場であると同時に、それを管理することが可能であれば、それを誰かがコントロールし、その自由を抹殺することすらできる。

本著は”暴露”した側が書いたものであるが、これを否定的に取る側の論理にも触れられているし、事の本質にも深く踏み込んでいるので、頭の整理としても一読の価値があると思う。
サイバーセキュリティの問題は、IOT化が進むにつれて、益々、脚光を浴びてくるだろうし、情報の取り扱いの考え方自体をコペルニクス的発想の展開を以って変えていかないと、解決の糸口が見つけられないような気もする。(それが何かは全く見当がつかないが)

以下引用~
わが国(米国)の憲法の起草者たちは、幸福の追求のために望ましいい条件を確保することを保障し、人間の精神性や感情、知性の重要性を認めた。彼らは、物質的幸福は人生の痛みや喜び、充足の一部でしかないことを認識し、合衆国国民の多種多様な信条、思想、感情、感覚を保護することを求めた。政府との関係においては、誰からも干渉されない権利を国民に付与した。
(最高裁判所判事ルイス・ブランダイス)

パノプティコン(一望監視装置)
閉じこまれた者に常に見られているという意識を植えつけ、権力が自動的に作用する状態を作り出す。

肉体的な安全より上位にある中心的な価値とは、国家をプライベートな領域ー合衆国憲法修正第4条で定義される”身体、家屋、書類、個人資産”-に関与させないことだ。それはこの領域が人生の質を左右する多くの特質ー創造力、探究、親交といったものーのるつぼのようなものだからだ。

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Posted by ブクログ 2016年05月29日

「NSAは外国人にかぎってプライヴァシーを侵害します。」実際には全員が対象。

NSAの資料が公開され、アメリカのデータ盗みが明らかになった。外国首相のケータイを盗聴していたのもすごい話だ。

データの内容ではなくメタデータを集めたのはとても興味深い。つながりを追えば内容もわかるのは面白い。

メデ...続きを読むィアが国の従僕であるという批判は、全世界で共通のものだと感じた。

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Posted by ブクログ 2015年02月21日

僕はこのNSAによる世界監視が暴露されたことは喜ぶべきだと思いました。アメリカのオバマ政府は、「国民の監視や盗聴や通信の傍受はしてないよ!外国人に対してだよ!」というような苦肉の言い訳をしていて、それに対して、マーク・ザッカーバーグ(FBの創始者)が、「世界を相手にしているウチの商売に気を使えよ」的...続きを読むな愚痴を言ったとか。そうなんです、世界監視には、フェイスブックもヤフーもグーグルも、いろいろな企業が協力しているそうです。そうやって、プライバシーを盗んでいるんですね。そうしたことが秘密裏のままだと、本当に闇の中でもっと権力を強めてしまいかねない。日本もそうだけれど、政府っていうものは、国民やジャーナリストが厳しく見ていないと、なにをしでかすかわかったものではないなと感じるところです。

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Posted by ブクログ 2015年02月19日

いずれかの国でスパイ活動が行われていると想像したことはあったが、まさかここまでとは。
書かれていることが本当であれば、恐ろしい。
監視を意識することで行動抑制が起きると言うのはうなづける。
とてつもない逆風の中でジャーナリズムを貫く筆者にも感服。

全ては保身、集団心理がなせる技なのか。

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Posted by ブクログ 2015年01月31日

国家による無差別監視。やってるだろうな、と思いつつも、ここまでやってるのか、とゾッとさせられる。

イギリスでは報道の自由が憲法で保障されていないとは知らなかった。新聞社に乗り込んで、合意のもとでハードディスクを破壊させるって、結構えげつないことするなあ、と。
アメリカの大手メディアの体制寄りっぷり...続きを読むがショックでした。もちろんこれは著者側から見た意見で、大手メディア側にも言い分はあるだろうけど。

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Posted by ブクログ 2014年08月24日

スノーデンが著者に接触するところから現在(当時)に至るまで、時間を追って物語風に記されているので話にどんどん引き込まれました。最初TVでこのニュースを見たとき、とても表に出てきそうもない情報を暴露するとはなんて勇気のある若者だ、それにその事が色々な妨害もなく(屈せず)世間に出てきたなと衝撃を受けた事...続きを読むから、詳しい詳細に漠然と興味がありました。アメリカNSAが個人の通信の全ての情報(インターネット閲覧情報•電話通話記録等)を漏らさず取得しようとしていた事は驚きです。言われていたように、要注意人物や主要人物はそのターゲットになりうるという認識はありましたが、反政府的な芽を摘むという意味でも一般市民余すことなくとはそこまでやっていたのか、と。いまやネットは個人情報の宝庫でそれを盗まれ管理•操作されてしまうことがどれだけ自由と安全と人権を脅かすか、また見られてるかもという被害妄想によって行動が制限されてしまう、人間の心理による弊害については深く考えさせられました。無意識のうちに管理•洗脳されることが日々の生活の中でも確かにあると。反政府的な思想を少しでも持つものは芽を摘むがごとくに管理工作されつぶされる。筆者は政府のいいなりになっているような現在のジャーナリズムをも問題視しています。これは日本でも同じことかと。最後に、大きな組織•力であっても、論理的に考えて自ら意思決定する小さな人間ひとりひとりが、抵抗し挑戦し変えていく事ができると言っていて、まず意識を十分もって監視•行動することが大事だとおもいました。ちなみに筆者はその後アメリカに入国出来たのか気になるところ。ここまで大きな話題になったら簡単に逮捕とか出来ないと思うけど。

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Posted by ブクログ 2014年08月03日

この問題は解決済みと言えるのだろうか。勇気ある告発、正義感に対し、国家はあまりにも冷酷で強力だ。しかし、この問題は、国民全体の不利益のみならず、次のような事が考えられないのだろうか。例えば、情報の政治利用。時の権力者が、敵対者の情報を入手し、そのことにより政争を有利に運べる場合、政党の転覆が困難なば...続きを読むかりか、自らの立場も危ういのでは。政治エゴの観点からも野放しにして良いはずはない。つまり、ターゲットとなり易いのは、一般市民よりも著名人だという論拠には、理があると考える。では、本来反対すべきは、野党では無いのか。

国家シギントには、プライバシーの権利から反対する。まさに、共産主義社会の体である。そもそも、国家による監視は、必要なのだろうか。組織的犯罪者はこのシギントをすり抜ける可能性が高い。経済においては有効だろうが、これを許せば、無法地帯になるのでは。経済活動は、ルールの上でお互いの信頼に基づかなければ、行き着く先は、原始的な暴力社会だろう。

スノーデン氏の憤りが、よくわかる。これは、あってはいけない事である。権力に屈せず、戦い続けて欲しい。このような事は、国に限らず、企業でもよく起こる。企業内の価値観、同調圧力は、外から見たらすぐ分かるような異常性を許容し易く、正義による告発を裏切りと判別し易い。組織に益があり、仲間とのルールが破られず、バレさえしなければ、その行為が正義だと。組織と戦うには、別の組織の力が必要だ。組織が国家である場合、果たして戦い切れるのか。そのための司法の独立ではないのか。

新時代のルール作りは、暗闇を一歩一歩進むようなものだ。そのルールでさえ、強国有利に作られる。我々は、これからどこに進んでいくのか。

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Posted by ブクログ 2014年10月26日

すばらしい。
スノーデン、イカす!
顔はイマイチだけど。
ソウルは最高。
逃げるんだ!ベイビー!
逃げ切ってくれ。
君は最高にヒップな野郎だ。

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Posted by ブクログ 2014年06月25日

前半は暴露した経緯や主な内容について。後半は(実際に記事にした)著者が報道・ジャーナリズムについて物申している。
暴露の内容は非常に興味深い。どこまでが本当で、どこまで収集されているのか。そして、この話題は沈静化してしまうのか。

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Posted by ブクログ 2014年06月25日

今さらだけど、レビュー書くのもためらわれる・・
怖いですね。

なので、無難に「面白かったです」と書いておこう。

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Posted by ブクログ 2014年06月21日

ジョージ オーエル 1984年
監視されているかもしれない、という認識を人々に植え付ける

ジェレミー ベンサム パノプティコン 一望監視装置

行政 立法 司法 報道 の四権

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Posted by ブクログ 2021年04月14日

【感想】
この本を読んでいるとき、通信傍受に関する事件が日本国内でも発生していた。

LINE株式会社が自社のサーバーを中国に置いており、LINEに登録されている日本人の個人情報やプライベートな会話を、システム管理を委託していた中国企業の技術者が閲覧可能な状態にあった。その後同社は中国からのアクセス...続きを読むを完全に遮断し、サーバーを日本国内に移すことを発表している。

このニュースを見て、私は、「今さらなんだ」という感想を抱いてしまった。LINEが個人情報を外国に流していることなど周知の事実であり、それを割り切りながらサービスを使っていたのではなかったのか、と考えてしまったのである。

そして同時に、スノーデンが抱いていた「プライバシー保護への意志」が、私の中に根付いていないことを知り、悲しくなってしまった。

スノーデンが暴露を行ってから8年近く経とうとも、NSAの責任が追及されることはない。それどころかアメリカは中国をますます「スパイ国家」と認定し、中国製電子機器の締め出しを強化している。アメリカの首脳陣も、NSAの幹部も、自国が構築した監視網は棚に上げ、彼らは罰則を受けることなく今日まで存在しつづけている。

もうこれは、割り切るしかないのだと思う。今さらインターネットを捨てることはできず、したがってアメリカが構築した監視網から逃れるすべはない。
全てが覗かれている世界の中で、少なくとも自分だけは誠実なふるまいをし、火の粉が降りかからないよう生きていくしかない。政府への抗議活動や反対運動を起こそうと思っても、自分だけは捕まらないように注意して行動するしかない。そんな諦めの気持ちが、自分の中に芽生えてしまっている。

スノーデンの「大規模監視システムが存続すべきかどうかを人々に問いたい」という思いは、宙ぶらりんのまま潰えようとしている。悲しいことに、アメリカはあの事件から全く前に進んでいないのだ。


【本書の概要】
NSAが日常的に世界中の通話記録とメールを収集・定量化していたことを、元NSA職員であるスノーデンが暴露した。
NSAと主要ウェブサービス会社、連邦政府は蜜月の関係にあり、「テロから自国を守る」ことを口実に、世界の国々に対して大規模な通信傍受をおこなっていた。
NSAが監視プログラムに対して、「監視しようとしているのは、悪い人間から悪い人間に対する通信だ。いかなる違法活動にも携わっていないアメリカ国民は、何も恐れることはない」と言う。しかし、他者の視線を感じている時に人が考慮できる選択肢の幅は、プライベートな領域での行動時よりもはるかに限られてしまう。「監視されている」という事実自体が行動を歪めてしまうのだ。
スノーデンの暴露に対して、政府よりのメディア、ジャーナリストから誹謗中傷が届いた。
ジャーナリズムの世界に身を置く多くの者にとって、政府から「責任ある」報道というお墨付きをもらうこと(足並みをそろえること)が名誉の証となっている。
アメリカのジャーナリズムは堕落している。


【本書の詳細】
1 スノーデンとの初接触
郵便物の検閲、電話の傍受といったように、歴史上起こってきた大量監視はいずれも、反対派を抑圧し従順を強制することが目的であった。
アメリカの指導者は、テロへの対策という名目で大量監視を擁護し、極端すぎる政策を正当化してきた。

かつてのスパイ・システムはすべて限定された用途に用いられたものであり、望めば回避することも可能であったが、インターネットは違う。インターネットが大量監視システムに変貌してしまえば、人間のほとんどすべてのやりとり、計画、思考まで国家の眼にさらされてしまうのだ。

元NSA職員であるスノーデンから、秘匿回線を通じて送られてきた文章は衝撃的なものだった。
連邦裁判所が、ベライゾンビジネス社(アメリカの大手通信業者)に、
(1)アメリカと海外とのあいだでの通信、(2)アメリカ全土の詳細な通話記録のすべて をNSAに提出するよう命じていた。眼に見えない国家の監視システムがいつでもどこでも、そのシステムを監督する者もチェックする者もいない状態で、秘密裏に何千万人のアメリカ人の通話記録を収集していたのだ。
同時に、こうしたアメリカ人の通話記録の大規模な収集活動は、愛国者法第215条(9.11テロにより制定された対テロ法)により認められていると明記されてもいた。

スノーデンが筆者に情報提供を持ちかけた理由は次の通りである。
「プライバシーやインターネットの自由、国家による監視の持つ危険性について、世界中で議論するようになってほしいのです」。
そのためにスノーデンは、自分の実名を公表することを決意した。例え情報漏洩の罪で刑罰を受けることになろうとも。


2 スノーデンの略歴と彼へのインタビュー
スノーデンは若くしてCIAの請け負いという立場からフルタイムのスタッフになり、2007-2009年まで、外交官に偽装してスイスのジュネーヴに駐在していた。CIAを離れてNSAに戻ると、2009年には日本のNSAで勤務するようになる。
スノーデンは上級サイバー工作員となるべく訓練を受けていた。上級サイバー工作員とは、他国の軍隊や民間のシステムに侵入し、情報を盗んだり、攻撃準備を整えたりするスタッフのことである。
各国の監視業の高度なアクセス権限を得て目にしたのは、合衆国政府が広範囲にわたって人々を盗聴しているさまだった。NSAの目的は、世界中のあらゆるプライバシーを消滅させ、すべての電子通信をNSAに掌握させることだったのだ。

こうした監視は倫理的に問題である、と上司に訴えても、即座に「お前の権限ではない」と言われ、目をつぶるように促された。上層部において権力と説明責任を切り離すのはとても容易なのだ。こうした現状を変えるべく、スノーデンは機密情報をNSA内部から盗み出し逃亡をはかった。

彼が自分のキャリアのすべてを犠牲にし、重罪犯として扱われる危険を冒してまで暴露した理由は、道義的責任と使命感によるものだった。
彼は次のとおり語る。「人間のほんとうの価値は、その人が言ったことや信じるものによって測られるべきではありません。ほんとうの尺度になるのは行動です。自らの信念を守るために何をするか。もし自分の信念のために行動しないなら、その信念はおそらく本物ではありません」
「プライバシーも自由も存在しない世界には住みたくありません。インターネット独自の価値が奪われた世界には」
「そうしたシステムを破壊したいわけではありません。ただ、そのシステムが存続すべきかどうかを人々に問いたい」

また、彼は自らの身に起こりうることを予想しこう語っている。
「1917年のスパイ活動法に違反する、と政府は主張するでしょう。なるべく刑務所には行かずにすませたいが、政府からどんな仕打ちを受けようとも、私は耐えて生き続ける。しばらく前にそう決めたんです。何もせずにただ黙って生きることはできません」。
自分の身に起こること、そしてアメリカを敵に回すことへの覚悟を、驚くほど冷静に語っていた。
そんな彼の姿勢に、筆者は強く心を打たれた。


3 リーク記事の発表
スノーデンのリーク記事の第一報はガーディアン紙から発表された。
「NSAがベライゾン加入者数千万人の通信履歴を収集」

この記事への反響は凄まじい規模であった。
政府は「通話履歴収集プログラムは、国をテロリストの脅威から守るために不可欠なツールだった」との声明を発表するが、賛同はほぼ皆無だった。

第二報はPRISM計画の暴露である。
マイクロソフト、Google、Yahoo!、Facebook、Appleなど、9つのウェブサービスを対象に、ユーザーの電子メールや文書、写真、利用記録、通話など、多岐に渡るサービスの情報をNSAが自由に獲得できる計画の全貌である。これによりNSAは「いかなる外国人」も監視することが可能になり、外国人と連絡を取ろうとするアメリカ人の情報も、容疑の証明無しに取得することができる。

前回同様、反応は爆発的であった。しかも今回はインターネット企業という地球規模にまたがる会社の情報だったため、反応も世界規模だった。

さらに「バウンドレス・インフォーマント・プログラム」の記事が発表される。これはインターネットや電話回線を傍受して得たメタデータの量を国ごとに表示し、分析するためのソフトウェアである。

また、NSAが日常的に世界中の通話記録とメールを収集・定量化していたことを指し示す記事も発表された。NSAは、外国の情報のみに集中すると法的に定義していたはずなのに、外国の通信システム利用者のみならず、アメリカ国民も同様にNSAのターゲットにされていた事実をこの資料が証明していた。


4 NSAと民間企業の提携
4本目のリーク記事の後、ついにスノーデン自身にインタビューする12分の動画が、ガーディアンのウェブサイトにアップされた。スノーデンが潜伏していた香港のホテルに記者が殺到する。合衆国政府はすでに、香港政府にスノーデンの逮捕と身柄引き渡しを要求していた。

NSAと民間企業は蜜月の関係にあった。
NSAは正式には公的機関であるものの、民間企業と幅広くパートナーシップ契約を結び、主力業務の多くを外部委託している。アメリカの諜報予算の70%は民間企業に支払われていると言われており、インターネット企業や電話会社と協力して、顧客情報を入手しているのだ。

PRISMプログラムの運用により、フェイスブックやスカイプ等のやりとりの履歴が政府に渡されていたことが発覚する。
特に政府と蜜月だったのはマイクロソフトだ。同社は、顧客に提供している自前の暗号化システム――プライバシー保護のために不可欠だとうたったシステム――を回避するシステムを、NSAと協働で構築してしまっていた。
これは何もマイクロソフトだけではない。ツイッター以外の会社は、政府機関が情報を入手しやすいシステムを構築することに協力していたのだ。
しかも、情報の収集基準は、「合法的な外国の情報収集の助けになるかどうか」という一点のみであり、例えアメリカ人同士の会話を誤って収集していたとしても、全面的許可が与えられることが慣例となっている。


5 諸外国との関係
NSAと諸外国の関係には3つのカテゴリーが存在する。
A層がオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリスで構成される「ファイブ・アイズ」と呼ばれる国で、NSAとの通信傍受に関して技術協力や提携を行う密接な国である。
B層が限定的協力国であり、特定の活動に協力する国であると同時に、求めてもいない監視をされている国でもある。A層以外の多くの先進国(日本やドイツ、ギリシャ、イタリア、韓国など)が当てはまる。
第3層がアメリカが日常的に監視し、協力関係がほとんどない国で構成される。先進国でいえば中国やロシアなどが当てはまる。


かつてアメリカは、「バックドアが仕込まれている」という口実(確証を得ていたわけではない)をもとに、ファーウェイとZTEの機器やサービスの禁輸措置を行っていた。
しかし、NSAは国外に輸出されるルーター、サーバー、その他のネットワーク機器を定期的に受領、応酬し、それらの機器にバックドアを仕込んで出荷していることが分かっている。中国機器に監視機器が埋め込まれている可能性はおおいに考えられるが、アメリカもまさに同じことをしているのだ。
中国製品に対する合衆国政府の非難の背景には、中国が監視をおこなっているという事実について世界に警告を発したいという思いがあったのだろう。しかし、中国製品にアメリカ製機器のシェアを奪われてしまえば、NSAの監視網が弱まってしまうというのも大きな動機としてあったはずだ。

2007年、NSAのサーバーとシステムの増強、そして新しいプログラム「XKeyscore」が開発された。これらを使えば、Eメールアドレスさえわかればどんな人間でも監視できることが明らかになった。XKeyscoreによって30日間で収集されたデータの量は、SSO部門だけで400億件を超えている。

世界中のあらゆるものをスパイできるシステムは、外交操作を可能にし、経済における優位性を獲得できるだけでなく、世界そのものを把握し続けられる。アメリカがあらゆる存在の行動、発言、思考、計画をすべて把握できるようになったとき、アメリカから誰も逃れられず、アメリカを誰も監視できなくなる。いかなる透明性も説明責任も無い、無限の権力の誕生である。


6 プライバシーについて
プライバシーを保護したいという願望は、人間が人間らしく生きるために必要不可欠なものとして、われわれ全員が共有する願望だ。
個人的な領域とは、他者の判断基準に左右されない場所であり。逆に、他者の視線を感じている時に人が考慮できる選択肢の幅は、プライベートな領域での行動時よりもはるかに限られる。つまり、プライバシーの否定は、人の選択の自由を著しく制限する作用がある。
監視は人々を委縮させ、人々の被害妄想と正当な警戒心の境界はますます曖昧なものになっていく。言い換えれば、国による大量監視は、弾圧へとつながるのだ。

大規模監視のリークに対する合衆国の言い分は次のとおりである。
「監視しようとしているのは、悪い人間から悪い人間に対する通信だ。いかなる違法活動にも携わっていないアメリカ国民は、何も恐れることはない」
しかし、権力組織にとっての悪い事の中には、違法行為や暴力活動、テロ計画だけではなく、重要な反対行動や純粋な抵抗活動も含まれる。単純な抗議運動を不正行為あるいは脅威と同一視するのは、権力側のさじ加減である。
「権力の拡大によって影響を受けるのは特定の個別グループだけだ」と政府が国民を説得し、自分たちの抑圧的な行為には眼をつぶるように国民を言いくるめている。

政府に同調する市民はこう言う。
「彼らが私を探す動機はなく、大量のデータから私を見つけ出すことも困難である。そのため、市民の自由に対する脅威は(個人レベルでは)大したものではない」
しかしながら、社会の自由をはかる本当の尺度は、その社会が反対派やマイノリティをどう扱っているかにあるのであって、「善良な」信奉者をどう扱っているのかということにあるのではない。

また、NSAの監視プログラムは過剰な量の情報を傍受しているため、本物のテロリストが企てている本物の計画を目立たなくし、国家をかえって脆弱にしているとの指摘もある。


7 メディアの堕落
スノーデンの暴露後、一部のジャーナリストやメディアがスノーデンと筆者を売国奴や犯罪者とみなし攻撃した。
「機密情報のリークは、国家の安全をおびやかす行為だ」という理由である。

同様の理由から、司法省がFOXニュースのワシントン支局長であるローゼンの行為を犯罪視した。しかしながら、ローゼンの行為はすべて伝統的なニュース番組の範疇に収まるものであった。言い換えれば、オバマ政権はジャーナリズムそのものを犯罪視したのだ。

政府とメディアは反対派の人間を人格障害と結びつけ、攻撃した。誹謗者の中にはニューヨーク・タイムズといった政府寄りの一流新聞社も含まれていた。
大企業の構造の中で生きる者は、組織の秩序を乱そうとせず、組織におもねるようになる。こうして彼らは組織の力を自らと同一視し、それと戦うのではなく、服従するすべを身に着けるようになってしまうのだ。
今日、ジャーナリズムの世界に身を置く多くの者にとって、政府から「責任ある」報道というお墨付きをもらうこと(足並みをそろえること)が名誉の証となっている。そしてそれが、アメリカのジャーナリズムが不正を監視する姿勢をどれだけ失ってしまったかを如実に物語っている。

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Posted by ブクログ 2020年08月26日

アメリカの度を越したぶりを内部告発し、大きなニュースとなり一躍名が広がった元NSAとCIAに勤めたスノーデン。ジャーナリストである著者が彼から受け取った多くの機密文書とともに、告発に至った経緯を綴る。定番のやりとりなんかはスパイ映画さながらで、これがリアルに行われていたのだからなおさらドキドキ。US...続きを読む政府やマスコミによるキャンペーンの実情や大手通信会社とのつながり。監視にかけられている税金額もすごい。みんなが知っておくべきことだと感じた。

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Posted by ブクログ 2017年08月08日

発達した今、どれだけの情報が、自由に、自在に操られて、操れるようになっているか。

プライバシーなんて、もう、ないのかもしれない。

そんな世界が近い、
警鐘を鳴らしても、これが進化なのかもしれないなと、危機感薄く、私は思った。

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Posted by ブクログ 2017年05月14日

スノーデンさん正義感強いなあ。
個人的には、別にそんなに悪いことしてる訳でもないので、別に監視されててもいいなあ、それでテロも防げるなら、って思った。笑

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年03月03日

 オリバー・ストーン監督の映画「スノーデン」を補完しようと読んでみた。
 本書の前半は、映画の香港でのシーンそのままだ。本書を読んで、スノーデンの決意、その貴重な情報をいかに効果的に世に問うかに煩悶とする<ガーディアン>陣営の苦悩が良く理解できた。本書を読んで、映画を再度見直したくなった。

 映画...続きを読むではジョセフ・ゴードン=レヴィットが実に人間味のあるスノーデン像を演じきっていて、実物以上の好人物と思って観ていたが、本物のスノーデンも実に知的で思慮深く、なにより覚悟が素晴らしい。
 言葉のひと言ひと言が、実に深い!

「マスメディアの自由闊達な精神の保持とインターネットの自由のために戦ってください。私は政府の最も暗い一画で働いてきました。彼らが恐れるのは光です。」

「われわれは原則を強化すべきなのです。権力を持つ者がプライヴァシーを享受できるのは、一般人も同じように享受できる場合に限られるという原則を。人間の方策としてというより、自然の摂理として働く原則を。」

 そして逃げ隠れせず、自ら名乗った思いも素晴らしい。

“自分が何者なのかを合衆国政府に定義させるのではなく、世界が見つめる中で自ら定義する”
 
 情報ソースが秘匿されることで回りに及ぼす被害にも配慮したという(自分が情報を抜き出したという証拠すら残してきたというのだから恐るべしだ)。
 さらに、身元を明かした上で、必要以上に、その身を晒すことはしない。それは自分がリークした情報、“真実”の中身から世間の注目を逸らしたくないからだと。 お金にもなる、保身にも、身の安全にもなる各種のメディアからの取材要請を一切拒否し、”名声を求めるナルシスト”という、合衆国政府寄りの罵倒を封じ込める。
 そんな毅然とした行動を、僅か29歳のエンジニアが取れるものだろうか。余程、己が接してきた「政府の最も暗い一面」の闇が深かったと思わされる。恐るべきことだ。

 本書の中盤からは、持ち出された情報の一部が紹介されるが、そこは斜め読み。その情報の重要性が正直イマイチ理解できなかった。
 そして後半は、スノーデンの話題から離れて、記者として著者の身に及ぶ影響、こうした反政府的な情報を取り扱うことの危険などが語られて、それはそれで面白い

“ジャーナリストの肩書がなくなると、報道の正当性が疑われる”、
“さらに、”活動家”にされると、法的な面にも影響が出てくる“、
“いったん”活動家”の烙印を押され“、”活動自体が犯罪と見做される“

 そういったことを、著者グレンは、身をもって学んだという。ジャーナリストが政府の秘密を発表するのは一般的に合法とされるが、それが重要な秘密ともなると、法ですら守ってくれないということか・・・

 そんな、世界の真実に迫ろうとする記者たちの闘いの話も実に興味深いが、やはり、香港を離れてからのスノーデンのその後も、もう少し知りたかった(が、それをスノーデンが望んでいないことも理解できる)。
 <ガーディアン>がスノーデンの情報を発表した時に、そのサイトの冒頭にこう記した;

“ダニエル・エルスバーグやブラッドリー・マニングと並び、スノーデンは合衆国史上最も影響力を持つ内部告発者としてその名を歴史に残すだろう”

 そのスノーデンに、著者グレンが“何度も繰り返し質問した結果”、最後にたどり着いた、“本物と思える回答”、 スノーデンの本心を備忘として記しておこう。

「人間のほんとうの価値は、その人が言ったことや信じるものによって測られるべきではありません。ほんとうの尺度になるのは行動です。自らの信念を守るために何をするか。もし自分の信念のために行動しないなら、その信念はおそらく本物ではありません」

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Posted by ブクログ 2017年02月23日

アメリカのNSAがあらゆる電子情報、通話記録などをなんでもかんでも収集していることを暴露したスノーデン氏のこと、および体制の顔色をうかがうジャーナリズムへの警鐘が記載されている。

スノーデンから筆者への最初の連絡が2012年12月1日。それからすでに4年以上経過しているが、きっと今でもNSAは情報...続きを読むを集めているだろうし、人々はそれに慣れきってしまっているように感じる。

ちょうど映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』が公開されているのだが、やはり喉元過ぎて熱さをわすれるんだな、人間は。

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Posted by ブクログ 2018年11月25日

PGPは特定のやりとりには有効

OTR(チャット)

DellはNSAの請負い企業

NSAは日本にもある

Cryptocat

TwitterはPRISMを拒否

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Posted by ブクログ 2015年04月29日

行政、立法、司法、報道の四権という考え方のもと、報道機関は政府の透明性を確保し、職権濫用を抑制する機能を持つべきである。

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Posted by ブクログ 2015年03月26日

結局私は、スノーデンとは何を暴露したのか?ということについて、ぼんやりとしか理解していなかった。
本書は、スノーデン氏が何に気付いて、命すらかけて暴露しようとしたのか。そして、その情報がどのような経緯を経て公開されたかを克明に描いている。
しかし、それでも自由の国アメリカだからこそ、国はどのように国...続きを読む民を監視しているか、暴露する報道はなされ、本書は執筆された。
翻って、我が国ではなにも....

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Posted by ブクログ 2015年05月23日

政府権力に警戒するジャーナリストに、スノーデンが接触し、マスコミに発表する前後の経緯。人生を投げ捨てリスクを負うに至った背景。託されたファイルの内容。

沢山の人が組織的に行ってきた活動、新人教育からノウハウ、結果の評価や分析、秘密裡になんてレベルじゃない。暴露もまた、場当たり的なものじゃなく、収集...続きを読むを含めて周到だったことを知った。

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Posted by ブクログ 2014年06月26日

世界を震撼させた告発の全容がこの一冊です。
スノーデンがNSAの内部情報を告発するに至った経緯とその内容の一部が書かれています。
ただし、この一冊はNSA秘密裏に行っていた監視のみを告発した一冊ではありません。政府と癒着し、真実を報じれないジャーナリズム、都合の悪いことは力づくで押さえ込もうとする政...続きを読む府権力に対する告発であり、挑戦の一冊であると思います。

ただ、告発内容が専門用語や暗号だったりするので読みにくいですし、英語も読めなかったりする部分があったので、ちゃんと解説や日本語に直した資料を添えて欲しかった。

秘密保護法の可決や、日本版NSAの設立の動きのある日本だからこそ今一読して考える価値があると思います。

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