【感想・ネタバレ】八百万の死にざまのレビュー

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Posted by ブクログ

「エメラルドシティには八百万の物語がある。そして八百万の死にざまがある」子どもを誤射して撃ち殺してしまった過去がある元警官でアル中の探偵マットスカダー。学生の頃に「聖なる酒場の挽歌」を読んで以来だ。足抜けをした翌日にナタで殺されたコールガールのキム。彼女の依頼でマットは前日にヒモのチャンスという男に話し、心良くOKをもらっていた。そしてキムにもチャンスにも好意を抱いていた。なのに、なぜ?誰が?田舎から出てきたキムの人生。チャンスの人生、他のコールガールたちの人生。マットが通う禁酒集会所の人たちの人生。登場人物一人ひとりの人生が、まさに八百万の生きざまとして語られていく。さらにもう一人おかまの売春婦が同じ手口で殺された。マットは自らを囮にして犯人を誘い出す。酒を断ちコーヒーを飲みながら、時に失敗を繰り返す。都会では多くの人たちの意図や願い、感情がすれ違い、交錯し、錯綜する。助け合い、求め合うも、描かれるのは埋めようのない孤独。人生は意味もなく苦い。

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2022年08月08日

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アルコール中毒の元刑事、マット・スカダー。 今では伝手を頼ってやってくる依頼人からの仕事を受けながらのホテル暮らし。 別れた妻子への送金も滞りがちで、酒を断とういう苦闘を続けていた。

売春婦キム・ダッキネンからの依頼は、ヒモのチャンスと手を切りたいということだった。 マットが交渉するとチャンスはあっさりと承諾したが、その二日後、キムは惨殺死体で発見された。 警察はチャンスを有力な容疑者として疑うが、チャンスはマットに真犯人を探し出してほしいと依頼した。 許可証もない探偵として、マットは調査を始める。

変容してゆくアメリカ社会の中で、犯罪はどのように変わってゆくのか。 警官時代に、心ならずも現場に居合わせた少女の命を奪ってしまった、マットの心が癒される日は来るのか。 シリーズの他作品も読んでみたくなる。

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2021年04月11日

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数年ぶりに再読した。
初めて読んだのはまだ高校生か大学生の頃だった。ずっとこのマット・スカダーシリーズを読んできていたからか、ラストシーンで泣いたのを覚えている。

その頃、マットのように「いきつけのバー」で「いつもの席でいつものもの」を頼めるような大人になりたいと思っていた。ちょうど、マットとダニー・ボーイの会話のように。

そして今、マットと同じようにお酒を飲む大人になった。
お酒を飲んでいない時にはわからなかった、マットが酒に浸る気持ちが少しづつ分かり始めている。


キムという娼婦が殺された。
ほんのちょっとすれ違い、ほんのちょっと人生の後押しをしてあげただけの、たったそれだけの関係の女性。だけどマットは彼女の事件を追い続ける。何故なのかは自分でもわかっていないようだ。
ニューヨークの暗い部分を歩き続け、最終的に見つけたキムを殺した犯人。キムが殺された理由。
事件が終わって手にしたバーボンのグラス。11日も禁酒していたのに「鉄くずが磁石に吸いつけられるように」酒を頼んでいた自分に気づいて、そして迎えるラストシーン。

今度は泣かなかった。

胸にこみ上げてくるものがあるのは変わらない。ニューヨークという街とそこに生きる人たちの描写がうまいのは変わっていない。マットがアル中だったことも変わらない。

ただ変わったのは自分がマットと同じお酒に魅せられた人間になっているということだけ。

泣く代わりに、カウンターの上のバーボンを飲んだ。
お酒を飲む人なら、きっとマットの気持ちに近づける。

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2015年07月25日

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久々に魂を打たれた。(あくまで俺の中で)嫌みにならないギリギリのカッコよさの文体。スカダーの独白や、ふとしたセリフが石をうつ水滴のようにゆっくりと心にくる。

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2015年02月13日

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[不条理の交差点で]ある出来事が引き金となりアルコールから抜け出せなくなった私立探偵のスカダーは、コールガールから「ヒモとの縁を切りたい」との依頼を受ける。男との話し合いもつつがなく進み、何事もなく幕が引かれると思ったのだが、男とそのコールガールが面会をした翌日、彼女がとあるホテルの一室で惨殺されたという報がスカダーの下に届き…...アメリカ私立探偵作家クラブのシェイマス賞を1983年に受賞したハードボイルド・ミステリーです。著者は、映画『マイ・ブルーベリー・ナイツ』の脚本も手がけているローレンス・ブロック。訳者は、ミステリーの翻訳を主に手がける田口俊樹。


(限りなく良い意味で)小説から漂ってくるすえた雰囲気がたまりません。無関心と不条理に貫き通されたニューヨークという舞台で、これ以上なく渋く、それでいて人間臭く生活を送るスカダーというキャラクターにまずは心を奪われるはずです。ハードボイルドという言葉がなんとも時代遅れに感じられる今日ではありますが、本書中で交わされる会話も含め、この作品にはまさにその形容がピッタリと来ます。


ミステリーの側面でもこれまたお見事。特に後半に至ってグッとアクセルを踏み込んだかのようにグイグイと読者を引き込んでいく様に、「ミステリーにハマっちゃうのってこういうところなんだよね」と思わずにはいられませんでした。書かれた頃からずいぶんと月日が経過していますが、それでも色褪せない、というよりも逆にヴィンテージもののような渋いカッコよさがつきまとう一冊でした。

〜私には彼を許さなければならない義理などない。許すことは神の業だ。私のすることではない。〜

どうやらローレンス・ブロック氏の作品群の中でもこの作品が3本の指に入るようで☆5つ

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2013年12月19日

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分類したらハードボイルドミステリなんだろうけど、主人公のマット・スカダーの変化を追う方が面白い。だから、おれの中ではミステリとしての評価はあまり高くない。
しかし、それでもこの本は傑作。シリーズ1作目から通して読んできたので、この本の最後は涙が出た。

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2009年10月04日

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アルコール小説のようで実はコーヒー小説。読んでいると無性にコーヒーが飲みたくなる。コーヒーが象徴する高貴さと人生の苦さを味わうハードボイルド小説の傑作。

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2022年05月10日

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アル中文学&ハードボイルドの名品。毎日新聞書評欄で橘玲さんが紹介していた。中島らも「今夜、すべてのバーで」とともに必読だ。

アル中の心理を描く圧巻の描写!
「一日二杯」が適量といっていたのに、さらに飲む「理屈」を考え出す。いつのまにか、抑制しなくていいということになっていく…。そして、「覚えているのはそこまでだった」(p108)

無意味に人が死んでいく。くそったれの街。そして暴言を吐く警官。しかし主人公は思う。「彼はどんな相手にも同じことばを吐きかけただろう。相手がいなければ夜そのものにでも」(p189)

襲ってきた暴漢を倒したが、震えがとまらない。止める方法は、もちろん酒だ。
「通りの向こうから赤いネオンが私にウィンクを送っていた。バー、とそれには書かれていた」(p279)

体に突き刺さる、身体的な文章だ。主人公が見せる「弱者に対する弱者の思いやり」(訳者あとがき)にもしびれる。くそったれの世界で、最低限のモラルを持って生きるかっこよさ。なかなかのハードボイルド体験だ。ラストが本当にいい。

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2022年03月17日

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ハードボイルド系だと思って敬遠していた作品。これが中々おもしろかった!

主人公はアル中の探偵スカダー。しかし、酒を飲んで立ち回るような豪快な探偵ではない。
アルコール断ちの集会に真面目に参加し、酒を飲みたいという葛藤と常に戦い続けている。


淡々とした渇いた文章、盛り上がりの少ない展開、孤独な私立探偵が主人公…ハードボイルド三拍子が揃っているが、
ハードボイルドの定義が、【暴力的・反道徳的な内容を、批判を加えず、客観的で簡潔な描写で記述する】作品であり、【感情に動かされないクールな生き方】を指すものなのだとすれば、本作はハードボイルドではないのだろう。
スカダーはまだ、暴力と無意味な死が溢れかえる非情な現実を受け入れられずにいるからだ。彼は繊細な探偵だ。だからこそ、この世の不条理ばかりが目につく。
彼がなぜ、知り合ったばかりの娼婦のために、身を危険に晒してまで犯人探しをするのか。これは必ずしも彼女のためだけではないだろう。新聞で眺めることしかできなかった世の中の不条理に対し、抗えるチャンスをようやく掴んだからではないだろうか。

自分を襲ってきた辻強盗を、世の中のために殺してしまうか葛藤する場面がある。一見スカダーは、正義感が強い人間のように感じる。辻強盗の件からも分かる通り、悪に対し非常に敏感だからだ。しかし、正義感という言葉はどこか違うような気がしていた。訳者あとがきに、スカダーは罪と罰の条理性を求める人間だと書かれており、この表現が1番しっくりきた。

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2021年11月06日

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このシリーズもいつの間にか何冊も読んでいて、前に読んでから間が空いてるのに、読み出すと思い出す。さすがマットさん。
今回もコツコツと地道に仕事を進めて、最後の解決に至るところまで実に地味なわけで。コナンくんみたいに犯人はおまえだ、的なこともなく。なんだけど、このコツコツいく拳の使い手の道のりを辿るのは嫌いじゃないなー。
毎回一緒のような気もするけど、でも時々忘れた頃に読んでみて、読んだあとで、ふぅー、と一息つくのが、なんとも不思議な魅力。

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2020年02月12日

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東西ミステリー100の21位にランキングされている本書は、さすがと思わせる出来栄えです。
ミステリーよりもハードボイルド小説であるのは間違いなく、さらに言えばプロットよりも登場人物たちの生き様や会話の方に本書の魅力が凝縮しています。
特に、ダーキン刑事と依頼人のチャンス、情報屋のダニーの人物造形は素晴らしく、交わされる会話の内容も妙にリアリティがあります。
後半100頁の疾走感、最後の1行でこの小説を不朽の名作たらしめたのは間違いありません。

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2019年09月17日

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代表作。
足を洗いたいのでヒモと話をつけてくれ、というコールガール・キムの依頼は円満に済んだはずだったが、キムはホテルの一室でナタでめった刺しにされて殺害される。元ヒモ・チャンスには強固なアリバイがあったが、彼が人を使ってやったのだろう、と警察もスカダーも考えていた。しかし、チャンスはスカダーに捜査を依頼してきた。

本筋とは全く関係ないが、ヒモって言葉のイメージが違う…こういうのは女衒っていうべきなんじゃ。
スカダーは相変わらずのアル中。

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2019年02月17日

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アル中の主人公ってのがこの話の芯だった。アル中はアルコールが麻薬になる病気と、テレビで聞いたのを思い出した。
主人公は探偵で依頼を受けるが、殺人の犯人を探すことになる。先が気になって一気に読んだので、犯人がそのひとなのかよく分からなかった。もう一度、ゆっくり読んでみたい。

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2017年06月22日

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マットスカダー五作目。
八百万の死にざま(英題:eight million ways to death)、
というタイトルがまず目を引く。

年々悪化する犯罪に対する警官の愚痴がまた興味深い。
"八百万の死にざま"とは上手く言ったものだと思う

名前のミスリードはちょっと捻っていて面白い。
これはアルファベットだからできると感心。

これまで以上にアルコールに対する
スカダーの葛藤が書かれており、
ファンなら面白く読めると思うが
純粋にミステリとして読むのであれば蛇足と感じるのだろうなぁ。
でもこれが無いとアル中探偵マット・スカダーじゃない。

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2014年06月23日

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舞台は無数の殺人事件の起こるニューヨーク。「裸の町には800万の物語があるのです」というテレビ番組の決まり文句をを殺人課刑事が「800万の死にざま」と皮肉る。この「腐りきった」町の中でアル中の私立探偵がコールガールの殺人事件を追う。
ミステリーとしては派手な展開はない。賭けボクシング、場末の酒場、ひも、モーテル、謎の黒人、おかま、タレこみ屋というハードボイル世界の中で、主人公が地味な探偵活動を行い、犯人を探し出してゆく。
この小説は純粋なミステリーというよりも、主人公が欲望を抑え、いかに自らのアルコール中毒に折り合いを付けていくかという過程を描いた一種の教養小説として読むと面白い。主人公が毎晩通うセント・ポール教会でのアル中の集会で主人公が聞いたこと、自分の発言のシーン、禁酒して8日目の出来事は非常に印象的。特に、最後の2段落は長い間、余韻が残った。

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2013年12月02日

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ネタバレ

こちらの本格的ハードボイルドも驚いた。
主人公がアル中の治療を始めていた。

このままどこまで落ちて行ってしまうのかと心配していたので良かったし、
主人公の弱さが現実味を出していてして良かったが。

この先、どうなるのだろう。

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2015年04月21日

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「飲まない日はいつもいい日だ。正気でいられるからね。でも、それが、飲まないで正気でいるってことが、アル中にとっては何よりも辛いんだ。」
 わたしはそうでもなかった。退院して九日か十日経つが、あと二三日素面でいたらまた飲もうと思っていた。

アル中探偵、マット・スカダーの登場である。

ニューヨーク、マンハッタンを舞台にした探偵小説シリーズの第四作。

実在のビルや街角が出てくるので、グーグルアースでチェックすればニューヨーク通にもなれる、ちょっと古いけど。

このシリーズのなかで、主人公のアル中が少しずつなおって健康になっていくんだけど、話はだんだんおもしろくなくなっていく。

そりゃあそうだ、身を持ち崩したアル中探偵だから共感できるのに、お金持ちになって健全な倫理観などを持ち始めるとろくなことはない。

アル中で苦しんでいるシリーズ途中でやめておこう。
もちろん小説の中のお話。

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2012年10月26日

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とても読みやすかった。大雑把に言うとチャンドラーよりもパーカーよりな印象で間口は広そうな気がしました。日々のアルコールとの葛藤、新聞を飾る事件の数々、これを繰り返すことで主人公のやりきれなさを浮き立たていたように思う。ただあまりにもそれが多すぎた感は否めない。あと、犯人・・・ちょっと唐突なように私には思えましたが、ラストはスカダーが自分の殻を破れたようでなかなか良かった。 チャンスが魅力的。

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2012年04月05日

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ネタバレ

ミステリーっていうよりハードボイルド。
わたしにはちょっと・・・。
真犯人はだれ?という読み方をする本ではなく、主人公、登場人物のそれぞれの生き様を感じながら読まねばならないストーリーだということに、遅ればせながら気付きました。
ニューヨークの怖さが分かる本といったらこれ!って感じですか。

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2012年03月17日

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アル中探偵マット・スカダーシリーズ。アル中の辛い症状、酒の誘惑の強さ、AAの実態とか、かなり掘り下げて書かれていて、とても良かった。ミステリーももちろん良い。ローレンス・ブロックは「泥棒探偵バーニィ」シリーズはかなり読んでいるが、マット・スカダーは初。楽しかったです。結構長くて読み応えもあったし。

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2011年07月31日

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梁朝偉が20年近く拘ってる本ということで読んだ。なんかね、好き。いいよ、この本。長いし、ミステリーとしてはかなり微妙だけど、スカダーさんが好き。シリーズものなので他も読んでみようかな。

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2009年10月04日

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<酔いどれ探偵マット・スカダー>シリーズ初読み。シリーズ五作目にして最高傑作と謳われる作品らしい。御三家の作品を読んできた所為か、やたらと弱さを曝け出す<ネオ・ハードボイルド>世代の探偵たちに慣れ親しめなかったのだが、今作は流石にグッと来るものがあった。ミステリーとしては全く評価出来ないが、ハードボイルドの神髄が人生を描き出すことならば、ラストシーンの衝撃はひとしおだろう。チャンスやダーキンといった脇役の面々も実に良い味を出している。混沌渦巻くニューヨークにおよそそぐわないマットの不器用な生き様が沁みた。

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2022年11月09日

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アメリカの作家ローレンス・ブロックの長篇ミステリ作品『八百万の死にざま(原題:Eight Million Ways to Die)』を読みました。
『殺しのリスト』、『殺しのパレード』、『頭痛と悪夢―英米短編ミステリー名人選集〈4〉』に続き、ローレンス・ブロックの作品です。

-----story-------------
〔マット・スカダー・シリーズ〕
アームストロングの店に彼女が入ってきた。
キムというコールガールで、足を洗いたいので、代わりにヒモと話をつけてくれないかというのだった。
わたしが会ってみると、その男は意外にも優雅な物腰の教養もある黒人で、あっさりとキムの願いを受け入れてくれた。
だが、その直後、キムがめった切りにされて殺されているのが見つかった。
容疑のかかるヒモの男から、わたしは真犯人探しを依頼されるが…。

マンハッタンのアル中探偵マット・スカダー登場。
大都会の感傷と虚無を鮮やかな筆致で浮かび上がらせ、私立探偵小説大賞を受賞した話題の大作。
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1982年(昭和57年)に刊行されたマット・スカダー・シリーズの第5作… アメリカ私立探偵作家クラブ賞受賞作で、『東西ミステリーベスト100』で海外篇の21位にランクインしている作品です。

足を洗った直後に惨殺されたコールガールのキム… アル中探偵スカダーはヒモのチャンスが殺したと確信したが、彼には確固たるアリバイがあった、、、

感傷と虚無の街ニューヨークを舞台に、スカダーの執念の捜査を描く哀感漂うハードボイルド… アメリカ私立探偵作家クラブ賞受賞作。

一般的に、ハードボイルド作品って、凝ったトリックや意外性のある結末が用意されているわけじゃないので、主人公が魅力的かどうか、感情移入できるかどうかが、面白いかどうかのポイントなんですよねー そういう意味では、マット・スカダー・シリーズは大好きだし、面白ですね、、、

ニューヨーク市警時代に武装強盗を狙った銃弾のひとつが跳弾となり8歳の少女を即死させてしまったことをきっかけに警察を辞め、アルコールに依存するようになり、現在は過去の事件に苛まれながらアルコール中毒から抜け切れず無免許探偵として日銭を稼ぐ生活… 弱いところのある主人公の方が気持ちがシンクロできるんですよね。

本作品はやや冗長な感じがして、中盤はやや集中力を欠きそうになりましたが… 自分の価値観・掟・信念を貫きながら、真犯人を追い詰めていくスカダーの姿勢に共感しつつ、最後まで読み切りました、、、

次もマット・スカダー・シリーズを読んでみようと思います。

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2022年04月29日

Posted by ブクログ

原題はEIGHT MILLION WAYS TO DIE
このタイトルの意味は、作中のあるセリフによって分かる
主人公が自分のアルコール中毒と闘っているさまがサイドストーリーとして語られる
もちろん主人公はコールガール惨殺事件を一方で追っていくわけだが、読後の印象としては「事件捜査」と「アルコールの誘惑との闘い」が半々くらいかな
ある登場人物の横顔がはっきり浮かんでくるのがよい
ミステリも小説である以上、キャラクターの魅力は重要だと思う

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2021年09月28日

Posted by ブクログ

イメージとしてのマンハッタン。殺伐として何かが起こりそうな地下鉄とか。クソな大都会でうんざりしながらも生きていく人々。最高。
小説の大部分は、ひたすら聞き込み。地味。それでも読み進めてしまうのは登場人物が生命力があるからなのか。

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2017年09月25日

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NY 旅行に合わせて。アルコール依存症の探偵が娼婦殺しを追うハードボイルド。良くも悪くもハードボイルドらしいまどろっこしさがある。ストーリーよりNY の雰囲気が楽しめた。

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2016年12月31日

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マットスカダーシリーズ第5作。シェイマス賞受賞作とのことだが、何かテンポが悪く、読むのに時間がかかった。

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2015年08月02日

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アル中探偵・スカダーが活躍する本書。特に奇妙な話でもなく、華麗なトリックがあるわけでもない(大概のハードボイルドはそうですが)。しかし、八百万の死にざまがある腐った街の描写が秀逸でその空気がビンビンに伝わってくる。その雰囲気が最大の魅力であるような作品でした。

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2010年05月14日

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「アームストロングの店に彼女が入ってきた。キムというコールガールで、足を洗いたいので、代わりにヒモと話をつけてくれないかというのだった。わたしが会ってみると、その男は意外にも優雅な物腰の教養もある黒人で、あっさりとキムの願いを受け入れてくれた。だが、その直後、キムがめった切りにされて殺されているのが見つかった。容疑のかかるヒモの男から、わたしは真犯人探しを依頼されるが…。マンハッタンのアル中探偵マット・スカダー登場。大都会の感傷と虚無を鮮やかな筆致で浮かび上がらせ、私立探偵小説大賞を受賞した話題の大作。」
解説より

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2009年10月04日

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