田口俊樹のレビュー一覧
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10月25日、日曜日の朝10時14分から物語は始まる。そして、ちょうどその1週間後、11月1日の同時刻に物語は終わる。
要はたった1週間のあいだに起こる出来事なわけだけど、その間に過去の記憶と現在とをめまぐるしく行き来しながら、ものすごいスピードと濃さで事件が展開していく。(時間表記が24時間制じゃないので、「10時」とかだけあると朝なのか夜なのか一瞬分からなくなるほど。)
ナタリー・フレーデンの尋問辺りまでは、いちいち色々冗長な気もしてたのだけど、その後一気に物語が花開いていく感じ。そこまでは、回りくどい言い回しとか無駄な罵詈雑言にちょっと辟易しちゃったりもするのだけど、まぁ我慢かな。
なお、被害者の名前がなかなか覚えられなくて最初焦るけど、特に覚えてなくても支障なく最後まで読み進められるので心配御無用。
ヴィリアムの人間性や反抗に至るまでの経緯みたいなものは、もっとしっかり丁寧に説明してほしかった気がする。(そうでないと都合が良すぎる展開で、やや納得しづらい。)…が、それはもしかしたら次作で明かすために敢えてハッキリさせすぎないようにしたのかも??
個人的には、このタイプの作品できちんとエンタメ路線で終わらせられるのはむしろ好印象。俗っぽいって感想の方もいるだろうけど、楽しみは続いた方が嬉しいし謎も解ききらない方が余韻に浸れる。早速続編を購入してみた。 -
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作品紹介・あらすじ
米文壇を代表する作家ポール・オースター。
ブレーク以前に別名義で発表していた幻のデビュー長篇は、
レイモンド・チャンドラーの衣鉢を継ぐ、私立探偵小説の傑作だった!
私立探偵マックス・クラインが受けた依頼は、元大リーガーの名三塁手チャップマンからのものだった。MVP常連の人気選手ながら交通事故で片脚を失い、現在は議員候補となっている彼のもとに、脅迫状が送られてきたのだ。殺意を匂わせる文面から、かつての事故にまで疑いを抱いたマックスは、いつしか底知れぬ人間関係の深淵へ足を踏み入れることになる――。ポール・オースター幻のデビュー作にして、〝卑しき街を行く騎士〟を描いた正統派私立探偵小説の傑作、ついに解禁。
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ポール・オースターが「ガラスの街」以前にポール・ベンジャミン名義で出版した長篇。ベンジャミンは彼のミドル・ネーム。
私立探偵のマックス・クラインが元大リーガーのジョージ・チャップマンから殺意を匂わせる内容の脅迫状を受け取ったので調査して欲しい、という依頼を受けることから物語は始まる。関係者に話を聞くが誰も協力的ではなく、マックス自身の身にも危険が及び、ついに死者がでる、といったよくあるハード・ボイルド的な展開。
とはいえ、探偵がよく口にする軽口(へらず口)のセリフや、意外な結末も含めて思った以上に本格的なハード・ボイルド作品でかなり面白かった。後のポール・オースター作品で見られるような少し哲学的な描写も散見される。
仮にこの路線で書き続けていたとしても、かなりな成功を収めたような気がする。でもそれだとポール・オースターになってからのとびきりに面白い作品に出会えなかったわけで……なんで、贅沢なことを考えてしまった。 -
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ネタバレ善良な慈善家ジキルは幼少期から悪への渇望も抱えていた。その悪をハイドとして薬で別人格にすることが出来たが、ジキル側が善になる訳ではなく悪と善を兼ね備えていた。最初は薬を飲んでハイドになる、つまり元はジキルだったが繰り返すうちに逆に、元がハイドで薬を飲んでジキルになるようになってしまった。人の悪と善の両犠牲、善が悪に対して良心の呵責を感じ、悪が善を煩わしく思う。
それを分かりやすくジキルとハイドに分離したのがこの本。善良な老人を殺さずハイドのまま生きていけたら良かったのかなとも思ったが、多分純粋悪なハイドはあの老人を殺さなくともどこかのタイミングで刑法違反を起こしてたから関係ないな。
最後のジキルの独白がとてもよかった -
Posted by ブクログ
ネタバレスウェーデンの作家、アルネ・ダールのシリーズ作品。「時計仕掛けの歪んだ罠」の続編。
雪原に建つ精神病棟から逃げ出した患者。患者の名は、サム・ベリエルで…
前作もだが、今作も何も紹介できない作品。というのも、何を説明しても一作目の展開に触れてしまうので、書評家の方とか大変だと思う。
前作ほどの衝撃はなかったが、今作もとんでもない展開に。二転三転する展開がこのシリーズの醍醐味だと思うが、目まぐるしい展開に全体像が薄まってしまうため、良し悪しだと思う。個人的には楽しめたが…
非常に残念なのは、めちゃくちゃ続く終わり方なのに、続編が出ず、新シリーズの出版が始まったこと。一作目の衝撃的なラストのことは何となく解決したが、今作のラストの展開のまま放置されるのは本当に酷い。3作目が面白くなかったからなのかもしれないが…一応、今作の事件は解決しているので、問題ないと言えば問題ないが…何とか出版してくれないかなぁ。