田口俊樹のレビュー一覧

  • ジキルとハイド

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    ネタバレ

    普通にミステリーとしても楽しめたし、
    ただの二重人格というだけでなく、人間の善悪の二面性に焦点を当てているところが面白かった。
    ジキル博士(表の人格)がハイド(裏の人格)に依存してしまっていくのは、普段自己を抑圧している人は特に共感できるのではないだろうか。

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    2024年03月23日
  • その昔、ハリウッドで

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    1969年、ハリウッド。
    俳優リック・ダルトンは人生の岐路に立っていた。
    キャリアが下り坂の彼に大物エージェントがイタリア製作のウェスタン映画に出ないかという話を持ちかけてきたのだ。悩みを抱えながらTVドラマの撮影に出かけたリックが現場で出会ったのは……
    リックの長年の相棒、クリフは謎の多い男だった。
    妻を殺したが罪を逃れ、戦争中には大勢殺したと豪語する男。
    今日もリックの車でハリウッドを流していたクリフはヒッピー娘を拾い、彼女らがチャーリー・マンソンなる男と暮らす牧場へと向かう……
    女優シャロン・テートは気鋭の映画監督ポランスキーと結婚し、リックの隣に住みはじめたところだった。
    折しも自分の

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    2024年03月18日
  • ジキルとハイド

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    題名は知っていたものの、全く話を知らなかったので一読した。人間の2面性を極端化したのがこの作品だと思う。個人的に思うが、人間誰しも多面的な性格を持っていると感じる。しかし、それを自ら多面的な性格を意識的に乖離させないようとしているに違いない。そのストッパーが外れた時、本作のような悲劇を招くことはフィクションの話ではないのではないか?

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    2024年03月09日
  • 偽りの銃弾

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     比較的最近コーベン・ファンとなったぼくとしては、まだ数作の読み残し過去作品が残っている状況にやきもき。シリーズ作品が中途で未訳となって以来、すっかりスタイルを変えたシリアス系ミステリの単発作品が続くコーベンだが、中にはお馴染みキャラクターを語り継いだセミ・シリーズ作品や、コーベンワールド地続きと言えるような単発作品も見受けることができる。しかし、本書はそんな単発作品の中でも他のシリーズ・キャラクターは一切登場しないというかなり一作完成度に拘った作者の拘りが感じられる。

     主人公が、単独でしかも女性、というだけでも珍しいかなと思えるし、全体構成がサスペンス重視というようになっていて、多層構造

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    2024年02月21日
  • ジキルとハイド

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    ネタバレ

    二重人格の物語としてあまりにも有名なので、ミステリー小説という面から見れば、トリックを知ってから読んで楽しみが減ってしまった感じはあるが、怪奇小説、そして、二元論の物語としてはとても面白かった

    『ヘンリー・ジキルが語る事件の全容』の章で明らかになることだが、

    ×
    薬を飲む→悪の自分が出てくる
    また薬を飲む→善の自分に戻る

    ⚪︎
    薬を飲む→普段押さえつけている自分が出てくる(善であろうと悪であろうと)
    また薬を飲む→2つの人格が入り混じったいつもの自分に戻る

    ↑このシステムなのが物語の深みを増してるなと思った
    自分がもし薬を飲んだ時にどんな自分が現れてしまうのかちょっと興味ある

    善と悪

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    2024年02月17日
  • THE MATCH

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    CL 2024.2.13-2024.2.15
    「森から来た少年」ワイルドの実の親探しと、リアリティ番組の虚実やネットの中傷。いろんな要素が絡み合って、一気に読める面白さだけど、一気に読まないとわからなくなってしまう複雑さもある。そこをラストに全部ひっくるめて回収する手腕はさすが。
    でも、次回がないようなまとまり方でちょっと残念。もっとワイルドを読みたい。

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    2024年02月16日
  • その昔、ハリウッドで

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    ネタバレ

    映画に詳しくないし、タランティーノ作品は2作品しか見ていない。本書のタイトルはタランティーノが撮った映画のものであると知ってはいても、映画は見ていない。

    そんなんでなんで読んだのかといえば、『キル・ビル』で勘違いだったかなと思わせられたにせよ、『パルプ・フィクション』の衝撃が鮮烈であったからだ。あの衝撃を再びと願ったからだ。
    それは叶った。

    物語の結末あるいは本書の完成度を見定めるためには『対決ランサー牧場』を見なくてはならない。本作品が結末において焦点をあてているシーンだけは、すくなくとも。
    それを知らぬゆえに満点を与えられないが、『パルプ・フィクション』で覚えた「らしさ」が満載で、とて

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    2024年02月06日
  • ジキルとハイド

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    再読。
    相反する自己の苦しみが僅かながらわかる。自分の中に抑え込んでいたものを少しでも認めることが出来たなら、全てを否定せずにいられたなら、悲劇は起きなかったかもしれない。
    裏の自分を認めどこかで発散する正当な術を持たない限り、破滅へと進んでいく可能性がある。博士だけでなく、生きている全ての人に言えることのように思う。

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    2024年01月30日
  • THE MATCH

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    一気にいけるが、人間関係が複雑で、前作の展開も忘れているし。これでケリがついたってことで、次作はないのかな。

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    2024年01月29日
  • ジキルとハイド

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    あまりにも有名な小説なのに、未だきちんと読んでいなかった。
    話は、ジキル博士の友人である弁護士アタスンによって語られる。単なる怪奇小説ではなく、人の中の様々な人格や善悪についても語られている。
    非常に興味深く夢中になって読んだ。

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    2024年01月25日
  • ジキルとハイド

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    ミステリーとしての構成も良かったし、内容的にも面白かった。
    ジキルではなく、ハイドが優位になっていく辺りは、示唆に富んでいると思う。
    抑圧すればするほど表に現したくなるし、でも理性がそれを押しとどめる。人間は、それほど善良ではない。理性によって、善良なふりをしている。人間ほど怖いものはない。

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    2024年01月23日
  • あなたに似た人〔新訳版〕 I

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    ミステリー短編集。
    直訳すぎるのか元々の文体か、読みづらさがある。もうやめてもいいかなあと思いながら中盤の「プールでひと泳ぎ」に差しかかり、電車の乗り換えのため途中で本を閉じて歩きながら、この後どうなるか......あのお婆さんはどのタイプ......?と妄想していて、あれ?ハマってるかもと気づいた。
    特に「南から来た男」のラストと「首」が好きだった。この2編、穏やかな人の良さそうな人物から見えるちょっとした狂気が好きな方におすすめ。

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    2024年01月22日
  • カーテン

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    ネタバレ

    ポワロシリーズの最終作。最終作だからこその結末ですが… うーん、悲しいですね。
    事件が起こるまでが長く、ずーっと不穏な空気が漂ってるのと、ポワロが年老いてるので少し読み進めるのが辛かったです。

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    2024年01月21日
  • 風をつかまえた少年 14歳だったぼくはたったひとりで風力発電をつくった

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    新聞で紹介されていて、読み始めた。
    なぜ?という疑問を大切に育て上げ、のちに貧困から抜け出す大仕事をやってのけたカムクワンバ少年の姿が素晴らしい。
    勉強することに疲れた時、何のために仕事をしているのかわからなくなった時に、勇気と解決のヒントを与えてくれる一冊。

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    2024年01月17日
  • その昔、ハリウッドで

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    読み終わるとすぐ映画を見直したくなる。
    そもそも映画が面白かったので、どんなノベライズかと思ったら、映画の要素がパッチワークになっていて、登場人物たちの背景などが明らかにされており、中にはかなり驚きの設定もあり、しかし頭の中で映画を思い返してみると得心がいったりもするというあたり、タランティーノに振り回されてうれしい。
    日本人、というか、私のような一般的映画ファンでは知らない実と虚がないまぜになっていて、アメリカ人が読んだらもっと刺激的なんだろうと思う。それは映画を見た時に思ったことでもあるが。

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    2024年01月14日
  • ジキルとハイド

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    二重人格という言葉以上に何も知りませんでしたが、初めて読みました。至って読みやすい一方で、いろんな思考を巡らせることのできる作品だったのは、失礼ながら意外でした。善と悪、真と偽、知性と欲望、、、いろんな対義語がありますが、果たしてこれは全く別物なのか、どこかで境目がなくなるものなのか、、、そして私の知っている二重人格と違い記憶を共有して見た目の変わるジキルとハイドは果たして本当に入れ替わったと言えるのか…スティーブンソン独特のストーリー重視の物語でした

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    2024年01月10日
  • あなたに似た人〔新訳版〕 I

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    ズルかったり、自分勝手だったり、思い込みが激しかったり…、色々な主人公が巻き起こす、ちょっとブラックな短編集。大なり小なり誰もが持っている感情?だから、「あなたに似た人」?

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    2023年12月26日
  • 森から来た少年

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    ネタバレ

    クラスのいじめられっ娘ナオミが姿を消した。クラスメイトのマシュウは敏腕弁護士の祖母ヘスターに行方を捜してほしいと相談する、ヘスターは幼少の頃森で保護された経験を持つワイルドに協力を仰ぎナオミの捜索を開始する。

    いじめ、貧富の差、ネグレクト、児童虐待。日本にも転がっているクソのような社会問題を扱いつつ、物語はそれらの危険性を啓蒙するだけではなく、とんでもない方向に転がりだす。そうだったコーベンはこういうミステリーを書く作家だった。

    シリーズ物にするつもりなのか、ワイルドとその周囲の積み残し疑問は結構あるし、上記の社会問題もまぁまぁサラっとおいてきぼりしている感もあって、「人道上も物語の展開も

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    2023年12月17日
  • 陽炎の市

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    「業火の市(CITY ON FIRE)」での抗争に敗れて西へ向かったダニー・ライアンの物語の第2弾(「陽炎の市(CITY  OF DREAMS)。西には”Dreams”があったが陽炎のように....。
    映画的で(ハリウッドが舞台の1つ)、スピード感にあふれており、さすがのウインズロウ&田口俊樹の世界でした。ダニーの部下のアルターボーイズ、ネッド・イーガン、親友マック、母親マデリーン、ハリウッド女優ダイアン....。「犬の力」...シリーズのように上下巻ではないので、もう楽しみが終わってしまう...と思ってしまいました。
    来夏刊行予定の「荒廃の市(CITY IN RUINS)」が待ち遠しいですが

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    2023年11月19日
  • THE MATCH

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    幼い頃に独り森で育った過去を持つ天才調査員ワイルド。コスタリカでの新生活を終えてアメリカに帰国した彼は、DNA鑑定サイトを使い生みの親を捜していた。亡き親友の母・豪腕弁護士ヘスターの協力を得て、父親と思われる男を捜し出したものの、母親が誰なのか、なぜ自分が森に捨てられたのかはわからないままだった。そんななかで母方の血縁者と思しき男PBからの4か月前のメールに気づいたワイルドは、彼と連絡を取ろうとする。PBはリアリティ番組のスターだったが、あることが原因で大炎上し、行方がわからなくなっていた。PBの周辺調査を進めるワイルドだが、やがて思わぬ事件に巻き込まれてしまう…。

    「森から来た少年」の続編

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    2023年11月16日