田口俊樹のレビュー一覧
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アル中文学&ハードボイルドの名品。毎日新聞書評欄で橘玲さんが紹介していた。中島らも「今夜、すべてのバーで」とともに必読だ。
アル中の心理を描く圧巻の描写!
「一日二杯」が適量といっていたのに、さらに飲む「理屈」を考え出す。いつのまにか、抑制しなくていいということになっていく…。そして、「覚えているのはそこまでだった」(p108)
無意味に人が死んでいく。くそったれの街。そして暴言を吐く警官。しかし主人公は思う。「彼はどんな相手にも同じことばを吐きかけただろう。相手がいなければ夜そのものにでも」(p189)
襲ってきた暴漢を倒したが、震えがとまらない。止める方法は、もちろん酒だ。
「通りの -
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ある日忽然と姿を消した、いじめられっ子の女子高生ナオミ。冠番組も持つ豪腕弁護士のヘスターは、ナオミの同級生である孫のマシュウから、彼女の行方を捜してほしいと相談を受けた。何かを隠しているようなマシュウの態度を訝しみつつも、ヘスターは孫のために尽力を約束する。そんな彼女が協力を仰いだのは、幼い頃にたった独り森で育ったという過去を持つ、謎多き天才調査員ワイルド。しかし二人の捜索は予想外の過去をあぶり出し、やがて巨大な闇へと辿り着く――。
ついにヘスター弁護士が主役に。しかも、前作ランナウェイと同じ時間軸の物語。もう一人の主役、ワイルドが超人過ぎ。 -
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ネタバレシャッキ検察官との付き合いも3作目となると、この残念さ加減にも愛着が湧いてきた。
どこまでも女関係ダメ人間のわりとどうでも男女関係が・・・いやそんなことやってるヒマあるなら睡眠とれよ。
だが、1人おうちにいると、さみしくなって元妻に電話して、冷たくされて逆ギレ。どこまでも残念である。睡眠とれよ。
さて、事件はというと、これがまた壮大な話が展開して、やっぱり秘密警察が!なんと事件関係者が!
町に伝わる陰惨な伝説、歴史、それを下敷にした2代に渡る怨念が!間にはさまれる老婆の悲しい思い出やら教会の隠された絵やら、ほとんどが顔見知りという閉鎖社会のエピソードなどが、これでもかと続き、ついに謎が解けたら -
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幼少期に森で育った過去があるという謎めいた人物のワイルド。突然姿を消したナオミ。弁護士のへスターは孫のマシュウからナオミを探して欲しいと頼まれワイルドと共に調査を始める。タイトルからもう少し違う展開をイメージしていたけれどこの物語はどんどん広がりを見せて進むにつれて面白さを増していく。どの人物も魅力があり調査、事件の展開も予想がつかない方向へ行きその先に大きなものと対峙したりと飽きさせないものがある。著者の名前は知っていたけれど読むのは初めてで他の作品も読みたくなる面白さだった。ワイルドの造形や弁護士へスターの人柄など読みどころがたくさんある。
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ぼくら読者が生きている現実と遠く離れたところ。政府、公安、警察そして個人が絡み合いつつ、個の犯罪と国家的策謀が絡み合う中、それらの複雑な力学に巻き込まれる個人=ストックホルム警察のサム・ペリエルと公安警察の元潜入捜査官モリー・ブロームを主人公にした四部作の二作目である。
こう書いただけでだいぶややこしいイメージが沸こうかと思われる。しかしその通り、ややこしいなどというものではなく、我々一般人が見させられている現実というものの本質はどれだけの仕掛けに満ちたものであるのか? そういう世界構造の精緻すぎる複雑さ、もう少しわかりやすく言えば陰謀により秘匿されている真実の多さに呆れ返りたくなる世界