田口俊樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こんなの第一作としてぶっこまれたら次作も期待する作家だよな
探偵小説 ハードボイルドの主人公は
一直線に自分の信じたままに進んでトラブルが舞い込むけど
粗野で暴力的な相手、敵対する人物には強がりに見える
頭と口を駆使して精一杯の皮肉と当てこすり、減らず口を叩きまくり
窮地をなんともないように装いながら脱出口をフル回転で探しまくり
ちょっとした幸運も味方に泥だらけ痣だらけ、フラフラになりながらも
まるで何もなかったかのように一歩前に進む
それが一匹オオカミ、”タフガイ”を肉体的にも精神的にも体現することで
自分自身を実体化するかのように
しかし、ある時を境に真実に急激に近づいてから
それを -
Posted by ブクログ
容姿端麗、頭脳明晰、抜群の戦闘力、加えて資産家の御曹司。大人気「マイロン・ボライター」シリーズの名キャラクター・冷血王子ウィンことウィンザー・ホーン・ロックウッド三世が40代となり、さらに魅力を増して帰ってきた!盗まれた名画と不可思議な殺人事件、迷宮入りした半世紀前の学生運動事件、幾重にも謎が重なった一族の過去。次から次へと立ち上がる謎に翻弄され、非情なのに憎めないウィンのキャラクターに惹き込まれ、気づくとページをめくる手が止まらない!アメリカが誇るエンターテイナーが贈る、極上のスピンオフにして最高のノンストップ・エンタメ小説!
本家のシリーズは確か最初だけしか読んでいない。ハーラン・コーベ -
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Posted by ブクログ
主人公マーロウだけでなく、警部補オールズ、作家ロジャーなど、魅力的な登場人物がたくさんでてくる。オースター作品でも思ったが、登場人物としての作家には著者の思想が色濃く反映されていて面白い。
263
「私は飲まないんだ。で、飲んでいる人を見れば見るほど、自分が飲まない人間でよかったと思ってる」
305
電話というものにはどこかしら強制的なところがあるものだ。機械に振りまわされているわれらが時代の者たちはそんな電話を愛し、忌み、恐れる。そして同時に敬意をもって取り扱う。たとえ酔っているときでさえ。現代人にとって電話は呪物にも等しい。
365
大量生産に質は求められない。そもそもそういう質を誰 -
Posted by ブクログ
読んでいた本が途中で止まってしまったので、気分変えに読み始める。
ビジュアルな場面展開が現代的なサスペンス小説で、これがとても面白い。
主人公は元特殊部隊のパイロット
一見、肉体も精神も十分なパワーを装備した女性。だが、彼女が過去の戦場での出来事から何かPTSDを抱えている様子が、早くから描かれている。
公園で殺されたはずの夫の姿が、その後に設置された監視カメラに写っていた。
そのことから、たった一人で謎を追うことになる。
主人公が守らなければいけないのは、娘のリリーと姉の子たち。
大富豪である夫の実家との微妙な関係が妙にまとわりつく中、次第に明らかになっていく過去の事実。
姉の死、夫 -
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Posted by ブクログ
ポール・オースターが、デビュー前に書いていた、しかもハードボイルドという、いわくつきの珍品。しかも、1978年に脱稿したが、6年後の1984年にペーパーバックで刊行という執念の一作である。ポール・オースターをぼくは読んでいないが、彼の書いたものとは思えないくらい作風が異なる正統派ハードボイルド作品が本作であり、彼の手になるハードボイルドはこれ一作きりである。
そうしたハードボイルド書きではない作家による渾身のハードボイルド小説という舞台裏を思うと、もったいないほどの秀作が本書である。主人公のマックス・クラインは、もちろん私立探偵。キャラクターが立っているのでシリーズ化されてもおかしくない -
Posted by ブクログ
たまたま「プエルトリコ477便」のあとに読んだのですが、
どちらも"強い女性"が主人公で、夫が富豪一族、そしてキーパーソンがクレア!
(一方は主人公、一方は主人公の姉)。
しかし内容は全く違い、こちらの主人公マヤは元特殊部隊パイロットという実戦型の強い女性。最後の数十ページまで結末が見えずどうなるんだろうと思っていたが、きれいに伏線が回収されていくのはベストセラー作家の力量ですね。
アメリカは戦争と縁の切れない国、そして銃社会。アメリカンミステリーには必ずと言っていいほど元軍人やPTSDの話、そして身近に銃を持っている人が登場するが、
この作品はそれが女性であるというと