田口俊樹のレビュー一覧

  • スクイズ・プレー(新潮文庫)

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    この作家、ポール・オースターの別の作品を数年前に読んだ時は、あまり好みではないなと思ってその後敬遠していたのだけれど、今回その名前でデビューする前にペンネームで書いたこの本は、いや、正直面白かった。
    ストーリーはまあ、旧き良き時代のアメリカのミステリー、大袈裟かもしれないが、なんとなくヒッチコックの映画を見ているような気にさせられる冒頭から始まる。
    でもなんといっても気に入ってしまったのは、最後は痛烈に罵倒して別れる女との情事の前のシーンと、別れることになった妻との決定的となった場面、そして、9歳の息子との、おそらくそれが息子にとって最後の父親との思い出となりそうな、野球観戦のシーンだったな。

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    2023年01月29日
  • あなたに似た人〔新訳版〕 I

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    原題 ROALD DAHL’S SHORT STORIES VOLUME I

    読後に嫌な感じが残る〝奇妙な味(江戸川乱歩の造語らしいです)〟が…とっても苦い。人の悪い(というか愚かな)部分が無邪気に出てる分、シニカルというよりもアイロニカルです。もやもやするー。

    理屈じゃない堕ち(落ちではなく)が常識に潜んでるところは十分ホラーですね。「ギャロッピング・フォックスリー」は〝落ち〟ですけど、それでも〝苦〟笑い。良識を壊して不安にしてくれる11篇。

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    2023年01月10日
  • スクイズ・プレー(新潮文庫)

    nao

    購入済み

    こんな目に遭っても続けるの?という目に遭いながら軽口を叩き、というのが結構続くので、
    ちょっとウンザリして心が折れかけたのですが、どういうことだったのか分かってくる所がジワジワと効いてきます。
    そのわかる感じを味わうために、途中イライラしたとしても全部読んでおくのをおすすめします。
    解説も、よくある読書感想文みたいな解説でなく、ちゃんとした解説なので(失礼)良いです。

    #深い

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    2023年01月09日
  • 祖父の祈り

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    ウイルスのパンデミックにより国の機能は停止。
    自分の身は自分で守るしかない。
    老人は娘と孫のため、崩壊した世界のありとあらゆる物と対決しなければならなかった。
    絶望だけではなく、希望も描かれている(と、思いたい)
    とても読みやすかった。

    ヒデミス!2022 選書で手にした一冊。

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    2023年01月06日
  • 15時17分、パリ行き

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    2015年に起きたフランス列車テロを未然に防いだ、三人の若者のノンフィクション。
    いくつもの偶然と奇跡が重なり、大惨事は起きずに済んだが、一夜にしてヒーローとして祭り上げられてしまう。当事者同士の記憶が食い違っているのは、極限状態に身を置いたのだから仕方ないことだろう。

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    2023年01月04日
  • 森から来た少年

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    大好きなハーランコーベン。しかも前作『RUN AWAY』のキャラが出てきて、ファンにはたまらない出だし。
    でも…なんだか消化不良な読後感。
    さらにここから物語を紡いでくれないかなー。

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    2023年01月04日
  • スクイズ・プレー(新潮文庫)

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    探偵が依頼を受けるところから物語が始まり、ヤクザ者に脅され、悪徳警官に小突かれ、後頭部を殴られて気絶する。途中から依頼人になる美女とは恋仲になるし、ハードボイルドの所謂「定番」をおそらくは意識しながら書かれたのだろう。その上でチャンドラー氏の長編の多くと違って、プロットには破綻がなく、きれいと言うか鮮やかにまとまる。その分、却ってパロディめいて感じられなくもないんだが。

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    2022年12月31日
  • スクイズ・プレー(新潮文庫)

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    こんなの第一作としてぶっこまれたら次作も期待する作家だよな

    探偵小説 ハードボイルドの主人公は
    一直線に自分の信じたままに進んでトラブルが舞い込むけど
    粗野で暴力的な相手、敵対する人物には強がりに見える
    頭と口を駆使して精一杯の皮肉と当てこすり、減らず口を叩きまくり
    窮地をなんともないように装いながら脱出口をフル回転で探しまくり
    ちょっとした幸運も味方に泥だらけ痣だらけ、フラフラになりながらも
    まるで何もなかったかのように一歩前に進む

    それが一匹オオカミ、”タフガイ”を肉体的にも精神的にも体現することで
    自分自身を実体化するかのように

    しかし、ある時を境に真実に急激に近づいてから
    それを

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    2022年12月20日
  • WIN

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    容姿端麗、頭脳明晰、抜群の戦闘力、加えて資産家の御曹司。大人気「マイロン・ボライター」シリーズの名キャラクター・冷血王子ウィンことウィンザー・ホーン・ロックウッド三世が40代となり、さらに魅力を増して帰ってきた!盗まれた名画と不可思議な殺人事件、迷宮入りした半世紀前の学生運動事件、幾重にも謎が重なった一族の過去。次から次へと立ち上がる謎に翻弄され、非情なのに憎めないウィンのキャラクターに惹き込まれ、気づくとページをめくる手が止まらない!アメリカが誇るエンターテイナーが贈る、極上のスピンオフにして最高のノンストップ・エンタメ小説!

    本家のシリーズは確か最初だけしか読んでいない。ハーラン・コーベ

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    2022年12月09日
  • スクイズ・プレー(新潮文庫)

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    純文学作家が本気で書いたハードボイルド小説。
    ストーリーや伏線の骨太な感じが重厚感のある雰囲気を作っていて、とても楽しく読めました。
    一言で言えば、かっこいい小説。
    おすすめの一冊です。

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    2022年11月02日
  • スクイズ・プレー(新潮文庫)

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    ガチのハードボイルド。電話応答サービスとか、懐かしいあの時代に引き戻される。
    人物のセリフとか所作から、より深いものを読み取らせる描き方はさすがだ。

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    2022年10月27日
  • 長い別れ

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    主人公マーロウだけでなく、警部補オールズ、作家ロジャーなど、魅力的な登場人物がたくさんでてくる。オースター作品でも思ったが、登場人物としての作家には著者の思想が色濃く反映されていて面白い。

    263
    「私は飲まないんだ。で、飲んでいる人を見れば見るほど、自分が飲まない人間でよかったと思ってる」

    305
    電話というものにはどこかしら強制的なところがあるものだ。機械に振りまわされているわれらが時代の者たちはそんな電話を愛し、忌み、恐れる。そして同時に敬意をもって取り扱う。たとえ酔っているときでさえ。現代人にとって電話は呪物にも等しい。

    365
    大量生産に質は求められない。そもそもそういう質を誰

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    2022年10月26日
  • 偽りの銃弾

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    読んでいた本が途中で止まってしまったので、気分変えに読み始める。
    ビジュアルな場面展開が現代的なサスペンス小説で、これがとても面白い。

    主人公は元特殊部隊のパイロット
    一見、肉体も精神も十分なパワーを装備した女性。だが、彼女が過去の戦場での出来事から何かPTSDを抱えている様子が、早くから描かれている。

    公園で殺されたはずの夫の姿が、その後に設置された監視カメラに写っていた。
    そのことから、たった一人で謎を追うことになる。

    主人公が守らなければいけないのは、娘のリリーと姉の子たち。
    大富豪である夫の実家との微妙な関係が妙にまとわりつく中、次第に明らかになっていく過去の事実。

    姉の死、夫

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    2022年10月21日
  • あなたに似た人〔新訳版〕 I

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    最後どうなるの?!と思いながらページをめくる手が止まりませんでした。
    芸術、食卓、街並み。昔のヨーロッパの風景も感じられる作品です。
    中でもワインやマルガリータがおいしそうで…
    気づいたらワインを片手に。ロアルド・ダールを片手に。ってなってました。(笑)

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    2022年10月17日
  • スクイズ・プレー(新潮文庫)

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    最初から種あかしをされているのでポール・オースターだなあと後付けで思えるけれど、普通に数十年前のアメリカンハードボイルドで面白かったです。

    第19章はオースターの文体だし、家族や男女関係にかかわる描写もやっぱりオースターの文体でミステリーだけではない味わいが良かったです。

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    2022年10月11日
  • その犬の歩むところ

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    GIVが助かったから良かったけれど、助かってなければ、本を破り捨てていたかもしれない。それくらい、この本を通じてGIVは、自分にとって愛しい犬になった。

    どこまでもアメリカンな所、どこまでもアメリカンな描写にはついていけなかったけれど、面白かった。

    それにしても、どうして一部の人間は、人間のために犬を犠牲にするのだろう?

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    2022年10月06日
  • スクイズ・プレー(新潮文庫)

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    私立探偵マックス・クラインが受けた依頼は、元大リーガーの名三塁手チャップマンからのものだった。MVP常連の人気選手ながら交通事故で片脚を失い、現在は議員候補となっている彼のもとに、脅迫状が送られてきたのだ。殺意を匂わせる文面から、かつての事故にまで疑いを抱いたマックスは、いつしか底知れぬ人間関係の深淵へ足を踏み入れることになる――。ポール・オースター幻のデビュー作にして、〝卑しき街を行く騎士〟を描いた正統派私立探偵小説の傑作、ついに解禁。

    まさに、王道の私立探偵小説といったところ。

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    2022年10月02日
  • スクイズ・プレー(新潮文庫)

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    久々に、ハードボイルドらしいハードボイルドを読んだ。出て来るキャラクターも立ってるし、主人公のクラインもハードボイルドの私立探偵として完璧だ。比喩や軽口へらず口がとても生き生きとして楽しい。

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    2022年10月01日
  • スクイズ・プレー(新潮文庫)

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    これがオースターなのかと思うほどのどストレートな王道感。
    この作品を経ての、ニューヨーク3部作なのだなと。
    スタジアムの情景から始まる、親子での野球観戦の描写が本当に素晴らしかったです。

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    2022年10月01日
  • 森から来た少年

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    幼い頃に独り森で育った過去を持つワイルドが主人公。なので、彼の出自やら、大人になって社会との溝やら、そういった話も盛り込まれていると思いきや、あまり関係なく…その部分は残念だったけど、別の面白さが十分にあった。
    後に疑問も残らず、さっぱりとした読後。
    現実逃避できる読書として、最高でした。

    海外ミステリーは日本物と違いあっさりしてますね。

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    2022年09月23日