田口俊樹のレビュー一覧

  • ダ・フォース 上

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    ドン・ウィンズロウを初めて読みました。
    話の中に入るのに少し時間がかかってこのまま読み続けようかどうしようか考えたのですが、だんだんと話に引き込まれました。
    ただ、舞台がニューヨークだから?なのか、言葉遣いのひどさには閉口しました。
    久しぶりに長編の一気読みをしたような気がします。

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    2020年09月28日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    三人の15歳の少女の失踪から始まる物語。三人はどこへ消えたのか。主人公のベリエルの捜査と途中で挿入される一つの挿話。緊張感や不安感が伝わってくる展開と徐々に犯人の姿が見えてくると同時に増していく狂気。シリーズの一作目としてすごく面白く、ラストの展開で次作が非常に楽しみになった。

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    2020年09月27日
  • 娘を呑んだ道

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    家族の失踪なんて、辛い事この上無いのに、更に子供であったら、苦しい事は、計り知れない!
    多数の不明者が、出ている世の中に、あってこのストーリーは、身近とも言える!
    最後に、娘のような存在が、在ることに、少しだけほっとした!

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    2020年09月25日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    調子良過ぎる感があるけど、迷路に誘われ置いてきぼりにされた様な感覚の内容。章ごとに入れ替わる不思議感。他の方も書いていらしたが、先入観なしで読んで頂きたい。

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    2020年09月23日
  • 壊れた世界の者たちよ

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    犬の力から始まるメキシコ麻薬戦争3部作しか読んでないので、サンディエゴを舞台にした3作品は意外だったな。こういうゆったりとした作品もあったのか。。。
    解説を読むと関連作品が多くあるみたいなので少しずつ手を出してみよう。
    でも一番好きなのは表題作かな。もうめちゃくちゃなんだけど狂気に触れさせてくれる、ドン・ウィンズロウとして読みたかったものでもある。やはりこういうヒリヒリした感じを読みたいんだ!
    ダ・フォースも読もっと。

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    2020年09月21日
  • ジャングル・ブック

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    過去の訳書同様、狼に育てられた少年モウグリが登場する短編のみで構成。巧みな情景描写、魅力的なキャラもそのままに、自然との共生、異文化理解...生き方そのものを考えさせられる。原著の挿絵を収録している点で過去の訳書に比べて〇。

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    2020年09月19日
  • 音もなく少女は

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    自分の中にこびり付き、侵食してゆく相手。――その恐怖を思うと、クラリッサの決意と行動には胸が締め付けられるようだった。

    イヴとフランとクラリッサ。
    彼女たちを深みから救ったのは、出会いだった。
    傷をなかったものとはしない。人生から逃げない。餌食にはならない。
    それらの「正面に立つ強さ」を得たのも、やはり互いがいてこそだと思った。

    ボストン・テラン。デビュー作も気になってきた。

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    2020年09月18日
  • カーテン

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    ネタバレ

    読み終わった後の何とも言えなさ
    切ないというか悲しいというか胸にぽっかり穴があいたような喪失感がしばらく続いた
    気軽には読み返せない、ポアロに一言声をかけたくなるような作品
    これを読んだ後には他のポアロシリーズを読んで心を満たしたくなる
    しかしそれでもポアロが好きだなぁと感じた作品

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    2022年05月15日
  • 来訪者〔新訳版〕

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    ロアルド・ダールの大人向け短編集
    少しエロティックだったり、悪趣味というかブラックコメディ風のものが多かった印象
    最後のオチがどれも秀逸で、ついつい続きが気になってしまう作品でした

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    2020年09月09日
  • レイチェルが死んでから

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    ネタバレ

    邦題がセンスある。
    これ、何で評価低いんだろうな。私は結構面白かった。

    私はミステリに明るくないので、厳密に言えば違うのかも知れないけど…俗に言う"信頼できない語り手"ってこういうことかな。

    何でそう思ったかと言うと、主人公のノーラの感情の起伏が激しいことや、強迫観念が強すぎて、何が本当かわからないんだよ。

    ジャンルとしてはミステリだと思うんだけど、謎解きがメインじゃない。
    客観的状況とか事実とか殆ど書かれてないし、メインはノーラが見聞きしたことや、心象や思考だと思う。

    読んでいるうちに物語に引っ張られて、ざわざわした気持ちになってくるし、段々とノーラが薄ら怖く感じ

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    2020年08月30日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    ネタバレ

    スウェーデン。少女失踪事件の有力な手掛かりを得て現場に踏み込んだべリエルたちだが,すでにそこには誰もいなかった。これは連続殺人事件なのか。当日撮影した写真の中に,あるヒントを見つけたが。

    またも北欧ミステリ。森林が多くて寒くてという感じが不気味さを盛り上げております。冒頭から,べリエルが時計大好きぽいことがわかるのですが,タイトルの意味と,なぜべリエルがこの事件に執着しているのかと,途中でえっまさかそっち・・・と思いきや展開がまた二転三転するのとで,読んでいてちょっと疲れます笑 いや,面白いけど。

    そして最後・・・事件解決のカタストロフィーは持たせつつも,最後・・・。
    続きものだったのか・

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    2020年08月23日
  • ひとり旅立つ少年よ

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    かくして、少年はおとなになっていく…。けれども、その道のなんと険しいことか…。一人で考え一人で悩み一人で決めて一人で傷つく…。ただ、それが出来て初めて「おとな」なのかもしれない…。

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    2020年09月02日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    ネタバレ

    監禁ものはつらいな、と思いつつ、

    もう一人の主人公の登場の仕方、それがバチバチ後相棒になっていく過程がかなり意外で面白い。

    早く次作を読みたい。

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    2020年08月15日
  • ダ・フォース 下

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    人種差別による暴動が小説の中で起こり、現実にアメリカで暴動が発生し、ちょっとこのシンクロ感は不思議な感じがした。
    報道されている内容に捕捉するようにこの小説の内容が思い浮かぶ。
    警察にも殉職者は多くいて、白人以外の人種もいて、街にはドラッグと銃があふれ。

    この物語からは、緊迫した世界でギリギリの精神状態のまま毎日をやりくりする人物が見事に描かれている。

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    2020年06月14日
  • ダ・フォース 上

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    最初はどんな物語かのみ込めなかった。警察対マフィア?ではなかった。汚職、正義、人種差別に王とネズミの話し。
    後半に向けて物語は急展開し、加速していく。

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    2020年06月14日
  • 怒り 上

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    検察官が主役の話。男性の白骨が見つかった。なんか昔事件があったのかもねー。皆そう思う。違った。1週間前に生きてた人間の骨だったみたい。色々調べてみて、自然にこうなった説は覆され、やっぱり事件で、誰かがわざと、お肉を溶かすようなことをしたらしい。しかも複数の人間の骨みたい。話はゆっくり。作者がそうなのか、主人公が辛辣で偏屈で性格悪くていい。何もかもが気に入らなくうんざり。大人だから我慢してるけどね、というストレスの貯めぐわいもいい。久々に「下巻も絶対読むぞ」と心に誓った一冊でした。

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    2020年04月17日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

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    ロシアとドイツの戦時下の人々がどのような暮らしを送っていたかについて、初めて目の当たりにした。しかしシリアスな時代背景ながら、主人公レフと、コーリャが交わす会話から滲み出るユーモアや、戦時下においても人としての尊厳を保つ姿に感銘を受けた。

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    2020年04月06日
  • 偽りの銃弾

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    イラクでやっちゃいけないことをやってしまった元軍人のマヤ。彼女の姉が殺され、そして夫のジョーも殺される。しかも、同じ銃で殺害されたという。ジョーは金持ち一家の息子。そのような舞台の裏側にはとんでもない事実が潜んでいる。最初から謎が多い物語だ。そして最後まで真相が分からない(少なくとも私は)。怪しいやつはたくさんいるが、撹乱された。ところどころで出てくるオッカムの剃刀なのだろう。ジョーの殺害は過去からのつながりゆえに、人間の感情の根の深さみたいなものを感じた。

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    2020年04月01日
  • ただの眠りを

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     いつまでも語り継がれ、愛される私立探偵フィリップ・マーロー。またの名をハードボイルドの代名詞。卑しき街をゆく騎士道精神。作者チャンドラー亡き後、遺構を引き継いだロバート・B・パーカーの二作『プー
    ドル・スプリングス物語』、『夢を見るかもしれない(文庫版で『おそらくは夢を』と改題)』、ベンジャミン・ブラックによる『長いお別れ』の続編『黒い瞳のブロンド』。そこまではマーローを如何に復活させるかを意図して書かれたもの。しかし本書は少し違う。

     老いたマーローの活躍をえがく本書では、マーローは72歳。足を悪くし、杖を突く。一線から身を引いてメキシコに隠遁していたが、保険会社から詐欺の疑いのある事故

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    2020年03月08日
  • ひとり旅立つ少年よ

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    19世紀のアメリカ。奴隷解放運動は萌芽しているが、社会は苛烈だ。命の価値は軽く、人権は一部の権力者達のもので、普遍性はない。人権どころか、一部富裕層以外は人ですらない。
     その頃、主人公の父親は詐欺師で、奴隷解放運動のためとしてだまし取った金を別の悪党に狙われ殺されてしまう。少年はだまし取った金を奴隷解放運動家に届ける旅に出るが、それは金を狙う悪党から逃げる旅でもあった。
     自らが白い黒人として奴隷にされたり、悪党を撃ち殺したり・・・。少年が成年へ成長する過程で支払った対価は大きい。聡明な少年の視線を通して見る19世紀アメリカの風景が静かな筆致で描かれ、読み手の心も静かに満たされていく。

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    2020年02月22日