【感想・ネタバレ】卵をめぐる祖父の戦争のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2020年05月07日

とても面白かった。
痛快でいながら、戦争の悲惨さと意味のなさをよく伝えている。
卵をめぐる冒険の仲間がどうでも良いようなことでなくなったときは
悲しくて本当に残念だった。
冒険の道中で出会った人々、
その後も主人公のように生き抜いてほしいと願わずにいられない
(ほど一人ひとりをユーモアと愛情をこめて...続きを読むよく表現していると思う)。

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Posted by ブクログ 2020年02月07日

レニングラード包囲戦という凄惨な戦争が舞台の小説。
ユーモアに溢れるコーリャと、彼に振り回されるレフとの掛け合いに笑いつつも、戦乱による悲惨な情景描写に圧倒された。

何よりも、作者のバランス感覚が素晴らしい。
ユーモアの明るさと戦争の暗さを絶妙な塩梅で配分し、展開に飽きさせない構成。
最後、読み終...続きを読むえてからプロローグを読み返しに戻った人が何人居るだろう?
自分もその一人だ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年01月19日

下品で笑えて切なくて辛くて怖くて爽やかな話だった。

人肉食、地雷犬、足を切断される少女など、あまりにもひどい場面にばかり出くわすものの、コーリャの明るさとおちゃらけた物言いにだいぶ救われていると思う。
下ネタが思ったよりすごい多かった。

娘の結婚式で使いたいというそんな理由のために命懸けで卵を調...続きを読む達させにいくのもそもそもやばい。
戦争の理不尽さや怖さがいろんなところから滲み出てた。

コーリャのことを私も読んでるうちにどんどん気に入っていたので最期は唐突で悲しかった。
けど、コーリャらしいといえばとても彼らしかった。

名狙撃主のヴィカもいいキャラしてたし、終わり方は爽やかで読んでいてこちらも微笑んでしまった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年09月09日

大傑作である.
コソ泥として捕まったレニングラードの少年が,お調子者の脱走兵とペアを組まされ,卵を1ダース手に入れてくることを命令されるのだが,折しも900日にもわたった「レニングラード包囲戦」のさなかである.飢えに苦しむレニングラード市からドイツ軍の包囲網を突破し,どこかから期限までに卵を入手して...続きを読むこないと処刑されてしまうのである.
青春小説で,冒険小説で,かつ,戦争小説であり,この世の地獄とも言える光景が何度も展開されるのだが,この二人のペアが対照的なキャラクターで,軽妙なやり取りが話にスパイスを利かせているおかげで,重苦しい雰囲気にはならない.
人食い夫婦との対決,4人の囚われの少女との出会い,パルチザンとの同行を経て,最後のクライマックスまでストーリーはテンポよく展開して行き,感動のラスト50ページに雪崩れ込む.
最後の1行で冒頭の伏線が回収されるところまで見事だった.

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Posted by ブクログ 2019年08月16日

良いとは聞きながら何となく読んでなかったのよね。たまたま古本で見かけたのでこれも何かの縁かと思って。
岩波新書の「独ソ戦」読んだ直後に読むと何というか同じ時代、同じ場所をテーマにしてるのに視点の縮み方がスゴい。
まぁ「900日包囲されたが、陥落することなく解放された」って一文の裏にはいろんなことがあ...続きを読むるんやろうけど、これまた濃いわ。そしてオッさんは恋物語にすなおにキュンキュンするのである。いや、このラブストーリーはええよ。

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Posted by ブクログ 2019年07月08日

まるで凸凹コンビの卵をめぐる戦争の話。辛いこと苦しいこと、残酷な描写は当然あるけれど、友情や恋、そして全体を包むユーモアが決して悲壮なものにしていない。戦争の愚かさをやさしく訴え読後感はさわやかでもある。多くの人に読んで欲しい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年04月14日

米国人気TVドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の共同プロデューサーで脚本家・小説家でもあるデイヴィッド・ベニオフが書いたベストセラー小説。

ベニオフが自分の祖父から聞いた戦時中の体験談という体裁になっているがフィクションだそうである。

ドイツの包囲攻撃を受けているレニングラードに住む17才の少年...続きを読むレフ・ベニオフ(デイヴィッド・ベニオフの祖父)は、仲間と共に街に落ちたドイツ軍パイロットの死体から備品をとっているところを軍に見つかり捕まってしまう。
彼は収監された刑務所で背の高い金髪碧眼の脱走赤軍兵士コーリャと出会う。
軍の大佐が娘の結婚式の料理に使うからという理由で、レフと
コーリャは免罪(死刑)と引き換えに卵1ダースを見つけてくるという任務を与えられる。

レフとコーリャが下ネタ満載のトークを交わしながら卵を求めて極限の物資欠乏状態のレニングラード市内からドイツ軍の占領下の村や町を旅していくロードムービーの様な内容で、コミカルな雰囲気をまとっているが、彼らの目にしたり体験する戦争の現実は凄惨なものばかりで恐ろしさがよけい引き立つ。
けれども戦争の恐ろしい状況下にあっても正気を失わず前向きに生きていく人たちの物語でもあるので暗さや陰鬱さは無い。

登場人物達が本当に魅力的である。
特に主人公レフの相棒となる青年脱走赤軍兵コーリャは、下ネタ満載のトークが面白すぎてまったく飽きさせない。
個人的には話中の会話が面白い作品は、成功する作品だと思っているがこの作品も例に漏れない。
コーリャの設定がまた面白い。
金髪碧眼の長身で整った容貌をしており、文学に造詣が深いが性欲が強すぎて我慢できなくなり脱走してしまったという人物。
性格めちゃくちゃだが、勇敢であり友人の為であれば危険も冒す。

もう一人は、パルチザンの女性スナイパー ”ヴィカ”
最初は、非常に冷静で冷徹なプロフェッショナルな雰囲気で登場する。
この物語はレフとヴィカのボーイ・ミーツ・ガールの物語でもあり、レフとヴィカの親密度が増すにつれ彼女の魅力がだんだん出てくるところが素晴らしい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年01月24日

傑作!この小説はいい。

舞台は近代戦最長の900日に及ぶ包囲戦下のレニングラード。飢えと戦争被害に苦しむレニングラードの描写、その戦下日々を必死に生きる主人公が、ひょんなことからイケメンで下品で饒舌な脱走兵とコンビを組み、赤軍士官の命令で玉子1ダースを探すことになる。

人間ってほんま愚かで、その...続きを読む骨頂が戦争だと思う。生産性も幸せも食べ物すらない悲惨な状態を、人間は凝りもせず何度も何度も繰り返す。この本でも戦争の悲惨さ愚かさは繰り返し描写される。ただでさえ気候条件が厳しい冬のレニングラードで、なんでこんなバカな行為を…。

主人公レフと相棒コーリャのタマゴを探す冒険も実に愚かである。支配者の欲を満たすだけの目的、命の危機にも関わらず続く下品な会話…、アホやなぁ人間て…。でもこの愚かさは戦争のそれと違い愛すべき愚かさ。

許されざる愚かさと愛すべき愚かさ、愚かな人間の極端な両面を描くこの小説。しかしラスト1文を読めば、人間だって愚かであっても悲劇に至らない生き方はできると分かる。そう、きっと悲しい歴史を刻まないことだってできるはずなんだ!

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Posted by ブクログ 2018年01月04日

本の雑誌オススメの中から。なるほど、卵をめぐる戦争ってそういうことでしたか。内容的には結構シリアスな戦争描写がいっぱい出てくるけど、タイトルからもうかがえるように、のどかな(に感じられる、か)言動も頻出する。ただ、茶化して誤魔化している訳じゃなく、物語を通じて訴えかけてくるのはあくまで、愚かな戦争に...続きを読む対する辛辣な諷刺。そのあたりのバランス感覚の甲斐あって、非常にリーダビリティの高い、小説として面白いものに仕上がっております。今年の一発目、滑り出しは良好です。

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Posted by ブクログ 2017年06月08日

"That's four dozen now"
あるとこにはあるねんなぁ この脱力感… "或る「小倉日記」伝" の読後感とかぶった

”No wonder your hand's on my ass?”
いや、この訳し方…ウ、ウマイ  うん...続きを読む、レフならきっとこういう言い方するよな

邦題がいい、でも表紙は原書の方が好き City of Thieves

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Posted by ブクログ 2017年04月24日

1942年、第二次世界大戦中のソ連、レニングラード。900日間にわたってナチスドイツに包囲され、市内は爆撃と飢餓のために悲惨きわまりない状況にありました。そんなレニングラードを生きた祖父に、映画の脚本家である男が話を聴くという形で物語は始まり、以降は祖父レフの「わし」という一人称で語られます。

1...続きを読む7歳のレフは、ある夜、ドイツ兵がパラシュートで舞い降りてくるのを目撃。外出禁止令を破って仲間とともに駆けつけると、すでにドイツ兵は凍死している模様。所持品を物色しているところを自国の秘密警察に見つかってしまう。捕まれば略奪の罪で公開処刑される。必死で逃げようとするが、仲間のうちの女性が転んでしまう。彼女を助けに行けば、秘密警察に捕まってしまうだろう。どうせ人の彼女だ、放って逃げよう。しかし、そうはできず、彼女を助けに戻った結果、案の定、自分だけが捕まってしまう。

牢獄に放り込まれ、翌朝の死を待つことに。そこへもうひとり、やけに美しい男コーリャが放り込まれてくる。彼は脱走兵らしく、やはりいましがた捕らえられたとのこと。まったく動揺している様子がないが、処刑されることはわかっているらしい。

翌朝、なぜかふたりは秘密警察の大佐の自宅へと連れていかれる。大佐によれば、彼の愛娘がその週の金曜日に結婚する。結婚式にケーキがないのはひどく不吉なことなのだと妻が言う。ケーキに必要な材料のほとんどは調達できたが、卵だけがどうしても、ない。泥棒と脱走兵、きみたちならなんとかできるだろう。木曜日の夜明けまでに卵1ダースを用意できたら、待遇を万全にして放免してやると。こうしてレフとコーリャは卵を求めて、1942年1月、極寒のソ連をさまよい歩くことになるのだが……。

著者のデイヴィッド・ベニオフは、物語中の祖父の姓をベニオフとし、まるで祖父の話を聴く男を自分自身のように私たちに思わせますが、本当はニューヨーク出身、まったくのフィクションだそうな。

1963年生まれの京極夏彦が描く昭和初期の光景に驚いたものですが、デイヴィッド・ベニオフも1970年生まれ、なぜに当時のレニングラードをこんなに描写できるのかと思うほど、その惨状たるや目を覆いたくなるばかり。しかし、こんな状況下で卵を探しに歩きまわるという、言うちゃ悪いが「あほか」と言いたくなる設定と、ずいぶん後になってから明らかにされるコーリャの脱走理由など、フィクションならではのユーモアで惹きつけられます。ちょっとしつこいぐらい出てくる下ネタ、特にう○こネタも、まともに食べていないゆえのこと、ネタにでもしなきゃ卵探しなんてやってられんだろうと思えます。最後のシーンでは涙目、読み終えてみればとても心に残る物語。

ちなみにこんな奇抜な設定を生み出したデイヴィッド・ベニオフは、あるときから映画の脚色を手がけるようになりました。『君のためなら千回でも』(2007)も彼の手によるもの。奥様は『“アイデンティティー”』(2003)が印象に残っているアマンダ・ピートですと。

「あの笑みはわしへの贈り物だったんだ」。じわじわ余韻が上がってきます。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年04月27日

とても良かったです。
第二次大戦下のドイツとロシアが舞台なので、暗く悲しい話ではあるのですが、物語としてとても良かった。

訳者あとがきで改めて思ったのですが、このお話は1週間の出来事だったんですね。
戦争は、結局、弱者が悲惨な思いをするということを改めて認識するためにも、多くの方に読んで欲しいと思...続きを読むいました。

冒頭の祖母の説明から推し量ると、あの女性とは違う人なのかな…。

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Posted by ブクログ 2015年05月01日

コーリャにアル中の友達の幻影を見た。幻影は年月と共に美しくハッキリと違う形で、俺の中の本物になるのだ。

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Posted by ブクログ 2014年02月13日

 ナチスによる包囲網が敷かれたロシアのレニングラードを舞台に、卵の調達を命令された二人の青年兵の姿を描いた小説。

 戦争ものは本では横山秀夫さんの『出口のない海』や吉村昭さんの作品、他にも映画やドラマなどいろいろ触れてきましたが、その中でもこの作品はかなりの異色作です。

 青年兵レフの相棒となる...続きを読むコーリャの女好きっぷりがまず面食らいました。二人のどこかずれたやり取りがコミカルで、戦争ものらしくない面白さがあります。

 それなのにきちんと戦争の悲惨さを描いているあたりがなんとも不思議。作中では、飢餓にあえぐ人々、囮にされた犬、空襲、慰安婦の存在なども描かれます。それなのに二人に与えられた指令が”卵の調達”ですから、なんともシュールな印象です。

 きっとこのシュールさが他の作品と違った描き方で戦争の愚かさを伝えているように思います。二人とも卵の調達の過程で、こうした悲惨な場面に出会っていくわけですが、吉村昭さんの記録文学のような完全な第三者目線でなく、かといって戦闘中の兵士のような一人称でもなく、戦争色の薄い指令で、戦争を描いたからこそ、こういう絶妙な距離感、空気感の作品ができたのだと思います。戦争小説の新しい形ともいえそうな作品です。

 そして青春小説としての完成度も高い! 徐々に深まっていく二人の絆、思わぬ出会い、切なさと温かさの残るクライマックス……。文庫化当初から興味のあった作品でしたが、設定が突飛なだけにシリアスでもユーモアでもない中途半端な作品になっているのではないかと心配して、なかな手を出しませんでした。でもそんな心配をしていた昔の自分を叱りつけたいくらい、良い小説でした。

2011年版このミステリーがすごい!海外部門3位

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Posted by ブクログ 2017年08月15日

 俗っぽいけど敢えて言いたい。
 
 「やべえ、ちょー、おもしれえ!」

 出来ることなら、文字のサイズを倍にしたいくらい面白かった。

 以下、ブクレポ。
 
 主人公のレフはある日、落下傘で空から落ちてきたドイツ兵の死体を発見し、死体からナイフを盗んだことから、窃盗の罪で投獄される。そして時...続きを読むを同じくして、戦線離脱の脱走罪で投獄されてきた赤軍兵士コーリャに出会う。

 人の命など屁とも思わないスターリン体制下のソ連では、二人は死刑が確実。しかし大佐から、ある条件をクリアできれば自由にしてやる、との思いがけない言葉をかけられた。
 その条件とは… 「卵を一ダース手に入れる」こと。
 
 ナチスに包囲されたレニングラードは極度の食糧難に陥り、赤軍幹部と言えども卵を手に入れることができなくなっていた。卵を手に入れるには、もはやドイツによって占拠された地域にまで、もぐりこまなければならない。
 二人は問うた。
「なぜ、卵が必要なのですか」
 大佐は窓の外から池の上で優雅にスケートに興じる美少女を目で示し言った。
「娘の結婚式にはケーキが必要だろ?」

 かくして二人は、大義のかけらもない任務を負い、命をかけた冒険に出発する。


 二人の性格は正反対。レフは内気で言葉も少ない。腕っ節には自信がなく、女性と恋愛をしたこともなく、存在感のない少年。
 一方のコーリャは女性経験が豊富で、細身だけれど格闘術に長けている。そしてなにより饒舌だ。口八丁手八丁。劣悪な食糧事情のため一週間も糞が出ないという体調不良でもカラ元気。とにかくじっとしていることと、黙っていることができない。下ネタ大好き。童貞のレフをからかうときは輪をかけて舌も滑らかになる。

 二人の掛け合い漫才(というかコーリャが一方的に話してレフがぼそっと言い返すだけだけど)を読んでいるだけでも、この小説は面白い。

 この小説のメインテーマは友情だ。性格がまるで違う男同士が互いに励まし合い、困難を乗り越えていく冒険小説だ。また、主人公のレフがパルチザンの女兵士に恋をしてからは、青春小説のようにもなる。好きな女の子の前で、いい格好をしようとして下手を打ち、悩み、落ち込み、それをコーリャが冷やかしつつも、力になる。

 しかし彼らは死と隣り合わせの状況下にある。

 彼らの命は卵一ダースより軽い。そして彼らの行き先には、人肉を食う夫妻がいたり、鶏一羽のために命を落とす幼子がいたり、ベイクドポテト一皿のために敵兵に春を売る女性がいる。飢餓による刺すような痛痒をしくしくと感じる。
 巻末の解説にあったが、実際に幼い子供を飢餓から救うために、さらに幼い赤子を殺して、その肉を与えたということもあったらしい。
 ドイツによるレニングラードの包囲は900日に及んだ。本文中に起こる数々の悲劇に似た現実は、きっとたくさんあったことだろう。

 コーリャが饒舌な理由も最後には明らかになり、読んでて、もう、なんだか泣けてきてしまった。レフもコーリャは奇異な巡り合いだったけど、本当の友情を結んだ。そしてラストにはかすかな希望が見えた。
  
 もう一度、俗っぽく、
 「まじ、感動した!」

 どちらかと言えば男性向きの小説だが、銃後の悲劇を考える上でも、良い作品だと思う。

 

 

 

 

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Posted by ブクログ 2016年07月23日

いや、面白かった。
ナチ包囲下の飢餓の街で1ダースの卵の調達を命じられるという夢想的な設定。しかし、その探索途中で出会う戦争の断片は極めてリアルで残酷。その中での主人公レフと相方コーリャの掛け合いは妙にユーモラス。そうした相反する要素が見事に混じり合わせた作品です。
そしてラスト。
戦争の無意味さと...続きを読む、生きる事の希望を見事に描き出し、非常に気持ちの良い読後感です。

著者のベニオフさんは、むしろ映画の脚本を中心に活動しているようですが、そのせいか場面場面が非常に視覚的で、そのまま映画になりそうです(もっとも残酷過ぎて映せないシーンもありますが)。
『25時』も良い作品でしたし、もう少し小説の方にも力を入れて頂きたいものです。
ちなみに原題は“City of thieves”。直訳すれば「盗人の街」でしょうか。それを『卵をめぐる祖父の戦争』としたのも上手いと思います。

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Posted by ブクログ 2020年04月06日

ロシアとドイツの戦時下の人々がどのような暮らしを送っていたかについて、初めて目の当たりにした。しかしシリアスな時代背景ながら、主人公レフと、コーリャが交わす会話から滲み出るユーモアや、戦時下においても人としての尊厳を保つ姿に感銘を受けた。

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Posted by ブクログ 2020年01月28日

明日には飢餓で死ぬか爆撃で死ぬか。ドイツ軍に包囲されたレニングラードで言い渡された処刑を免れるたったひとつの命令は、1ダースの卵を調達すること。
かくして二人の青年が卵調達隊として飢えに喘ぐ戦時のロシアを彷徨うことになる。

当然行き合う出来事は悲惨なものばかりなのに、妙に軽快な雰囲気は卵の捜索とい...続きを読むうちぐはぐな設定のせいか、下ネタにまみれた凸凹コンビの会話のせいか。
戦争という特別な状況でも、何も特別でない人達が必死に、そして普通に生きている。そんな事を思わせる二人だから、戦争と卵と読者という奇妙なピースを繋いで読み手の深い所にまで届けてくれる。

クソが出ただけで笑ったのは某金塊漫画以来だけれど、血塗れの大立ち回りの後でも笑えるのが、なんだか滑稽で温かでそして切ない。

にしてもこの小説、軍人やらイケメンやらも出るのにヒロインが一番かっこいいのはどういうわけか。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年01月24日

他のレビューにもあるとおり、起きていることの悲惨さを跳ね返す道中掛け合いの明るさが、読者に希望を失わせず読み進めさせる原動力になっていると感じた。だからこそコーリャと卵をめぐる結末には切なさ、味気なさ、歯がゆさを感じた(いい意味で)。
あとがきで気づいたが、ノンフィクションのような形をとりながらフィ...続きを読むクションであることにも驚いた。まあ確かにドイツ軍と対峙する場面やヴィカとの再会(アメリカ的!!)は事実っぽくはなかったな。

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Posted by ブクログ 2019年08月07日

ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している
作家のデイヴィッドは、祖父レフの戦時中の体験を取材していた。ナチス包囲下のレニングラードに暮らしていた十七歳のレフは、軍の大佐の娘の結婚式のために卵の調達を命令された。
饒舌な青年兵コーリャを相棒に探索を始めることになるが、...続きを読む飢餓のさなか、一体どこに卵が?
逆境に抗って逞しく生きる若者たちの友情と冒険を描く、傑作長篇
(あらすじより)

かなり重厚な読み応え
気合入れて読むタイプの本です!

帯を書いた人はこの本を読んだか疑わしい。
胸キュン要素より戦争の悲惨さ要素のほうが多いぞ。

共産党政権下のソ連で略奪で逮捕と脱走兵という肩書は死を意味する。
主人公の二人は飢えに苦しむ中、秘密警察の大佐から命と引き換えに卵の調達を強要される。

彼らのいるレニングラードはナチス・ドイツに包囲され、食べ物は無く、猫、犬、家畜(一部は人肉)の全てを食料にして暮らしている。

その状況下で卵(しかも1ダース)を手に入れることは、まるでミッション・インポッシブルな命令なのだ。

街中になければ農場に行くしかない。

しかし、そのためにはナチスの包囲網を抜けなければならない。
さらに、季節は真冬である。
しかも、主人公レフはユダヤ人の血が入っている。
ついでに、武器は拾ったナイフ一本。
ちなみに、レフはナイフに不慣れだ。

どんだけ無理ゲーなんだ!

ハラハラ、鬱々して読み進まなかった。

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