トルストイのレビュー一覧

  • 人生論

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    【感想】
    人間が生きる意味はまさに、他者に尽くすことであるという一言に尽きる。
    理屈では分かるものの、これが中々難しい。生命の法則が相互奉仕にあることも理解できる。だが、現実世界を生きるには絶えず闘争に打ち勝たねばならないという意識もある。ゲーム理論的には、お互いに協力し合うことが両者にとって最善なのだろうが、出し抜いた側はより一層恩恵を受けられる(欲を充足できる)。ここに、一人一人の人間が陥りがちな個人の幸福を願う動物的個我の問題点が発露する。

    頭でまずは理性を自覚する、生命の至上命題を理解することが、社会が幸せになるための大きな一歩なのであろう。その方策として考えられるSDGsや社会起業家の出現等に鑑みれば、理性に従属する動物的個我の発現は今後大いに期待できるのではないだろうか。

    【メモ】
    何物も個人の幸福を追求するならば、それは死への絶え間ない接近にすぎない。故に真の意味での幸福はありえない(その場合、死によって全てが無に期すためである)。

    この個人の幸福を追求する動物的個我を理性へと従属させること(生命活動そのものである愛の認知※愛とは特定の人に向けられるものではなく、自己の動物的個我よりも他の存在を好ましく思う感情)で①幸福を実現することができると同時に、②死の恐怖を克服する(死が存在しなくなる)ことにつながる。

    ①生命の法則は闘争ではなく、存在同士の相互奉仕。
    ②動物的個我による生存を重視する人は、生命とは身体と結び付いていると考えるため、身体の消失は生命の死であると感ずる。しかし、人の自我や世界との関係性は肉体の消失によって発生するものではないため、理性における生命に死は存在しない。(例:亡くなった方々の思い出や記憶が連綿と現在に引き継がれていること、生前よりも一層影響力をもつこと等)

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    2022年01月09日
  • 戦争と平和4

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    ナポレオンによる、ロシアへの侵攻の場面が語られている。宮廷貴族の状況、攻め込まれたロシア地域の状況、決戦地での戦闘の状況が、丁寧に描かれており、興味深く読み進められた。戦場の地図もあり、物語のイメージがわきやすい。

    「戦争においてはどんなに深く考察された計画も何の意味も持たず、すべては不意の、予測不可能な敵の動きにどう対応するかにかかっており、戦闘の全体がいかに、誰によってリードされるかにかかっているのである」p86
    「結果がどう転がろうが必ず「俺はすでにあの時に、こんなふうになると言ったんだ」という者たちが現れる」p215
    「(略奪禁止命令)そうした案件はすべて火にくべたまえ。(味方が)麦を刈ろうが薪を燃やそうが、かまうんじゃない。私はそういう命令は出さんし、赦そうとも思わんが、賠償金を取ることはできん。そういうことは、なしでは済まないんだ」p366
    「チェスの場合、ナイトは常にポーンより強いし、ポーンが2つなら1つよりも強いに決まっている。ところが戦争では1個大隊が1個師団よりも強力なこともあれば、また1個中隊よりも劣ることもある」p445
    「お嬢様は仔牛が殺されるのを見ると気分が悪くなる。優しさのあまり血を見ることができないというわけだが、そのお嬢様が、同じ仔牛の肉にソースを付けておいしく召し上がるのだ」p451

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    2021年11月22日
  • 復活 下

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    下巻になってようやく話が分かりました。やはり最後はトルストイ先生の主張の中心となる「愛」でしたね。本当に愛は綺麗事なのかもしれませんが、人生これからなので信じてみるのもいいかもしれませんね。

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    2021年11月22日
  • アンナ・カレーニナ 1

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    古典的名著。活発で気高くも愛への熱情が抑えきれぬアンナとヴロンスキーとの情事の変遷、そして夫の貴族としての面子と誇りを持った仕打ち、一方でキティに振られ傷心のリョーヴィンの立ち振る舞い。文豪トルストイの壮大な時代背景と機微ある人物描写がある一方、大衆向けメロドラマの趣で面白い。

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    2021年11月03日
  • 戦争と平和2

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    ロシア貴族の優雅な生活や戦争シーンの他に、カード博打、決闘、フリーメイソンについてのシーンがあり、ロシア社会の当時の特徴的な一面を垣間見ることができた。登場人物の感情の動きの表現が巧み。

    「自分の好きな人間以外、俺にはどうだっていいんだから。好きな人間のことは命がけで大事にするが、他の連中は、もしも行く手を遮るようなら構わず踏みつぶしてやるさ」p340

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    2021年10月28日
  • 戦争と平和(一)

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    人間は歴史を構築するための歯車である。
    しかしそれでも人は人として生きる、、、、
    そして、それが歴史に記されることは決してない。

    この言葉がとても深くて、好きだ。

    たとえ歴史に名を残さなくても、一人の人生には
    歴史に残しても良い程の大きな物語がある。

    表ばかりに目が行きがちだけど
    裏に目を向けることでまた別の世界があり
    そこに新しい感動や発見があるんだろうな。




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    2021年08月29日
  • アンナ・カレーニナ 1

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    アンナが生きた時代のロシア
    鉄道の発達(急速な近代化)ペテルブルク=モスクワ鉄道
    農奴解放。
    貴族文学の破綻。。

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    2021年05月20日
  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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    トルストイは本当に人を殺したことがあるんじゃ無いかと思うような殺しのシーン。

    万人が直視するのを避けがちな性の魔力について生真面目に問いただした純潔の文学。

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    2021年04月11日
  • 人生論

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    他のために自身を捧げることで生命は永遠となる、ととりあえず理解。
    後半少しだれたけど、動物的自我と理性の対比は勢いがあってよかった。

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    2021年04月01日
  • アンナ・カレーニナ 4

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    モスクワへ移ったリョーヴィン夫妻。臨月を迎えたキティはみんなからあたたかく見守られながら幸せな気分で妊婦生活を満喫している。
    一方のリョーヴィンはいよいよ自分が父親になるのだという重圧で押しつぶされそうになっており、いざ出産という段での慌てっぷり、狼狽ぶりはもはや喜劇のようでおかしかった。
    キティの分娩がなかなか進まず何度もしつこく医者に進捗を確認しては、「もう終わります(もう産まれます)」という返事を「ご臨終です」という意味に勘違いする始末。
    出産という偉業を成し遂げたキティを見て、歓喜の慟哭と滂沱の涙を流しキスをするリョーヴィンの姿はまさに愛そのもので、でもその後に息子と対峙して「子供は何かしら無駄なもの、過剰なものと思われ、長いこと子供の存在に慣れることができなかった」という感想を抱いているのは矛盾のように思えるけれど、父親になったばかりの男性とはこういうものなんだろうか。
    ただここらへんのエピソードは、リョーヴィンという個人がアンナ・カレーニナという大作の中で、多元的で複雑な日常世界の思考の代表であることをいかにも象徴しているようだった。
    生きるとは、死ぬとは、信仰心とは、愛とは、幸福とは。出来合いの解答のない人生の問題にぶつかっては悩み、考え抜く等身大の存在。

    それに比べてアンナとヴロンスキーの不倫関係は破滅への一途をたどる。嫉妬心と猜疑心のかたまりになってしまったアンナはヴロンスキーの行動すべてに言いがかりをつけ、もちろん彼もそれに忌々しさを覚えあからさまに鬱陶しがる。決定的に心の通わなくなった二人の間には喧嘩が絶えず、あれほど燃え上がっていたはずの愛はいとも容易く憎しみに変わる。
    彼は私のつらさを理解してくれない、私は寂しくて、私はただ愛されたいだけなのに、と嘆き続けるアンナの自己愛と被害者意識には読んでるこっちも辟易しちゃって、メンヘラ!と一刀両断したくなるね。アンナは別にヴロンスキーじゃなくたって、自分を愛してくれる誰かなら誰でも良かったんじゃないかな。
    これまでずっと優雅で快活で聡明な美貌の女性としてみんなの憧れだった彼女が、こうやって激しく取り乱す様子が書かれて初めて、なんだかようやくアンナという一人の女性の人生に理解の及ぶ距離まで近づけたな、と思った。
    結局カレーニンと離婚もできず、息子とも会えず、ヴロンスキーからは愛想をつかされ、苦しみに耐えられなくなったアンナが復讐の自殺を決意してからはあっという間で、鉄道車両が轟音とともに容赦なくやってきて彼女を暗闇へと永遠に消し去る。

    田舎で堅実に農業をしてあたたかな家庭を築き、悩みつつも平凡な日常に幸福を見出して暮らすリョーヴィン。
    華やかな社交界で劇的な出会いをして激しい不倫に走り、すべてを投げ捨てドラマチックに死んだアンナ。
    とても対照的な人生、いったいどちらが幸せなんだろう?と頬杖ついて考えずにはいられない。
    や、どう考えてもリョーヴィンなのは分かるけど、私は自分の中におそらくアンナが住み着いてることも認めざるを得ない。ドラマチックに生きたい、そしてドラマチックに死にたいという願望はどうしたって無視できないし、貫いて成し遂げたアンナを羨ましくさえ思う。このまま生きてたら鉄道自殺まっしぐらなので、ちょっとこれからの人生考え直さないといけないかもしれないなぁ。
    あるいはリョーヴィンとアンナがくっついたら、という可能性もそれはそれで想像できなくて面白いかもね。

    『家庭生活で何か新しいことを始めるためには、夫婦が完全に反目しあっているか、それともぴったりと和合しているか、いずれかの状況が必須である。夫婦の間がはっきりせず、反目とも和合ともつかない状態のときには、何事も始められない。』
    という地の文では爆笑した。いや本当にその通り。

    なんにせよ読み終えた…長かった…。これから先も続いていく読書人生の山場をまた一つ超えたような気がする。

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    2021年02月17日
  • アンナ・カレーニナ 1

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    読むぞー!と意気込んで全巻まとめて購入したのは何年前だったか、すっかり書棚の番人となっておりましたが、突然のこのタイミングで読み始めることにしました。

    「幸せな家族はどれもみな似ているが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある。」という書き出しが与えるインパクトがいきなり鮮烈だ。
    1870年代ロシアの貴族社会での愛憎劇で、うまく物語に入り込めるか少し不安だったけど全然問題なかった。徹底したリアリズムの小説なので、それこそ登場人物の全員に感情移入しながら読める。
    猛烈な吹雪のなか汽車を降り、追いかけてきたヴロンスキーとアンナが再会、そこに生まれてしまう愛を確信するシーンのなんと美しいことか!今まで読んできた小説でもベスト3に入るほど美しく激しい描写だった。
    禁断の愛に身を落としついには彼との子を孕んでしまったアンナ。その関係が夫にも完全にバレてしまいどうなることか。

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    2021年02月27日
  • 戦争と平和 (四)

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    いよいよ、ロシアがナポレオンとの戦争に突入する。

    作者の歴史感を書き留めておきたい。
    ・人間の中には2面の生がある、その利害が抽象的であればあるほど自由が多くなる個人的な生と人間が予め定められた法則を必然的に果たしている不可抗力な群衆的な生である。
    ・人間は意識的には自分のために生きている。しかし、歴史的、全人類な目的の達成のための無意識的な道具の役をしている。
    ・歴史=人類の無意識的、全体的、群衆的な生
    ・歴史上の偉人はその事件を示すレッテルに他ならず、レッテルと同じように事件そのものとは最も関係が小さい。

    歴史とは抽象化された一面的な解釈である。ある概念を宙吊りにして眺めたとしても真理にたどり着けないことと同様に、あまりにも多くの諸原因の集合的な結果であり、その真相を多くの歴史家は分かったように言うが真実を示すことは不可能である。

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    2020年09月09日
  • 戦争と平和 (三)

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    ネタバレ

    ピエールがフリーメイソンに入信し、愛や美徳の探求を始めるも、どこか方向違いで自堕落な様子が滑稽に思えた。

    対して、親友のアンドレイが多くの真理的なものを心得ていていながらも、世界に絶望感を抱いている様子が対照的な存在としての二人を如実に感じさせた。

    ナターシャが多くの男性から求愛を受ける魅力的な女性として描かれているが、どのような意味を持つのか、奔放さ、無垢さ、溢れ出る生といった事柄が人間の上級の価値だと作者が言っているのだろうかと考えた。

    それにしても、アナトールの誘惑に負けて破滅してしまう運命はやるせない。

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    2020年09月09日
  • 戦争と平和 (二)

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    ネタバレ

    アウステルリッツの戦いで、戦争の描写に移る。

    血気盛んで、祖国のために戦うという盲信さは当時の人々がそうあったのかと想像させられた。

    ベズーホフ伯爵となったピエールを取り巻く、財産目当ての謀略と裏切り、そして地位と財産という当人と分離して見える価値観に翻弄される様に、滑稽さと哀れな感覚を覚えた。

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    2020年09月09日
  • 戦争と平和 (一)

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    ロシアの時代背景を知らなかったため、物語初めのアンナのパーティーや上流社会の人々の会話に入っていけないような感覚があった。

    目的のためなら手段を選ばないドルベツコイ公爵婦人の図々しさが印象的である。

    ピエールの正しい人のようで、何も正しくないような立ち位置が興味深い。

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    2020年09月09日
  • イワン・イリッチの死

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    ネタバレ

    思った以上に現代的、というか、通ずるところがやけにリアルに感じた。

    死ぬ前まで、いや、死んでまでも、分からないこと、気づかない小尾、たくさんあるんあろなー。いろんな本読んで、少しでもいろんな大事なことに気付きたいと思う。すぐ忘れるけど。

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    2020年07月05日
  • 戦争と平和 (三)

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    ネタバレ

    私が読んだのは、新しい「藤沼 貴訳」の方です。
     どうして、みんな、ナターシャが良いのでしょう。どうも、私は、世間知らずなわがまま娘のような気がして、イヤですね。
     マリアやソーニャには、けっこう感情移入して読んでしまいます。マリアは、一生を老いた父と、母のいない甥の世話ために捧げてしまうのでしょうか。ソーニャは、やっぱりニコライとは結婚できないのでしょうか。
     それにしても、アナトールとエレンの兄妹は、本当にイヤなやつです。ピエールとエレンとの結婚生活は、今後、どのようになるのでしょう?
     そして、時代背景的には、ナポレオンのフランス軍とロシア軍との対決が避けられなくなる状況です。4巻は、きっと、この長い物語の起承転結の「転」にあたる部分に入るのではないか、と思います。

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    2024年01月28日
  • 戦争と平和(一)

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    登場人物が多すぎるので一度では掴みきれない。

    いわゆる俗的な幸福とは遠い、世間と隔絶されている所にいる禿山の人々(特にマリヤと老公爵)の場面が頭に入りやすかった。
    マリヤが自分の結婚相手候補に会うとなって、義姉とブリエンヌがはしゃぐ場面のマリヤの心の内がもうそれだけで切ない。

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    2020年04月15日
  • イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ

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    面白い。人の心というものが、現代でもあまり変わっていないのがわかる。トルストイという作家の凄さというのもよく感じられる短編。日本でいうと明治時代ということも加味するとより楽しめる。

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    2020年01月21日
  • 光あるうち光の中を歩め

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    転職後の夏辺りに購入。短いが読後感は爽やかで好き。

    主人公の王様が権力や金等の欲望を楽しむが空しさを感じ、最終的にキリスト教の信者たちが営む小さな村で幸せに暮らす話。トルストイのキリスト教礼賛思想がよく見える。
    ただ、キリスト教を抜きにしても教訓的な話であるので、暖かい気持ちになれる。最後、老人となった主人公がキリスト教の村でぶどう畑に居場所を見つけられず「すべき仕事をするにはもう年を取りすぎた」と泣いた時、別の老人が「別の畑にはあなたも取れるぶどうがある、年齢ではなく気持ちが大事だ」と諭すシーンが特に好き。

    ご都合主義的なストーリーの運びではあるが、これくらいライトな進行の方が読後感もさっぱりしていて良い。またタイトルも素敵。「光あるうち光の中を歩め」なんて題名、キリスト教関係なく不思議な力を持った言葉だと思う。

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    2020年01月14日