トルストイのレビュー一覧
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カレーニンから「許す」と言われた後も、アンナが彼のことを「人でなしの人形!残酷!美点が憎い!」などと激しく罵っていて、最初に読んだときは、なぜ許してもらったのにそこまで怒るのかがよく分からず、二回続けて読んでしまった。
それだけアンナの中には、許されることを素直に受け入れられない、恥や屈辱感があったのが少し理解できた。
今の日本では、自分の思ったことや好きなことを自由に選ぶのが当たり前になっていて、昔のロシア貴族のような身分や世間体によるしがらみは少なくなっていると思う。
そのため、犯罪になるようなことでなければ、自分が恥ずかしいと思うこと自体が減っているようにも感じる。
自分も犯罪を犯すようなことはないけれど、道徳的に正しいとは言えないことをしてしまうこともある。
自由に生きられるからこそ、自分の行動が本当に正しいのかを自分で考えなければならない。難しい。 -
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ネタバレ【イワン・イリイチの死】死を目前にした男の孤独、焦燥、恐怖、怒り、そして絶望。
目の前に当然続いていくと思い込んでいた「人生」という名のレールが、取るに足りない事故によって無慈悲に途絶えんとするとき、自分が選び歩んできた道のり全てが誤ったものに思えて来る――このくだりが特に、読んでいてやたら気持ちが入り込んでしまい辛かった。
襲いくる肉体の痛みに耐え、踏み違えてしまった何かを探し、答えを出せないまま、ただ周囲の人間の上っ面の慰めに苛立つ日々。
夫婦間の軋轢はともかくとして、一見すると公私ともに恵まれた順風満帆な人生が、蓋を返してみれば、虚栄と欺瞞にまみれたものだと気づいてしまう。
「イワン・イリイチは泣きたかったし、誰かに慰められ、泣いてほしかった」
思慮深く要領よく、威厳ある裁判官の、虚勢の奥に隠されたこの思いが、グッと胸をつく。
「死」は、誰とも分かち合えない。
このあたりの容赦の無い心理描写の詰め方が、読み応えがあった。
ラスト、死の直前に訪れた「光」。
息子の泣き声をきっかけとして、もがき苦しむ男が落ちながら見いだした光は、自分のために泣いてくれる者へのあわれみの心――ひいては、彼らが苦しむ理由となっている自身の生の執着を断ち切るしかないという諦念か。
たとえ全ての死に意味が無いとしても、意味があると信じられれば、人は余計な苦しみを背負わず死んでいけるのかもしれない。
そんな感傷を抱かせるのだが、しかし一筋縄ではないところが、物語の書き出し。
彼の壮絶なる葛藤の末の死という結末も、冒頭へとつなげてみれば、何とも形式じみた、あくまで他人事の「死」の一つとして通り過ぎ、世俗的な興味に埋もれていくのだという構造になっていて、何とも言いがたい複雑な気持ちになる。
【クロイツェル・ソナタ】
「愛憎は表裏一体」
とはいうものの、愛は愛でも性愛、そしてそれへの嫌悪感と執着に凝り固まった末の所業。ただひたすらに妻が可哀想…という感想に尽きる。 -
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ネタバレ前巻である程度収拾がついたと思われた人間関係・社交界との関係・価値観の変化がもう一度展開される
リョーヴィンとキティのカップルは、ニコライの死を通じてより一層深い関係になり世間と良い関係を築こうと志す一方で、ヴロンスキーとアンナのカップルは社交界から拒絶されてることを自覚しており、利害関係者・身内だけで世界を閉じてしまった
両カップルと仲の良いドリーは、ヴロンスキー邸で時間を過ごすことで、母親であることの尊さ・善性を再認識する
精神的・観念的な事柄に対する関心はヴロンスキーもリョーヴィンももっているものの、前者はそれを肯定的に見ている一方で、後者はそれを無意味なものとして否定的に見なすという対比があった。さらに、前者は県貴族団長選挙、後者は猟という違いはあれど、妻(に準ずる関係の人)から届いた手紙の内容も対照的に感じた
アンナは、カレーニンに感じていたのと同様に、ヴロンスキーとの関係に不満を覚え始め、彼の愛情がもはや自分には向いていないと想像する
ヴロンスキーとしても彼女に対して不満を覚えはじめるも、それとは反対に彼女の美しさを再認識もする
オブロンスキーだけはずっと楽天的で、物語が重くなりすぎないような役割を果たしているものの、他の登場人物はみな葛藤を抱え、状況に合わせて価値観が変化していく様子はまさにリアリズムという感じ
しかし、解説を見るとわかるように、寓意・比喩が盛り込まれており単なるリアリズム小説には収まらず、トルストイの偉大さを認識する -
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ネタバレ前巻においては夢見がちで彼との結婚を目前に捉えていたアンナと、現実的でカレーニンを現実の障害として捉えていたヴロンスキーの二人が、この巻では逆の立場になる
その点は、農奴解放などで現実を直視せざるを得なくなった貴族の視点と、出世コースに乗ろうと思えば乗れる青年将校の視点の違いが遂に現れたんだと思う
いずれにせよ二人ともどん底には陥るし、実際死にかける
地獄にスキップして向かうか現世をチラチラ見ながら向かうかという程度の違い
一方、絶望的な展開だったキティとリョーヴィンの二人は、オブロンスキーが主催する食事会で再会したことでお互いの気持ちを完全に理解してあっという間に結婚に向かっていく
読んでてバカップルさに気持ち悪くなるくらいには仲良くなってた
リョーヴィンのソロパートに関しても、農民と一緒に農作業するシーンなんかはロシアらしい恍惚感が表現されてて心地よかった
まるで対照的な二組だった
次巻に向けて段々と孤立していくアンナ-ヴロンスキーと、周りのあらゆる人から祝福されるキティ-リョーヴィンが果たしてどういう展開を迎えるのか楽しみ
オブロンスキーはガチのコミュ強
そしてドリーが地味にいいアクセントになってる
この巻の序盤で子供連れて田舎に住むところとかは、非常に和やかな雰囲気で良かった
アンナの義姉でありながら良心をしっかり持ち合わせているから、アンナへの信頼とカレーニンへの同情に板挟みになってるところが読んでて辛くなる -
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再読/1887年『光あるうち光の中を歩め』は、晩年のトルストイ思想が分かりやすく示さた作品である。ドストエフスキー、ツルゲーネフと並び、19世紀ロシア文学を代表する文豪。文学のみならず、政治・社会にも大きな影響を与えた。非暴力主義者としても知られる。1910年82歳没。wiki調べ。
物欲が一時的に満たされても幸福にはなれない、欲には限りがなく心の中は空虚な感情が渦巻いている。他者から奪うのではなく、与える愛こそが幸福に満たされる手段であるとキリストは説いた。主人公のユリウスは改宗までに3度の試しを経て、信仰に目覚めるのだった。1990年購入とページに記載、当時しおり紐はP86で止まる。 -
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ネタバレ『戦争と平和』と並ぶトルストイの代表作
政府高官であるアレクセイ・カレーニンの妻アンナは、兄のオブロンスキーとその妻ドリーの喧嘩を仲裁するためにペテルブルクを訪れたところ、エリート将校であるヴロンスキーに一目惚れする
その一方で、地主貴族でありオブロンスキーの親友でもあるリョーヴィンはオブロンスキーの義妹キティに求婚するも断られていた
この恋敵がヴロンスキーであり、キティも彼を気に入っていたのだが、前述のタイミングでヴロンスキーもアンナに惚れる。それを知り気に病んだキティはドイツに湯治に向かう
あらすじを聞いて分かる通り非常に複雑な人間関係なのだが、主要登場人物に関しては読んでいる内に慣れて特に気にならなかった
特定の状況にしか登場しない人物については、付属の登場人物紹介のしおりも参照しつつメモなど取って読むのがいいと感じた
1巻の時点でそれなりに物語が展開され、リョーヴィン・キティ・ヴロンスキー・アンナらの話がそれぞれ進行していくのだが、トルストイはどうやら人間の感情を描くのが上手で、ロシア文学らしい彼らの感情の激しい変化があるおかげで退屈せずに読めた
アンナとヴロンスキーが、お互いを第一に考え外の世界のことなんか全く気にしたくないような様子である一方、キティとリョーヴィンの二人に関しては、求婚を断り断られた関係であり複雑に思いあっている上に、外の世界に開かれた関係(リョーヴィンは農地で、キティは湯治先で)もあるためそれで心労も感じている様子があった
2巻でさらにどのように物語が展開されるのか楽しみ -
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トルストイズムに触れたくて読んでみたけど、個人的には読みやすかった!
前半は眠くなることしばしば、、という感じだったが、後半慣れてくると章が細かく分かれており、分かりやすく論理が展開されていると思った。
基本なるほどなーと素直に受け取りながら読めたけど、トルストイが説く「自己犠牲の愛」だけは共感できなかったな。
これは自己犠牲に反発を覚える自分の人生経験があるからだと思うけど…彼が印税で稼いだお金を受け取らず奥さんと喧嘩したことを思い出した。
聖書の再解釈ともいえる内容、極端に思える箇所があるかもしれない。けれど、彼が歩んだ人生を通して実感を伴ってたどり着いた思想の極致なのだろうと納得する、血肉の通った言葉たちだった^_^ -
Posted by ブクログ
登場人物を覚えるのが大変!汗
ロシア語って覚えにくい、、けど物語が壮大で意外にサクサク読み進められる。
戦闘シーンは個人的に興味が浅いのか、あまり面白いとは思えなかったけど当時の戦争に対して、それぞれの立場からどのように考えていたかが知れて示唆深い。なんといっても現代を生きる私たちでは理解し得ない感情も、地位や性格含めなるほどだからかと多少納得できたのはとても良い読書体験だった。
戦争をイケナイと考えることはそうだしその通りなんだけど、ここまで深く学ぶことにも人間が同じ過ちを繰り返さないためにもとても意義のあることな気がする。感情的にだけじゃなく、当時の背景を知るって凄い大切なことやな。
次冊も楽しみ!